自然保護の観点から日本学術会議会員の任命拒否に抗議する声明


公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
公益財団法人 日本野鳥の会
理事長 遠藤 孝一
公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン
会長 末吉 竹二郎


私たち3団体は、生物多様性保全や気候変動などの分野で自然を守り、社会に貢献する目的で各分野の研究者の方々とも自由に議論を交わしながら活動してまいりました。今回の日本学術会議会員の任命拒否は、政権が学会及び研究者に圧力をかけていることにほかなりません。このことが自由な議論への圧力ともなり、不要な忖度や萎縮を引き起こし、政策の適切な実施を阻害するおそれがあります。私たち自然保護団体はそのようなことが起こらないことを願い、抗議声明を表明します。

このたび、日本学術会議の会員改選において推薦された候補者のうち6名を、内閣総理大臣が任命拒否したことは、日本学術会議法にもとづく学術会議の独立性を損なうものであり、学問の自由を脅かす政治介入の重大な問題です。
日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的として、政府から独立して職務を行う特別の機関として設立されています。これまでも数多くの勧告や提言などにより社会課題の解決策を示し、各種の政策にも反映させ、科学によって社会を支える支柱的存在を担ってきました。
各種行政機関が主催する審議会や専門家会議とは異なり、真に独立した立場から提言等を行える機関であるという日本学術会議の独立性こそ重要です。
私たちが活動する環境分野においても、気候変動、災害対策、感染症対策、環境教育、エネルギー、国土保全、野生動物管理、生物多様性保全などをテーマにした提言がなされ、科学的根拠をもとに活動する自然保護団体はじめ多くの人々に理論的な拠りどころを示してきました。

このようなことから、政府が日本学術会議に政治介入したことは、日本の健全な自然保護の推進の観点からも見過ごすことができません。学問の自由を保証し、任命を拒否した理由を明らかにし、任命拒否を撤回することを求めます。

以上

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