「さかなクンと一緒に、日本と黄海の海を学ぼう」を開催


「黄海(こうかい)」は、朝鮮半島と中国のあいだに広がる海です。広大な大陸棚を持つ黄海は、豊かな海洋生態系に恵まれていますが、同時に、開発や水産物の過剰利用が心配されている場所でもあります。また、黄海でとれる魚介類は、日本の食卓にとっても、欠かせないものとなっています。そんな黄海の自然と、日本とのつながりをテーマにしたイベントが、2012年3月にパナソニックセンター東京でおこなわれました。

黄海ってどんな海?

2012年3月10日~21日には、パネル展「黄海エコリージョン展 ~おとなりの海、黄海について知ろう~」と、「さかなクンイラスト展」が開かれました。

黄海は日本のすぐ隣にある海ですが、あまり日本で知られているとはいえません。「こうかい」と聞くと、アラビア半島とアフリカ大陸の間にある「紅海」を連想する人のほうが多いくらいです。

そこで、「黄海エコリージョン展」では、黄海の風景や、そこにすむ生きもの、人と海とのつながりなどについて、子どもたちにもすぐわかる展示を用意しました。黄海にすむ「アザラシくん」が案内役になって、引き潮になると現れる広大な干潟のことや、人間にとっても、動物にとっても大切な自然であることなどを紹介しました。

また、併設して、おさかな博士として有名な「さかなクン」のイラスト展も公開されました。黄海には、日本の海と共通する生きものもいっぱいいます。

会場には、さかなクンが描いた黄海にすむ魚のイラスト20点が並びました。何でもかんでも食べてしまう大食いの「タラ」や、アシカのような鳴き声を出す「オオニベ」など、生きものたちそれぞれの特徴を絶妙にとらえたさかなクンのイラストに、みんな釘付けでした。

満員御礼のトークショー

週末にあたる3月17日と18日には、さかなクンのトークショーも開かれました。1日に2ステージ、合計4ステージのトークショーは、毎回すべて満席(1回の定員は300名)。多くの方々に「おとなりの海・黄海」をご紹介することができました。

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満員御礼!さかなクンのトークショー

トークの内容は、2日間それぞれに別のテーマが設けられています。17日は「黄海にはこんなにお魚がいっぱい」、翌18日は「黄海と日本の海はつながっていた」です。

カタクチイワシやイイダコ、イカなど、日本でも全国的におなじみの生きものをはじめ、ムツゴロウやアンコウなど、ちょっと変わった魚たちが、日本にも、黄海にもすんでいることを、みんなで楽しく学ぶことができました。

トークショーがおこなわれた2日間には、さかなクンのイラストをもとに作った「「黄海生き物ぬり絵」も用意されていました。子どもたちは、周囲に飾られたさかなクンのイラストを参考にしながら、ぬり絵に挑戦することで、実は複雑な色彩や模様を持っている魚たちの姿を、心に刻んでくれたようです。

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会場となったパナソニックセンター東京

黄海の生物多様性を守るために

WWFは、2002年から、黄海エコリージョンの保全に取り組んでいます。「黄海エコリージョン」とは、黄海、渤海および東シナ海の一部を含めた約46万平方キロの海域で、ひとつながりの生態系を有している地域です。

2007年からは、パナソニック株式会社が単独スポンサーとなり、7年にわたる「黄海エコリージョン支援プロジェクト」が始まりました。今回のパナソニックセンター東京でのイベントも、WWFとパナソニックによる黄海の生物多様性の保全活動の一環として実現しました。

日本のすぐ隣にあって、日本の食卓をも支えている黄海。日本、中国、韓国の3カ国が協力して、沿岸の人々の暮らしとともに、海の生物多様性を守るプロジェクトが進んでいます。

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さかなクンのすばらしいイラストも!

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