ASC認証取得に関心のある生産者の方へ


ASCの養殖認証は自然環境と社会・労働問題に配慮した養殖を認証する制度です。オランダに本部のある「水産養殖管理協議会(ASC:Aquaculture Stewardship Council)」が管理する「責任ある養殖のための原則と基準」に基づき、養殖業を第三者の認証機関が認証し、その水産物にはASCの認証マークが与えられます。

ASC養殖認証とは?

養殖業の急速な拡大とともに、環境汚染、生態系のかく乱、エサ魚資源の枯渇などの環境問題にくわえ、劣悪な労働環境や周辺地域との軋轢など社会問題が表面化してきました。増大する世界人口の食糧を安定的に確保し、持続可能な産業として維持発展するためには、自然環境と社会に対し責任ある管理運営が求められます。

ASCの認証マークが水産物に付けることで、生産者の自然環境と社会に対する努力を消費者に分かりやすく伝え、また消費者がそれらの水産物を積極的に選択することで、責任ある養殖業を支えることに繋がるのです。

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何がどう審査されるの?

原則と基準

ASCはティラピア、パンガシウス(ナマズ類)、アワビ、二枚貝(ホタテ、カキ、ハマグリ、ムール貝)、エビ、淡水マス、サケ、ブリ・スギ類の8つの魚種(品目)に対し、その養殖形態に応じて個別の原則と基準を設けています。

ASCの原則(概要)

  1. 法令順守(許認可等を含む)
  2. 自然環境および生物多様性への影響の低減
    ・ 底質および水質をモニタリングし、一定基準を上回らないよう管理する
    ・ 絶滅危惧種や脆弱な生態系への悪影響が及ばないよう管理する
    ・ 食害防止のための駆除作業は所定の手順に従う、など
  3. 天然個体群への影響の軽減
    ・ 養殖を通じた寄生虫や病原体の野生個体への感染拡大を防ぐ
    ・ 養殖個体の野外への逃げ出しを防止する
    ・ 外来種や人工種苗の養殖は一定の条件を満たさない限り認めない、など
  4. 飼料、廃棄物、化学薬品等の適切な管理
    ・ 飼料原料はトレーサビリティーを確保し、絶滅危惧種由来の原料は用いない
    ・ 魚粉魚油の配合比率は一定の基準値以下とすること
    ・ 廃棄物のリサイクルを進め適正に処理すること
    ・ 生態系に影響を与える化学薬品を使用してはならない、など
  5. 病害虫の適切な管理
    ・ 有資格者による定期検診や病害虫の管理計画を実施する
    ・ 人の健康に影響を与える恐れのある化学薬品は使用しない
    ・ 病害虫の発生および処方を記録し、監督機関に報告すること、など
  6. 責任ある管理運営
    ・ 公平で衛生的な職場環境、賃金体系で運営すること
  7. 地域社会との調和
    ・ 地域社会との定期的な情報交換を行い、問題の解決に努めること

原則および基準は魚種(品目)によって異なります。詳しくは以下を参照してください。 また、上記の8魚種(品目)以外については、ASCの養殖認証の対象とはなりません(2013年現在)。

自己診断と審査

ASCの養殖認証は第三者の認証機関が行います。認証審査に先立ち、認証を取得したい生産団体(申請者)は、ASCのウェブサイトに掲載される魚種(品目)ごとのチェックリストを用い、認証基準に沿った審査項目を満たすための書類、データが揃っていることを自ら確認します。

審査では、資料などを提示し、養殖業がASC認証基準の全てを満たしているかどうかが専門家によって審査されます。この過程は非公開で行われ、審査を受けたかどうかは、申請者自らが公開しない限り、第三者に知られることはありません。審査結果はASCのウェブサイトで一定期間公開され、一般からの意見を募集し、最終確認を行った後、ASCの養殖認証が与えられます。
認証を受けた養殖業は、認証機関による年次監査を受けることになります。また認証の有効期間は3年で、認証を継続して受けるには3年ごとに審査を受ける必要があります。

ASCの養殖認証にかかる費用

ASCの養殖認証にかかる費用は養殖場の規模や魚種によってことなるので、一概にはいえません。また同じ養殖業でも認証機関によって費用が異なるでしょう。複数の認証機関にとることをおすすめします。

認証機関はASCとは異なる認定機関ASI(Accreditation Service International)によって認定され、ASIのウェブサイトで一覧が公開されています。

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