渡良瀬遊水池の国指定鳥獣保護区とラムサール条約湿地登録の範囲について


要請文 2011年9月16日

環境大臣 細野豪志様

(公財)世界自然保護基金(WWF)ジャパン会長 德川恒孝

拝啓、時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
日頃より、環境保全および自然保護活動へのご理解、ご協力をいただき感謝申し上げます。

さて、最近、環境省は、ラムサール条約湿地登録の国内要件に、法的担保のひとつとして河川法を加えました。これによって、河川整備計画または同計画に相当するものによって、国指定鳥獣保護区設置とあわせて、ラムサール条約湿地として登録することができるようになりました。これは、今後の湿地の保護と賢明な利用にとって大きな進展であり、高く評価したいと存じます。

また、その最初の例として、渡良瀬遊水池が検討されていることも、たいへん歓迎されます。栃木、群馬、埼玉、茨城の4県(4市2町)にまたがる渡良瀬遊水池は、低層湿原としては国内最大級の面積があり、多くの動植物が生育・生息し、生物多様性の宝庫であり、ラムサール条約登録の国際基準を満たしています。同地域が登録されれば、生物多様性の保全とともに、教育や観光などの持続可能な利用も期待され、地元にとっても大きなメリットがあると考えられます。また、河川法にもとづくことから、治水面でも支障はないと思われます。

私たちは、渡良瀬遊水池を国指定鳥獣保護区とし、ラムサール条約湿地として条約事務局に申請する際には、遊水池全域を対象範囲とするように要請したいと存じます。堤防で囲まれた遊水池(堤外地)には、ゴルフ場や公園、史跡(谷中村跡)が含まれていますが、これらを含めて、鳥獣保護区とすることによって、地理的、地形的に一体化した範囲がラムサール条約湿地として価値を持つと考えられます。

ラムサール条約のガイドライン(国際的に重要な湿地のリスト拡充の戦略的枠組み2009年版)では、湿地の境界の設定として「生態学的特徴を維持するのに適した規模で湿地を管理できるような境界であることを認識し、管理面を重視して決定するよう、締約国に奨励する」としています。そのため、堤外地にあり増水時には水没するゴルフ場等も含めることに支障はなく、むしろ遊水池としての一体化が確保されると考えられます。

以上のことから、鳥獣保護区およびラムサール条約湿地としての範囲は、遊水池全域を指定するようにお願いしたいと存じます。
ご高配の程、よろしくお願いいたします。

敬具

この件に関する問い合わせ先
〒105-0014東京都港区芝3-1-14
WWFジャパン自然保護室(担当:花輪)
TEL.03-3769-1711, FAX.03-3769-1717

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