「自然共生型発電所」の情報提供のお願い

この記事のポイント
WWFジャパンでは、ネイチャーポジティブの考え方を取り入れた「自然共生型(環境調和型)の発電所」の事例情報を募集します。近年は、太陽光発電開発による自然環境への影響が懸念されています。一方、海外では、発電所という閉鎖的な空間をうまく活用し、むしろ自然環境を維持・回復する取り組みが始まっています。しかし、日本国内では同様の取組みが行なわれていても、十分には情報が共有されていません。皆様がご存じの事例や取り組みについて、ぜひ情報をお寄せください。
目次

自然共生型の発電所とは

近年、日本では、山林を切り開いたり、湿地を埋め立てるといった、自然環境を壊すような一部の発電事業開発が問題となっています。

再生可能エネルギーの普及拡大は重要ですが、既存の自然環境を大きく毀損するような行為は、環境問題の解決策としては、本末転倒です。そのため、自然環境を大きく傷つけることなく、発電所を建設していくことが必要です。

こうしたなか、海外では、もう一歩進んだ考えのもと、発電事業が進められています。それは“発電施設内を自然維持・回復の場”として活用するものです。

通常、発電所は、保安上の理由から防護柵で囲われており、人の出入りが制限されています。こうした人為的影響を受けにくい環境が、むしろ自然を共生させ、回復させる場として適しているという考えです。

従来、そこに生息している在来植生で敷地を被覆したり、さらには蜜源植物を増やすことで、ポリネーター(蜂などの媒介昆虫)を誘導して、周辺農業への貢献(自然受粉の手助け)を狙うなどの模索もされています。

敷地内での在来自然植生の回復はもちろん、昆虫や小動物まで含めた動植生の繋がりに配慮して管理することで、施設内に局所的な生態系を創出する

敷地内での在来自然植生の回復はもちろん、昆虫や小動物まで含めた動植生の繋がりに配慮して管理することで、施設内に局所的な生態系を創出する

このように、建設にあたり自然を損なうことなく、同時に自然環境(あるいは周辺環境を向上させる仕組み)を併設した発電所はConservoltaic (英語のConservation:保全+Photovoltaic:太陽光発電 の造語)などと呼ばれ、昨今は、日本でも“自然共生型の発電所”などと呼ばれています。

日本にどの程度の事例があるか不明

日本では、2012年に開始したFIT制度以降、太陽発電所が急速に拡大してきました。その数は、商業用でおよそ約71万施設に及びます(※1)。

※1 経産省,FIT/FIP公開情報より(2025年9月時点の情報。家庭用を除く10kW以上の新規導入分の703,797件と移行分9,805件の総計)

発電所の規模(面積)が比較的大きな、高圧規模の事業数だけに限定しても約4万施設が存在します。

こうした中には、企画段階や地域との合意形成(対話・調整)の過程で、特に自然環境への配慮をしっかりと組み込んだ、いわゆる自然共生型の取組みが存在する可能性があります。しかし、こうした動きはごく一部であり、情報として公表されている件数は極めて少ないのが現状です。

南北に長く、動植生や風土が地域によって異なる日本では、求められる自然配慮の対策も一様ではありません。各地において、人知れずチャレンジしている事例があれば、そのノウハウや知見は、今後の自然共生型の発電所の普及に大きな手助けとなります。

“ひょっとすると自然共生型かも”の情報を

「気候変動対策」と「生物多様性保全」の両立が求められている現在において、自然共生型の発電所は、1つの解決策になる可能性があります。
そこで、WWFジャパンでは、関連する情報を募集いたします。
募集する情報は、以下[1-1]~[1-4]、[2-1]の計5種類です。

《募集情報》

【1】    荒廃地や人工地に建設された太陽光発電所内、もしくは既存の太陽光発電所をリプレイス(改修)した太陽光発電所内で、

[1-1]在来種を主とした植生管理をしている事例
[1-2]在来種の動物(昆虫類、爬虫類、両生類、鳥類、哺乳類など)の敷地内での定着を目的とした人為的環境 (例:湿地,多孔質の石材等による水路・法面ほか)を創出している事例
[1-3]小動物(哺乳類など)の敷地内での移動を容易とするパスウェイを設置している事例
[1-4]防護柵に周辺景観との親和性を図るための植被、植生を配置している事例

 

【2】    中山間地域(里地)の太陽光発電所内で(都市部や林地を改変した発電所は除く)、

[2-1]複数年にわたり養蜂箱の設置をしている事例
     (※ 以前から発電所周辺で養蜂事業を行っており、発電所内に移設した事例に限る)

 

《連絡先》

《注意点》

  • 上記の[1-1]~[1-4]で収集する情報については、“発電所建設前の従前の立地が、荒廃地(耕作放棄地、植生管理されず放置されていた土地など)、人工改変地(例:工場跡地、宅地跡地、スキー場・ゴルフ場跡地など、すでに土地改変がされている土地)”に限定されます
  • 建設にあたり森林伐採を伴う、従前の立地が林地や自然度の高い草地・湿地などでの事例は、情報収集の対象ではありませんので、ご了承ください
  • 募集する情報は太陽光発電を想定していますが、上記の条件に当てはまる場合、その他の再生可能エネルギー(例:陸上風力)に関する事例もお寄せください。
  • 情報提供の件数が多い場合、すべての情報提供への回答ができない可能性がございます。あらかじめ、ご了承いただけますようお願いいたします。

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