『アースアワー2013』、150の国と地域から7,000の都市と町が参加
2013/03/26
2013年3月23日、『アースアワー(Earth Hour)』が地球をぐるりと一周しました。『アースアワー』は、2007年にオーストラリアで地球温暖化の防止を訴えるために始まったイベントです。世界各地の自治体や企業、個人が、現地時間の午後8時30分から9時30分までの1時間照明を消すことにより、「地球の環境を守りたい」という思いをアピールします。WWFジャパンでも、日本での参加を呼びかけ、東京タワーではイベントを実施。また、例年にならい、冒頭の1分間には東日本大震災の被災地に向け、黙とうを捧げました。
地球上で消灯のバトンタッチ
今年2013年は、150以上の国と地域から、7,000以上の都市と町が参加しました。『アースアワー』は日付変更線に隣接した南太平洋のサモアでスタートし、順次、現地時間の午後8時30分を迎えた地域で照明を消していきます。
いわば消灯のバトンを、東から西に向かって渡していくわけです。そして地球を一周した消灯アクションは、世界でいちばん遅く午後8時30分を迎える南太平洋のクック諸島で終わります。
『アースアワー』の起点および終点となる南太平洋諸国は、気候変動の影響をもっとも顕著に受けている国々という意味で、このキャンペーンの象徴的存在でもあります。
このアースアワーに参加する国と地域は年々増加しており、いまや世界最大規模の環境キャンペーンに成長しました。
2013年はロシアのプーチン大統領が参加を表明してクレムリンや赤の広場が消灯したこと、サッカーのスター選手リオネル・メッシ氏が参加を呼びかけたことなどが大きな話題となりました。
また、『アースアワー』を機会に、実際の環境保全に取り組む自治体や団体も増えてきています。
WWFインターナショナルのジム・リープ事務局長は、『アースアワー2013』終了に際し、
「『アースアワー』は、世界中の多様なバックグラウンドをもつ人々が、一丸となって地球環境の現状を憂慮し、アクションを起こすことを宣言する機会です。力をあわせれば、世界を変えることができるのです」とのコメントを発表しています。
被災地への祈りとミラーボール
日本でも、各地を代表するランドマークをはじめ、昨年2012年に比べて150以上も多い、382の事業所が『アースアワー』に参加しました。
また、広島市の全面協力により、市内の施設や企業多数が消灯アクションをおこないました。
さらに日本の『アースアワー』のプラットフォームである公式Facebookページには、個人で参加された多くの方々が、さまざまな趣向を凝らした写真を投稿してくださいました。
写真からは、キャンドルを灯して静かで豊かな時間を過ごす様子や、サポーターの方々が独自に企画されたイベントの様子などがうかがえます。
さらに2013年は、WWFジャパンとアーティスト集団「ミラーボーラー」によるコラボイベント『アースアワー2013×ミラーボーラー@東京タワー』を開催し、多くの方々にご来場いただきました。
「ミラーボーラー」がアースアワーのために制作した『EGG OF EARTH』は、たくさんのミラーボールと緑の地球が包まれた卵型の枠に、6台の発電装置付き自転車が接続された大型インスタレーション。
自転車をこぐとそのパワーで発電し、ミラーボールが無数の光を発します。午後8時30分の東京タワーの消灯とともに、美しく浮かび上がったミラーボールの光に、歓声が上がりました。
そして、60分間の冒頭の1分間、例年にならって、東日本大震災の被災地復興を願い、黙とうを捧げました。
来年2014年のアースアワーは、3月29日(土)に開催されます。たくさんのご参加をお待ちしております。








世界各国でのアースアワー2013関連ニュース
ロシア | プーチン大統領がアースアワー参加を表明。大統領府のあるクレムリンが初めて消灯アクションに参加した。また赤の広場、聖ワシリイ大聖堂などの照明も消された。 森林伐採に関する法改正を求める署名に10万人以上が参加した。 宇宙飛行士のロマン・ロマネンコが宇宙からビデオ・メッセージを送った。 |
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中国 | 人気の高い6つのソーシャルメディアサイト(1日のユーザー合計2億人)がシャットダウン。 |
チュニジア | 2013年が初参加。モンセフ・マルズーキ大統領がアースアワーの開始を宣言した。ジャスミン革命の象徴ともいえるハビーブ・ブルギーバ通りに、政府のエネルギー管理庁とチュニジア・スカウツ、WWFが集まってアースアワーを祝った。 |
カナダ | バンクーバーが「第1回アースアワー・シティチャレンジ」によって「グローバル・アースアワー・キャピタル」に選定。2020年までにすべての建物がカーボンニュートラルに運営されること、市民が移動手段の50%を徒歩、自転車、公共交通機関とすること、グリーン・ジョブを倍増させることを目標としている。 |
マダガスカル | 2013年2月の大型サイクロン「ハルナ」の被災者に、熱効率がよく石炭や木材の使用量を抑えられる調理用コンロ1000台を贈った。 |
インド | 電気が不通の村々に太陽光発電装置が設置された。 |
リビア | アースアワーを記念し、ガリヤンから首都トリポリまで80kmのウォークを行った。 |
国際連合(UN) | 潘基文事務総長がアースアワーの参加と温暖化へのアクションを表明するコメントを発表した。 |
アースアワー2013の主な参加状況
世界各国の主なランドマーク |
≪アジア≫ ≪オセアニア≫ ≪中東≫ ≪ヨーロッパ≫ ≪アフリカ≫ ≪アメリカ≫ |
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日本国内の主なランドマーク | 五稜郭タワー(北海道)、東京タワー(東京都)、横浜マリンタワー(神奈川県)、東山スカイタワー、ツインアート138(以上、愛知県)、京都タワー(京都府)、原爆ドーム、原爆の子の像、広島城(以上、広島県)、大洲城(愛媛県)、福岡タワー(福岡県)、別府タワー(大分県)...など |
2013年に初参加の国と地域 | パレスチナ、スリナム、ルワンダ、チュニジア |
著名人の参加者 | ネルソン・マンデラ(政治家)、リオネル・メッシ(サッカー選手)、オノ・ヨーコ(アーティスト)、アミターブ・バッチャン(俳優)、ジェシカ・アルバ(女優、アースアワー2013大使)、イモージェン・ヒープ(歌手)、McFLY(バンド)...など |
- 「アースアワー2013」公式Facebookページ
- Earth Hour Japan 「アースアワー2013」について
- 世界のアースアワー(WWFインターナショナルのサイト/英語)