被災地南三陸で、子どもたちのシュノーケル観察会を実施


東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町の志津川湾にて、2013年9月7日、「南三陸シュノーケル観察会2013」を実施しました。地域の方々との協力のもと、2012年に続き、2回目の開催となった今回の観察会は、参加枠を小学4年生~高校生まで拡大して実施。27名もの子どもたちに地元の海の素晴らしさを、より深く理解してもらう機会となりました。

震災から2年 新しい水産業のありかたをめざして

ギンザケやカキ、ホタテやワカメなどの養殖業が盛んな宮城県南三陸町。志津川湾を囲むように志津川地区・歌津地区・入谷地区・戸倉地区と4つの地区から形成されるこの町は、2011年3月の東日本大震災で、大津波による甚大な被害を受けました。

その中の一つ、戸倉地区にある宮城県漁協戸倉出張所では今、持続可能な水産業を目指した活動が進められています。

大きな被害を受けた地元の基幹産業である水産業を、震災前そのままの状態に戻すのではなく、震災をきっかけとして、海の環境に配慮した新しい養殖のあり方を模索し、その実現に向けた取り組みを行なっているのです。

WWFジャパンもそうした戸倉の取り組みを、震災以降支援してきました。

また、その一環として、2012年から未来を担う子どもたちを対象に、地域の関係者の方々と協力して、シュノーケル観察会を開催。地元の海の素晴らしさを感じ、理解を深めてもらうための試みを行なってきました。

2年目を迎えたシュノーケル観察会

戸倉地区の小中学校では、実は震災前から、子どもたちが海に親しめるように、と海の学習に力を入れていました。

小学校では磯遊び、中学校ではワカメ養殖を種付けから収穫まで実施するなど、海の恵みを体感する機会を作り、大切にしてきたのです。

実はシュノーケル観察会についても、震災前に戸倉中学校で実施が予定されていました。

しかし、震災によりその予定は頓挫。さまざまな困難が続く中で、中学校での実施自体も難しくなりました。

そうした中、元戸倉中学校の教頭先生からWWFに「学校ではできなくても、子どもたちに地元の海でシュノーケルを体験してもらいたい」というお話を受けました。

そして2012年、初めて「南三陸シュノーケル観察会」が実現しました。参加したのは、南三陸町の戸倉地区に住む中学生2~3年生、計9名。地元の海の素晴らしさを、より深く理解してもらう参加してもらう機会となりました。

そして、2年目となる2013年は、規模をさらに拡大して実施。参加対象も、小学4年生~高校生まで拡大し、27名もの子どもたちの参加を得て、9月7日に開催の運びとなりました。

子どもたちが見た海

今回の観察会では、新たな企画として、子どもたちが水中カメラを持って海に入り、自らの視点で海中の様子を撮影する、という試みを実施しました。

場所は、志津川湾の合羽沢。シュノーケルの指導に戸倉地域の漁業者5名の方があたってくださったほか、15名のスタッフと見学の保護者の方が立ち会う、地域に根ざした賑やかなイベントとなりました。

そして、子どもたちは、直前まで心配された悪天候にもめげず、魚や海藻類、ウニや巻貝など、さまざまな生き物や自然を前に、元気いっぱい、1時間にわたり海中を観察しました。

その後、宮城県漁協の戸倉出張所にある学習ルームにて、WWFスタッフより30分の勉強会をクイズ形式で実施。さらに、自分たちが海で撮影してきた写真を使った、壁紙新聞作りに挑戦してもらいました。

自然と調和し、資源を使い尽くさずに人が生きる「持続可能な社会」。それを築くためには、文字通り途絶えることのない継続的な地域の取り組みと、何よりも未来を担う子どもたちの学びが大切です。

今回の観察会についても、特定非営利活動法人 三陸ボランティアダイバーズ、宮城ダイビングサービスハイブリッジ、一般社団法人 震災復興支援協会 つながり、南三陸町ネイチャーセンター準備室など、地域の復興を担うさまざまな関係者のご協力を仰ぎ、開催することができました。今後もこうした取り組みが、地元で継続されることが期待されます。

震災から2年。WWFはこれからも、震災の復興支援を通じた、持続可能な海の環境保全に取り組んでゆきます。

子供たちの作った壁紙新聞

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