G7閉幕:気候変動問題に関するリーダーシップを示せなかった日本


5月26~27日、日本の伊勢志摩において開催されたG7サミットが閉幕した。

WWFジャパンは、同サミットの首脳宣言が、パリ協定の早期批准を各国に対して呼びかけ、2016年内の発効を目指すという形で、パリ協定とそれをめぐる交渉が生み出した国際的な「モメンタム(勢い)」を維持しようとしたことを歓迎する。

しかし同時に、サミットの議長国である日本が、そのメッセージと裏腹に、国の内外において積極的な姿勢を打ち出せていないことに深い懸念を覚える。

特に問題であるのは、日本の石炭技術に関する姿勢である。

国内では、石炭火力発電所の異常な増加傾向があるにもかかわらず、対策が業界による自主的な対策に任されてしまっている。気候変動対策の緊急性を考えれば、自主的な取り組みでうまくいくのかを待つ余裕はなく、早急に、規制的措置(発電所のCO2排出基準もしくは排出量取引制度)の導入が検討されるべきである。

海外に向けては、「高効率な」石炭火力発電所技術の輸出が、石炭利用拡大が進む途上国においては環境貢献につながるとして、その推進を行っている。その支援額は、G7諸国の中でも群を抜いて1位である。しかし、現状の石炭火発の増加傾向は、たとえそれが全て「高効率」になったとしても、パリ協定の「2℃未満」目標と相いれないということは、WWFが委託した研究報告でもすでに明らかである。日本が第1に重視するべきは、再生可能エネルギーへの転換であるべきである。再生エネへの転換も、決して容易ではないが、逆にそうであるからこそ、日本が、優先分野として支援するべきである。

こうした日本の、脱炭素化潮流に反する姿勢が、今回のG7の結果にも影を落とした。

また、今回の首脳宣言において、「2020 年の期限に十分に先立って今世紀半ばの温室効果ガス低排出型発展のための長期戦略を策定し、通報することにコミットする」という合意がされたことを受けて、日本でも、早急に長期的な「脱炭素化」に向けた戦略計画が策定されなければならない。日本はすでに、地球温暖化対策計画の中でも、温室効果ガス排出量を「2050年までに80%削減する」という長期目標を持っているが、今後は、そこへの道筋を描く作業を進め、期限である2020年よりも早く、国連気候変動枠組条約へと提出するべきである。

最後に、首脳宣言通り、速やかに、パリ協定批准の手続きを開始することを要請する。

参考:

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WWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン) 気候変動・エネルギーグループ

〒105-0014 東京都港区芝3-1-14 日本生命赤羽橋ビル6F
Tel: 03-3769-3509 / Fax: 03-3769-1717 / Email: climatechange@wwf.or.jp

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