APP社、APRIL社関連問題 情報まとめ(2003年~2010年)


  • かつて手付かずだったトラ、オランウータン、ゾウの楽園がAPP/SMGの組織的な標的に(2010年12月14日)
  • 環境配慮はポーズだけ? APP社がLEI森林認証を取得(2009年12月9日)
  • インドネシアのNGOのコメント:「LEI認証付きでも、APP社の紙製品は持続可能とは言えない」(2009年11月19日)
  • APP社の森林破壊に世界が抗議(2009年9月24日)
  • 【関連資料】APP/シナール・マスの伐採許可地での火災が地域での煙霧問題を悪化させ、新しい国連生物圏保護区を危機に曝している(仮訳)(2009年7月27日)
  • 【関連資料】IUCN・SSCのサイモン・スチュアート博士がインドネシアのカバン林業大臣およびAPP社テグー・ウィジャヤ最高責任者に送った手紙(仮訳)(2009年7月3日)
  • 【関連資料】IUCN・SSC霊長類専門家グループを代表して、ラッセル・ミッタマイヤー博士が、コバン林業大臣とウィジャヤAPP最高責任者に宛てた書簡(仮訳)(2009年6月16日)
  • 【関連資料】オーストラリア・オランウータン・プロジェクトが、APP社のウィジャヤ最高経営責任者に送った手紙(仮訳)(2009年6月10日)
  • APP、野生復帰したスマトラオランウータンの森も破壊(2009年6月12日)
  • APP社がまたも乱伐!スマトラの森林が危機に(2008年1月16日)
  • 関連資料:APP社の自然林伐採、地域住民と貴重な野生生物にさらなる脅威(2008年1月8日)
  • 関連資料:APP Forest Clearing in Bukit Tigapuluh Threatens Lives of Local Communities and Sumatra's Endangered Species(2008年1月8日)
  • 中国のビジネスに影響!APPインドネシアの森林管理(2007年11月30日)
  • 審査機関が「逆認定」!APP社の森林破壊明らかに(2007年2月14日)
  • スマトラ島から熱帯林が消える!APP社の森林伐採(2006年10月27日)
  • コピー用紙はどこから来る? 自然林の破壊続けるAPP(2006年7月21日)
  • 【関連情報】APP、保護価値の高い森林の保全を約束せず(2006年7月11日)
  • 紙とヤシ油がリアウ州の森林の将来を握る 「アイズ・オン・ザ・フォレスト」最新レポートより(2006年4月27日)
  • 「植林許可」が自然の森の伐採を呼ぶ!伐採の一時停止を求め、「アイズ・オン・ザ・フォレスト」が声明を発表(2005年7月29日)
  • その数、2,800カ所!多発するインドネシア・リアウ州の森林火災を追う(2005年4月14日)
  • ポーズか?それとも本物か? APPがスマトラの森林保全を発表(2004年10月12日)
  • 違法な木材の供給をSTOP!APP のビジネスパートナーに対し取引の再考を求めるポジションステートメントを発表(2004年8月4日)
  • 密猟と生息地破壊により、絶滅の淵に立つスマトラトラ(2004年3月16日)
  • APPの"持続的木材供給アクションプラン"は自然林保護に不十分(2004年2月20日)
  • WWFとAPP、スマトラ島の適切な森林管理に向けて合意(2003年8月19日)

かつて手付かずだったトラ、オランウータン、ゾウの楽園がAPP/SMGの組織的な標的に(2010年12月14日)

世界で森林減少が最も急速に進むインドネシア、スマトラ島中部。貴重な自然林の破壊が後を絶たないこの地で、巨大製紙企業APP(アジアパルプアンドペーパー)社とその関連企業による森林伐採が依然として続いていることが報告されました。

伐採の標的は政府間プロジェクトの優先保護地域

伐採の標的とされているブキ・ティガプルは、一度はこの地域から姿を消したオランウータンの再導入が、世界で初めて成功した地域として知られています。

これに加えて近年では、温室効果ガスの排出対策として、森林保全を進める政府間プロジェクトの実施候補地となり、また、絶滅のおそれのある野生のトラの保護、回復のための国際的プログラムで、優先的に保護されるべき地域として指定され、インドネシア政府にも認知されている地域です。

希少種の保護、生物多様性保全、地球規模の気候変動問題などから、ますます重要視されるスマトラ島の森林。

それにも関わらず、止まらないAPP社の森林伐採問題について、WWFとアイズ・オン・ザ・フォレスト(Eyes on the Forest)など複数のNGOは、2010年12月14日、新たな報告書を発表しました。

報告書

共同記者発表資料

スマトラの森は、先住民オラン・リンバとタラン・ママクの最後の居住地である

KKIワルシ(KKI Warsi)、フランクフルト動物学協会(FZS)、アイズ・オン・ザ・フォレスト(Eyes on the Forest:EoF)、WWFインドネシア

【インドネシア スマトラ島 ジャンビ州発】国際的な科学者によって、トラの生存に重要な世界20地域の1つに挙げられている森林が、世界最大級の製紙企業の1つであるシナール・マス・グループのアジアパルプアンドペーパー社 (APP/SMG、 以下『APP社』と表記)によって組織的にパルプ製造の標的にされている。これは、質が高い森林および保護価値の高い森林を伐採の対象にはせず、カーボンフットプリントはニュートラルに近いというAPP社の主張に反している。

スマトラ中央部で活動する地元NGOの調査によれば、2004年からAPP社の関連会社が、組織的にブキ・ティガプル(Bukit Tigapuluh)の自然林で、伐採事業が休止している択伐使用権設定地を探してきていることがわかった。同社は、時には法的に疑わしい状況で、この使用権を産業植林へと変更する権利を、インドネシア政府から得た。これは、この自然林を皆伐し産業植林地への転換を可能にするものだ。このような自然林の転換によって、ゾウ、トラ、オランウータン、何世紀もわたってこの森に暮らしてきた先住民が居住地を失うことになる。

「質の高い森林をパルプにしないとAPP社は主張するが、我々の調査では、過去6年にわたり、同社はこの地域だけで、約60,000ヘクタールの炭素を豊富に含む、保護価値の高い森林を、適切な専門的調査または利害関係者による協議なしに消滅させることに関わったが判明した」とアイズ・オン・ザ・フォレストのスサント・カーニアワン(Susanto Kurniawan)は述べる。「ブキ・ティガプルは、スマトラ中央部にわずかに残る熱帯雨林の1つである。そのため、我々は政府に対して、際限なく伐採を行ない地域のコミュニティーと生物多様性を破壊するであろうAPP社にブキ・ティガプルを渡さないように要求する」

ブキ・ティガプルは、森に暮らす2部族の先住民の居住地でもある。551人のオラン・リンバ(Orang Rimba)族、165人のタラン・ママク(Talang Mamak)族がこの森に暮らし、どちらもスマトラ中央部以外には住んでいない。オラン・リンバ族は、何世紀にもわたりブキ・ティガプルのジャングルに住み、結束の強い家族を単位として森の中で移動しながら、狩猟や漁、木材以外の林産物を伝統的な土地で採集している。

「この先住民族は時折、森の辺境の村々で物品を交換するが、総じて自分たちだけの自立した生活を好む」とワルシ(Warsi)のデキ・クルニアワン(Diki Kurniawan)は語る。「彼らはAPP社やその他の企業によって祖先より伝わる土地から追われ、生活の選択肢を失いつつある。彼らは、村人たちと交換する薬、食料、住居、作物を森林に依存している。今や彼らの多くは、生きるために米の施しを乞わねばならない」

スマトラ中央部のブキ・ティガプルにある「世界優先トラ保護地域(Global Priority Tiger Conservation Landscape)」は、2006年にトラの専門家によって、野生での長期的なトラの生存に重要な20の地域の1つであると判断された。2010年11月には、インドネシア政府は世界トラサミットで、同地域をトラ保護のための重点地域の1つにすると宣言した。

2010年、ブキ・ティガプルは約320,000ヘクタールの自然林を擁し、残されたスマトラ島の非泥炭地の低地林では、最大である。ここには、30頭のトラが生き残っていると推測され、これは絶滅の危機に瀕する野生のスマトラトラの約10パーセントにあたる。この森林には、トラ以外にも150頭以上のスマトラゾウと、スマトラオランウータンの唯一成功している再導入プログラムの一部として、この森に放された130頭が生息する。

「インドネシア政府と協力して、パース動物園(Perth Zoo)のタマラ(Tamara)を含め、100頭以上のオランウータンがこの森林に放されたのは、ここが状態の良い保護された森林だと思われたからだ」とフランクフルト動物学協会(Frankfurt Zoological Society (FZS))のジュリス・パオロ・シレガー(Julius Paolo Siregar)氏は語る。「この類人猿は、押収された違法なペット取引から生き残った動物で、やっと野生で生活し再び繁殖する機会を得た。オランウータンは樹木がなくては生きられず、森林の転換計画はこの類人猿の多くにとって確実な死を意味する」

この地域は遠隔地にあり傾斜が急であったために、これまで開発されてこなかったのだが、スマトラで森林伐採された多くの地域と同様に、紙・パルプ産業がここに目をつけはじめた。現在ではこの地域に残る森林は、わずか42パーセント(134,834ヘクタール、ほとんどが丘陵地帯)が、ブキ・ティガプル国立公園として保護されている。今後の起こりうる自然林消失の評価では、APP社はブキ・ティガプルにおいて唯一かつ最大の自然林の破壊者になり、国立公園外に残っている森林の60パーセント近く、約97,000ヘクタールにもおよぶ森林に、APP社による紙・パルプ製造のための大規模な商業用転換の危機が迫っていると結論付けている。

2つのAPP社の関連会社である、PT. Artelindo Wiratama 社とPT. Tebo Multiagro Corporationy社は、2010年にブキ・ティガプルの自然林を伐採し続け、シナール・マス・グループのPT. Rimba Hutani Mas社は、43,000ヘクタール近くもの自然林の伐採を計画している。バリトー・パシフィックグループ(Barito Pacific Group) のPT.Letsari Asri Jayaが、最近取得した自然林約36,000ヘクタールを含む土地を産業植林にする許可により、近い将来APP社に木材を供給するために、皆伐を始めるのではないかということをNGO連合は懸念している。

紙・パルプ業界同様に、トラ、ゾウ、オランウータンは丘陵地よりも平地を好み、森林を伐採するために入ってくるブルドーザの通り道に入り込む。生き残った動物たちも、その後プランテーションの労働者、不法侵入者および密猟者との衝突の脅威にさらされる。合法性の疑わしいAPP社の林道建設などにより、アクセスが良くなると、彼らはそれを使って森に入るのだ。

すでに地元の政府およびNGOは、持続可能な土地利用を目指して2009年5月に「ブキ・ティガプル生態系保全実施計画(Bukit Tigapuluh Ecosystem Conservation Implementation Plan)」を策定している。これは、持続可能な低炭素型の経済を基礎とし、生物多様性の保全と地域コミュニティーの福利を支援する。ジャンビ州(Jambi Province)は、すでに国内で最初のREDDプラスを試験的に実施する州としての申請を行なっており、多くの意思決定者がブキ・ティガプル国立公園拡大に合意している。しかしAPP社は伐採を続けている。

「この地域に残るできるだけ多くの自然林が、国立公園の拡大や生態系の回復を目的とした森林利用権により保護され、これ以上自然林を転換する伐採権が発行、履行されないようにすることが急務だ」とWWFインドネシアのアディタヤ・バユナンダは語る。「ブキ・ティガプルは、ノルウェー政府とインドネシア政府の気候変動に関する合意の重要な試金石である。我々は、インドネシア政府が自然林と泥炭地の転換を一時的に停止する措置をとることを提案している。これはノルウェーとの合意の中で、ブキ・ティガプルを含めて全ての森林について既に約束されたことである。我々には、インドネシア政府がこの森林とインドネシアの自然遺産を保護する道を見いだすことを支援する準備がある」

Notes to Editors:

本レポートは、以下よりで入手可能。

本レポートは、同地域の森林伐採地図および写真などを含めて、グーグルアースの地理参考資料で裏づけされた証拠に基づく。資料は、以下のウェブサイトで公表。

ブキ・ティガプルについての2009年の共同リリースは以下のウェブサイトより。

2007年にAPP社関連企業は、違法と思われる林道および丸太搬出用道路を新たに建設した。これはブキ・ティガプルを分断し、保護価値の高い森林の中に、環境的影響調査を行うことなく建設された。この道を通って、これまでこの森を利用することのなかった侵入者や密猟者が同森林地区に入るようになったため、同森林地区は深刻な損害を受けている。

For further information, please contact:

Susanto Kurniawan (EoF) : +628127631775 / santo@jikalahari.or.id
Diki Kurniawan (KKI Warsi) : +628127407730 / dicky@warsi.or.id
Julius Paolo Siregar (FZS) : +6281380656556 / combi_regs@yahoo.co.id
Aditya Bayunanda (WWF-Indonesia) : +62818265588 / abayunanda@wwf.or.id


環境配慮はポーズだけ? APP社がLEI森林認証を取得(2009年12月9日)

2009年11月、アジア最大級の製紙会社APP社は、インドネシアの森林認証制度LEIと共同で、年内にLEIの認証を受けた紙製品を販売、輸出することを発表しました。しかし、森林保全に取り組む複数の環境NGOは、「LEI認証を取得しても、APP社の紙製品が持続可能なものになったとはいえない」と指摘。現状のLEIの認証基準には、問題があるとしています。

森林認証の重要性

FSC(森林管理協議会)などによる「森林認証制度」は、企業が木材や紙を利用する際に、森林環境や地域社会の暮らしに、十分な配慮がなされているかを、第三者が確認し、認証を行なうものです。

つまり、森林認証を取得し、ラベルを付けた木材や紙製品は、本来であれば全て、自然や地域に配慮した「適切な製品」ということになります。

しかし、FSC以外の認証基準がすべてこのような厳しい基準を備えているわけではありません。ゆるい認証基準に基づいた認証が行なわれると、森を破壊して作られた木材や紙製品にまで、環境ラベル(エコラベル)が貼られることになり、世界の森林破壊がさらに進む結果を招いてしまいます。

認証の取得はポーズ?

現在、このような認証基準の課題が指摘されている機関の一つに、インドネシアのLEI(インドネシア・エコラベル協会)があります。

植林地に対するLEIの基準では、例え貴重な天然林を伐採した直後の植林であっても問題となりません。今回LEIが認証を行なった伐採地では、認証審査中にもかかわらず、天然林の伐採が行なわれたことが確認されました。また、地元の環境NGO・KKI Warsiは、LEIの認証が、地域の人々や、NGOの声に耳を傾けておらず、透明性と信頼性が無いことを指摘。現在の認証基準に問題があるとしています。

今回、APP(アジアパルプアンドペーパー)社は、自社が原料を調達するアカシア植林地において、LEIの森林認証を取得し、紙の認証製品を生産しようとしていますが、WWFインドネシアを含む複数の環境NGOや、フランクフルト動物学協会などは、この認証の取得が実際の持続可能な森林資源の利用につながらないとして懸念を表明。
LEIに対し、現状の認証基準を大幅に強化するよう求める一方、APPが引き起こしている多くの環境破壊と社会問題を十分に考慮し、今回のような不適切な森林認証を行なわないよう要求する共同声明を発表しました。

また同時に各環境NGOは、APP社に対し真の問題、つまり自然林の大規模な破壊、自然林および泥炭地の破壊による二酸化炭素の排出、そして社会問題を解決するよう求めています。日本で紙製品を扱う全ての企業も、自社の商品や使用する紙製品をあらためて確認、注意することが求められます。


インドネシアのNGOのコメント:「LEI認証付きでも、APP社の紙製品は持続可能とは言えない」(2009年11月19日)

KKI Warsi、FZSインドネシアプログラム、PKHS、Jikalahari、Walhi Riau、Walhi Jambi、WWF Riauによる共同記者発表資料 (仮訳:WWFジャパン)

ジャンビ市/ペカンバル市、スマトラ島(インドネシア) ― 先日、シナール・マスグループのアジアパルプアンドペーパー社(以下、APP社)が保有するパルプ材向け植林地のひとつがLEI(インドネシア・エコラベル協会)の森林認証を取得した。これに対し、インドネシアで活動する複数のNGOが今日、「APP社の製品は持続可能とは言えず、LEIはその認証基準を強化すべきである」との共同声明を発表し、全世界の紙購入者に注意を呼びかけた。

先日APP社とLEIは連名で、APP社が年内にもLEI認証紙の販売を開始することを発表した。しかし、これらの認証製品はAPP社の実態改善を示すものではないとNGO 7団体は指摘する。

KKI Warsi、FZS(フランクフルト動物学協会)インドネシアプログラム、PKHS(スマトラトラ保全保護基金)、ジカラハリ、ワルヒ(リアウ支部)、ワルヒ(ジャンビ支部)、WWFインドネシアのNGOは、たとえLEI認証を取得したとしていても、APP社/シナール・マスの製品購入に関連するリスクを避けるよう、全世界の紙購入者に呼びかけた。
またLEIに対しても、植林の認証基準と審査員資格を大幅に強化し、今回のように不適切な認証を二度と行わないよう要求した。

APP社によれば、今年に入り同社の5つの製紙工場がLEIのCoC認証を取得した。また、APP社の数あるパルプ用材サプライヤーの1社であるPT. Wirakarya Sakti(WKS社)が管理する複数の植林地が、LEIの持続可能な植林地管理の基準に基づく認証を受けた。

しかしAPP社/シナール・マスは長年にわたり、インドネシアで保護価値の高い森林を無差別に伐採し、地域社会の人権侵害に関与してきた。現在も炭素を大量に含む泥炭林の伐採・排水を続け、地球規模でも無視できない程の温室効果ガスを排出している。

KKI WarsiのDicky Kurniawan氏は「この認証には信頼性も透明性もありません。NGOや影響を受ける地域社会の意見が無視されているからです」と述べている。

APP社/シナール・マスグループの管理する植林地が森林認証を取得したことを受け、NGOグループは「LEIの植林向け認証基準では、天然林の破壊や転換、社会問題が、認証取得をしたのと同じ伐採許可区域(コンセッション)内においても続くだろう」との懸念を表明した。APP社/シナール・マスグループが今もインドネシアで引き起こしている大規模な環境問題や社会問題も、LEIは考慮していない。

地域の農民グループはこの認証に反対する立場を正式に表明した。WKS社が森林認証を取得する植林を開発するために、彼らの土地から農民を立ち退かせたからだ。しかしLEIの審査員は農民グループとの面会を拒否し、彼らの意見に耳を貸そうとはしなかった。

WKS社の伐採許可区域では、認証審査中であるにも関わらず、2007年から2008年の間に、残されていた天然林のうち計48,000ヘクタール(59パーセント)以上が失われた。またWKSの伐採許可区域の31パーセントは泥炭地にあり、2000年の時点ではその60パーセント以上が天然林に覆われていたが、ランドサット衛星画像を時系列に分析した結果、泥炭林の半分近くがアカシアの植林地に転換されたことがわかった。2007年から2008年の認証審査期間中にも、WKS社は伐採許可区域内に残された泥炭林の70パーセント近く(20,353ヘクタール)を伐採し、天然林はアカシア植林の間に小さく断片的に散らばるのみとなってしまった(添付地図参照)。

天然林が破壊され、継続的に排水が進み泥炭地で土壌の分解・火災が起こることで、膨大な量の二酸化炭素が排出されるとNGOグループは予測する。泥炭地の森林がなくなることによる二酸化炭素排出量は地球規模でも深刻なレベルであるため、この点を見落としたことは認証審査での重大な過失であると彼らは指摘する。

もうひとつの懸念は、林産企業/グループの事業のあり方次第では、LEI認証の精神が弱体化させられてしまう可能性があるにもかかわらず、こうしたリスクに対する予防策がLEIの認証制度に欠けていることだ。

「LEIはいかなるAPP社/シナール・マスグループの木材供給企業にも認証を与えるべきではありません。彼らはインドネシアで天然林や泥炭地を伐採・破壊し、認証林の外の地域における操業によって社会問題を起こし続けているからです」ジカラハリのSusanto Kurniawan氏は言う。「APP社の伐採許可区域では2000年以降、計45万ヘクタールを超える天然林が伐採されました。その半分以上が泥炭地にあったものです」(添付地図参照)。

2007年、FSC(森林管理協議会)は全世界でAPP社との関係を絶つことを公式に発表した。その中では「FSC理事会は、FSCの名のもとに寄せられた善意と信頼、そして世界中で責任ある森林管理の追求に真摯に取り組んできた企業の長年にわたる支援と参加が、APP社との関係によって損なわれる恐れがあると判断しました」と述べている。

NGOグループはLEIに対し、FSCと同様の方針を策定し、APP社/シナール・マスグループおよびその関連企業との関係を見直すよう要請している。

スマトラ島で活動する環境団体は、APP社/シナール・マスグループに対し真の問題、つまり天然林の大規模な破壊、天然林および泥炭地の破壊による二酸化炭素の排出、そして社会問題を解決するよう求めている。

参考

APRILグループのLEI認証に関する記事
Batalkan pelaksanaan proses sertifikasi bertahap pengelolaan hutan tanaman lestari (PHTL) PT RAPP
http://jikalahari.or.id/index.php?option=com_content&task=view&id=59&Itemid=5)

TÜV International Indonesia によるWKS社のLEI認証の概要レポート
http://www.tuv.com/web/media_get.php?mediaid=23890&fileid=56363&sprachid=2
または
http://www.tuv.com/id/en/forest_management.html

FSCの公式声明
/activities/upfiles/20080116opt_fsc.pdf

本件についての問い合わせ先:

Dicky Kurniawan - KKI Warsi 電話: +62-8127407730
Susanto Kurniawan - Jikalahari 電話: +62-8127631775
Nursamsu - WWF Riau 電話: +62-8127537317

原文

Indonesian NGOs: Even with LEI certification, APP paper products are unsustainable

-- Joint Press Release by KKI Warsi, FZS Indonesia Program, PKHS, Jikalahari, Walhi Riau, Walhi Jambi and WWF Riau --

Immediate release on 19 November 2009

JAMBI & PEKANBARU, INDONESIA - The recent certification of an Asia Pulp & Paper(APP)/Sinar Mas pulp plantation by the Indonesian Ecolabelling Institute (LEI) suggests that the LEI standards need to be strengthened, as APP products are not sustainable, a group of nongovernmental organizations in Indonesia warned global paper buyers today.

APP and LEI recently jointly announced that APP will start selling LEI certified paper products near the end of the year. But such paper products do not indicate that APP has improved its practices, seven NGOs said.

KKI Warsi, Frankfurt Zoological Society Indonesia Program, PKHS (Sumatra Tiger Conservation Program), Jikalahari, Walhi Riau, Walhi Jambi and WWF-Indonesia recommend global buyers avoid the risks associated with purchasing APP/Sinar Mas products, even ones certified by LEI.
They also call on LEI to dramatically strengthen its plantation certification standard and auditor requirements to ensure this kind of inappropriate certification does not happen again.

According to APP, five of APP's pulp and paper mills achieved a Chain of Custody certificate earlier this year under the LEI certification program, and plantations managed by one of APP's many pulpwood suppliers, PT. Wirakarya Sakti (WKS), achieved certification under LEI's standard for sustainable forest plantation management.

But APP/Sinar Mas has a lengthy history in Indonesia of indiscriminately clearing high
conservation value forests; has been linked to human rights violations of local communities; and continues to clear and drain carbon-rich peat forests, causing globally measurable greenhouse gas emissions.

"This certification is not credible and transparent, since inputs by NGOs and affected communities were ignored," said Dicky Kurniawan of KKI Warsi.

With the certification of an APP/Sinar Mas Group plantation, the NGOs warned that the LEI plantation certification standard allows continued destruction and conversion of natural forest and social problems in the same concessions where the certified plantations are located. LEI also does not take into consideration the large-scale environmental and social problems the APP/Sinar Map group continues to cause in Indonesia.

A farmers group in the area formally protested against the certification as PT. WKS had evicted farmers from their lands to develop the certified concessions. But the LEI auditors refused to meet with them to hear their concerns.

PT. WKS concessions together lost more than 48,000 hectares (59%) of their remaining natural forest between 2007 and 2008, while the audit was underway. And 31% of all concession area of PT. WKS is on peat soil, over 60% of which were still covered by natural forest in 2000. Historical Landsat image analysis shows that close to half of the peatland forest has been replaced by acacia plantation. Even during the audit period of 2007 and 2008, the company cleared close to 70% (20,353 ha) of the last remaining natural peatland forest in these concessions, leaving only small fragments and strips of natural forest between acacia (see the attached Map).

The NGOs predict huge CO2 emissions from the loss of natural forest and decomposition and burning of continuously drained peat. Since peatlands emit globally significant amounts of carbon once cleared, the audit's failure to address this is a serious flaw, the NGOs said.

NGOs also are concerned that the LEI scheme lacks safeguards to ensure forest companies or groups as a whole are not undermining the spirit of LEI certification.

"LEI should not certify any of APP/SMG's wood suppliers as they continue to clear and destroy natural forest and peat soil in Indonesia and cause social problems by operations outside the certified areas," Susanto Kurniawan of Jikalahari. "APP concessions together lost over 450,000 hectares of natural forest since 2000, over half of which was on peatlands." (see the attached Map)

In 2007, Forest Stewardship Council publicly announced their dissociation with APP globally, saying: "The FSC Board of Directors decided that association with APP would threaten the good will and faith invested in the name Forest Stewardship Council and the years of support and participation by companies that are truly committed to the pursuit of responsible forest management globally."

The NGOs call on LEI to follow FSC to make a similar policy and review its relationship with APP/SMG and their associated companies.

The environmental organizations in Sumatra call APP/SMG to solve its real issue: large-scale destruction of natural forest, emissions from natural forest and peat destruction and social problems.

Map of APP/SMG associated concessions and natural forest loss in Riau and Jambi:

Total size of pulpwood plantation (HTI) concessions known to be associated with APP/SMG group in Riau and Jambi Provinces is 1.4 million ha, 20% of which is concessions of PT. Wirakarya Sakti (WKS) (map on the top is zoom-in map of the WKS concessions). APP/SMG also have more concessions in South Sumatra.


APP社の森林破壊に世界が抗議(2009年9月24日)

インドネシアのスマトラ島ブキ・ティガプル周辺で、製紙企業APP社による大規模な伐採計画が進められようとしています。この行為に対し、森林の保全や、オランウータンの保護を求める声が強く上がっています。今回は特に、世界の霊長類の調査研究における最大の権威の一つである、IUCN・SSCの霊長類専門家グループからも、同社への抗議がありました。スマトラ島で多くの問題を引き起こしてきたAPP社に対する国際的な非難は、より明らかに、大きなものになりつつあります。

APP社による新たな森林破壊

インドネシア、スマトラ島中部に位置する、ジャンビ州とリアウ州にまたがるブキ・ティガプル一帯では現在、深刻な森林の伐採が懸念されています。世界的な製紙企業アジアパルプアンドペーパー社(APP社)と、その関連会社による、大規模な伐採計画が明らかになったためです。

このブキ・ティガプルはスマトラ島に残された、貴重な低地熱帯林が広がる地域の一つ。絶滅の危機にある、スマトラトラ、スマトラサイなど希少動物の生息地であると同時に、現在インドネシア政府の合意の下、スマトラオランウータンの再導入(野生復帰)計画が進められている森でもあります。

APP社の計画通り、ブキ・ティガプル国立公園に隣接した、2つの伐採許可地域で伐採が行なわれれば、自然林の生態系は打撃を受け、希少な動物もいっそう危機的な状況に曝されることになるでしょう。
また、この問題は日本にも深いかかわりがあります。APP社は日本にも大量の紙製品を輸出しているからです。

世界からの抗議の声が

この問題について、森林の保全や、オランウータンの保護を求める国際的な団体から、これまでに、さまざまな抗議の声が上がっています。その一部をご紹介します。

1:オーストラリア・オランウータン・プロジェクト

2009年6月10日、オランウータン保護に携わる、オーストラリアの団体「オーストラリア・オランウータン・プロジェクト」が、アジアパルプアンドペーパー社(APP社)のウィジャヤ最高経営責任者に、書簡を送りました。

この書簡で同団体は、APP社が、ブキ・ディカプル周辺の、ダレク・フタニ・エサ伐採許可区域内で操業している業者から木材供給を受けること否定していないこと、同伐採許可区域内での伐採予定を否定していないこと、APP社がこの地域での伐採を止め、近絶滅種を守れる立場にありながら、それを拒否しているという懸念を伝え、顧客の声を聞いて、この地域でこれ以上の伐採を支持しない、保護キャンペーンを活発に行なうとの声明をすぐに出すよう求めています。

また、地図に示したブキ・ディカプル地域(黄色枠)で、現在あるいは将来、伐採を行なう意図があるのか、ないのか、返答するよう求めています。

2:IUCN SSCの書簡

2009年7月3日、IUCN(国際自然保護連合)SSC(Species Survival Commission 種の保存委員会)のサイモン・スチュアート博士は、インドネシア林業大臣とAPP社のウィジャヤ最高責任者に対し、ブキ・ティガプルに現存する生態系の重 要さを伝え、ブキ・ティガプル国立公園に隣接する伐採許可地の保全と、伐採計画の撤回を求める書簡を送りました。

2つの書簡の前半は同じ内容で、生物多様性保全の観点から地域の重要性を説明し、APPが計画する伐採が、2008年9月に4大臣とスマトラ島10州の知事が取り決めた保全計画に反することを指摘しています。

そ して結びの部分で、林業大臣に対しては2008年に承認した通りに、ブキ・ティガプルの生態系全域を網羅すべく、同国立公園をただちに拡大することを、 APP社に対しては、ブキ・ティガプル周辺の森林伐採計画を撤回するよう求め、さらに保護区域外に残る自然林の全利用者に、保護価値の高い森林を敬うこと と、保全することを推奨しています。

3:IUCN・SSC霊長類専門家グループ

2009年6月16日、IUCN・SSCの霊長類専門家グループを代表し、コンサ ベーションインターナショナルのラッセル・ミッタマイヤー会長が、コバン林業大臣とウィジャヤAPP社最高責任者に書簡を送りました。霊長類専門家グルー プが、ジャンビ州のスマトラオランウータンの生存を脅かす伐採許可地の伐採に反対していることを伝えるためです。

また、ジャンビ州でのス マトラオランウータン保護事業(SOCP)が、インドネシア政府との合意の下で実行されており、再導入が成功しつつあること、また、この森林の改変を認め ることは、政府の2007年~2017年のオランウータン保全戦略と活動計画を覆すことになることを伝えています。
さらに、インドネシア林業省に対しては、スマトラオランウータン保護事業のために、すべての必要な措置を取り、ブキ・ティガプル国立公園を拡大し、この伐採許可地を編入、恒久的な保護下に置くよう要望しています。

4:Eyes on the Forest

2009年7月27日、WWFインドネシアと2つの地元NGO連合体の共同プロジェクトである「Eyes on the Forest」は、APPと火事に関する記者発表資料を発表しました。
この中で、同団体は、2009年の前半の6カ月間にリアウ州で、4,782件の山火事が発生していること、衛星データで確認したこと、データ分析の結果、リアウ州では約4分の1の火災がAPP/SNG社が持つ伐採許可地の中で発生していることを指摘。このことが、現地で起きている火災による煙霧の発生問題と、世界の気候変動問題を悪化させ、新しく指定されたユネスコ生物圏保護区を危機に曝しているほか、ブキ・ディカプルでも火災を引き起こしていると報告しています。

EYES ON THE FORESTは発表したプレスリリースの中で、リアウ州で2009年前半に起きた森林火災の1/4以上がAPP社が伐採許可を持つ土地の中で発生していると報告しています。

*各抗議の書簡は、下記にご紹介しています


【関連資料】APP/シナール・マスの伐採許可地での火災が地域での煙霧問題を悪化させ、新しい国連生物圏保護区を危機に曝している(仮訳)(2009年7月27日)

EYES ON THE FORESTの記者発表資料

(ペカンバル発)2009年の前半6ヶ月間の衛星データから、リアウ州がインドネシア国内でもっとも多くの火災が発生している場所であることが分かった。件数は4,782である。そして火災の約1/4がシナル・マス・グループのAPP社が持つ伐採許可地の中で発生している、これは他の企業が単独で持つ伐採許可地よりも多いとEyes on the Forestは分析している。

森林と泥炭地の火災がAPP/SMGが関わっているスマトラ中部の数多くの伐採許可地で発生している。これは地域の煙霧被害と世界の気候変動を悪化させ、リアウ州で新たに宣言されたユネスコ生態圏保護区の中の種に富んだ森林を破壊している。

森林と泥炭地火災は、インドネシアの公衆衛生、生物多様性、地域経済、そして世界の気候への大きな脅威である。火災はしばしば意図的に起こされる。自然林を皆伐して、プランテーションを造成する前に、手早くまた簡単に整地する手段としてである。今年のエルニーニョ現象は過去2年間より厳しい森林や平地火災を起こすと思われる。ピークは9月と10月の間となる。

2009年5月、APP/SMGはジアム・シアク・ケシル・ブキト・バツ森林(GSK-BB)がユネスコ生態圏保護区に指定されたことを保全成果とするよう執拗に求めた。しかし、Eyes on the Forestは、2009年の前半6ヶ月間にリアウ州内で発生した火災現場の20%は元来GSK森林区であったところで、そしてその半分はAPP/SMGが関係する伐採許可地内で発生しているとしている。MODIS衛星のデータは、リアウ州の火災の22%は生態圏保護区とAPP/SMGが関係する伐採許可地内で発生していることを示している。

「APP/SMGとその関連会社は、ライセンス保持者として、自らが持つ伐採許可地内での防火について、真剣に法的責任を果たすべきである。火災が自ら起こしたものであるか、他の要因からは関係ない」「また、我々はAPP/SMGに対し、自然林の中や隣接した場所に新たに道路をつくること、泥炭地に排水溝を掘ること、これ以上泥炭林を伐採すること中止することを求める。このような行為のどれもが火災を引き起こし易くする」とジカラハリのスサント・クルニアワン氏は述べている。

「木材を目的とする伐採許可地内での火災あるいは排水、あるいは伐採を通し、APP/SMGは単一企業として、生態圏保護区が設立された生態系の中での自然林や泥炭地の最大の破壊者である。1996年から2007年の間に、APPは177,000ヘクタールの森をパルプにしてしまった。これはこの生態系が失った自然林の65%に及ぶ」とWWFインドネシアのヌルサムス氏は述べている。

「ここの森林は時には適切な許可なしに、あるいは地域の保護区内でさえ伐採された」とワルヒリアウのハリアンシャー・ウスマン氏は語る。「それに加え、彼らはまた時には1990年の大統領令32号にも違反している。この大統領令は、泥炭層が3m以上ある自然林の伐採を禁止している。APP/SMGはまだこのような法的に問題がある伐採をスマトラの至るところで続けている。我々は政府に対し、最近終了した違法伐採調査を終了させないで再開させるよう要求する。また、政府に対して火を放つ企業に対し、法的措置を取るように求める」と加えた。

生態圏保護区は地域の生物学的と文化的な多様性を保全し、持続的な開発を促進するための保全措置である。現在、70万ヘクタールのユネスコ生態圏保護区のうち35%だけが自然林である。そして残りは保全価値が極めて低いアカシアだけが植えられているプランテーションである。

「我々は生態圏保護区内の自然林が残り、保護区内の泥炭地生態系が回復することを望んでいる。それを実現するには、APPはこの地域に真の安全をもたらし、責任をもって泥炭地の水管理を行う必要がある。最近の火災地図はAPPがそれを行なっていないことを明確に示している。APPが自らの責任を果たす時が来ている」とスサント・クルニアワン氏は述べている。

最近、APPはスマトラ中部ブキ・ティガプル生態系の自然林の破壊について国際社会の監視を受けている。この地域に残る約45万ヘクタールの広さを持つ自然林は、世界唯一再導入に成功したスマトラオランウータンや、近絶滅であるスマトラトラの野生個体の1/4、スマトラゾウの重要な個体群の住処である。タラングママク族とオラングリンバ族という2つの先住民も生活をこの森に依存している。APP/SMGは林業省の許可が下りたら、この森から20万ヘクタールを伐採する計画を持っている。

2009年、ブキ・ティガプルで約100ヶ所の火災が見られた。自然林が最近伐採された場所でである。火災の多くは新たに自然林の中に作られた林道沿いで起きている。APP/SMG が2008年に、木材をリアウ州とジャンビ州にある巨大なパルプ工場に運ぶために建設した林道である。この林道はすでに違法伐採と自然林の囲い込みをもたらし、野生生物と先住民の生活を脅かしている。

毎年、リアウとジャンビ州の森林土地火災はこの地域全体に深刻な煙霧被害を引き起こしている。2009年、大規模火災が1月と5月に始まり、上部呼吸器症候群に悩む人や、学校閉鎖や空港閉鎖とフライトの遅延が増大している。

参考:

  • Eyes on the ForestはWWFインドネシア、Jikalahari, Walhi Riauの共同事業。APPに関する過去の報告はwww.eyesontheforest.or.idから閲覧可能。
  • 火災データはNASA/University of Maryland (2002) MODIS Hotspot/ Active Fire Detections. Data set. MODIS Rapid Response Project, NASA/GSFC [producer], University of Maryland, Fire Information for Resource Management System [distributors]. http://maps.geog.umd.edu. から
  • GSKとBTPの火災現場分析は、APP/SMGとその関連会社がこの地域で自然林の場再を始めた年の自然林の境界内で行っている。APP/SMGとその関連会社はGSKでは1996年に、BTPでは2000年に伐採を開始している。
  • GSKの森はAPPが保全を初めて約束した2004年以来、次第に縮小している。FSC(森林管理協議会)の公式認証機関であるSmartWoodはAPPにこの森の保全をモニターするために雇用されたが、2008年に契約を破棄している。APPと関連会社が森林を保護する方策を取ってこなかったことを知ったためである。
  • APPのブキ・ティガプルでの活動については、http://eyesontheforest.or.id/index.php?option=com_content&task=view&id=233&itemid=6を参照。

原文はこちら (PDF形式:英文)

Eyes on the Forestのプレスリリースの参考地図とデータ

地図1:GSK地域で2005年1月1日から2009年6月30日の間に発生した火災現場。1996年に自然林であった場所で合計950ヶ所で火災が発生している(ピンクと緑で示す地域)

表1:GSK地域で2005年1月1日から2009年6月30日の間に発生した火災現場。1996年に自然林であった場所(ピンクで示す地域)で合計950ヶ所で火災が発生している。この火災現場は、APP/SMGが関連する伐採許可地内と保護区、その他の地域に分類できる(地図1参照)。

地図2:ブキ・ティガプル地域での2009年の火災現場。火災の多くはAPP/SMGが自然林の中に建設した林道沿いで発生している。


【関連資料】IUCN・SSCのサイモン・スチュアート博士がインドネシアのカバン林業大臣およびAPP社テグー・ウィジャヤ最高責任者に送った手紙(仮訳)(2009年7月3日)

インドネシアのカバン林業大臣あての手紙

インドネシア共和国林業大臣
H. MS Kaban, SE, Msi様

本日、私はIUCN・SSCを代表し、私たちIUCN・SSCがブキ・ティガプルの森林の保全を強く支持していることを伝える手紙を書いております。ここはスマトラオランウータンやスマトラゾウ、スマトラトラ、その他ジャンビとリアウ両州で見られる種の生存にとって重要な場所です。

私たちIUCN・SSCはAPP社/SMG(シナール・マスグループ)に関係する企業が、ブキ・ティガプル国立公園の外部に残る自然林の大部分を伐採し、この保全価値の高い森をパルプ生産のためのアカシアプランテーションに変革する計画を持っていることを存じております。

ブキ・ティガプルの森林は、世界レベルの優先保護地域であると世界の専門家は見ております。ブキ・ティガプルはスマトラ島に残る乾燥低地林の中で最大の森林です。スマトラ島の大型動植物種がもっとも多く見られる場所の1つで、198種の鳥類、59種の哺乳動物が生息しています(Danielsen & Heegaard, 1995)。しかし、この約450,000haの自然林のうち、130,000haだけが国立公園として保護されています。そしてこの保護区さえも周辺の開発によって脅かされています。

スマトラオランウータン保護事業は1999年に交わしたインドネシア政府との合意に基づいて実施されており、2002年以来、ブキ・ティガプルでオランウータンを野生に戻し続けております。また、この地域は近絶滅種であるスマトラトラのおそらく1/4が生息している場所であり、絶滅に瀕するスマトラゾウの2つのグループにとっても重要な生息地です。

2008年8月、ジャンビ森林局とBKSDAジャンビ、ブキ・ティガプル国立公園管理局、地域で活動する5つのNGOは、残存する自然森の74%はブキ・ティガプル生態系に含まれ、自然林として持続的に管理されるべきとの考えに合意しました。

2008年9月、4名の大臣とスマトラ島10州の知事がスマトラ島全域の生態系に基づく土地利用計画を支持するとの約束に署名しています。ブキ・ティガプルを含む保護価値の高い地域を守るのが目的です。この公約は2008年10月にバルセロナで開催されたIUCN総会で共同発表され、6月26日にジャカルタで開催された閣下を含む3名の大臣による政府会議で再確認されています。世界はこれらの努力を賞賛しており、インドネシアはこの生物多様性への強い約束を誇るべきです。

インドネシアの生物多様性のため、IUCN・SSCは、林業省に対し、ブキ・ティガプル国立公園をただちに拡大されることを、慎んでお願い申し上げます。2008年に多くの利害関係者プロセスを通して合意した通りに、ブキ・ティガプル生態系全域を含めるためです。また、IUCN・SSCは保護区外に残る自然林を利用する人すべてが、保護価値の高い森林を尊重し保全されることを推奨いたします。そのような森林は、様々な分野の専門家チームが、利害関係者の声を聞いて、インドネシアのための保護価値の高い森林ツールキット(2008年)に基づいて実施する透明性の高い評価を通して、確認することが可能です。

IUCN・SSCの専門家は、インドネシアによるこの生物多様性の宝庫の保護活動に助力できるよう待機いたしております。

IUCN・SSC議長 サイモン・スチュアート

原文

Mr. H. MS Kaban, SE, MSi
The Minister of Forestry, Republic Indonesia
Manggala Wanabhakti Buiding
Jakarta
Indonesia

3 July 2009

Dear Mr. Kaban,
I am writing today on behalf of the IUCN Species Survival Commission to express our strong support for protecting the Bukit Tigapuluh forest landscape, which is critical to the survival of Sumatran orangutans, elephants, tigers and other species in Jambi and Riau Provinces.
We understand that companies associated with Asia Pulp & Paper/Sinar Mas Group (APP) plan to clear the largest portion of natural forest remaining outside the Bukit Tigapuluh National Park and replace this high conservation value forest with acacia pulpwood plantations.
The Bukit Tigapuluh forest landscape is considered a global priority conservation area by world experts.
Bukit Tigapuluh is the largest of the last remaining dry lowland forest blocks in Sumatra and contains one of the broadest collections of Sumatran megafauna and megaflora, with 198 bird species and 59 mammal species in the landscape (Danielsen and Heegaard, 1995). However, of the approximately 450,000 hectares of natural forest in the landscape, only 130,000 hectares are protected in the National Park. Even this protected area is under threat from encroachments.
The Sumatran Orangutan Conservation Programme, operating under a 1999 memorandum of understanding with the Indonesian government, has been successfully releasing orangutans in the Bukit Tigapuluh forest landscape since 2002. The landscape is also home to perhaps a quarter of the remaining
Critically Endangered Sumatran tigers and is critical habitat for two groups of Endangered Sumatran elephants.
In August 2008, the Forestry Service of Jambi, BKSDA Jambi, the Bukit Tigapuluh National Park Management Authority and five NGOs working in the landscape agreed that 74 percent of the remaining natural forest should be considered the "Bukit Tigapuluh Ecosystem" and should be sustainably managed as natural forest.
In September 2008, four ministers and all 10 governors of Sumatra signed a commitment to support ecosystem-based land-use planning across Sumatra Island to protect high conservation value areas, of which the Bukit Tigapuluh ecosystem is one. This commitment was jointly announced at the IUCN
World Conservation Congress in Barcelona in October 2008 and was reconfirmed on 26 June at a government meeting in Jakarta by three ministers, including yourself. The international community applauds these efforts and Indonesia should rightly be proud of this strong commitment to biodiversity.
For the sake of Indonesia's biodiversity, the IUCN Species Survival Commission respectfully urges the Ministry of Forestry to immediately expand Bukit Tigapuluh National Park to include the full Bukit Tigapuluh Ecosystem, as endorsed in 2008 by a multi-stakeholder process. We also recommend that all
users of the natural forests remaining outside the protected areas should respect and conserve all high conservation value forests, which can be identified through a transparent assessment by a multidisciplinary specialist team with stakeholder inputs, based on "HCVF Toolkit for Indonesia (2008)".
The experts in the IUCN Species Survival Commission stand ready to help Indonesia protect this biodiversity treasure.
Respectfully,

Simon N. Stuart, PhD
Chair

APP社テグー・ウィジャヤ最高責任者あての手紙

アジア・パルプ・アンド・ペーパー最高責任者
テグー・ガンダ・ウィジャヤ様

本日、私はIUCN・SSCを代表し、私たちIUCN・SSCがブキ・ティガプルの森林の保全を強く支持していることを伝える手紙を書いております。ここはスマトラオランウータンやスマトラゾウ、スマトラトラ、その他ジャンビとリアウ両州で見られる種の生存にとって重要な場所です。

私たちIUCN・SSCはAPP社/シナール・マスグループに関連する企業が、ブキ・ティガプル国立公園の外部に残る自然林の大部分を伐採し、この保全価値の高い森をパルプ生産のためのアカシアプランテーションに変革する計画を持っていることを存じております。

ブキ・ティガプルの森林は、世界レベルの優先保護地域であると世界の専門家は見ております。ブキ・ティガプルはスマトラ島に残る乾燥低地林の中で最大の森林です。スマトラ島の大型動植物種がもっとも多く見られる場所の1つで、198種の鳥類、59種の哺乳動物が生息しています(Danielsen & Heegaard, 1995)。しかし、この約450,000haの自然林のうち、130,000haだけが国立公園として保護されています。そしてこの保護区さえも周辺の開発によって脅かされています。

スマトラオランウータン保護事業は1999年に交わしたインドネシア政府との合意に基づいて実施されており、2002年以来、ブキ・ティガプルでオランウータンを野生に戻し続けております。また、この地域は近絶滅種であるスマトラトラのおそらく1/4が生息している場所であり、絶滅に瀕するスマトラゾウの2つのグループにとっても重要な生息地です。

2008年8月、ジャンビ森林局とBKSDAジャンビ、ブキ・ティガプル国立公園管理局、地域で活動する5つのNGOは、残存する自然森の74%はブキ・ティガプル生態系に含まれ、自然林として持続的に管理されるべきとの考えに合意しました。

2008年9月、4名の大臣とスマトラ島の全知事10名がスマトラ島全域で生態系に基づく土地利用計画を支持するとの約束に署名しています。ブキ・ティガプル生態系を含む保護価値の高い地域を守るのが目的です。この公約は2008年10月にバルセロナで開催されたIUCN総会で共同発表され、6月26日にジャカルタで開催された3名の大臣による政府会議で再確認されています。世界はこれらの努力を賞賛しており、インドネシアはこの生物多様性に対する強い公約を誇るべきです。

インドネシアの生物多様性のため、IUCN・SSCは、APP社/シナール・マスグループに対し、ブキ・ティガプルでのすべての伐採計画を廃棄されるようお願いいたします。IUCN・SSCは保護区外に残る森林の利用者すべてに、保護価値の高い森林を尊重し保全することを推奨いたします。この森林は2008年のインドネシアのための保護価値の高い森林ツールキットに基づいて、様々な分野の専門家チームが、利害関係者の声を聞いて公明正大に実施した評価を通して、確認されております。

IUCN・SSCの専門家は、インドネシアによるこの生物多様性の宝庫の保護活動に助力できるよう待機いたしております。

IUCN・SSC議長 サイモン・スチュアート

原文

Mr. Teguh Ganda Wijaya
Chief Executive Officer
Asia Pulp & Paper
BII Plaza, 2nd Tower, 15th & 18th Floor,
Jl. MH. Thamrin No. 51
Jakarta 10350
Indonesia

Dear Mr. Teguh Ganda Wijaya,
I am writing today on behalf of the IUCN Species Survival Commission to express our strong support for protecting the Bukit Tigapuluh forest landscape, which is critical to the survival of Sumatran orangutans, elephants, tigers and other species in Jambi and Riau Provinces.
We understand that companies associated with Asia Pulp & Paper/Sinar Mas Group (APP) plan to clear the largest portion of natural forest remaining outside the Bukit Tigapuluh National Park and replace this high conservation value forest with acacia pulpwood plantations.
The Bukit Tigapuluh forest landscape is considered a global priority conservation area by world experts.
Bukit Tigapuluh is the largest of the last remaining dry lowland forest blocks in Sumatra and contains one of the broadest collections of Sumatran megafauna and megaflora, with 198 bird species and 59 mammal species in the landscape (Danielsen and Heegaard, 1995). However, of the approximately 450,000 hectares of natural forest in the landscape, only 130,000 hectares are protected in the National Park. Even this protected area is under threat from encroachments.
The Sumatran Orangutan Conservation Programme, operating under a 1999 memorandum of understanding with the Indonesian government, has been successfully releasing orangutans in the Bukit Tigapuluh forest landscape since 2002. The landscape is also home to perhaps a quarter of the remaining
Critically Endangered Sumatran tigers and is critical habitat for two groups of Endangered Sumatran elephants.
In August 2008, the Forestry Service of Jambi, BKSDA Jambi, the Bukit Tigapuluh National Park
Management Authority and five NGOs working in the landscape agreed that 74 percent of the remaining natural forest should be considered the "Bukit Tigapuluh Ecosystem" and should be sustainably managed as natural forest.
In September 2008, four ministers and all 10 governors of Sumatra signed a commitment to support ecosystem-based land-use planning across Sumatra Island to protect high conservation value areas, of which the Bukit Tigapuluh ecosystem is one. This commitment was jointly announced at the IUCN World Conservation Congress in Barcelona in October 2008 and was reconfirmed on 26 June at a government meeting in Jakarta by three ministers. The international community applauds these efforts and Indonesia should rightly be proud of this strong commitment to biodiversity.
For the sake of Indonesia's biodiversity, the IUCN Species Survival Commission respectfully urges the Asia Pulp & Paper/Sinar Mas Group (APP) abandon plans to clear any forest in the Bukit Tigapuluh forest landscape. We recommend that all users of the natural forests remaining outside the protected areas should respect and conserve all high conservation value forests, which can be identified through a transparent assessment by a multi-disciplinary specialist team with stakeholder inputs, based on "HCVF Toolkit for Indonesia (2008)".
The experts in the IUCN Species Survival Commission stand ready to help Indonesia protect this biodiversity treasure.
Respectfully,

Simon N. Stuart, PhD
Chair


【関連資料】IUCN・SSC霊長類専門家グループを代表して、ラッセル・ミッタマイヤー博士が、コバン林業大臣とウィジャヤAPP最高責任者に宛てた書簡(仮訳)(2009年6月16日)

インドネシア共和国林業大臣 H. MS Kaban, SE, Msi様

アジア・パルプ・アンド・ペーパー最高責任者
テグー・ガンダ・ウィジャヤ様

IUCN・SSCの霊長類専門家グループを代表し、ジャンビ州のスマトラオランウータンの生存を脅かす伐採許可地の伐採に私たちが反対していることを伝えるためにこの手紙を書いております。

IUCN・SSCの霊長類専門家グループは、APP/SMG(シナル・マスグループ)に関係する合弁企業が、ブキ・ティガプル国立公園の外部のジャンビに残る自然林の大部分(かつてPTダレク・フタニ・エサ伐採許可地として知られていた場所)の伐採を計画していることを理解しております。そして、この合弁企業はこの保護価値の高い森林をパルプ材目的のアカシアプランテーションに改変します。

スマトラオランウータン保護事業(SOCP)は、インドネシア政府と1999年に交わした合意の下で実行しており、2002年以来、ブキ・ティガプルにオランウータンを放すことに成功しております。SOCPは林業省森林保護局(PHKA)とパンエコ財団、ヤヤサン・エコシステン・レスタリ、フランクフルト動物学協会の協働事業です。

かつて飼育下にあったオランウータンをブキ・ティガプルの森に再導入する活動は、林業省令280/KPTS-II/95に従い、IUCNのガイドラインに従って実施しております。この事業で放した100頭を超えるオランウータンの多くは、伐採許可地の中に無事に定着しております。

オランウータンの新しい避難場所をパルプ材プランテーションに改変することを許可すれば、スマトラオランウータンの新しい野生個体群を作り上げる唯一の現存事業を脅かすことになります。この個体群が確実に生存できるようにする必要があります。スマトラオランウータンの個体数は、驚くようなペースで減少しており、IUCNのレッドリストは近絶滅種に分類しております。野生の個体数は現在、6,500頭以下になっています。それに加え、この森林の改変を認めることは、2007年-2017年のオランウータン保全戦略と活動計画(インドネシア共和国林業省規則 P.53/Menhut-IV2007で認めている)を覆すことになります。この行動計画には、オランウータンを自然生息地に戻すことを支援するため、インドネシアは以下のことに同意すると記されています。

  • オランウータンを自然生息地に再導入し放獣するため、ガイドラインを制定する。これには元来の生息地の健康度を正確に評価することを含む。
  • スマトラとカリマンタンの生息地にオランウータンを放獣するのに安定し安全な場所を探して決定する。これによりスマトラとカリマンタンにあるリハビリセンターが2015年までに不要になるようにする。

もしインドネシア政府が自らオランウータンの放獣地として認めた森林を10年も経たないうちに伐採する許可を与えたら、明らかに上記の戦略と行動計画に違反することになります。私どもは、林業省が、スマトラオランウータン保護事業のために、すべての必要な措置を取り、ブキ・ティガプル国立公園を拡大し、この伐採許可地を編入、恒久的な保護下に置かれるようお願いしたいと思います。

謹白

IUCN・SSC霊長類専門家グループを代表して
ラッセル・ミッタマイヤー

コンサベーションインターナショナル会長 ラッセル・ミッタマイヤー博士(議長)
コンサーベーションインターナショナル アンソニー・レイランド博士(副議長)
野生生物保護協会 アンドリュー・プルンプター博士 
マックス・プランク研究所 バーバラ・フルス博士 
アイオア類人猿トラスト ベン・ベック博士 
スターリング大学 リズ・ウィリアムソン博士(類人猿コーディネーター) 
KOCP マレ・アンクレナス博士 
アトランタ動物園 タラ・ストイニスキー博士 
京都大学 タチャナ・フメル博士
マックス・プランク研究所 クリストファー・ボシェ教授 
ハンター大学 ジョン・オーテス教授 
京都大学 松沢哲郎教授

原文はこちら (PDF形式:英文)


【関連資料】オーストラリア・オランウータン・プロジェクトが、APP社のウィジャヤ最高経営責任者に送った手紙(仮訳)(2009年6月10日)

アジア・パルプ・アンド・ペーパー社最高経営責任者
テグー・ガンダ・ウィジャヤ様

インドネシア・スマトラ島のブキ・ティガプル生態系

我々の書簡に詳細な回答をいただきありがとうございます。我々は意義のある変革につながる対話には、常に興味を持っております。
我々は対話のドアを開けておりますが、以下のような現実が残っております。

  • APPは33,776haのダレク・フタニ・エサ伐採許可区域(コンセッション)内で操業している業者から木材供給を受けることを否定していない。
  • APPは33,776haのダレク・フタニ・エサ伐採許可区域の伐採予定に対し、まだ、否定していない。
  • APPはこの土地の伐採を止め、近絶滅野生生物種を守れる立場にありながらも、それを拒否している。

「我々は攻撃のターゲットになりやすい」との御社の声明はその通りです。一般の人々は、森林を伐採したり、近絶滅種を脅かそうとするどの企業に対しても、2009年も引き続き、嫌悪感を抱くことになります。雨林や絶滅危惧種、先住民のコミュニティを破壊することが、経済開発に貢献するという考えが誤っていることを私たちは証明できます。

御社が、顧客の声を聞き、この地域でこれ以上の伐採を支持しない、保護キャンペーンを活発に行うとの声明をすぐに出されるよう懇願いたします。

また、御社あるいはそのパートナー/供給者が、現在あるいは将来にわたり、下記のBTP地図で黄色にマークした保全予定地域内で木材を伐採する心積もりがあるかどうかをイエスかノーでお答えいただきたい。この保全予定地は2007年9月3日にインドネシア林業省に提出された「Rasionalisasi TNBT dan Perlindungan Habitat Harimau, Gajah dan Orang Utan Di Sekitar TNBT serta Perluasan Hutan Lindung Bukit Sosah - Bukit Limau di Provinsi Riau dan Jambi」に従ったものです。

敬具

オーストラリア・オランウータン・プロジェクト会長 レイフ・クックス
ヒューメイン・ソサエティ・インターナショナル 事務局長 マイケル・ケネディ
南オーストラリア動物園協会 最高経営責任者 クリス・ウエスト
ドリームワールド 園長アル・ムッシ
オークランド動物園 園長 ジョナサン・ウィッケン

オーストラリア動物園 上席主任研究員 ケルセイ・モスティン 

これ以上の情報は、Vicki Carter またはLeif Cooks (APO)に1300 733 237 またはaffinitymarketing.com.au.でお問合せください。


APP、野生復帰したスマトラオランウータンの森も破壊(2009年6月12日)

インドネシア政府と州により、環境に配慮した土地利用が公約されたはずのスマトラ島で、製紙企業による大規模な森の伐採の計画が明らかになりました。野生復帰したオランウータンをはじめ、多様な生物に残されたすみかの森が危機にさらされています。(5団体の共同発表より)

切り尽くされつつあるリアウ州の低地林

かつては全島が、熱帯の自然林に覆われていたインドネシアのスマトラ島。しかしその森林は、この数十年で急速に失われてきました。1985年から2007年までに消失した森林の面積は、合計約12万平方キロ。北海道の約1.5倍の広さにのぼります。

特に、島の中央に位置し、平地の熱帯林(低地林)が広がっていたリアウ州やジャンビ州では、大きな林道が造りやすく、開発が容易であったことから、短期間に広範囲の森林が伐採されてきました。

森の消失が懸念される中、インドネシア政府は2008年10月、スマトラ全島で一貫性のある、生態系に配慮した土地利用を進めていくことを公約しました。
スマトラでは、自然保護区として保全されている森林の周辺にも、保護区と同様に生物の多様性に富んだ森林が、部分的に残されており、公約は将来、これらの森を保全してゆく上で、大きな前進となることが期待されていました。

ところが政府が、このような保護価値の高い森林を伐採し、植林(プランテーション)などの造成を許可する森の使用権を、新たに企業に与えたことが、現地のNGOの調査で明らかになったのです。

スマトラオランウータンが野生復帰した森も危機に

今回問題となっているのは、ジャンビ州にある、ブキ・ティガプル国立公園に隣接した、2つの伐採許可地域です。ここは、国立公園の域外ですが、公園内に劣らないほど豊かで、保全の必要性が高いとされていた森林区域でした。

しかし、スマトラの森林破壊に長年かかわってきた、世界的な製紙企業アジアパルプアンドペーパー社(APP社)と、その関連会社は、政府よりこの地域の森の使用権を取得。2008年には、この2区域の境界に沿って広い林道を建設し、早晩にも伐採を始める姿勢を見せています。

実は、この森林の周辺区域は、ある試みのための重要な場所でもありました。ドイツのフランクフルト動物学協会などが、2002年にインドネシア政府から森の一部の使用権を取得し、スマトラオランウータンの野生復帰を史上初めて、成功させた森だったのです。

スマトラオランウータンは、かつてスマトラ全土の熱帯林に生息していましたが、森の消失に伴い、激減。現在は、スマトラ北部のグヌン・ルーサー国立公園周辺などに、6,700頭前後が生息するのみです。

この、絶滅寸前の大型霊長類を危機から救うため、ブキ・ティガプル周辺の森では、数十年にわたり、スマトラオランウータンを野生に戻す試行錯誤が続けられてきました。そして、その取り組みは近年ようやく実を結び、現在100頭前後が生息しているといわれ、さらに繁殖も確認されていました。

日本と世界の動物関係者が「No!」

スマトラに残る、数少ない自然度の高い森を伐採し、また、回復の兆しを見せるオランウータンを再び危機に陥れ、長年にわたる保護の取り組みをも、無に返そうとするAPP社の行為。

これに対し、WWFは抗議の意を示すと共に、フランクフルト動物学協会、ロンドン動物学協会、スマトラトラ保全保護基金などと共に、インドネシア政府に対して、同社に与えた許可を撤回するよう求めました。

オーストラリア・オランウータン・プロジェクトもこの要請に賛同すると同時に、オーストラリア国内で、APP社製の紙製品が依然として利用されていることについて、問題提起を行なっています。

また日本では、SAGA(Support for African/Asian Great Apes;アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い)も、以下のようにコメントしています。

「関係者の長年の努力により、100頭というまとまった個体数が維持されている、スマトラオランウータンの重要な生息地が失われるとしたらきわめて遺憾です。大型類人猿は繁殖がむずかしいだけに、今回の伐採が致命的なダメージを与える可能性が憂慮されます。インドネシア政府ならびにジャンビ州政府の慎重な対応を要望いたします」。(SAGA世話役代表 松沢哲郎 京都大学霊長類研究所・所長)

インドネシア政府は一刻も早い、土地利用計画の具体案を!

インドネシア政府が、生態系に配慮したスマトラ全島の土地利用を公約したことは、島の環境保全の歴史のうえで最大の、歴史的な朗報でした。
しかし政府が、実際にどの森をどのようにして保全していくのか、具体的な計画を示さない限り、実際の保全は前に進みません。今回のように、州政府が独自の判断で、公約に矛盾する森林の伐採許可を企業に与えてしまう事態も、引き続き起こる可能性もあります。

今、このスマトラの伐採問題をめぐり、国際的にも注目が集まる中、インドネシア政府の判断が待たれています。
日本で利用するコピー用紙も、その20%がスマトラ島産の木材を原料としています。日本をはじめ、海外の消費者が、紙や木材の原料がどこから来ているのか。よく確かめ、原産地の明らかでない製品を利用しないことも、インドネシアに残された自然林を守り、ゾウやトラ、サイそしてオランウータンなどの貴重な生物の存続につながることを、WWFでは訴えかけています。

共同記者発表資料(FZS、Warsi、ZSL、WWF、Yayasan PKHSによる) 2009年6月12日
アジアパルプアンドペーパー社、森林破壊に着手 オランウータン野生復帰やトラの生存が危機に

【インドネシア・スマトラ島、ジャンビ州発】複数の自然保護団体が得た情報によると、世界最大級の製紙会社がインドネシアのスマトラ島で大規模な森林伐採を計画中である。歴史上唯一スマトラオランウータンの野生復帰が成功し、100頭近いオランウータンが生息している森林が、破壊の危機に直面している。

WARSI、スマトラトラ保全保護基金(Sumatran Tiger Conservation and Protection Foundation)、フランクフルト動物学協会(Frankfurt Zoological Society)、ロンドン動物学協会(Zoological Society of London)、およびWWFインドネシアによれば、シナルマスグループに属する企業であるアジアパルプアンドペーパー社(APP/SMG、以下APP社と表記)とその関連企業が最近、スマトラ島ジャンビ州のブキ・ティガプル国立公園周辺に残る自然林の大部分を皆伐する許可を取得。インドネシアの生物多様性にとって最重要地域である自然林のすべてを用地転換する可能性が出てきた。

APP社は既に、ブ キ・ティガプルの数ヶ所で自然林を転換し始めている。2008年同社は、ジャンビ州と隣接するリアウ州に保有する製紙工場への木材運搬を容易にするため、 林道を完成させた。地域固有の森林を貫いて走る林道の建設は、合法性が疑われている。NGO5団体は、APP社が来年早々にも2つの伐採許可地域での自然 林伐採を始める可能性があると懸念し、同社の伐採を許可せず、対象の森林を保護するよう求める書簡を林業省に送付した。

「絶滅の 危惧される飼育下のオランウータンの野生復帰を成功させるため、科学者達は何十年もの年月を注いできた。しかし、APP社がこの新しい生息地である大切な 森を破壊するのには、わずか数ヶ月しかかからない。この地域の低地林はオランウータンにとって最高の生息環境であり、我々は2002年以降オランウータン をここに放す許可を政府から得た。オランウータンは今順調に生活して繁殖し、新しいファミリーグループもできているところだ」フランクフルト動物学協会 (Frankfurt Zoological Society) のPeter Pratje氏は言う。

スマトラ島では世界でも 最悪と思われる勢いで森林破壊が既に進んでいるが、今回問題の地域の森林は、とりわけ危機的な状況にある。2007年時点では、まだかなり良好な状態の自 然林が45万ヘクタール近くまとまって残っていたが、ブキ・ティガプル国立公園として保護されているのはうち29%のみ、残りは明日にでも皆伐される危機 にさらされている。

保護されていない森林は、野生の生息数わずか400頭の、絶滅危惧種であるスマトラトラの貴重な生息地。400頭のうち約100頭が、生息していると推定されている。

「ブキ・ティガプルはスマトラトラに残された、最も重要な生息地でもある。APPの計画は破壊的であり、実施の暁にはトラのすむ森が消滅するだろう。トラ と人間の距離が接近し、悲劇的な事件が増えるのは確実。ジャンビ州の森が縮小し、トラは生き抜くのに必死になっている。同地域で今年、トラに遭遇して既に 9人が亡くなった」ロンドン動物学協会(Zoological Society of London) のDolly Priatna氏は言う。

ブキ・ティガプルには絶滅の危惧されるスマトラゾウも40~60頭生息しており、国立公園の外でほとんどの時間を過ごしている。

「APP社を止めなければ、ブキ・ティガプル地域のスマトラゾウの絶滅も現実になってしまうかもしれない。スマトラの希少な自然林と、地域に固有の生物種 を脅している張本人がAPP社だ。同社の取引先、出資者をはじめとするビジネスパートナーは、それをしっかり認識してほしい。」スマトラトラ保全保護基金 のYunus氏は言う。

ブキ・ティガプルの自然林にはタラン・ママク、オラン・リンバという2つの少数先住民族が住み、森や川の 天然資源に依存して生活している。WARSIのDiki Kurniawan氏は、「APP社は彼らの生計手段を奪い、生活を危機の瀬戸際へ追いつめている。私は1996年以来この森で住民たちと協力してきた。 あの強欲なグローバル企業から彼らを守る術はないのだろうか?」と述べた。

1985年から2007年の間に、スマトラ島では 1200万ヘクタールの自然林が消失、22年間で48%の森林が減少した。2007年時点で、島の面積に占める自然林の比率はわずか30%(約1300万 ヘクタール)まで減少している。インドネシア政府の林業、環境、公共事業、内務の各省庁と、ジャンビ州を含むスマトラ島内全10州の知事は昨年、島内の 「保護価値の高い」区域の保護に一丸となって取り組むと宣言、2008年10月、スペインのバルセロナで開催されたIUCN世界自然保護会議で公約として 称賛された。

APP社が破壊しようとしているブキ・ティガプルの自然林は、知事が守ると約束した保護価値の高い地域の最たる例である。

WWFインドネシアのイアン・コサシは、「ジャンビ州は、公約どおりにスマトラ島の保護価値の高い区域を守り、APP社の計画を食い止めるべき。近年成長 している森林排出権クレジットのように、森林を保全しながら利益を得られる、収益の代替手段を見出すことも必要だ。私達NGO団体はそのために、ジャンビ 州知事への全面的サポートを惜しまない。ブキ・ティガプルの森は、生物の多様性と先住民族のコミュニティーにとって相互利益が多く、森林を残すことで二酸 化炭素の排出が大量に抑制できる。REDD(森林減少と森林破壊に由来する二酸化炭素排出削減)プロジェクトを実証する地域としても大きな期待がある」と 述べた。

Notes to Editors:

APP 社および関連企業は既に、PT. Tebo Multi AgroとPT. Wanamukti Wisesaの自然林転換を行ってきた。最近ではジャンビ、リアウ両州への混交熱帯広葉樹の木材の運搬を容易にするため、元PT. IFAと元PT. Dalek Hutani Esaの伐採許可地で自然林を貫通する形で搬出路を作った。

現在APP社は、元PT. Dalek Hutani Esaの伐採許可地域の環境影響評価(AMDAL)の審査確定を待っている。この地域には2002年に野生復帰したオランウータンの多くがすんでいる。同 社が提出したAMDALの報告書は、そうした重要な野生生物や地元住民への悪影響を全く考慮しておらず、各NGOは報告書の質に疑問を持っている。加えて、APP社が来年早々にもこの伐採許可地域で、自然林を伐採し始める可能性があると懸念している。

APP社とその関連企業はこれまでも、物議を醸し、合法性が疑問視される森林の用地転換を中央スマトラで繰り返し実施している。

ブキ・ティガプルの森にAPP社が新設した木材搬出路は既に、多くの違法伐採者にとって格好のアクセス路となっている。用地転換法令の施行を担当する、天然資源省のジャンビ州事務所によれば、人間とトラの衝突も増えたとされている。

2008年8月、NGO5団体とジャンビ州森林管理局、天然資源省州事務所、ブキ・ティガプル国立公園管理局は、2007年に残っていた自然林の74%を「ブキ・ティガプル生態系」と定め、自然林として持続的な管理を行うことに合意した。

ブキ・ティガプル全域とその自然林、野生復帰したオランウータンやスマトラトラ、スマトラゾウの分布、ブキ・ティガプル生態系、APP社関連のパルプ材プランテーションの造成許可地域(HTI)などの地図は、以下i公表されている。
http://www.savesumatra.org/index.php/newspublications/mapdetail/1.0/3

本リリースを発表したNGO5団体による2008年の共同記者発表資料や、ブキ・ティガプルでのAPPの社の活動について発表した調査報告書など一連の文書はhttp://www.savesumatra.org/index.php/linkにて閲覧できる。

この世界で最も深刻な危機に瀕する熱帯林の保護を支持する、スマトラ島全10州の知事による歴史的な合意についての詳細は、以下
http://www.savesumatra.org/index.php/newspublications/newsdetail/1

問い合わせ先:

Peter H Pratje (FZS) : 08127495815 /phpratje@gmail.com
Diki Kurniawan (Warsi) : 08127407730 /dicky@warsi.or.id
Dolly Priatna (ZSL) : 081389001566 /Dolly.Priatna@zsl.org
Afdhal Mahyuhddin (WWF) : HP number / amahyudin@wwf.or.id
M. Yunus (Yayasan PKHS) : 081365705246 /yunus_pkhsb30@plasa.com

5団体が合同で林業省宛てに送った書簡(インドネシア語および英語)と添付された写真の提供については、以下に問い合わせられたい。
Dyah Ekarini drini@wwf.or.id)


APP社がまたも乱伐!スマトラの森林が危機に(2008年1月16日)

これまでインドネシアのスマトラ島で、度重なる熱帯林破壊を引き起こしてきたアジアの大手製紙会社APP社。今回またも、同社による大規模な森林の開発計画が明らかになりました。違法性も指摘されるこの開発が、残された自然林と、そこに生きる貴重な野生生物、そして先住民の人々の生活を脅かそうとしています。

2つの州をまたぐ、自然林の伐採計画

インドネシアの法律では、森林の生態系や、先住民などの地域住民にとっての社会的な価値が、公正な手段で保全できることが確かめられない限り、自然林を商業的な目的で伐採することが禁じられています。

ところが最近、WWFが複数の環境保護団体と共同で現地調査を実施したところ、アジアを代表する大規模製紙企業で、これまでにも度重なる森林破壊を指摘されてきた、アジア パルプ アンド ペーパー(APP)社が、そうした確認をせずに自然林を切り開き、大規模な道路の建設を予定していることが、明らかになりました。

問題となっているのは、スマトラ島ジャンビ州の森林です。テッソ・ニロ国立公園のある中部のリアウ州に隣接するこの州では、APP社の関連会社が大規模な製紙工場を操業しています。
APP社とその関連会社は、ジャンビ州の「ブキ・ティガプル森林地域」に、合計3,581平方キロ(東京都の約1.6倍)の伐採許可区域を保有しており、今後、その地域に大きな道路を建設し、リアウ州で伐採した木材を大型トラックで搬送する考えです。

しかし、この伐採予定地のほぼ半分に相当する1,879平方キロは、明らかに自然林であり、絶滅が危惧される野生生物の貴重な生息地になっています。これまでに、ここで確認された哺乳類と鳥類は、およそ250種。とりわけ絶滅の危機が高いとされるトラの生息地としては、2006年にトラの専門家チームが、世界で最も重要な20の地域にも選んだ場所です。さらに、2つの先住民グループが今もこの森で暮らしており、そのうちの1部族は、この地域にしか在住していません。

わずか90頭!オランウータンの野生復帰も赤信号

APP社側の計画どおり、道路が自然林を破壊し、そこを通ることになれば、現在大きくまとまった規模で残されている森林が分断され、野生生物や先住民の暮らしに深刻な影響が及ぶおそれがあります。

また、この区域では現在、ドイツのフランクフルト動物園が、史上初めてとなる、近絶滅種スマトラオランウータンの野生復帰プロジェクトを進めています。
最近、人工飼育した90頭のオランウータンが放されたばかりですが、ここまで大きな失敗もなく進められてきたこのプロジェクトも、今後森林がさらに伐採された場合、その見通しは危ういものになりかねません。

既にAPPと関連企業は、ブキ・ティガプルの森林区域で約2万ヘクタールの自然林を皆伐しており、しかもその一部は、インドネシアの法律に反して行なわれた可能性が指摘されています。

この問題について、WWFインドネシアの森林プログラム・ディレクター、イアン・コサシは次のように言っています。
「これだけの生物多様性を有する、ブキ・ティガプル区域の自然林の伐採は、どのような理由があれ、即刻禁止すべきです。APP社と取引のある世界各国の企業は、果たすべき企業責任の一環として、私たちの活動を支持していただきたい。第三者による森林伐採の現状に関する評価が行なわれ、その結果を公開し、保全すべき森の伐採禁止を公約しない限り、APP社は伐採を再開するべきではありません」。

伐採企業、そして消費国としての責任を!

日本やヨーロッパ諸国には、このAPP社から紙を購入している企業が依然として多数存在します。インドネシアの自然林に由来する原料は特に、コピー用紙に多く用いられていますが、日本ではとりわけ、全コピー用紙消費量の約20%が、インドネシアの木材を原料とする物とされています。

1枚1円未満で購入されることも珍しくないコピー用紙。しかし、その影で犠牲になっている野生生物や自然環境は、お金では買うことのできない、そして、一度失われれば、二度ととり返すことのできないものです。

APP社のたび重なるずさんな森林管理に対し、持続可能な木材資源の利用と認証をめざすFSC(森林管理協議会)本部は、同社との今後一切の関係を断つ声明を公式に発表。WWFもインドネシア政府に対して、法律の取り締まり強化を求めるとともに、欧米や日本の企業や消費者に、自社が使う紙や木材の原産地を確かめ、環境に配慮した製品を調達・利用するよう求めています。

関連資料

2007年12月発表
FSCによる、APPとの決裂に関する公式声明(英文:PDF形式、9.7KB)


関連資料:APP社の自然林伐採、地域住民と貴重な野生生物にさらなる脅威(2008年1月8日)

記者発表資料 2008年1月8日

【インドネシア、ペカンバル・ジャンビ両州発】

アジアを代表する大規模製紙企業アジアパルプアンドペーパー(APP)社およびその関連企業により、インドネシアの貴重な自然林の中に大規模な道路が建設予定であることが、WWFをはじめとする環境保護団体の調査で明らかになった。法的な正当性の疑わしいこの道路が建設されれば、同地に残された貴重な自然林が分断され、既に絶滅の危機に瀕しているゾウ、トラ、オランウータンそして地域に土着する2つの先住民族が、さらなる脅威にさらされることになる。

スマトラ島中央部に位置するブキ・ティガプル森林区域は、250種を超える哺乳類や鳥類のすみかで、地球上で最も生物多様性に富む地域。APP社による、ブキ・ティガプルでの違法な森林伐採と道路建設予定は、WWFおよび連携して活動する環境保護団体の共同調査により明らかになった。
ブキ・ティガプルでの森林伐採は、隣接するリアウ州でのAPP社の伐採事業が違法の可能性があるとされ、警察当局により差し止められた後に始まった。道路が建設されれば、それまでにリアウ州で皆伐された木材を、ジャンビ州の製紙工場まで大型トラックで容易に搬送できるようになる。既にブキ・ティガプルの森林区域でAPPと関連企業は、約20,000ヘクタールに及ぶ自然林を皆伐しており、その一部もインドネシアの法令に違反している可能性が高い。

ブキ・ティガプル森林区域には2つの先住民が住んでおり、うち1部族は同区域以外には見られない。2006年には、国内外のトラの専門家により、トラ保護のため優先して保全すべき世界の20地域のひとつに指定された。最近は、スマトラオランウータンの野生復帰プロジェクトが試みられた。順調に進行している同プロジェクトの対象地域は、保護区として政府に提案された場所と一部重複しているが、今回の調査によると既に、APP関連企業により伐採されつつある。

環境保護団体はAPP社と関連企業に対し、生態系の維持や、環境、地域文化の側面から保護の必要があるかどうかを確かめていない自然林の伐採を中止し、そうした自然林を伐採して生産された木材を取り引きしないよう求めている。インドネシア政府に対しても、国の法律に反する皆伐は、方法や規模の如何を問わず禁止するよう要求している。

「これだけの生物多様性を有するブキ・ティガプル区域の自然林の伐採は、理由の如何を問わず、即刻禁止すべき。APP社は世界的規模で操業する製紙企業だが、世界中の同社の取引先は、責任ある企業市民として私どもの行動を支持していただきたい。APP社が伐採を再開するには、同社が第三者による森林の評価を実施し、その結果を透明な方法で公開したうえで、評価の結果保護の必要が明らかになった部分は、伐採せずに残す旨を公約することが必須だ」WWFインドネシアの森林プログラムディレクター、イアン・コサシは言う。

インドネシアの法律では、プランテーション造成などに用途を転換するための、自然林の皆伐には、種々の条件を満たすことが必要。しかし、APPやその関連企業がそうした条件を満足せずに、違法な伐採で既に広範な自然林を植林地に転換したことを示す証拠が、調査により発見された。その一部は「特定保護区域」に提案されており、最近、90頭のスマトラオランウータンが野生に復帰したばかり。オランウータンのスマトラ島での野生復帰はこの150年来初めての試みである。

問い合わせ先

WWFインドネシア デスマリア・ムルニ tel:62 811793458 e-mail:dmurni@wwf.or.id
WWFインターナショナル種保全プログラム ヤン・バートフィユ tel:1 202 861 8362 e-mail:janv@wwfus.org

英文プレスリリース オリジナル:New APP logging in Sumatra threatens local people, endangered species

Pekanbaru & Jambi, INDONESIA-An investigative report released today finds that paper giant Asia Pulp & Paper (APP) and its affiliates are constructing a massive logging highway that will split in half one of Indonesia's most important forests. The legally questionable highway threatens to devastate one of Sumatra's last large forest blocks, home to two tribes of indigenous people and endangered elephants, tigers and orangutans.

The Bukit Tigapuluh Forest Landscape in central Sumatra contains some of the richest biodiversity on Earth, with more than 250 other mammal and bird species. Field investigations by WWF and its partners found evidence of illegal logging and constuction of a logging highway there by APP, one of the world's largest paper companies, and its partners. The highway allows logging trucks easier access to APP's pulp mills in Jambi Province; the clearing took place after APP's forestry operations in neighboring Riau Province were halted due to a police investigation of illegal logging. APP partners have cleared an estimated 20,000 hectares of natural forest in the Bukit Tigapuluh landscape and some of the clearing appears to be in violation of Indonesian law.

The forest is home to two tribes of indigenous people, one of which lives nowhere else on Sumatra. The landscape also was designated one of just 20 "global priority" landscapes for tiger conservation by a global team of tiger scientists in 2006. It is the location of a successful conservation project to reintroduce orangutans, which now reside in a part of the landscape that is proposed for protected status but is already being cleared by APP-affiliated companies, the report found.

Conservationists urge APP and its partners to stop clearing any more natural forest whose ecological, environmental and cultural conservation values have not been determined and to stop sourcing any of its purchased wood from such forests. Conservationists also call on the government to ensure an end to all forms of forest clearance found to violate national Indonesian laws and regulations.

"With its high conservation values, the Bukit Tigapuluh Landscape should be protected and thus all natural forest clearance in the area has to be stopped," said Ian Kosasih, WWF-Indonesia's Forest Program Director. "APP is one of the world's largest paper companies and we believe its global customers expect it to act like a responsible corporate citizen. The company should commission independent assessments of the conservation values of these areas in a publicly transparent manner before any conversion takes place, and commit to protect and manage conservation values identified in these areas."

Indonesian law has a set of criteria and requirements to be fulfilled prior to conversion of natural forest. Yet evidence found during the investigation indicates APP-affiliated companies converted hundreds of hectares before fulfilling these requirements, thus violating Indonesian law. Part of the area being cleared is in a proposed Specific Protected Area that serves as habitat for about 90 Sumatran orangutans recently introduced into the area for the first time in more than 150 years.

The full report on APP's activities in Bukit Tigapuluh can be downloaded at http://www.panda.org/news_facts/newsroom/

For further information, please contact:
Desmarita Murni, WWF-Indonesia: +62 811793458 dmurni@wwf.or.id
Jan Vertefeuille, WWF-International Global Species Programme: + 1 202 861 8362 or janv@wwfus.org


関連資料:APP Forest Clearing in Bukit Tigapuluh Threatens Lives of Local Communities and Sumatra's Endangered Species(2008年1月8日)

NGO共同記者発表資料 2008年1月8日

Pekanbaru & Jambi, INDONESIA The destruction of high biodiversity forest in Sumatra's Bukit Tigapuluh landscape -including the extinction of the endangered Sumatran tiger, elephant, and orangutan- is now in front of our eyes. The Bukit Tigapuluh Landscape is severely thretened due to on going massive clearance and a future plan by the Ministry of Forestry to convert the expired Selective Timber Concession (HPH) through the giant pulp and paper company Asia Pulp & Paper (APP) and its partners.

The Bukit Tigapuluh Landscape, located in Jambi and Riau Province, is one of the last remaining areas of relatively large contiguous dry lowland forest in Sumatra. Five environmental NGOs that work in the landscape strongly criticize this conversion plan. The plan will systematically threaten the habitat of endangered species; environmental services provided by watershed Indragiri and Rateh rivers of Riau and watershed Batanghari and Pengabuan rivers of Jambi; and the livelihood of forest-dependent local communities, including indigenous tribe of Talang Mamak and Orang Rimba.

WARSI, Program Konservasi Harimau Sumatera/PKHS, Frankfurt Zoological Society, Zoological Society of London and WWF-Indonesia call on the government to take real action in protecting the remaining forest in Bukit Tigapuluh landscape from forest conversion done by APP and its partners.

Natural forests in Jambi have became a new target for APP to source its materials to produce pulp and paper as its conversion activities in the neighoring Riau have been stopped due to a police investigation of illegal logging there.

Inactive logging concession areas in Bukit Tigapuluh forest block have become the target of forest clearance to plant accacia by APP partners PT Arara Abadi of Riau and PT Wirakarya Sakti of Jambi. Both are very expansive in clearing forests to provide material for the pulp and paper industry.

APP partners have cleared about 20,000 hectare of natural forest in part of the Bukit Tigapuluh lanscape, particularly in the area surrounding protected forest Bukit Limau. The forest clearence was done to supply material for pulp production at APP's PT.Indah Kiat Pulp and Paper in Riau and PT.Lontar Papyrus Pulp and Paper in Jambi.

Field investigations done by environmental organizations in Riau and Jambi and released today found indications of illegal logging and logging highway construction by APP and its partners in the location of inactive ex PT IFA and PT Dalek Hutani Esa. The highway has created access for further conversion and sped up the loss of natural forests, while the legality of the highway construction is still being scrutinized. Natural forest clearance has taken place inside and around the protected forests in Bukit Tigapuluh landscape and in the area that serves as home to indigenous Orang Rimba and Sumatra's endangered species. (See WWF Investigative Report).

Conservationists are very concerned by the findings and call for APP and its partners to stop clearance of any natural forest where ecological, environmental and cultural conservation values have not been determined and protected and an end to the sourcing of any wood from such clearances. The groups also call on the government to review its current policy on Bukit Tigapuluh and to better address current threats against the Bukit Tigapuluh ecosystem before it is too late. This includes stopping all forms of forest clearance in breach of national Indonesian laws and regulations.

"With its high conservation values, Bukit Tigapuluh Landscape should be protected and therefore all natural forest clearance in the area has to be stopped," said Ian Kosasih, WWF-Indonesia's Forest Program Director. He called for APP to commission independent assessments of the conservation values of the area in a publicly transparent manner before any conversion take place.

The five conservation groups issued a letter to the Minister of Forestry in 3 September 2007 calling for redrawing the boundaries of Bukit Tigapuluh National Park and protecting Sumatran tiger, elephant, and orangutan habitat around the park and its extension protected forest Bukit Sosah-Bukit Limau.

59 mammal species and 198 bird species-a third of Sumatra's birds- have been recorded so far in Bukit Tigapuluh landscape, and it is a home of endemic and endangered flora Rafflesia hasseltii and Johanesteima altifrons. The Bukit Tigapuluh Landscape is also considered by many tiger scientists and conservation experts as one of 20 Global Priority Tiger Conservation Landscapes. Indigenous tribes of Talang Mamak, Orang Rimba and Traditional Melayu are known to settle in Bukit Tigapuluh forests and are highly dependent on the forests for their livelihood.

For further information, please contact:

Diki Kurniawan (Warsi) : 08127407730 /dicky@warsi.or.id
Peter H Pratje (FZS) : 08127495815 /phpratje@gmail.com
Dolly Priatna (ZSL) : 081389001566 /Dolly.Priatna@zsl.org
Desmarita Murni (WWF) : 0811793458 / dmurni@wwf.or.id
M. Yunus (PKHS) : 081365705246 /yunus_pkhsb30@plasa.com

Notes for editor:

Full report in English released today "Asia Pulp & Paper (APP) Threatens Bukit Tigapuluh Landscape" can be downloaded at:
http://rafflesia.wwf.or.id/library/attachment/pdf/BTp_Investigation_Jan%202008_draft_FINAL.pdf
WWF Investigative report on recent illegal logging operation by APP can be downloaded at:
http://rafflesia.wwf.or.id/library/attachment/pdf/ Illegal logging_Investigation_Jan%202008 FINAL.pdf

Pictures to accompany the report are available upon request by contacting dmurni@wwf.or.id


中国のビジネスに影響!APPインドネシアの森林管理(2007年11月30日)

インドネシアのスマトラ島中央部に位置するリアウ州では、大手製紙企業などの操業により、世界的に貴重な熱帯林が失われています。その代表例がAPP(アジアパルプアンドペーパー)社。今回、森林監査を行なう審査機関スマートウッドは、インドネシアにおけるAPP社の操業が一向に改善されないことから、中国にある同社の子会社と結んでいた契約を解除しました。

森林管理の順調な国で、監査契約を解除した理由は?

APP社は、インドネシア、中国、シンガポールといった国々で木材原料やパームオイルを生産するための森林やプランテーションを管理し、木材、紙製品の加工工場などを保有する国際的な企業グループ、シナルマス・グループ(SMG)に属しています。

FSC(森林管理協議会)の基準に基づく森林審査を実施する資格を持ち、その他にも森林管理に関するサービスを提供している、レインフォレスト・アライアンスの森林審査部門スマートウッドは、中国に設立されたこのAPP社の子会社(APP中国)と、森林の管理状況を監査するための契約を2005年に締結しました。

スマートウッドが監査を引き受けた、中国での森林管理は順調に進んでいます。それにも関わらず、今回スマートウッドは、この中国での監査契約を中途解約することを発表しました。
その背景には、APP社のインドネシアにおける、自然林の破壊的な伐採があります。

国際企業は、全域で一貫した環境配慮を!

スマートウッドが懸念した問題の一つのは、APPが中国で成功し、スマートウッドの監査をクリアしている森林管理が、あたかも同社の管理する、他国の森林を含めた全ての地域で、実施されているかのような宣伝がなされる可能性があることでした。
実際、APP社は過去に、同社がインドネシアの森林保護のために積極的に貢献しているかのような広告を、2006年8月7日付のニューヨークタイムズおよびロンドンタイムズに掲載しています。

スマートウッドは、中国における森林監査を再開する条件として、APPが直接管理している世界全域の自然林および植林地に関し、貴重な生態系の破壊に荷担する恐れのある伐採を即時停止し、それらがHCVF(保護価値の高い森林)にあたるかどうかを、明確にする審査を実施するよう求めています。

今回のスマートウッドの例は、世界規模で天然資源を入手している企業は、操業する地域に関係なく、一貫した環境方針にもとづくビジネス展開が求められることを示すものといえます。APP社と取り引きしている日本の企業も同様に、自社の行動規範に照らし、取引きの継続を真剣に検討する必要があるでしょう。

スマートウッドの声明に対し、APP社および関係する製紙業界がどのように対応するか、今後の動向が注目されます。

▼スマートウッドの公式声明オリジナルは、以下をご覧ください

・レインフォレスト・アライアンスのサイト(英文/PDF形式)

・公式声明の和訳はこちらをご覧ください
(訳:スマートウッド日本代表事務所/PDF形式)

関連サイト

レインフォレスト・アライアンスとは
森林に関係の深い農産物が、自然の生態系維持や地域住民の権利を保証しながら育てられていることを、認証する制度を作っている非営利団体。認証の対象とする農産物として代表的な物に、コーヒー、バナナ、パイナップルなどが挙げられます。

▼レインフォレスト・アライアンスの公式HP(英語)

スマートウッドとは
レインフォレスト・アライアンスはFSCの制度にもとづく森林認証の監査も実施しており、認証機関のひとつである「スマートウッド」の委託を受けて、森林の審査を行なっています。


審査機関が「逆認定」!APP社の森林破壊明らかに(2007年2月14日)

インドネシアのスマトラ島を中心に、自然林の大規模な皆伐を続ける製紙会社APP(アジアパルプアンドペーパー)社に対し、同社による森林保護を監査する第三者の審査機関が、その現状と取り組み内容に大きな問題があることを指摘。同社との業務契約を打ち切る旨を公表しました。

審査機関レインフォレスト・アライアンスの判断

世界的に貴重な熱帯林が残るスマトラ島中部リアウ州の森。ここを中心に操業するAPP社が、同社が伐採許可を保有する森林区域内にある、HCVF(保護価値の高い森林)の保護を、初めて公約したのは2003年のことでした。
この公約が確実に実施されたかどうか、外部の検証を受けるため、APP社は2005年7月に、独立した審査機関である「レインフォレスト・アライアンス」と契約を締結。森林の状況を定期的にモニタリングし、HCVFと特定された森が、伐採されずに残されているかどうかを確認し、審査結果を公開することにしました。

しかし、この契約に基づき、2005年10月、レインフォレスト・アライアンスの森林審査部門であるスマートウッドにより、初めての森林の実地調査が実施されたところ、HCVF保護の観点からは、期待とはほど遠い実態が明らかになりました。範囲が特定されていたはずのHCVFは保護されておらず、焼失していたり、皆伐されている地域が認められたのです。

スマートウッドは、この実情の改善を求める「改善要求事項」を、APP社に対し、公式に発行。2006年10月には、改善状況を検証するため、再度審査を実施しました。しかし、結果はまたしても惨憺たるもので、要求された事項に対しAPP社が努力した証は見られず、さらに新たな問題さえも発見されました。

結果レインフォレスト・アライアンスは、APP社との信頼関係を維持しながら契約を継続することは、もはや不可能と判断。2007年2月17日限りで業務契約を解除するとの判断をくだしました。

企業は自らの判断で、取引先の選定を!

今回の、レインフォレスト・アライアンスによる判断は、第三者機関がAPP社に対し、WWFと同様の見解を表明した結果となりました。
WWFはスマトラの熱帯林保全のため、2001年からAPP社に対し、さまざまな働きかけを行なってきましたが、自らの公約にたびたび背くAPP社の姿勢と、前向きとはいえないHCVF保護への取り組みから、これ以上の申し入れは無駄と判断。2004年2月以降、同社との公的な対話を一切絶っています。

今回、APP社が伐採許可を保有する森林区域で、同社によるHCVFの保護状況を監査する第三者の審査機関が、同社との契約を打ち切ったことは、APPの森林保全に対する姿勢に大きな問題があることを、あらためて明らかにすると共に、スマトラの森が今も大きな脅威にさらされていることを示すものといえます。

そして、このことは、日本とも決して無関係ではありません。
日本で現在使用されるコピー用紙の約30%は、インドネシア産といわれています。これらの製品が、環境に配慮していることを謳っている例も多くありますが、本当に、環境や地域住民にも配慮されて生産された紙製品かどうかは、疑わしい場合もあります。
一般の消費者に、環境破壊型の製品を供給しないように、紙製品を取り扱う日本の企業は、自らの責任として、その供給元の実態を真剣に検討し、取引先を選んでいくことが求められています。

2007年1月レインフォレスト・アライアンス公式声明:インドネシア、スマトラ島におけるAPP社との、保護価値の高い森林(HCVF)を検証する業務契約解除の件(仮訳)

原文:Rainforest Alliance Public Statement:
Termination of Contract to Verify High Conservation Value Forests (HCVF) for APP in Sumatra, Indonesia
January 2007

On July 8, 2005 the Rainforest Alliance entered into agreements with PT Indah Kiat Pulp & Paper Tbk, an Indonesian limited liability company, better recognized as Asia Pulp & Paper or"APP" in Indonesia. The agreements asked for the Rainforest Alliance SmartWood Program to provide independent monitoring on the status and condition of High Conservation Value Forest(HCVF) areas within four concessions managed by the Sinar Mas Group (Pulau Muda,Serapung, Siak, and Bukit Batu). Three of these HCVF areas were identified in SmartWood HCVF assessments in 2004/2005, while the fourth had been identified by WWF.
SmartWood HCVF audits would produce regular reports and deliver a "Verification Statement"that attested to the scope and results of the company efforts in protecting these HCVF areas. In addition, summary reports of the verification work were to be made public. The process was to continue as long as all requireme nts were being met and evidence demonstrated that agreed to forest within the HCVF boundaries in each concession was being protected.
The first verification audits of the HCVF areas occurred October4-7, 2005. SmartWood found significant weaknesses with the company's approach to management that resulted in a lack of protection or conservation of these forests. The results of these audits were the issuance of three(3) Major Corrective Action Requests (CARs) and one (1) Minor CAR - all with a 6 month timeframe to remedy the concerns.
The second verification audits were delayed until September 4-9, 2006, due to the transition in management and staffing at APP and also the Asia Pacific Region Office of SmartWood.
SmartWood found equally unsettling concerns with the management and lack of protection of the HCVF areas. Specifically, none of the three (3) Major CARs from the previous audit had been completed, the one (1) Minor CAR from the previous audit was not completed and raised to a Major CAR, and there were four (4) new Major CARs issued due to continued deterioration and changes in the boundaries of the HCVF from those originally agreed upon.
After one complete year, involving two intensive field evaluations, the findings from the verification audits clearly indicate to Rainforest Alliance that the efforts made by APP are insufficient to manage and protect these HCVFs. The company has not demonstrated a comprehensive, consistent or dedicated approach toward conservation management necessary to maintain or enhance the forest ecosystems fundamental to the survival of the HCVs present there. Changes in HCVF boundaries, includi ng some clearing of HCVFs identified for conservation, have occurred, which directly contravenes agreements between APP and the Rainforest Alliance. The company has also not addressed in a consistent or timely manner the Corrective Action Requests (CARs) raised by SmartWood.
As a result, the Rainforest Alliance submitted a formal letter terminating the contract with the Company, effective February 17, 2007.
This decision does not mean that the door is shut to APP in Indonesia receiving future Rainforest Alliance HCVF monitoring audits and statements.
The Rainforest Alliance would consider re-engaging with the company and re-activating the program if there was commitment to achieve substantive and meaningful HCVF conservation on the part of the company. To do this, the following would need to be accomplished:

All outstanding CARs have been completed and verified in the forest to the satisfaction of an independent SmartWood auditing team;

APP has developed and trained an internal team capable of conducting HCVF assessments on all natural forest and plantation blocks using the definition and methodology utilized in prior HCVF assessments;

APP has completed at least one HCVF assessment in a concession area slated for conversion of natural forest before harvesting takes place and an independent SmartWood audit has verified in the field and approves the assessment of HCVF existing within the concession; and,

APP puts in place a harvesting moratorium on all company and joint venture concessions within which the conversion of natural forest to plantations are planned to occur until such time as a full HCVF assessment has been completed on that concession and been independently verified by SmartWood.
The Rainforest Alliance welcomes any questions relating to the HCVF verification for APP in Sumatra, Indonesia and the decisions by SmartW ood. These can be brought to the attention of the following Rainforest Alliance staff:

Richard Z. Donovan, Chief of Forestry (rdonovan@ra.org),

Jeff Hayward, SmartWood Verification Services Manager (jhayward@ra.org), and/or,Loy Jones, SmartWood Asia Pacific Regional Manager (ljones@ra.org).
Copies of all SmartWood HCVF assessment and audit reports are made available as soon as they are finalized. These can be found at:

http://www.rainforest-alliance.org/programs/forestry/smartwood/app.html

仮訳

レインフォレスト・アライアンスは2005年7月8日付けにて、インドネシアの民間企業インダキアット・パルプアンドペーパー社、または一般にアジアパルプアンドペーパー社(以下APP社)として知られる企業と、数個の契約を締結している。契約は、シナル・マス・グループが管理する4箇所の伐採許可地域内(プラウ・ムーダ、セラポン、シアック、ブキ・バツ)のHCVFの状況に関し、レインフォレスト・アライアンスのスマートウッド・プログラムが第三者としてモニタリングを実施するという内容のもの。うち3区域内のHCVFは2004および2005年に実施したスマートウッドのHCVF評価により特定され、残り1箇所はWWFにより特定された。

契約に基づきスマートウッドは、HCVF保護に対するAPP社の取り組みを証明する報告書および「HCVF検証の公式声明」を、HCVF監査の結果に基づき定期的に作成した。また、それら検証作業の要約レポートも公開される段取りであった。伐採許可地内のHCVF保護のためにAPP社とレインフォレスト・アライアンスとが合意した事項に基づき、要件がすべて満たされ、保護活動が実証される限り、こうした文書は継続して作成されることになっていた。

初めての検証作業は、2005年10月4~7日に実施された。その結果スマートウッドは、APP社のHCVF管理に大きな欠点がいくつかあることを発見し、重大な改善要求事項3点、軽微な改善要求事項1点を発行した。すべての点につきAPP社は、6ヶ月以内に改善措置を講じる必要があった。

2度目の検証作業は、APP社の経営層と関係スタッフの変更および、スマートウッドのアジア太平洋オフィスの人員変更が原因で、当初の予定より遅れ、2006年9月4~9日に実施された。スマートウッドは先回同様、森林管理とHCVF保護の欠如に対する懸念を抱いた。具体的には、先回発行された3つの重大な改善要求と1個の軽微な改善要求すべてについて、何の措置も実施されておらず、結果軽微な改善要求は重大な改善要求となった。また、当初合意されたHCVF区画が何度も伐採され変更されていることで、4つの重大な改善要求が追加された。

まるまる一年をかけて実施した2度の厳正な実地評価から、HCVFを管理し保護するAPP社の活動は不充分なことが明らかである。森林の保護価値を残していくために不可欠な、森林生態系を維持し高めるための総合的で一貫した管理を実施した証拠を、APP社は何ら示せずに終わった。特定されたHCVF区画はたびたび変化し、時として皆伐すら行われている実態は、APP社とレインフォレスト・アライアンスの当初の合意を全面的に否定するものである。APP社はまた、スマートウッドの発見した改善要求を遅滞なく、一貫した方法で公開することも実施していない。結果レインフォレスト・アライアンスはAPP社に対し、同社との業務契約を2007年2月17日をもって解消する旨の公式な書簡を送付した。

この決定は、レインフォレスト・アライアンスがAPP社に対し、将来HCVFモニタリングを一切実施しないという意味ではない。実質を伴う有意義なHCVF保護活動を実施する旨APP社が公約するのであればレインフォレスト・アライアンスは、いつでもAPP社との契約を締結し直す用意がある。ただしそれには、以下の実施を条件とする:

1. 重大な改善要求事項すべてについて、改善措置が完了し、かつその措置がスマートウッドにより認められること
2. APP社が管理する自然林と植林地すべてにおいて、過去のHCVF評価でスマートウッドが使用した定義と手法によるHCVF評価を自社で実施できるよう、人的体制を整え、担当職員の訓練が完了すること.
3. APP社が、植林利用事業許可を有する自然林区域の、最低でも一箇所において伐採の前にHCVF評価を実施し、かつスマートウッドが実地にこれを検証し、対象区域に現存するHCVFの評価を適切なものとして認定すること.
4. APP社が自社および他社と合弁で、植林利用事業の権利を保有する自然林の区域すべてにおいて、完全なHCVF評価を実施し、これをスマートウッドが妥当と認定しない限り、伐採を停止すること.

インドネシア、スマトラ島におけるAPP社のHCVFの検証と、スマートウッドの今回の決定に対する問い合わせについては、以下レインフォレスト・アライアンスのいずれかのスタッフに問い合わされたい:

リチャード・Z・ドノバン、森林チーム主任 (rdonovan@ra.org)
ジェフ・ヘイワード、スマートウッド 認証サービス・マネジャー (jhayward@ra.org)
ロイ・ジョーンズ スマートウッド アジア太平洋地域マネジャー (ljones@ra.org)

APP社に対するスマートウッドのHCVF評価および監査レポートは、最終稿がまとまり次第以下から入手できる:

http://www.rainforest-alliance.org/programs/forestry/smartwood/app.html

関連情報

  レインフォレスト・アライアンスとは

森林に関係の深い農産物が、自然の生態系維持や地域住民の権利を保証しながら育てられていることを、認証する制度を作っている非営利団体。認証の対象とする農産物として代表的な物に、コーヒー、バナナ、パイナップルなどが挙げられます。

レインフォレスト・アライアンスの公式HP(英語):
http://www.rainforest-alliance.org/

APP社の森林審査に関する詳細は、以下に記載されています(英語):
http://www.rainforest-alliance.org/programs/forestry/smartwood/app.html

  スマートウッドとは

レインフォレスト・アライアンスはFSCの制度にもとづく森林認証の監査も実施していますが、認証機関のひとつである「スマートウッド」の委託を受けて、森林の審査を行っています。


スマトラ島から熱帯林が消える!APP社の森林伐採(2006年10月27日)

インドネシアのスマトラ島では、世界的に貴重な熱帯林が今、消滅の危機に瀕しています。WWFは2006年10月20日、現地で天然林の伐採を手がけている大手製紙企業、APP(アジアパルプアンドペーパー)社に関する新しい報告書を発表。同社が依然として破壊的な森林伐採を続けている事実を明らかにしました。WWFは、各国にある同社の取引先企業に対し、取り引きの再考を促しています。

言動不一致、APP社の企業活動

スマトラゾウやスマトラトラを頂点に、世界的に高い生物多様性が認められている、スマトラ島の低地熱帯雨林。中でも、島の中部に位置する、リアウ州と隣のジャンビ州は、そうした貴重な低地林の残る地域です。ここには、テッソ・ニロ国立公園を始め、いくつかの保護区が設けられていますが、その周辺では、保護区に劣らず貴重な天然林が、今も広範囲にわたり皆伐され続けています。

この伐採に、特に深くかかわっているのが、現地に操業拠点を持つ、世界でも最大級の規模を持つ製紙会社、アジアパルプアンドペーパー(APP)社です。

WWFは2001年以降、特にリアウ州の天然林の無秩序な伐採をくい止めるため、APP社など大手の製紙企業に対して、森林を保全する法の遵守や、「保護価値の高い森林(HCVF)」の保全などを強くはたらきかけてきました。
その活動が効を奏し、2003年と2004年にAPP社は、伐採権を所有する一部の森林区域で、独立した第三者機関が「HCVF」と判定した部分を保護する公約を発表。同社が手がける本格的なHCVF保護の第一歩として、WWFもこれを歓迎しました。

ところが2005年、HCVFとされた森林の保護状況を、再び第三者機関が審査したところ、充分な保護がなされていない事実が判明します。
さらにAPP社は、2006年6月、今後WWFの提案に応じた新たな森林の評価や、HCVFの保全に取り組む意志がないことを表明。さらに8月7日には、世界的な有力紙、ニューヨークタイムズとロンドンタイムズ紙上に、あたかも自然保護に積極的な企業であるかのような印象を与える、全面広告を掲載しました。
この「環境広告」の内容についても、すべてWWFの確認した事実と異なるか、読者に誤解を与えるよう故意にデータを引用したものであることが、その後、明らかになっています。

実際、APP社は、リアウ州で操業を開始して以来、約100万ヘクタール(東京都の面積の約4.6倍)におよぶ天然林の消失に荷担してきました。そして、今も、一貫性に欠けた言動を繰り返し、環境面から問題のある伐採を続けています。こうした伐採が広がり続けたならばリアウ州の天然林は、早晩壊滅的な状態に陥ることになるでしょう。

全ての企業そして消費者に問われる森林破壊の責任

APP社の操業は、同社と商取り引きをする企業が世界中にある限り続きます。WWFインドネシアをはじめとする各国のWWFは、APP社の主要な取引先企業に対し、貴重であることが認められた森林を伐採しないよう、APP社にはたらきかけることを求めてきました。

しかしAPP社が自ら森林保全に取り組む意志を持たないことが判明し、改善も期待できない今、現状どおり、企業間の取引が続く限り、リアウ州の天然林を守ることはできないことは明らかです。

WWFの呼びかけに応え、2004年にAPP社からの製品購入の停止を発表したオフィスデポ(北米)をはじめとする、国際的なビジネスを展開する企業が、APP社製品の取り扱いを中止しました。日本でも、以下の事例があります。

 株式会社リコー
株式会社リコーは、紙製品調達に関する独自の環境規定を作成、WWF等のNGOからの情報・意見も参考にしながら、APP社に対して保護価値の高い森林を保護するよう企業活動の改善を求めてきた。しかしながら、最終的には、相互に計画した通りの改善が見られなかったことなどから、購買契約の更新を実施できず、その結果、APP製品の購入を停止した。

 富士ゼロックス株式会社
富士ゼロックス株式会社は、富士ゼロックスと関連各社が仕入れる用紙について、法律や規制が遵守されて、持続可能な森林管理が実施されていることなど6つの原則を骨子とする「調達先に対する環境・健康・安全に関する調達規程」を制定、運用を開始した。これに照らしてAPP社は不適合と評価、富士ゼロックスおよび関連各社が同社からの紙の購入を停止した。

WWFジャパンは、APP社の取引先であるその他の企業に対しても、問題解決への協力を求めています。特に6月、APP社がHCVFの保護を拒否した際には、同社の操業に警鐘を鳴らし、取り引き再考を求める書簡を、複数の日本企業に送付しました。これまでに、APP社から購入する製品を、100%植林木から生産されたものであると確認された物に限定するなど、具体的な方策を講じた企業もありましが、問題の解決には、まだ遠いのが現状です。

WWFは2006年10月20日、APP社に関する新しい報告書を発表し、同社が依然として破壊的な森林伐採を続けている事実を明らかにする一方、APP社と取り引きを続けている日本企業に、改めて書簡を送付し、APP社との取り引きについて再考するよう求めています。

APP社と取引のある企業についての文献等による調査によると、2006年10月27日現在インドネシアのAPP社の紙を扱っている主要な日本企業は以下の通りです(五十音順):
アスクル株式会社、伊藤忠紙パルプ株式会社、伊藤忠商事株式会社、株式会社大塚商会、コクヨ株式会社、大王製紙株式会社、富士フイルムビジネスサプライ株式会社、丸紅株式会社。

APP社の直接の取引先ではない企業も、問題を認識できないまま、間接的に同社の製品を購入している場合があります。
WWFジャパンはすべての企業が、自社の商品や使用する紙製品の由来を、今いちど確認すること、そしてその結果、APP社製品であることが明らかになった場合は、自社の土台である経営方針や調達方針と照らし合わせ、どのように行動するのか迅速に決断することが、求められる責任であると考えています。

日本人が使っている紙、なかでもコピー用紙の約30%は、インドネシア産とされています。APP社を通してそうした紙製品を扱う企業が一社でも多く、同社との取り引きを見直すことは、スマトラの森林保全に向けた大きなステップになるでしょう。これは、紙の大消費国である日本が自ら襟を正し、インドネシアの森林保全に貢献する大きな機会でもあります。

2006年7月、インドネシア政府は、リアウ州をアジアゾウ保護の基幹拠点とする旨の政令を発布しました。現地で進められている、これらのさまざまな取り組みを支え、世界的にも高い価値を誇る自然環境を保全してゆくためにも、今、それぞれの企業と、消費者一人ひとりに対し、責任ある行動が求められています。

【関連資料】APPの虚偽広告は、森林破壊を隠蔽する
2006年10月20日 WWFインドネシア記者発表資料(仮訳)

WWFのモニタリング報告書、同社のスマトラ島の自然林と野生生物への脅威を詳述

【インドネシア、ジャカルタ発】 WWFは、本日発表したモニタリング報告書において、世界で最大級の紙パルプ企業であるアジアパルプアンドペーパー(APP)社が、インドネシアに残る最も脆弱な生態系に数えられるスマトラ島・カンパル半島の泥炭湿地林を破壊しつつある事実を明らかにした。

同報告書はさらに、APP社が、環境配慮に欠ける同社の企業活動に懸念を高める取引先企業を惑わせるため、国際的な広告キャンペーンを実施する一方、スマトラトラやスマトラゾウのすみかでもある熱帯雨林を破壊し続けているとしている。APP社は本年8月、ニューヨークタイムズとロンドンタイムズの両紙に広告を発表し、同社は「法遵守以上の自然保護」を公約していると主張した。

カンパル半島には、約40万ヘクタールの泥炭湿地林が比較的手付かずの状態で残っており、絶滅の危惧されるスマトラトラの重要な生息地となっている。地元NGOの連合体であるジカラハリとWWFは、この地域を国立公園として保全するようインドネシア政府に提案している。しかしAPP社は、泥炭湿地の最奥部に生育する自然林を皆伐すべく準備中である。

「仮にAPP社が『法遵守以上の自然保護』なるプロパガンダ広告どおりに行動するなら、この地域の自然林を皆伐することは絶対にないはずだ」WWFインドネシアの政策・企業対応担当ディレクター、ナジール・フォアドは述べる。「しかしAPP社が、保護価値の高い自然林を実地で保全する代わりに、国際的な広告キャンペーンを展開することに決めたのは、明白である。」

1980年代の操業開始以来APP社は現在までに、パルプを製造するため100万ヘクタール近いリアウ州の自然林を皆伐してきた。今回のWWFの報告書は、「法遵守に基づく森林保護」のもと、APP社がどのようにしてリアウ州で失われた自然林の、3分の1の破壊に荷担してきたかを詳述する。

APP社は過去に、ごく限られた区域での保護価値の高い森林(HCVF)の保全を公約した。しかし、これらのHCVFの保全状況を監査するため、同社に調査の委託を受けたスマートウッドによると、APP社はこれらのHCVFの保全にも失敗している。さらに本年6月、WWFとの会合でAPP社は、今後の同社の伐採や木材調達などの企業活動が、HCVFを破壊しないと保証することを拒否した。

「パルプ工場を稼動させ続けるため、APP社には原料となる木材が必要。自然林を伐らないわけにはいかないのだ。植林の育成にも成功していないため、伐採できる自然林がなくなるまで、APP社が皆伐を続ける可能性は高い」フォアドは述べる。

WWFは、全ての紙パルプ生産者とその購入企業に対し、供給者がたとえ少量でも合法性に問題がある由来やHCVFの皆伐で得られる木材を使っている場合、その取り引きを見直すよう求めている。例として日本に本社を置くリコーグループおよび富士ゼロックスグループは既に、自社の責任調達方針に基づき、APP社の製品購入を取りやめている。

「違法な伐採による木材、あるいはHCVFからの木材調達を行う企業は、自然林の破壊や、トラやゾウその他の野生生物の絶滅に間接的に荷担していると批判されることになるだろう。そうした企業はまた、森林資源に依存して生活する地元住民の生活をも脅かしている」フォアドは述べる。

WWFは、土地利用計画や森林転換の許認可プロセスの過程で森林保全が保証されるよう、インドネシア政府機関と緊密に活動している。このような協力に基づき、インドネシア政府の林業省大臣は、リアウ州をゾウ保護の拠点とし、自然林の転換を停止する大臣令を発布した。

「APP社は、この大臣令やインドネシア政府の「自然林転換ゼロ政策」に反し、自然林の皆伐を続けている。同社がこのような破壊的な企業活動を見直すよう、さらに強い圧力をかける必要がある」(N.フォアド)

Notes to Editors:

1. WWFの新しい報告書「環境広告の影で自然林破壊が進行する -"法遵守"以上の自然保護への呼びかけを無視し続け、法遵守さえも怠るAPP」の日本語版およびオリジナルの英語版は、WWFジャパンのホームページよりダウンロードできる。

2. 保護価値の高い森林(HCVF)とは、その環境、社会経済、文化、生物多様性と景観的な価値のために、特に重要な森林を意味する。

3. 責任ある調達方針については、WWFの「責任ある林産物の調達」(第2版、英語)がhttp://assets.panda.org/downloads/rpg_nopapercredit12sept2006.pdfよりダウンロードできる。

4. このプレスリリースに関係する資料は、WWFインドネシアのホームページの以下のURLで閲覧可能: http://www.wwf.or.id/

2006年10月20日 WWFインドネシア記者発表資料 英文オリジナル

APP Hides Destruction Behind False Advertisements:

New WWF Monitoring Brief Details How Company Threatens Natural Forests and Wildlife In Sumatra

Jakarta, Indonesia A new WWF monitoring report released today reveals that Asia Pulp & Paper (APP), one of the world's largest paper and pulp companies, is going to destroy one of the most delicate of all remaining ecosystems in Indonesia - the peat swamp forests of Kampar Peninsula in Sumatra.

The report also reveals how APP hides its continued destruction of natural tropical rainforests that house Sumatran tigers and elephants behind a global advertising campaign that misleads buyers who are increasingly concerned with the company's poor environmental performance. In August, APP ran an advertisement in the New York Times and London Times claiming it was committed to "conservation beyond compliance".

The Kampar Peninsula consists of approximately 400,000 hectares of large, still relatively intact peat swamp forest which is an important habitat for Sumatran tiger. Jikalahari, a local NGO network, and WWF have proposed it as a national park. But APP is getting ready to clear the forest on top of a deep peat dome.

"If APP would abide by its own 'conservation beyond compliance' propaganda, none of this forest would be cleared," said Nazir Foead, WWF-Indonesia's Director of Policy & Corporate Engagement. "But apparently the company decided to run a global propaganda campaign rather than protect forests with high conservation values."

Since it began operations in the 1980s, APP has pulped close to a million hectares of Riau's natural forests. WWF's latest report details how APP's "forest protection based on legal compliance" has destroyed about a third of the forest lost in Riau.

In the past, APP had pledged to protect few small blocks of high conservation value forests (HCVF). However, according to SmartWood, which was hired by APP to audit its performance in protecting these HCVFs, APP failed to protect them. In a meeting with WWF in June this year, APP then refused to guarantee that HCVF would be excluded from its future logging and wood sourcing operations.

"APP simply cannot afford to protect natural forests as it needs wood to keep its pulp mill running," added Foead. "With failing plantations, it is likely that APP will continue to pulp the remaining forests until none are left to be cut."

WWF is calling on all pulp and paper producers and buyers to avoid suppliers who use any fibre from legally questionable sources or from clear-cutting HCVF. Based on their own responsible purchasing policies, some companies, like the Ricoh Group and Fuji Xerox Group, both headquartered in Japan, have stopped purchasing APP products.

"Companies that source illegally or from high conservation value forests are exposing themselves to criticisms as they indirectly contribute to the destruction of natural forests and near extinction of tigers, elephants and other wildlife," said Foead. "The livelihoods of communities who depend on these forest resources are also at stake here."

WWF is working closely with Indonesian government agencies to ensure that forest conservation is part of land-use planning and conversion licensing processes. Such collaboration has already led the Indonesia Forestry Ministry to issue a decree establishing an elephant conservation centre in Riau and halt to natural forest conversion.

"Despite this and the Indonesian government's no natural forest conversion policy, APP continues to clear forested areas," Foead said. "More pressure needs to be put on APP to stop its destructive practices."

- ends -

For more information, contact
Nazir Foead, WWF Indonesia, nfoead@wwf.or.id, +62 811 977604

Notes to Editors:
1.WWF's new report launched today "Hiding Destruction behind False Advertisements: APP continues to ignore calls for conservation beyond 'legal compliance', and even fails on the latter" can be downloaded at: http://www.wwf.or.id/

2.High Conservation Value Forests (HCVFs) are forests of outstanding and critical importance due to their environmental, socio-economic, biodiversity or landscape values.

3.For guidance on responsible purchasing, see WWF's "The Responsible Purchasing of Forest Products" (second edition) at http://assets.panda.org/downloads/rpg_nopapercredit12sept2006.pdf

4.Other documents related to this press release are available on WWF Indonesia's web site at the following url: http://www.wwf.or.id/

スマトラ島リアウ州の自然林破壊問題、特にAPP社との関係について(概要)

現在、インドネシア・スマトラ島、リアウ州の自然林破壊により、絶滅危惧種であるスマトラゾウ(アジアゾウの亜種)やスマトラトラと現地住民との衝突が頻繁に起きるとともに、このままでは現地森林生態系が壊滅的な状態になりスマトラゾウほかの野生生物種の生存が危ぶまれるほか、地元の住民への影響や森林と泥炭土壌の破壊に起因する温室効果ガスの発生までもが大きく懸念される事態になっています。

この主要な原因の一つとして、パルプ材生産のための自然林の大規模伐採があげられますが、アジアパルプアンドペーパー(APP)社がこれに深く関わっています。リアウ州の森林は、毎年約16万ヘクタール(東京都の面積の約75%)のスピードで失われており、その大部分は、日本への紙製品の輸出も多いAPP社等がパルプ材生産の原料となる木材を供給するために皆伐しています。

WWFインドネシアは2001年より、APP社等に対し、リアウ州、またはその他インドネシア国内、さらには世界中から調達するパルプ原料の木材の伐採に際しては、保護価値の高い森林(HCVF)*1を破壊しないよう求めてきました。これはつまり、

1.関連する伐採地での自然林皆伐の前には、皆伐予定の自然林とその周辺の景観のなかで生物の多様性などの観点から極めて重要である保護価値を有する地域を特定する調査を適切に行い、保護価値が高い自然林についてはそれを守っていくこと、
2.さらにそれ以外の自然林に由来する木材を購入する場合にも、HCVFが伐採されていないことを確認すること、を意味します。

APP社は、2004年に合計約12万ヘクタールのHCVFの保全を公約し、WWFはこの決定を歓迎しました。その後APPは2005年に、これらのHCVF保護の状況の定期的なモニタリングを認証・監査機関であるレインフォレスト・アライアンスのスマートウッドプログラムに委託し、一回目のモニタリングは去年10月に行われました。しかし、その結果によると、これらのHCVFでは、APPは具体的な保全策を講じておらず、違法伐採なども取り締まられないまま拡大しているうえ、場合によっては、APP社に皆伐されたHCVFもあるとのことです。また、このうち一箇所では、APP社の植林地域内に設置される水路からの排水などにより、植林地周辺にある保護区を含む泥炭湿地において、泥炭土壌の沈下・乾燥などの悪影響がでており、泥炭湿地生態系全体の破壊と温室効果ガスの放出による温暖化への影響が懸念されています。

APP社は現在でも自然林の皆伐にパルプ用原料木材の70%程度を頼っており、上記の保全を公約した12万ヘクタール以外の自然林は、その保護価値も適切に調査されないまま、従って当然保護などの措置は一切とられず一様に皆伐され続け、APPのパルプ工場に供給され続けています。その伐採の中には、合法性が疑われるものもあります。たとえば、WWFインドネシアも参加するアイズ・オン・ザ・フォレストというプロジェクトでは、2005年にAPP社が2度違法材を購入していることが確認されているうえ*2、合法性の疑われる許認可に基づく伐採区域での操業、州の土地利用計画で保護区と指定されている自然林などの皆伐や、法律では皆伐してはならないとされる自然林の皆伐などの例もあります。

こうした中、WWFは、APP社とビジネス上関係がある主な日本企業の方にもAPP社へHCVFを保護するためのさまざまな働きかけをお願いして参りました。APP社から植林木100%あるいは合法性の確認された原材料から生産された紙のみを求め確認する企業も出ました。これは重要なことですが、APP社が同時に自然林を破壊して紙を生産し続けているという側面についても再認識して頂き、APP社の環境・社会的責任を含めた生産方針そのものの改善を強く求めて頂くことをさらにお願いし、一部の方からはさらに積極的な働きかけを行っていただきました。

しかしながら、2006年6月20日にWWFインドネシアとの会合において、APP社は上記の2004年に保全を公約した約12万ヘクタールの以外のHCVFを保全する意思のないことを明言しました。APPは、1980年台にパルプ生産を始めてからこれまでに、約100万ヘクタールもの自然林の破壊を引き起こしたと推定されますが、そのうち、2001年以降WWFやその他のNGO、取引先企業がHCVF保全を求め続けた間にもAPPは45万ヘクタールの自然林の伐採を引き起こしてきたものと推定されます。現在もなお、APP社はリアウ州で毎年8万ヘクタールの自然林を皆伐していると推定され、今後の事業継続、拡大のために同程度もしくはそれ以上の自然林を伐採して木材原料を調達しつづけると考えられます。これらの自然林の中には、HCVFが多く含まれること、その破壊によって絶滅危惧種のスマトラゾウ、スマトラトラなどの生存も危ぶまれることが大いに懸念されます。

これを受け、WWFは背景報告書「リアウ州最後の自然林 -グローバルな紙パルプ企業2社がその運命を決定する」ならびに「WWFモニタリング報告書2006年6月アジアパルプアンドペーパー(APP)」を作成するとともに、2006年7月11日に「APP、保護価値の高い森林の保全を約束せず」との記者発表を行っています。ここで、WWFは「責任ある林産物の調達を目指される企業が、保護価値の高い森林を破壊しつづけることが明白になった企業と取引を継続することは許されるものではない」との明確な表明を行いました。

APP社は8月7日にニューヨークタイムズとロンドンタイムズの両紙に、APP'S COMMITMENT: CONSERVATION BEYOND COMPLIANCE"(「APPのコミットメント:法遵守以上の自然保護」)というタイトルの一面広告を発表しました。さらに8月15日には、APPは"Stakeholder Update"(「ステークホルダー・アップデート」)をその多くの顧客に送付しています。これらにおいて、APP社は自らを自然と野生動物の保護者と記載・主張されていますが、実際のAPP社の企業活動はこの主張内容とは違い、合法性が疑わしい木材を原料にしているとともに、"法遵守以上の自然保護"を拒否しHCVFを破壊し続け、これらに依存する絶滅危惧種であるスマトラトラやスマトラゾウ、その他の野生動物を脅かし続けているとWWFは判断します。

こうした誤解を招く広告に対し、APP社の企業活動の分析に照らし合わせその主張内容の偽りの点を指摘する報告書をWWFは作成し、今回10月20日にプレスリリース「APP社の虚偽広告は破壊を隠蔽する」として記者発表を行いました。残念ながら、APP社が環境・社会を配慮した企業活動を行おうとする態度は見受けられなくなったと言わざるを得ません。

今後APP社が、マーケティング活動等で環境配慮をさまざまに主張をされる場合、WWFとしては現地調査をもとにそれらの真偽について対応することが可能である考えます。しかし、この間にも現地の自然林は破壊され、野生生物を脅かし、現地住民との衝突など社会的問題は続きます。APP社が今後どのように対応するかを待ち続けるのではなく、世界のバイヤーや紙の使用者がこうした状況をどのように考えるか---環境方針、調達方針等に照らし合わせて現状を確認するとともに、それに基づき自らの判断を急ぐことが肝要かと存じます。

参考

具体的な日本企業の対応としては以下のものがあります。
・株式会社リコーは、紙製品調達に関する独自の環境規定により、WWF等のNGOからの情報・意見も参考にしながら、APP社に対して保護価値の高い森林を保護するよう企業活動の改善を求めてきた。しかしながら、最終的には、相互に計画した通りの改善が見られなかったことなどから、購買契約の更新を実施できず、その結果、APP製品の購入を停止した。
・富士ゼロックス株式会社は、富士ゼロックスおよび関連各社が仕入れる用紙に関して、法律や規制が遵守されており、持続可能な森林管理がなされていることなど六つの原則を骨子とする「調達先に対する環境・健康・安全に関する調達規程」を制定し、運用を開始した。これに基づき、APP社は不適合と評価され、富士ゼロックスおよび関連各社はAPP社からの紙の購入を停止した。

 APP社と取引のある企業についての文献等による調査によると、現在インドネシアのAPP社の紙を扱っている主要な日本企業は以下の通りです(五十音順):
アスクル株式会社、伊藤忠紙パルプ株式会社、伊藤忠商事株式会社(APPジャパンへ出資)、株式会社大塚商会、コクヨ株式会社、大王製紙株式会社、富士フイルムビジネスサプライ株式会社、丸紅株式会社。

*1:保護価値の高い森林について
「保護価値の高い森林(High Conservation Value Forest: HCVF)」とは、固有種や絶滅危惧種などの存在する生物多様性の価値が高い森林、気候・地理・地形・生態の組み合わせにおいて世界的に希少な森林、人間の活動によって稀少となった未開発の森林、水源の保護や土壌浸食防止などの水土保全の価値が高い森林、先住民や地域社会にとって生活や健康など基本的ニーズを満たすために欠かせない森林、そして先住民や地域社会の伝統的文化を維持するために重要な森林などのことを指します。

*1:APP社が違法材を購入していた証拠をつかんだアイズ・オン・ザ・フォレスト調査レポート
2005年3月:
http://www.eyesontheforest.or.id/investigation/Inv_march_05.pdf
2005年4&5月:
http://www.eyesontheforest.or.id/investigation/update%20report%20april%20may%2005.pdf

関連サイト

  1. 「WWFモニタリング報告書2006年10月アジアパルプアンドペーパー(APP)」(PDF形式、9.3MB)

  2. 同英文オリジナル"APP Monitoring Brief October 2006: Asia Pulp & Paper (APP) (PDF形式、1.25MB)

  3. 上報告書の要約 "Executive Summary"(英文)(PDF形式、38.2KB)

★2006年8月7日付のニューヨークタイムズおよびロンドンタイムズに掲載されたAPP社の広告(英語)は、以下のアドレスよりご覧になれます。
http://www.asiapulppaper.com/app/content/EnvironmentNews.asp?MID=MN002#
("APP Public Commitment in the New York Times & the London Times on August 7th, 2006"の項をご覧ください)

WWFインドネシアのホームページ:http://www.wwf.or.id


コピー用紙はどこから来る? 自然林の破壊続けるAPP(2006年7月21日)

豊かな自然を誇りながらも、劣化・減少が著しい、スマトラ島リアウ州の熱帯林。WWFは、現地に拠点を置く大手製紙会社APP社に働きかけ、特に保護価値の高い森林(HCVF)の保全などを求めてきました。しかし、APP社は2006年6月、森林保全に対する配慮を放棄する態度を明らかにしました。 

スマトラ島 リアウ州の問題

全ての樹木を伐り払う森林の皆伐、火入れ、そしてプランテーションの植林。今、世界の各地では、森林が広範囲にわたって破壊され、失われています。適切な環境が残されていれば、樹木は再生し、持続的に木材資源を供給してくれますが、残念ながら現在は、木々の再生を上回る早さで森が伐採される例が多いのが現状です。
インドネシア、スマトラ島中部のリアウ州で起きている森林問題も、その典型的な例といえるでしょう。

リアウ州には、世界的に多様性の高さが認められた熱帯林が、今も残されています。絶滅が心配されるスマトラゾウ(スマトラ島にだけ生息するアジアゾウの亜種)にとって、わずかに残されたすみかでもある、テッソ・ニロ国立公園があるのも、このリアウ州。しかし、これらの森は年々縮小し、消滅の危機に瀕しています。保護区に指定されている国立公園の森も安泰とはいえません。

この州の森林保全のかぎを握っているのは、大手製紙企業の、アジアパルプアンドペーパー(APP)およびエイプリル(APRIL)社の2社です。リアウ州に操業の拠点を置き、州内の森林から木材を供給している2社とそのグループ企業は、自然林の伐採や植林の許可を保有。広範囲で伐採した木材を紙の原料(パルプ)として利用し、伐採した跡地にアカシア(成長が早く、製紙原料となる)の植林を行なっています。

しかし、その規模や、実際の事業の展開が、現地に残された貴重な生態系の維持を危うくするものであったため、長い間、問題視されてきました。

伐採者が森の保全に貢献する?

しかし、逆にこの2社は、リアウ州の森林に明るい前途を約束することができる、重要なステークホルダーであるともいえます。2社が現在保有している伐採・植林許可を見直し、森林環境に配慮しながら事業を展開するような方針を立て、確実に実行してゆくならば、残された貴重な森林の保全が約束されることになるでしょう。

そこでWWFは、2001年より2社に対して、伐採権を所有している森の中に残っている、特に保護価値の高い森林(HCVF)を確認し、適切に保全するよう求めてきました。同時に2社から紙を購入している、他の国々の取引先企業に対しても、2社に対しHCVFの保全を促すよう、働きかけを続けてきました。

APPの背信

この結果、2社のうちのAPPは、2003年8月、HCVFの保全や、合法で持続可能な木材供給とパルプの生産に関する、アクションプランを作ることに同意。WWFと同意書を交わしました。しかし、2004年2月、WWFはAPPとの公式な対話を打ち切ることになりました。完成した実際のアクションプランが、残念ながら、目的の達成には程遠い、誠意を欠いた内容だったためです。

同じ年にAPPは、同社が管理する4カ所の森林区域での伐採を一時停止し、HCVFの分析を行なった上で、確認された合計12万ヘクタールのHCVFを保全すると公約しました。

しかし、保全を公約した森林に隣接した場所で発生している違法伐採や、森林火災を軽減する活動は考慮していないなど、本質的な森林保全を実現する上で避けられないはずの問題がそのままになっており、いかにも表面的な内容であることが明らかになりました。

2006年6月にWWFに送付された、APPによるこれらのHCVFの保全状況を検証した「モニタリング報告書」も、同社が何ら効果のあるHCVF保全を実施していないことを明らかに裏付けていました。事態は改善されるどころか、大きな後退としか言いようのない結果を残すことになったのです。
そして、2006年6月20日、WWFインドネシアとの2年ぶりの会合で、APPは、自社が手がける、インドネシアでの伐採・植林・紙パルプ生産全体において、HCVF保全を公約しないことを明言。森林保全に対する配慮を、公に放棄する意志を顕わにしました。

失われつづける森

しかし、実際には2001年以降、WWFや取引先の各国企業が、HCVF保全を求め続けていた間も、APPは、45万ヘクタール(東京都の2倍以上)に相当する自然林を伐採し続けていたと考えられています。

同社は現在も、リアウ州で毎年8万ヘクタールの自然林を伐採していると推定されていますが、今後さらに、これと同程度もしくは上回る量の森林を伐採して、木材原料の調達を続けるものと考えられています。

消滅が予想される森の中に、絶滅が心配されるスマトラゾウやスマトラトラなどの貴重な生息域であるHCVFが広く含まれることは、間違いありません。そして、この森の未来に、木材や紙の消費大国である日本も、深いかかわりを持っています。

日本にできること

企業にできること -コピー用紙の原産地確認を

 日本で現在利用されているコピー用紙の約30%は、インドネシアから輸入された物です。そして、その中の実に80%は、リアウ州で合法性のきわめて疑わしい伐採による木材を原料にして作られています。おおまかに計算すると、日本で使用されるコピー用紙の4枚に1枚はリアウ州の木を原料に作られた物、ということです。

 WWFは、コピー用紙を製造および流通、小売する企業そして、業務でコピー紙を使用するすべての企業や組織に対し、ビジネス上の立場からリアウ州での森林保護に貢献するステップとして、以下のことを呼びかけています。

  1. 自社製品あるいは使用するコピー用紙のサプライ・チェーンを再検討し、生産者が違法に入手した木材や、保護価値の高い森林を破壊して得られた木材原料によるパルプやコピー用紙等を生産していないことを確認する。

  2. もし、生産者がこうした「望ましくない由来」の木材でパルプ・コピー用紙等を作っている可能性のある場合、その生産者に対し、使用している原料木材の全てが環境に配慮し、社会的にも責任ある由来のものであることの詳細な証明を要求する。

  3. 生産者がそれを保証できないのであれば、取引先を切り替える。逆に、生産者がそのビジネス全体で生態系や環境に配慮した原料調達を保証した場合は、より積極的に取り引きをすることで、メリットを与える。

 現地のインドネシアで伐採企業や製紙会社が、明らかに違法な操業をしており、政府もそれを抑止する力がない現状下、リアウ州の森林生態系を保全するためには、経済的なつながりを利用し、国際社会が警告を発することが求められています。その中で、紙を購入している日本の企業が担うことのできる役割と、取るべき責任ある行動は、非常に大きなものです。

消費者にできること -不審な物を購入しない習慣を

 仕事やそれ以外の場面で、私たちが紙を使わない日はありません。この普段の暮らしの中で、どうやって生産されたかわからない紙を使わないようにすることは、消費国にできる、重要な取り組みといえます。
もっとも、コピー用紙などは、外装を取り去ると区別がつかないことが多く、生産者を逐一チェックするのは大変かもしれません。しかし、由来の疑わしいコピー用紙の中には、外装も白紙に近く、故意にブランドを付けずに売られている物があります。そうした製品は、概して非常に安価です。

 食品を購入する時、購入者はまったく生産者や由来のわからない物を買う時には不安を覚えるものです。紙製品についても食品と同様に、どこから来た物なのかを確認する習慣を広げることが必要といえるでしょう。
WWFは、一人ひとりが消費者としての責任を持ち、誰がどこで生産したのかはっきりしている木材や紙を購入することで、世界の森林保全に貢献できると考えています。


【関連情報】APP、保護価値の高い森林の保全を約束せず(2006年7月11日)

インドネシア スマトラ島リアウ州問題関連資料
WWFインドネシア 記者発表資料(翻訳) 2006年7月11日

 (インドネシア、ジャカルタ)WWFの最新のモニタリング報告書(2006年6月発行)によると、国際的な製紙企業であるアジアパルプアンドペーパー(以下APP)はインドネシアにおいて、野生生物と人間の両者にとって貴重な森林を脅かし続けていることが判明した。これは同社が、取引先企業に対し表明した誓約を破棄したことを意味する。

 報告書によるとAPPの事業は、年にして80,000ヘクタールの自然林消失の直接原因であり、これはインドネシア、リアウ州における2002年以来の森林消失面積の約半分に相当する。2005年時点ではAPPは、島嶼を除くリアウ州の5分の1に近い面積に当たる約520,000ヘクタールの森林を管理していた。その森林すべてが消失の危機に瀕しており、製紙の需要に応えてパルプ生産を拡大するため、同社が将来追加して伐採権を得ようとしている森林も同様の脅威にさらされることになる。

 「リアウ州内にあるAPPの製紙工場への原料供給のため、この5年間で伐採された自然林は、約450,000ヘクタールにおよぶと推定される。保護価値の高い森林(以下HCVF)の保全をしないというAPPの見解は、さらに数十万ヘクタールの森林が同じ運命を辿ることを意味する」WWFインドネシア、政策および企業対応部長のナジール・フォアドは語る。

 HCVFとは、環境や社会経済的な観点および、生態系の多様性や景観維持の面からきわめて重要な森林を指す。2006年6月のWWFとの会合においてAPPは、同社がこのような森林を伐採したり、HCVFに由来する木材を製紙原料として使用しないことは保証できないと述べた。この会合は、このモニタリング報告書に応答してAPPが開催を提案したもので、2004年2月以来、両者間で公式な会合は実施されていなかった。2004年2月の会合ではAPPは、同社の持続可能な行動計画の中に、環境や社会面での関与事項を盛り込むことを拒絶している。

 2001年からWWFとAPPの取引先企業数社は、HCVFを保護するような持続可能な木材原料の供給計画を立てるよう、同社に対し要求し続けてきた。APPは以前、HCVFである数ヶ所の林区の保護を公約しているが、今回の報告書は、こうした林区で発生する違法伐採や火災に対し、同社が何ら対策を講じていないことを示している。

 「HCVFの保護を拒否したAPPは、トラやゾウ、その他インドネシアの森林に生息する生物の存続を危うくしている。ひとつの企業が自社の利益追求のために、かけがえのない価値のある森林を破壊することには、いかなる正当な理由も見つからない(N.フォアド)」。

 WWFはインドネシアの中央および地方政府と共同で、保護価値を保全するための国土利用計画と伐採許可の発行プロセスの策定に取り組んでいるが、HCVFすべてを保護するには至っていない。しかしWWFは、APPと同じ企業グループに属するPTスマート社を含む、複数のアブラヤシ関連企業とのパートナーシップによる活動を展開し、そうした企業のアブラヤシ農園の中や周辺でHCVFを保護する取り組みを推進するといった成果を上げている。

 WWFはまた、紙パルプや紙製品を購入する側の国際的な企業をサポートし、違法伐採や充分に保護されていないHCVFに由来するパルプ原料を調達しないような、責任ある調達方針の策定を促進している。

 「責任のある調達方針を持つ企業が、HCVFを伐採し続けるような企業と取り引きを継続することには、もはやいかなる言い逃れも通じない」WWFグローバル・フォレストプログラム部長ダンカン・ポラードは断じた。

本件に対する問い合わせ先:
ナジール・フォアド、WWFインドネシア、nfoead@wwf.or.id, +62 811 977604
ロド・テイラー、WWFインターナショナル、rodtaylor@wallacea.wwf.or.id, +62 811 387308
ソー・クン・チェン、WWFインターナショナル、skchng@wwfint.org, +41 22 3649018

Notes to Editors:

1.WWFのモニタリング・レポートの背景資料である「リアウ州最後の自然林-グローバルな紙パルプ企業2社がその運命を決定する(添付資料)」によれば、1988~2005年の間にリアウ州の森林は半減し、年間約170,000ヘクタール、一日に換算すると460ヘクタールの規模で消失している。しかし平均の消失面積は問題の一部を示すに過ぎない。年間の森林減少の推移を見ると、2002年に2.2%だったものが2004年には4.2%、2005年には6.8%と、過去数年に急速に加速している。国際的な製紙企業であるAPPおよびアジア・パシフィック・リソーセズ・インターナショナル(APRIL)の2ヶ所の製紙工場に製紙原料である木材を供給するための森林皆伐が、こうした森林減少の主要な要因である。2005年7月APRILは、HCVFを保護し、そうした森林からは木材を一切調達しない旨の方針を公約した。

2.木材の責任ある調達については、WWF発行の冊子「林産物の責任ある調達(第1版)」 (英文/PDF形式:552KB)を参照されたい。

3.APPがHCVFを保護していないことを示すモニタリング・レポートの入手は、監査会社であるスマートウッドの以下の電子メール宛問い合わされたい (jhayward@smartwood.org もしくは ljones@smartwood.org)。

4.シナル・マス・グループのグループ企業に属するAPPの姉妹会社であるPTスマート社は、「持続可能なパームオイル円卓会議 (以下RSPO)」に参加し、HCVFの保護を公約している。RSPOはWWFが2003年に立ち上げた、独立した非営利の組織。持続可能なパームオイル生産を推進し、国際的に合意できる責任あるパームオイル生産はどうあるべきかを検討する、マルチステークホルダー型の組織である。HCVF保護は、責任あるパームオイル生産に不可欠な要素であり、RSPOメンバーであるすべての企業が、新たなアブラヤシプランテーションの造成または既存のプランテーション拡大に際し、HCVFの確認を義務付けられている。 RSPOのホームページ:www.rspo.org

5.このプレスリリースで言及された文書はすべて、以下のWWFインドネシアのサイトから入手することができる:
http://www.wwf.or.id/index.php?fuseaction=news.detail&language=e&id=NWS1151055588

  1. 上記同英文オリジナル"APP fails to protect High Conservation Value Forests"(PDF形式/35.8KB)

  2. 背景報告書「リアウ州最後の自然林 -グローバルな紙パルプ企業2社がその運命を決定する」(和文:PDF形式/919KB)

  3. 同英文オリジナル"The Eleventh Hour for Riau's Forests"(PDF形式/804KB)

  4. 「WWFモニタリング報告書 2006年6月アジアパルプアンドペーパー(APP)」(PDF形式/676KB)

  5. 同英文オリジナル"APP Monitoring Brief June 2006: Asia Pulp & Paper (APP)"(PDF形式/421KB)

▼WWFインドネシアのホームページ: http://www.wwf.or.id


紙とヤシ油がリアウ州の森林の将来を握る 「アイズ・オン・ザ・フォレスト」最新レポートより(2006年4月27日)

インドネシア、スマトラ島中央部のリアウ州では、ここ数週間にアジアゾウが森林周辺の集落に出没する事件が多発。リアウ州政府は捕獲などによる対応に乗り出していますが、捕獲方法の不手際や不十分な管理によって、多数のゾウが命を失っています。これらの事件の最大の原因は、野生のゾウのすみかである天然林が、紙パルプの原料となる木材の伐採や、アブラヤシの植林によって広く失われていること。WWFインドネシアを含む地元NGO28団体の連合体「アイズ・オン・ザ・フォレスト」は、この現状についてのレポートをまとめ、製紙やアブラヤシに関係する企業に対し、リアウ州内の保護価値の高い森林(HCVF)の保護を求めています。

多発する衝突事故

2006年の2月末から、インドネシア、スマトラ島のリアウ州に残る8つの希少な天然林区域のうちの1つ、「リボ」の森林の周辺で、アジアゾウが死亡する事故が多発しています。紙の原料であるパルプやパームオイル(ヤシ油)を生産するため、ゾウのすみかである天然林が広範囲にわたり伐採され、すみかや食物を失ったアジアゾウが集落や農地に出没。農地などを荒らした報復として、地域の住民に殺されているためです。
一方、地域の住民にもゾウの出没による被害が及んでいます。プランテーションが荒らされたり、住居などの建物が損壊、死傷者が出るケースも多発しています。

インドネシアでは法律によって、一部の森林が国立公園や野生生物保護区に指定されています。しかし、そうした法的な保護下に置かれている森では、今も違法な伐採が続けられています。 たとえば、リアウ州の北西部に位置するバライ・ラジャ・ドゥリ野生生物保護区では、1986年の保護区指定時には1万6,000ヘクタールの森林がありました。それが、現在では260ヘクタールにまで減少しています。
同様に、保護区として指定は受けていないものの、法律によって商業伐採が禁じられている森や、保護価値の高い森林(HCVF)も、破壊的な伐採にさらされています。

インドネシアの木材やパームオイルの行方

破壊的な天然林の伐採は主に、紙パルプの原料となる木材の伐採や、パームオイルを取るアブラヤシのプランテーション造成を目的に行なわれています。

特に多いのは、紙の原料のパルプとなるアカシアや、多種多様な食品や化学薬品に使用されるパームオイルを搾るためのアブラヤシのプランテーション。こうしたプランテーションに由来する紙や木材、パームオイルはインドネシアの重要な産品となり、日本を含む各国に輸出されています。
つまり、多くの企業が森林を違法に、また破壊的に伐採して生産している木材や紙、パームオイル製品を、日本も大量に輸入しており、消費者もまたそうした製品を利用しているということです。

リアウ州の森林の運命を左右する企業

リアウ州で森林の破壊に関与する利害関係者や企業は数多くあります。中でも、特に森林の保全と破壊に影響力を持つのが、アジア最大級の製紙会社のAPP社およびエイプリル社です。

リアウ州には、パルプ材となる木材の伐採を、政府が許可した許可区域が多数ありますが、それら全ては、APP社またはエイプリル社のグループ企業と取引先が握っており、最終的に全ての木材がこの2社のいずれかに木材が供給される仕組みになっています。

この2社による操業によって、リアウ州の森林は、毎年約13~20万ヘクタールずつ減少し続けています。伐採許可区域内にはまだ多くの天然林も残されていますが、これらの森林が保全されるかどうかも、伐採許可を持つこの2社の意向次第で決まると見られています。

2006年4月18日、WWFインドネシアとアイズ・オン・ザ・フォレストは共同で、「森が紙や、ヤシ油になり、リアウ州のゾウのすみかが消えていく」というレポートを発表、最近起こった「リボ」の森林周辺でのゾウの死亡事件に、APP社もしくはエイプリル社がどのように関係しているかを明らかにしました。

このレポートの発表に先立ち、アイズ・オン・ザ・フォレストは、APPおよびエイプリルの2社、およびパームオイルに関係する主要12企業に対し、リボの森林での伐採と木材調達を全面的に停止するよう要請しました。

エイプリル社はこれに応答し、4月13日にはリボ林区の伐採がゾウと人間との衝突にどのように影響しているかが明確になるまで、伐採を停止する旨を通告してきました。しかし、APP社からは4月26日の時点で未だに回答がありません。

アイズ・オン・ザ・フォレストは、新しいレポートの中で、エイプリル社の決断を大きく評価するとともに、APP社やパームオイル関連企業に対しては、改めて早急な対応を求めています。

WWFインドネシアとアイズ・オン・ザ・フォレストが、企業に求めること

このレポートは、リアウ州に残された8つの主要な森林区域のうちの1つ、リボに関するものですが、WWFインドネシアとアイズ・オン・ザ・フォレストは、甚大な規模で、かつ直接的に州全体の森林伐採に関係するAPP社やエイプリル社、パームオイル関連企業に対して、森林保全のための働きかけを続けています。

また同時に、パルプや木材、パームオイルなどの産品を購入している、日本など海外の企業に対しても、働きかけを行なっています。いわば大手の顧客である、これら海外の企業が、多くの森林破壊に間接的に荷担していることを自覚し、問題のある製品を買わない姿勢を示さなければ、現地インドネシアの製紙会社やパームオイル産業は、違法な伐採を止めようとしないからです。

違法伐採をくいとめ、絶滅の危惧される野生生物のすみかを含む、インドネシアの保護価値の高い森林を保全するためには、現地だけでなく、消費という行動を通じて関わる企業や消費者の姿勢を変えてゆかねばなりません。

レポートの内容はこちら

Eyes on the Forestレポート(オリジナル:英文/PDF形式:82KB)
Forest to Palm Oil and No Place to Live for Riau's Elephants

2006年4月18日 EYES ON THE FOREST REPORT:森が紙、パームオイル(ヤシ油)になり、リアウ州のゾウのすみかが消えていく(仮訳)

インドネシア リアウ州都ペカンバル発

 レポートのオリジナルはこちら (英文:PDF形式)

2006年2月~3月、インドネシア、スマトラ島のリアウ州で人間とゾウとの衝突によって次のような2件の事故が起こった。これらは、リアウ州のリボの森林の破壊に起因している(写真と関連記事は「WWF March News Highlight」を参照):

  • 2月28日、リアウ州と北スマトラ州の境界にほど近いマハト村に違法に造られたアブラヤシプランテーションで、ゾウ6頭が殺されているのが発見された。ここ から約1キロの地点にはマハト保護林があるが、同保護林は保護指定を受けた1994年以降、天然林が全て皆伐され、人々の居住地やプランテーションに転換 されている。6頭は、作物を荒らした報復に毒殺されたと考えられる。

  • 2月22日以降、最高50頭を超えるゾウがバライ・ ラジャ村を繰り返し襲撃した。この村の近くにあるバライ・ラジャ・ドゥリ野生生物保護区は、1986年に保護指定(SK Menhut Number: 173/Kpts-II/1986)を受けたが、その際16,000ヘクタールあった天然林は、マハト保護林と同様居住地や農地に転換され、今日では 260ヘクタールを残すのみである。3月20日には10頭が捕獲され、木に鎖でつながれたまま食物も水も与えられず放置されているのをWWFが発見した。 このうちの一頭は、4月14日に死亡した。

これらの事故は、多くの地元や国内、および国際的なメディアによって報道 された(「Media Collection」参照。関連する多くの文献、写真、地図はWWFインドネシアのテッソ・ニロプログラム「Riau's Elephants: The 2006 Tragedy」を参照)。

これ以外にも近年、問題ある森林伐採によってリボの森林を追われたゾウに関係し、以下のような事件が多発している:

  • 2002年6月、上述の2月28日の事件現場付近で17頭が毒殺された。

  • 同年、90頭以上のゾウがリボ森林の南で水田を襲撃。

  • 2000年から現在まで、16人がリボの森林やその周辺でゾウに襲撃されて死亡。

  • 2000年以降、リアウ州全体で合計201頭のゾウが捕獲され、結果その多くが死亡。その多くがリボの森林の中や周辺で捕獲されている。

(人とゾウの衝突についての詳しいデータはアイズ・オン・ザ・フォレスト公式ホームページの地図「Elephants」を参照。)

関連情報

WWFインドネシアのホームページ

▼ March News Highlights(英文)
  http://www.wwf.or.id/index.php?fuseaction=news.detail&id=NWS1141377494&language=e

▼ Media Collection(英文)
  http://www.wwf.or.id/attachments/pdf/elp_mediareport.pdf

▼ Riau's Elephants: The 2006 Tragedy(英文)
  http://www.wwf.or.id/tessonilo/Default.php?ID=926

「アイズ・オン・ザ・フォレスト」ホームページ /地図(英文)
  http://maps.eyesontheforest.or.id/Home/index.html

住民とゾウのこうした衝突や死傷事故は、スマトラ中央部にわずかに残されたスマトラゾウのすみかの一つである、リボの森林の伐採に関係していると考えられ る。リボの森林は、野放図な規模で皆伐されており、その伐採は合法性のきわめて疑わしいものである(地図1のゾウの分布域2003年「Elephant Range 2003」を参照)。

リボの森林は、スマトラ島で消失の危機に瀕しているスマトラ低地湿潤林と泥炭林の2タイプに分けられるが、そのいずれもが日々刻々姿を換えている。

リボの森林の約半分は、2~4メートルあるいはそれを超える深さの泥炭土壌に覆われている(Wetlands International & CIDA 2003)。地図2は、2005年に存在していた森林を、泥炭土壌の深さにより色分けして示している。インドネシア大統領令No. 32/1990及び林業省の法令No. SK. 101/Menhut-II/2004によれば、川の上流の泥炭苔地域に自生する天然林や、泥炭湿地の土壌が3メートルを超える天然林は保護されるべきで ある。しかしリボでは、そのような泥炭土壌にある天然林も、毎日皆伐されている。

リボの森林の一部は、現行のリアウ州の土地利用計画(地図1凡例、「Protected Forest」RTRWP、1994年)において保護林(Hutan Lindung)に指定され、皆伐を禁止された区域だが、実際にはそうした森林も皆伐されている。

リボの森林は、急速に減少している。1988年までは、リボの森林はまだ広大な森林の一部で、北スマトラ州にある森林や、ギアム・シアク・ケチルやセネピ スといった、今では互いに孤立してしまっている森林とも繋がっており、ゾウやその他の野生生物が自由に生活できるだけの広さがあった。しかし2005年に は、リボの森林はわずか19万ヘクタールまで減少している。それにもかかわらず天然林の皆伐が続いており、アブラヤシプランテーションやパルプ材植林に転 換されている。2003~2005年で、毎年平均15,000ヘクタールの森林が失われ、全ての木材は地元のパルプ工場、または製材所に供給された。リボ の森林の破壊に近年携わってきた企業は表1に要約してある。

しかしこれらの企業は、泥炭土壌でアブラヤシやアカシアを育てるのが大変困難であることを熟知しているはずであり、よって、これら土地転換用許可の多くは、天然林皆伐で得られる木材目当てに取得されたものと考えられる。

2005年よりアイズ・オン・ザ・フォレストは、パルプ材やアブラヤシプランテーションへ転換するためのリボ森林の皆伐を発見し、その木材のバイヤーを数回確認している(地図2)。

最新の、2006年3月の調査レポートでアイズ・オン・ザ・フォレストは、Asia Pacific Resources International Holdings, Ltd. (APRIL、エイプリル社)が管理する伐採許可区域(PT. Bina Daya Bintara)内の天然林が2005年8月から皆伐され始め、その木材が2006年3月にAsia Pulp & Paper (APP社)のPT. Indah Kiat Pulp & Paperの工場に搬入されていたことを確認した。

2005年中に アイズ・オン・ザ・フォレストが行った調査では、リボの森林での天然林皆伐から得られる木材をAPP社が3度にわたり購入していた証拠を、以下のように突 き止めている(地図2および、アイズ・オン・ザ・フォレストニュース「Human Elephant Conflict and Forest Clearing in Libo Block, Riau Province」を参照):

  • 2005年3月調査レポート: APP社は、リボの森林の天然林を政府からの伐採許可をまったく取得せずに伐採していたサプライヤーから木材を購入した。これは林業法No. 41 Tahun 1999の違反である。

  • 2005 年7月調査レポート: APP社は、リボの森林にあるアブラヤシ植林造成許可(PT. Rokan Era Subur)区域内で天然林を伐採するサプライヤーから木材を購入した。その区域の伐採は、Rokan Hulu地区の地区長が発行した木材利用許可(IPK、No. 8/Forestry-VIII/2004)によるもので、伐採はCV. Tessa Indahというコントラクターが行っていた。

  • 2005年9月調査レポート: APP社は、Rokan Hulu地区の地区長が発行した木材利用許可IPK(No. 09/Dishut/IX/2004)を保有する業者CV. Sentral Mandiri Perkasaが伐採した木材を購入した。これは伐採許可区域(PT. Bina Daya Bintara)に指定された天然林から伐採されているが、、リボの森林の天然林採されているが、この許可区域が、APRIL社とAPP社のどちらと関係 するのかは不明である。

関連情報

「アイズ・オン・ザ・フォレスト」ホームページ

▼ 調査レポート(2006年3月、英文)
http://www.eyesontheforest.or.id/investigation/English%20EoF
%20March%202006%20Investigative%20Report.pdf

▼ 同2005年3月(英文)
http://www.eyesontheforest.or.id/investigation/Inv_march_05.pdf

▼ 同2005年7月(英文)
http://www.eyesontheforest.or.id/investigation/july%2005%20update%20report.pdf

▼ 同2005年9月(英文)
http://www.eyesontheforest.or.id/investigation/Sept%2005%20update%20report.pdf

▼ アイズ・オン・ザ・フォレストニュース
  「Human Elephant Conflict and Forest Clearing in Libo Block, Riau Province」(英文)
http://www.eyesontheforest.or.id/eofnew/Elephant_Conflict_inLiboBlock.php

WWFは政府に対し、リアウ州における全ての天然林の用途転換と違法伐採および、天然林への不法侵入を即刻禁止するよう繰り返し求めている(WWFプレス リリース参照)。3月6日のプレスリリースはWWFとインドネシアの森林保護・自然保護局(PHKA)と共同のものだが、その中で同局は、リアウ州での天 然林伐採の全面的な即刻停止を呼びかけている。

関連情報

WWFインドネシアのホームページ

▼プレスリリース(2006年3月6日付、英文)
http://www.wwf.or.id/index.php?fuseaction=press.detail&language=e&id=PRS1141622451

▼ 同2006年3月13日付(英文)
http://www.wwf.or.id/index.php?fuseaction=press.detail&language=e&id=PRS1142213989

▼ 同2006年3月24日付(英文)
http://www.wwf.or.id/index.php?fuseaction=press.detail&language=e&id=PRS1143182858

WWFを含む、リアウ州のNGO28団体の共同プロジェクトであるアイズ・オン・ザ・フォレストは、APRIL社、APP社とパームオイル関連の12企業に対して以下を求める:

  • リボの森林にある伐採許可区域での皆伐、およびリボの森林からの木材調達を即刻停止すること。

  • リボの森林での森林施業がゾウに与える影響について、第三者による評価を実施すること。

  • リボの森林での森林施業がゾウ以外の生態系の保護価値に与える影響についても、第三者による評価を実施すること。

  • リボの森林にある全ての保護価値の高い森林(HCVF)を保護すること。

  • 全ての関連法を遵守すること。

4月13日、APRIL社はアイズ・オン・ザ・フォレストに対し、同社は「我々の活動がゾウの生息地や人間とゾウの衝突事故の深刻化に与える影響が正しく 理解されるまで、Bina Dayaでの伐採を即刻停止するという企業決定を下した」と返答した(アイズ・オン・ザ・フォレスト4月13日付ニュース参照)。アイズ・オン・ザ・フォ レストは、この緊急事態に対する同社の早急な対応を評価すると共に、政府や他の企業、特にAPP社に対し、リアウ州のゾウの棲息地を保護するためにも一刻 も早い対応を望む。早急な対処なしではリアウ州のゾウは、絶滅への道を確実に歩み続けるであろう。スマトラ中央部で、存続可能なゾウの最後の個体群が絶滅 する日が早晩訪れる可能性は高い。スマトラトラもまた、いずれ同じ運命を辿るだろう。スマトラトラも同様の事故に見舞われているのだが、体が小さく、死体 がゾウほど簡単に見つからないため、その実態に人々が気づかないだけである。

関連情報

「アイズ・オン・ザ・フォレスト」ホームページ

▼ 4月13日付ニュース(英文)
http://www.eyesontheforest.or.id/eofnew/stops_forest_conv.php

関連資料

▼表1.リボの森林の天然林に造成されているパルプ材植林(産業木材植林)とアブラヤシプランテーション

▼ 地図1. リボの森林:2003年のゾウの分布域(Elephant Range 2003、紫点線)、泥炭土壌の深さ(Peat Depth)ごとに色分けした2005年の天然林(Forest Cover 2005)と、保護林(Protection Forest (RTRWP 1994)、斜線)、産業木材植林(赤線と赤番号)とアブラヤシプランテーション(黄色線と茶色番号。番号は表1の番号と対応)

▼ 地図2. アイズ・オン・ザ・フォレストが現在までに確認した、リボの森林で伐採された木材がAPP社の工場に届くまでの木材の生産・流通過程(Chains of Custody)の4ケース

【関連情報】アイズ・オン・ザ・フォレストのサイト

 http://www.eyesontheforest.or.id/

 アイズ・オン・ザ・フォレストは、リアウ州に残された天然林の主要な8つの区域からの伐採を現場で追跡調査、その結果をレポートにまとめ、ウェブでで公開しています。

 森林やアジアゾウの生息域に関する最新データ
アイズ・オン・ザ・フォレストは、リアウ州の森林減少の経年変化、その減少と植林用伐採許可やアブラヤシプランテーションの場所との関係や、ゾウの生息域などのデータを最新の電子地図によって全世界に発信しています。
http://maps.eyesontheforest.or.id/Home/index.html


「植林許可」が自然の森の伐採を呼ぶ!伐採の一時停止を求め、「アイズ・オン・ザ・フォレスト」が声明を発表(2005年7月29日)

インドネシアでは2001年から、政府だけでなく、州知事や県、市長村の行政区長が、企業に対し、植林事業のために土地を利用する認可を与えられるようになりました。ところが、豊かな天然林が残る場所においても、この認可が出されているため、「植林」を行なうという名目で、その森が伐採される、という問題が起きています。

「植林」の名を借りた森林伐採

インドネシアでは2001年から、政府だけでなく、州知事や県、市長村の行政区長が、企業に対し、植林事業のために土地を利用する認可を与えられるようになりました。
ところが、豊かな天然林が残る場所においても、この認可が出されているため、「植林」を行なうという名目で、その森が伐採される、という問題が起きています。

そればかりか、製紙会社などが紙の原料になる木材を得るために、州政府などによるこのような植林の事業許可を受け、そこにある森林を伐採しているケースも確認されています。また、このような事態を招く植林の許可が州政府などによって出される場合、天然林の保全を謳うインドネシア林業省の規定に反している可能性があります。

スマトラ島で活動する環境NGOの連合体である「アイズ・オン・ザ・フォレスト(Eyes on the Forest)」が、スマトラ島中部のリアウ州で調査したところ、リアウ州内で発行された許認可を保有する企業は34社にのぼり、合計で29万ヘクタールの森林が伐採されていることがわかりました。これらの木材は、リアウ州で天然林から紙パルプを製造している二つの大きな製紙会社、APRILおよびAPP に原料として供給されています。

事態の改善を求めて

インドネシア政府は現在、このような事態を改善するため、州政府以下の行政が植林利用事業の許可を出した場合、その許可の全てについて検証を行なうことにしています。

しかし現状では今も、州政府などによる植林事業許可をたてに取った天然林の伐採が横行しているため、アイズ・オン・ザ・フォレストは、インドネシアの州以下の行政区が発行した「森林の植林利用事業許可(IUPHHK-HT)」に基づいた天然林の皆伐を直ちに停止するよう、関係する全ての企業に対し要求しました。

また、このような操業によって生産された木材の搬送についても、即時停止を求めると共に、林業省による検査の徹底と、その認可を受けた上での木材利用を行うよう、提言しました。

ある調査では、リアウ州内にある植林許可が下りた区域のうち、インドネシア政府(林業省)の許可を受けた区域は、州内全体の許可地の面積の50%ほどに過ぎないとされており、今後インドネシア国内での取り締まりの強化と、安易な許可の発行を制限することが、大きな課題となっています。

共同声明 2005年7月29日
合法性が疑わしい植林利用事業許可による伐採の一時停止を(仮訳)

Logging Moratorium for Companies with Questionable Industrial Timber Plantation Licenses (和訳版)
環境NGO3団体、WWF、ワルヒ、ジカラハリ 共同声明

インドネシア、ジャカルタ発 ― スマトラ島で活動する環境NGOの連合体である「アイズ・オン・ザ・フォレスト(Eyes on the Forest)」は本日、インドネシアの州および行政区の発行した「森林の植林利用事業許可(IUPHHK-HT)」に基づき天然林を皆伐しているすべての企業に対し、伐採を直ちに停止するよう要求した。アイズ・オン・ザ・フォレストはまた、上のような操業で生産された木材搬送の即時停止も求めている。インドネシア林業省は現在、全国の州および行政区により発行されたすべての許可の有効性を検証中であり、アイズ・オン・ザ・フォレストはこれを、インドネシアに残存する天然林の保全のため、きわめて意義の大きいステップとして評価している。地方政府の発行した許可は、天然林の保全を謳う同省の規定を無視し、広大な面積の天然林の伐採に使用されている。

アイズ・オン・ザ・フォレストの調査によれば、リアウ州の行政区が発行した許認可を保有する企業は34社におよび、合計で289,809ヘクタールの森林を伐採、同州で天然林からパルプを製造している二大製紙会社、APRILおよびAPPに木材を提供している。リアウ州の森林は1982年から2004年の間に52%(3,471,590ヘクタール)減少しており、この2社の保有する巨大な製紙工場は、森林にとって大きな脅威になっている。同州の森林はまた、世界的にも屈指の生物多様性を有し、絶滅の危惧されているスマトラゾウやスマトラトラの棲息地でもあるが、森林の消失によりこれら野生生物の存続は、危機に瀕している。

リアウ州のNGOネットワークであるジカラハリ(Jikalahari)のコーディネイターであるズルファルミ氏は、APRILおよびAPPに対し、天然林に由来する木材の使用を停止するよう要求している。「アイズ・オン・ザ・フォレストは2005年5月の調査で、APRILがカンパール、ブキ・ティガプルおよびケルムタンの林区から、APPがリボおよびセナピス林区から木材を調達していることを発見した。アイズ・オン・ザ・フォレストはこれからも調査を続け、その結果をウェブサイトで公開していく」と、ズルファルミ氏は語った。

アイズ・オン・ザ・フォレストは、林業省が現在実施している許可の見直し作業を全面的に支持する。しかし過去の経験から、既得権益を有する組織が、この作業に影響力を行使しようとする可能性は高い。トランスパレンシー・インターナショナル・インドネシア(TII)の最近の調査では、リアウ州の州都ペカンバルは、国内の主要都市の中でもとりわけ体制の腐敗が著しい都市とされており、アイズ・オン・ザ・フォレストは、すべての利害関係者に対し、見直し作業をモニターし、不審な点はウェブサイトを通じて連絡するよう呼びかけている。寄せられた情報は即時、同省の許可検証チームに伝えられる。公明正大で信頼性ある作業の実施を確実にするため、検証チームのコーディネイターであるリスチャ・クスマワーダニ氏は、関係機関やNGOに対して見直しをモニターするよう呼びかけている。

ワルヒ(WALHI)リアウの事務局長ルリ・シュマンダ氏は言う。「透明性が高く、外部の影響を受けない見直しが必要。これが、違法な許可によって伐採を行ったり、そのような木材を購入したすべての企業の起訴につながればと期待している」

WWFは、この見直しが違法伐採の実行者やそのような木材の購入者を起訴するための、新たな枠組みを検討する機会を提供するものと考えている。

WWFインドネシア事務局長のムバリク・アーマッド氏は語る。「違法者に刑罰を課すには、森林関連の法律だけでは不充分。森林法の違反と同時に、マネー・ロンダリングや贈収賄など税法に対する違反も含めて多重に告発することが必要だ」

この記事の詳細についての問い合わせは、以下で受け付けている。

ワルヒ・リアウ:
ルリ・シュマンダ 事務局長、電子メール: roelly@indo.net.id

ジカラハリ:
ズルファルミ ネットワークコーディネイター、電子メール: zfahmi@jikalahari.org

WWFインドネシア:
デスマリア・ムルニ 野生生物プログラム、コミュニケーション・オフィサー、電子メール:dmurni@wwf.or.id

森林生産計画局ディレクター兼許認可検証チームコーディネイター:
リスチャ・クスマワーダニ 電子メール: email:

注:

  • ※アイズ・オン・ザ・フォレストは、インドネシア、スマトラ島リアウ州の環境保護団体であるWWFインドネシア、ジカラハリ(28のNGOから成る「リアウ州森林レスキュー・ネットワーク」)およびワルヒ・リアウ(フレンズ・オブ・ジ・アーズのリアウ州オフィス。8つのNGOから成る)の連合体である。アイズ・オン・ザ・フォレストの活動はWWFジャパンの助成を受けている。
  • ※アイズ・オン・ザ・フォレストは、7月27日ジャカルタにおける同ウェブサイト (http://www.eyesontheforest.or.id)の立ち上げにおいて、林業省による森林の植林利用事業許可の見直しを支持することを明言した。アイズ・オン・ザ・フォレストの調査チームは、リアウ州に残存する8つの主要な林区の伐採や皆伐をモニターしている。調査結果、「EoFニュース」および背景を説明する多数の資料がウェブサイトで公開されている。WWF、ワルヒおよびジカラハリは、国や地域、そして国際的なメディアやNGO、企業、政府その他の利害関係者が、リアウ州の森林保全および森林に依存して生活している地域住民の権利を守る活動の情報ソースとして、同ウェブサイトを利用することを歓迎している。
  • ※トランスパレンシー・インターナショナル・インドネシア(TII)の発表した「Indonesian Perception Corruption Index 2004(インドネシアの腐敗体制に関する指標2004)」では、リアウ州の州都であるペカンバルの腐敗度は調査対象の22都市のうち6番目にランクされている。また、地方政府、裁判所、裁判官、警察、税関、税務署および軍隊の各項目では最も腐敗の著しい都市とされている

「アイズ・オン・ザ・フォレスト」による7月27日付 記者発表資料

Press Release : 27 July, 2005
WWF, Walhi, Jikalahari: "Logging Moratorium for Companies with Questionable Industrial Timber Plantation Licenses"

JAKARTA-- Today Eyes on the Forest, a coalition of Sumatran environmental NGOs, called on all companies who are clearcutting natural forests based on Industrial Timber Plantation Licenses (IUPHHK-HT) issued by Governors or Heads of Districts to immediately issue a moratorium on all such operations.

The coalition also called on all companies sourcing timber from such activities to immediately stop all deliveries. The Ministry of Forestry (MoF) is currently reviewing the validity of these licenses. Eyes on the Forest supports the legal review as a very significant step towards the conservation of some of the country's remaining natural forests. Locally issued licenses have been used to clear large areas of natural forests in disregard of MoF regulations that protected them.

Eyes on the Forest found that 34 companies received licenses from heads of districts in Riau to clear 289,809 ha of natural forest.
Their customers are Riau's two pulp and paper companies. Asia Pacific Resources International Holdings, Ltd. (APRIL) and Asia Pulp & Paper Co., Ltd. (APP) have been pulping Riau's natural forests for years. The two giant mills have been a major threat to Riau's forests which declined by 52% (3,471,590 ha) between 1982 and 2004. Riau's forests are some of the most biodiverse in the world.

They are home to the endangered Sumatran elephant and tiger. Both are dying as their forests disappear.

Zulfahmi, coordinator of Riau's NGO network JIKALAHARI, calls on APRIL and APP to stop sourcimg timber from natural forests. "Eyes on the Forest investigators as recently as May 2005 found APRIL sourcing timber from Kampar, Bukit Tigapuluh and Kerumutan forest blocks, and APP buying from Libo and Senepis blocks.

Eyes on the Forest will continue to investigate and report the findings on its web site,"said Zulfahmi.

Eyes on the Forest fully supports MoF's review of the licensing process. However, experience has shown that parties with vested interests may try to influence it. Transparency International Indonesia just confirmed Riau's capital Pekanbaru as one of the most corrupt cities in Indonesia.

Eyes on the Forest therefore calls on all stakeholders to monitor the license review carefully and report any concerns on the EoF website. Theinformation will immediately be made available to MoF's License Verification Team. Listya Kusumawardhani, coordinator of the team, has requested all relevant institutions and NGOs to help monitor the review and ensure that a clean and reliable process is followed.

"The review should be transparent and free from outside influence" said Rully Syumanda, Executive Director of WALHI Riau" We hope that it will lead to the prosecution of all those who use illegal licenses in their logging operations and who buy illegally sourced timber."According to WWF, the review offers an opportunity to develop new concepts in prosecuting the instigators of illegal logging and taking the buyers to court.
"It is not enough to convict using forestry laws alone" said Dr Mubariq Ahmad, Executive Director, WWF Indonesia. "We need to bring multiple charges from the violation of forestry and tax laws to those targeting money laundering and corruption" said Dr Mubariq Ahmad, Executive Director WWF Indonesia.

For further information, please contact:

WALHI Riau: Rully Syumanda, Executive Director, email:roelly@indo.net.id
ph 0761 23976/ mobile 081317712909
JIKALAHARI: Zulfahmi, Network Coordinator, email:zfahmi@jikalahari.org, ph 0761-27875/ mobile 08126821214
WWF-Indonesia: Desmarita Murni, Communication Officer for Species Program, dmurni@wwf.or.id, ph62-021-5761070 (ext 103)/ mobile 0811793458
Director of Forest Production Planning of BPK and Coordinator of Verification Team,:Ir.Listya Kusumawardhani M.Sc, email: email:listya@dephut.go.id
Telp: 021 - 5733443

Notes to Editor:

Eyes on the Forest is a coalition of three environmental or ganizations in Riau, Sumatra, Indonesia: WWF Indonesia,Jikalahari ("Forest Rescue Network Riau", alliance of 28 NGOs) and Walhi Riau("Friends of the Earth Indonesia" Riau Office, alliance of 8 NGOs). The activities are funded by WWF Japan.

Eyes on the Forest voiced its support of MoF's review of Industrial Timber Plantation Licenses during the launching of the Eyes on the Forest website in Jakarta (7/27).

Eyes on the Forest investigators are monitoring logging and clear-cutting operations in Riau's remaining eight major forest blocks. Their reports, EoF News, and many background materials are published on the website. WWF, Walhi, and JIKALAHARI invited local, national, and international media, NGOs, companies, governments and any other interested parties to use the Eyes on the Forest website as a source of information on forest conservation in Riau and on the protection of the rights of the local people who rely on the forest for their livelihoods.

Indonesian Perception Corruption Index 2004, released by Transparency International Indonesia, ranked Pekanbaru, the capital of Riau Province, as the 6th most corrupted city of 22 cities surveyed in Indonesia. Pekanbaru was the worst city in terms of performance by local government, legislative, political parties, courts, judiciary, police, customs, tax services, and the military.


その数、2,800カ所!多発するインドネシア・リアウ州の森林火災を追う(2005年4月14日)

人が引き起こす森林火災

インドネシアの森林火災の多くは自然現象ではなく、人為的要素で引き起こされると言われています。

その原因の大半は、人工林やアブラヤシなどの農園、牧草地を短時間で整備するための「火入れ」。 このような組織的かつ規模の大きな火入れはインドネシアの法律により禁じられているにもかかわらず、製紙会社などにより今も各地で行われているとされています。

WWFインドネシアは、2005年1月24日から2月21日の4週間に、インドネシア・スマトラ島のリアウ州で火災の発生した場所(ホットスポット)を、人工衛星の画像から特定しました。最も多い週では、州全体で2,863個が確認されています。

リアウ州の森林火災は、1月の早い時期から発生しはじめましたが、非常に多くのホットスポットがこの四週間に確認されました。
そうしたホットスポットのいくつかは、アジア最大級の製紙会社 APP社およびAPRIL社の伐採許可地域の中や周辺にも分布し、WWFインドネシアと現地の環境NGOが共同で分析したところによると、この期間にリアウ州内で観察された森林火災の40%がAPPあるいはその関連会社の伐採許可地域内および周辺で発生しています。

また、伐採が禁じられているはずの保護価値の高い森林(HCVF)でもホットスポットは確認されました。
火災によって発生する煙霧(ヘイズ)による大気汚染が人体に有害なレベルに達したため、リアウ州政府は住民に対してマスクの着用を勧告し、これを受けて休校した学校も出ました。それにも関わらず、州内の多くの住民が気管支の異常を訴えています。
またこうした措置は毎年のように実施されていますが、問題の根本的な解決にはなっていません。

WWFインドネシアはたび重なる森林火災を防止するため、法律による取り締まり強化の必要性を訴えています。

【参考資料】WWFインドネシアの記者発表資料 Rainforest Alliance Public Statement:
Termination of Contract to Verify High Conservation Value Forests (HCVF) for APP in Sumatra, Indonesia

25 Februari 2005

WWF-Indonesia once again recorded high frequency hotspots distribution in Riau this year, where the majority is located in major plantation's area. Fogs threaten both the community's health and the biodiversity. Meanwhile the local government's advice to use face masks do not really address the issue. Without firm action, this nature destruction will continue to attack Riau yearly.

Fogsin Riau are getting thicker, according to the Modis(*1) satellite 2812 hotspots were identified, which are distributed among several districts in Riau including Riau Islands.
Bengkalis District recorded the highest number of hotspots: 1324. These hotspots aredistributed among several industrial forests concessions located in Riau, among others APP and partners (21 hotspots), and APRIL and partners (10 hotspots). Furthermore, hotspots are also located in several concessions of companies that were named to havestarted the fires in 2003 by the Riau Province's Government. (List of companies attached)

Modis' satellite observation showed that since early this year hotspots have beenemerging, started by the identification of 143 hotspots in the third week of January, which plummeted to almost 3000 hotspots towards the end of February. Pekanbaru has been covered with fog during this last week. "The air pollution indicator in Pekanbaru has reached 400 this week," explained Nazir Foead, Species Program Director, WWF-Indonesia. This indicates that the air is extremely not healthy; data from Riau's Health Service reported that more than 1990 people have been experiencing upper respiratory infection. Nazir further explained "Hotspots distribution have also been identified in the remaining high value conservation forests area such as the Giam Siak Kecil area and also again in APRIL's and APP's concession areas."

As been done previously, the government has advised the community to use face masks if the air condition worsen, and even advised schools to stop their learning activities. This may reduce the number of respiratory infections, but it doesn't get to the root of the problem. "The government has to implement a firm action to really teach a lesson for the people responsible for forest and area fires" stated Ian Kosasih, Forest Program Director,WWF-Indonesia, "Without firm law enforcement, Riau will continue to experience forest fires every year."

*1:Modis satellite belongs to NASA, for monitoring hotspots, located at University of Maryland, USA

For further information, please contact:
Nazir Foead, Species Program Director, WWF-Indonesia.
E-mail:nfoead@wwf.or.id
Phone: +62-811-977604

Notes for the editor:

Based on WWF Indonesia's research in Riau's forests, especially in the Tesso Nilo area which has the highest vascular biodiversity in the world

List of companies proved to have conducted forest and area burning in 2003 that have been announced by the Riau Province Government:

1.Indah Kiat Pulp and Paper
2.PT Hamidah Hamidi
3.PT Guntung Hasrat Makmur
4.PT Alam Sari Lestari
5.PT Sri Buana Dumai
6.PT Multi Gambut Industri
7.PT Mapala Rabda (APP Subsidiary)
8.PT Eka Dura Indonesia
9.PT Jatim Jaya Perkasa
10.PT Selaras Abadi Utama


【違法伐採 関連情報】APPのその後:中国およびカンボジアでの自然林伐採(2005年1月13日)

今世界中の森では大量の木が伐採されています。こうした伐採はしばしば違法に行われ、かなりの量が、日本に輸入されているとされています。これらは、木材としてのみならず、製紙され種々の紙製品として市場に出回ることになります。
WWFは現在、世界各地で違法伐採を無くすため、さまざまな環境NGOや、環境意識の高い企業と共に活動を行なっています。
各国の森林で違法伐採を繰り返しているアジア最大級の製紙会社であり、日本企業にも大量の紙製品を供給しているAPP(アジアパルプアンドペーパー)の、森林伐採に関する最近の情報をお知らせします。 

APPのその後:中国およびカンボジアでの自然林伐採

APPは2004年10月以降、保護価値の高い森林(HCVF)やオールドグロス林(原生高齢林)の保護に関するコミットメントを3回に渡って発表しています。1度目はインドネシアの1箇所の伐採地域(ケルムタン地域)で行われたHCVF分析結果を発表し確認されたHCVFを保護すると公約したこと、2度目は2箇所の地域(シアック(Siak)およびセラポン(Serapong))で伐採停止をしたうえでHCVF分析を行い、確認されたHCVFを保護すると公約したこと、そして3度目は、中国広東省海南に新設したパルプ工場においてはオールドグロス林(原生高齢林)や、HCVFから切り出された木材を使用しないこと、またその一環としてタスマニアや南オーストラリアからのチップ輸入を停止すると発表したことです。

しかし一方で依然として同社が違法伐採を続けていることを伝えるニュースが中国とカンボジアから相次いで届いています。

以下は、違法伐採に関するAPPの最近の動向を追跡する情報としてお知らせします。

中国、雲南省

グリーンピース中国は去年11月16日、APPが中国雲南省で行なうユーカリ植林・紙パルプ統合プロジェクトにおいて、大規模な自然林が違法に伐採されていると報告する調査レポート「Investigative Report on APP's Forest Destruction in Yunnan(英文および中国文のみ)」(※2)を発表しました。グリーンピースは、

  • 同プロジェクトの合計約180万ヘクタールの土地のうち42%が自然林であり、これらの自然林がユーカリ植林を作るために伐採されている。
  • APPは、正式な伐採許可やその他の承認が関係当局から得られていない状況下で伐採等を行っており、これは森林法の23、29、32、37及び、森林法の実施に関する規則15の違反である
  • これまでAPP中国は「植林は不毛地にしか行っていない」と繰り返し述べているが、例えば思茅(Simao)地域においてAPPが約80万ヘクタールのユーカリ植林を作る予定のところ、思茅には実際、非森林地が約19万ヘクタールほどしか存在しないため、不足分のいくらかが自然林を伐採した土地で補充されるはずである

などとして、同レポートを中国国家林業省に提出、同プロジェクトにおける違法な活動の当事者を罰すること、同事業を即刻一時停止させることなどを求めたほか、APPに対しても、自然林の植林への転換及び違法活動を停止するよう求めました。グリーンピースは同レポートで、APPがインドネシアとカンボジアで引き起こす自然林伐採についてもまとめ、APPがその慣行である自然林破壊を、雲南省でも繰り返していると批判しています。

同レポート発表後、中国浙江省のホテル協会(約400軒が加盟)が自らの「グリーン・ホテル・ガイドライン」と同レポートに基づき、会員ホテルに対してAPP製品の購入停止を通達しました。グリーンピースによる主張についてAPPは、APPの中国における事業によって自然林は全く伐採していないとしており、既に12月8日付のプレスリリースで、第三者に委託して同事業に関する申し立ての真否を確認するための調査を行うことを自ら公約していたにも関わらず、同協会を名誉棄損で訴えてしまいました。同裁判の第一回法廷審問は1月14日に予定されています。

  • グリーンピース中国はこれに対し12月16日、APPの計画のために広範囲にわたって自然林が皆伐されている新しい証拠として、地元住民による証言のビデオや写真、を公開しました(※3)その中で、グリーンピース中国は以下の内容を発表しています。
  • APP瀾滄(Lanchang)社と雲南省瀾滄郡が取り交わした覚書によると、20万ヘクタールのユーカリ植林エリアのうち、73,333ヘクタールは森林および低木林地である。
  • グリーンピースが地元の森林局から別途入手した2004年のあるAPPのユーカリ植林計画によると、そのエリア内に自然林が50ヘクタール、疎林が123ヘクタール、低木林が62ヘクタール含まれており、その全てが2004年11月以前にユーカリ植林に転換されていた
  • こうした事実に対しグリーンピースはAPPに対し、伐採やプロジェクトそのものを即刻停止すること、これまで誤った行為をした旨を公式に認めること、今後自然林を伐採しないこと・法律の遵守・地域住民の権利の尊重を確保するこ

と、これらの公約及び12月8日に発表した海南島のパルプ工場の木材供給についての公約を実施するための時限付きのアクションプランを作成・実施すること、ならびに浙江省ホテル協会に対する訴訟を取り下げることなど、6つの要求をAPPに提出したが、APPはこれをすべて拒否した

グリーンピースは顧客に対し、「APPに立ち向かい、NOと言おう!」と述べています。

カンボジア

環境NGOである「グローバル・ウィットネス」の12月31日付プレスリリースによると、APPの子会社であるグリーン・エリート社がカンボジアの国立公園内で行った違法伐採に対し、カンボジア環境省は同社を相手に訴訟を起こす用意があると発表しました。
問題となっている国立公園はボタム・サコール(Botum Sakor)で、伐採が始まったのは2004年3月のことであり、天然のマングローブ林がアカシアの植林に変換されています。
数々の法律に違反している状況は明らかであり、裁判となった暁にはグリーン・エリート社の有罪は間違いないであろうとされています。
今回問題となっている国立公園内の18,000ヘクタール以外にもグリーン・エリート社は、30万ヘクタールもの伐採を政府に対し申請していますが、これは法定上限の30倍の広さにあたります。また、その多くの部分はカンボジアの希少な天然資源が含まれる保護区に指定されています。

カンボジアの情報の詳細については、以下グローバル・ウィットネスのプレスリリースをご参考ください。
(以下は環境保護のNGOであるグローバル・ウィットネスの2004年12月31日付プレスリリースをWWFジャパンにおいて仮訳したものです。英語オリジナルはこの下にあります)

カンボジア政府が、略奪的な巨大製紙企業に対して訴訟を起こすと発表

グローバル・ウィットネス プレスリリース(2004年12月31日)

カンボジア王国環境省は、アジアパルプアンドペーパー社(APP)の子会社であるグリーン・エリート社が過去9ヶ月間ボタム・サコール(Botum Sakor)国立公園内で違法伐採を行っていることに対し、法的措置を取る準備をしていると発表した。アジアで最も悪名高い製紙会社の略奪を止め、カンボジアの法を守ろうとする同省の尽力に対し、グローバル・ウィットネスは、万幅の助力を提供する考えである。

「グローバル・ウィットネスは、環境省大臣モク・マレス氏の今回の決断を心から歓迎する」グローバル・ウィットネスのマイク・デイビス氏は語る、「もしこの訴訟が完遂されれば、近年枚挙のいとまなく発生してカンボジアの保護区の制度を侵害している、違法伐採に歯止めをかけるための大切な第一歩となるだろう。私達は、他の省庁、国際的な援助供与団体やNGOに対し、同大臣の行動をサポートするよう強く求める。」

APP/グリーン・エリート社が、ボタム・サコール国立公園の多くの部分をアカシア植林に転換するという一定の目的のため、同国立公園内で伐採を始めたのは2004年3月のことである。APPの発言によるとこれは、中国のパルプ工場に木材を供給するための植林である。これまでにグリーン・エリート社は既に、マングローブ地帯の内陸側にある数百ヘクタールものコバノブラッシノキの森林を皆伐し、木を破砕してチップにする機器を設置し、またブルドーザーで公園内に新たな道路を切り拓いている。APP/グリーン・エリート社による伐採契約はとその活動は、1994年の保護区に関する宣言、2002年の森林法、2001年の国土法、1999年の環境影響評価に関する副法令 (Sub Decree)をはじめとする数々の国内法に違反している。

環境省は、訴訟内容として、APP/グリーン・エリート社が環境影響評価を求める法律に違反したこと、及びこの違反に関して2004年5月に同社に対して発行された伐採停止命令を選んだ。これらの問題は、APP/グリーン・エリート社の違反行為のうち、最も重大なものとは必ずしも言えないが、これらの問題に関する証拠は説得力ある内容である。

「APP/グリーン・エリート社が違反した数々の法律を前にして、環境省は、まずどの違法行為について彼らを起訴するべきか、難しい選択を迫られたはずである。これは単純明快な訴訟であり、もし正当な法的プロセスが守られるならば、判決に疑いの余地は無いだろう。」(デイビス氏)

APP/グリーン・エリート社にとって、ボタム・サコール国立公園の破壊は、カンボジア南西にある多くの天然林をパルプのために搾取しようとする策略の、控えめな第一歩でしかない。同国立公園内に18,000ヘクタールの植林を作ろうという違法契約の他にも、彼らは、コー・コン(Koh Kong)とカンポ(Kampot)地域で300,000ヘクタールもの伐採計画を政府に申請しており、これは法定上限の30倍もの面積にあたる。その上、この面積の多くが保護区内にあり、もしこのような契約が実現すれば、カンボジアの自然遺産の貴重な一部である森林が消失することになる。

この記事に関する問い合わせ先;gw.monitoring@online.com.kh; 電話: 00 855 23 219 478; HP: www.globalwitness.org

注記:

・APPは、スマトラ島の天然林破壊のために悪名高いインドネシア企業である。批判者の口を封じるためには強行手段を取ることを辞さない。同社は現在、APPが中国の工場で違法に入手した木材を使用しているという申立てに応え、協会会員ホテルに対してAPP製品購入停止をアドバイスした中国のホテル協会ZHAに対して訴訟を起こしている。この件に関しての詳細は、www.appwatch.blogspot.comを参照されたい。
政府高官により締結される違法コンセッション契約は、カンボジアの保護区にとって大きな脅威の1つである。APP/グリーン・エリート社の契約は、保護区が伐採対象になっていることが2004年に発覚した数件の違法契約のうちの一件である。こうした契約は、関係者の腐敗体質と透明性の欠如、そして全般的な統治の弱さを象徴するものであり、これらはカンボジアの天然資源管理の特徴ともなっている。2004年12月6―7日に実施された諮問委員会会議で問題の甚大さが認識されたため、2005年のパフォーマンス基準ベンチマークに要約される様に、国土や自然資源を侵食するような全ての土地開発について情報公開を行うことが、国際的な援助団体とカンボジア政府の間で合意されるに至った:

・経済的理由による土地開発、採鉱、漁業域に関する既存の契約、およびそれらの契約の履行状況(使用料やその他の主要な条件)について、即座にパブリック・ディスクロージャーを行うとともに、森林伐採の検査状況についても継続して情報公開を行い、自然資源の国家管理に関する透明性を強化させる。
国の管理する自然資源(国土、漁業資源、林業資源、鉱山)の民営の利用・管理に関しては、ESIA、投資家評価、地元コミュニティーとのコンサルテーション、パブリック・ディスクロージャーや新規契約を結ぶ前段階でのコメント期間設置を含む持続的管理計画を適用する。
カンボジア王国政府は、採鉱、軍事展開地域、土地開発その他、森林地や保護区内に位置し森林地や保護区の管理に関する法律に違反する開発契約について、その存在場所、法的現状と停止プロセスについて情報公開を行う。

・カンボジアにおいて、プロジェクトの環境影響評価への法的要求は、1996年環境保護と自然資源管理法および1999年環境影響評価に関する副法令に規定される。しかし、これらの法律が守られることは殆ど無い。担当官による、これらの方施行の確保とその違反者の処罰は殆ど前例が無い。

【原文】Immediate release: 31 December 2004  PRESS RELEASE

Preparing to Pulp the Pulp Merchants? Cambodian Government Announces Legal Action against Predatory Paper Giant

The Cambodian Ministry of Environment has announced that it is preparing a legal action against Green Elite, a subsidiary of Asia Pulp and Paper company (APP) which has been illegally logging Botum Sakor National Park for the past nine months. Global Witness offers its full support to the Ministry's efforts to uphold Cambodian law and curb the predations of one of Asia's most notorious pulp companies.

"Global Witness wholeheartedly congratulates Minister of Environment Mok Mareth on this decisive move" said Mike Davis of Global Witness. "If followed through, this would be a crucial first step towards terminating the recent rash of illegal economic concessions that threaten Cambodia's protected area system. We strongly urge other government ministries, the international donor community and NGOs to support the Minister's action."

APP/Green Elite began cutting in Botum Sakor in March 2004, with the stated intention of transforming large areas of the national park into acacia tree plantations. Statements by APP indicate that these plantations are designed to feed pulp mills in China. Thus far, the company has already clear-felled several hundred hectares of rear-mangrove Melaleuca forest, installed wood chipping machinery and also bulldozed a new road into the national park. APP/Green Elite's concession contract and its activities contravene a range of Cambodian laws, including the 1994 Declaration on Protected Areas, the 2002 Forestry Law, the 2001 Land Law and the 1999 Sub-Decree on Environmental Impact Assessment.

The Ministry of Environment has chosen to target its legal action on APP/Green Elite's failure to comply with legal requirements for environmental impact assessment and a related suspension order issued to the company in May. While not necessarily the most serious of APP/Green Elite's infractions, the evidence against the firm on this count is compelling.

"Given the range of laws that APP/Green Elite has broken, the Ministry must have faced a difficult choice as to which offence to prosecute them for first," said Mike Davis. "This is an open and shut case. If due legal process is followed, the verdict cannot be in doubt."

APP/Green Elite's demolition of Botum Sakor National Park is a modest first step in its plans to turn natural forests across Cambodia's southwest into pulp. In addition to its illegal contract to create a plantation on 18,000 hectares of Botum Sakor, APP/Green Elite has also asked the government for an additional 300,000 hectare concession across Koh Kong and Kampot provinces ? an area 30 times the legal limit. Much of this land falls within protected areas and represents a valuable part of Cambodia's natural heritage that will be lost if the deal goes ahead.

For further information, please contact gw.monitoring@online.com.kh; telephone 00 855 23 219 478; www.globalwitness.org

Notes to editors:

Asia Pulp and Paper is an Indonesian-owned company well known for its destruction of natural forests in Sumatra.
APP does not hesitate to use strong-arm tactics to silence its critics. The firm is currently launching a legal suit against a Chinese hotel association, ZHA, which advised its members against purchasing APP products following allegations that APP was using illegally sourced timber at its production facility in China. For further information, please refer to www.appwatch.blogspot.com.
Illegal concession contracts signed off by senior officials pose one of the main threats to Cambodia's protected areas.The illegal APP/Green Elite contract is one of several such concession agreements covering protected areas that have come to light in 2004. Such deals are indicative of the corruption, lack of transparency and overall weak governance that characterises management of Cambodia's natural resources. At the Consultative Group meeting of 6-7 December, recognition of the extent of the problem prompted international donors and the Cambodian government to agree the disclosure of all concessions to exploit land and natural resources, as summarised in the following performance benchmarks for 2005:

・Increase transparency of state management of natural resources through immediate public disclosure of existing contracts and compliance status (royalties and other key provisions) of contracts governing economic land concessions, mining concessions, fishing lots and continued disclosure of status of review of forest concessions
Application of sustainable management planning, including ESIAs, investor evaluations, consultation with local communities, public disclosure and comment period prior to entering into new contracts for private use/management of state managed natural resources (land, fisheries, forestry, and mines)
Royal Government of Cambodia disclose the location and legal status and process for termination of mining concessions, Military Development Zones, economic land concession and other development arrangements situated on forest land or in protected areas and inconsistent with law governing management of these areas

・The legal requirements for environmental impact assessment on projects in Cambodia are set out in the 1996 Law on Environmental Protection and Natural Resource Management and the 1999 Sub-Decree on Environmental Impact Assessment. However these laws are rarely if ever observed. Action by officials to ensure their enforcement and the punishment of offenders is almost unprecedented.


ポーズか?それとも本物か? APPがスマトラの森林保全を発表(2004年10月12日)

記者発表資料 2004年10月12日

【インドネシア発】WWFは、APP(アジアパルプアンドペーパー社)が発表した「スマトラ島に所有する、コンセッションエリア(伐採権地域)の一箇所における調査で保護価値が高いと確認された森林(HCVF:※1)を、保護・管理する」という同社の意向を歓迎する。HCVFからチェーンソーを撤退するというAPPの初めての措置は、同社の将来の全操業へのベンチマークとなることが期待される。

2004年10月12日のAPPのプレスリリースに対し、WWFインドネシアの野生生物保護プログラム・ディレクター、ナジール・フォアドは次のようにコメントした。「WWFは、APPが今回はじめて、伐採前に森林の保護価値を調査し、その調査結果を尊重する、と公約したことを喜んでいる。しかし、APPが、今後もスマトラ島の多くの貴重な自然林を紙製品に変えてしまうであろうことに変わりはない。今回のAPPによる公約は、実質的に、スマトラ島にとっては小さすぎる約束である」

2001年4月に、世界中の自然保護NGOが、APPに自然林の保護を求めはじめてから、APPはこれまでにスマトラ島の自然林を37万ヘクタールも破壊している。また、本日の発表で、APPは3万4,000ヘクタールを保護すると述べたものの、このうち2万2,000ヘクタールは今回の調査以前に既に保護される予定になっていたため、APPが実質皆伐から保護するのは、調査エリア内で植林造営のために皆伐される予定だった1万2,000ヘクタールの生産林のみである。

「WWFは、APPがインドネシアHCVFツールキット(※2)を使って森林調査を行ったことを喜んでいる。しかし、ツールキットが求める"予防原則"を、APPが適用しなかったことを残念に思う。そうする代わりに、APPはHCVFと考えられる森林を、HCVF分析が行われている間も伐採し続けた」と、ナジール・フォアドはコメントした。
WWFは、APPに対し、インドネシア国内の全コンセッションにおいて即刻、HCVFツールキットを正確に使ってHCVFの調査を行い、その調査を行なう前に伐採しないこと、また調査後は、その結果を尊重することを求めている。

ス マトラ島では、APPのパルプ工場に木材を供給するため、2005年末までに、少なくとも10万8,500ヘクタールの自然林が、さらに皆伐される予定である。一日決断が遅れるたびに、少なくとも250へクタール(サッカー場400個近くの面積)もの広さの森林が消失する。ナジール・フォアドは次のように言っている「我々は、APPの今回の発表が、再三にわたる表面的な口約束などではなく、本当の持続可能な森林利用に向けた方針転換であることの証を、一刻も早く示すことを希望する」。さらに、ナジール・フォアドは、WWFの最近の調査によって明らかになった、APPによる違法材の供給の問題が未解決である点も指摘した。

WWFは、APPが目下、木材供給源を拡大しており、その中にはインドネシアの他の地域や、インドシナ半島、中国やロシアの自然林が対象地として含まれることを懸念している。APPの何兆ドルという負債の返済義務も、この拡大計画の背景にあると考えられる。例えば、WWFは、APP中国が今年末から操業を開始する予定の新しいパルプ工場では、はじめの3年間はパルプ材供給が年間平均250万立方メートル不足するが、その後の3年間で不足分はほぼ倍になると考えている。この急増するパルプ材供給について、WWFはAPPがこれまでと同様、持続可能なパルプ材供給を確保しないままに工場を操業開始しようとしていることを懸念している。APPはこの供給のギャップをどうやって埋めるのか?違法材が、引き続き工場に供給されるのか?APPは、引き続き自然林の皆伐に依存するのか?

WWFインターナショナルのアジアパシフィック地域森林プログラムコーディネーターのロドニー・テイラーは、APPが、世界の紙市場で尊敬される企業となるためには、大きな課題を解決しなくてはならないと考える。「APPは、真に改革したことを、国際社会に示す必要がある。WWFは、APPグループに対し、どの国でも、これ以上HCVFを伐採しないことを、利害関係者に保証するよう求める。」

  • ※このプレスリリースの原文(英語)と、関連資料はwww.wwf.or.idから御覧になれます。

関連サイト

  • ※1保護価値の高い森林(HCVF)とは、その環境的、社会経済的、生物多様性または景観的な価値と、地元コミュニティーの伝統的文化的意義という点で突出した、かつ重要な森林のこと。
    本来、森林管理協議会(FSC)によって生み出されたこのHCVFのコンセプトは、森林認証を助けるツールとしてデザインされた。現在では、より一般的な自然保護計画のためのツールとしても奨励されている。HCVFの識別は、その結果が賛同、承認、信頼性を得るという、多分野の利害関係者(マルチステークホルダー)による合意に基づくアプローチを必要とする。このため、そのプロセスには、生物学、社会科学、森林管理からGISなど、幅広いエキスパートが関係するほか、地元コミュニティーとの協議も含まれる。
  • ※2HCVFツールキットは、HCVFの定義を、高い保護価値(HCV)の識別、管理、モニターという実践に移す方法についての手引きを提供するものである。ツールキットは「ある特質、または特質の集合が、HCVと識別されるに十分か否か不確かである場合には、森林管理者は、確かな情報によってそうでないことが証明されるまでは、それらの特質をHCVとして扱うこと」と述べている。
  • HCVFツールキットの詳細

違法な木材の供給をSTOP!APP のビジネスパートナーに対し取引の再考を求めるポジションステートメントを発表(2004年8月4日)

違法な木材の供給にNO!

WWFは2004年7月、スマトラ島における APP(アジアパルプアンドペーパー)社の活動と、同社の違法伐採に関するこれまでの経緯、WWFが抱く懸念についてポジションステートメントを発表。その中で、APP社、インドネシア政府、APP社の取引企業それぞれに対し、違法伐採の取りやめを求める勧告を表明しました。

スマトラ島の自然林(熱帯林)は、過去100年間に、急激に失われ、その面積を減少させてきました。とりわけ、島の東部に広がる低地の熱帯雨林は減少が著しく、今のまま伐採が進んだ場合、 2005年までに消失すると、世界銀行は予測しています(※1)。

アジア最大級の製紙企業であるAPP社は現在、インドネシアのスマトラ島東部の、リアウ州とジャンビ州に2つの巨大な工場を所有しており、パルプや紙を生産しています。
そして、その原料となる木材には、スマトラ島に残る貴重な自然林からの木材や、違法に伐採された木材が含まれていることが、WWFの調査などにより、明らかにされてきました。また、インドネシアで生産されたパルプの一部は、中国にある APP社の工場にも運ばれ、紙の原料として使用されています。

また、APP社が2004年初めに発表した今後の伐採計画(※2)の中には、2004年から2005年の間に、スマトラ島の自然林を、さらに18万ヘクタール(シンガポールの国土面積の3倍)伐採することが盛り込まれています。

APP社が生産し、インドネシア、また中国から輸入されているこれらの製品は、ヨーロッパ、アメリカ、そして日本でも販売されており、消費国として間接的に、スマトラ島の違法な森林伐採に関わる形になっています。

違法に調達された木材の消費を見直す

WWFは今回発表したポジションステートメントの中で、特にAPP社と取引のある企業に対し、以下のことを求めました。

  1. APP社の製品が、違法材や高い保護価値を有すると思われる自然林からの木材を使って生産され続けているという確固たる証拠を考慮し、早急に APP/SMG (シナルマスグループ:APP社が所属する企業グループ)とのビジネス関係を見直すこと
  2. インドネシアの木材・製紙産業の全企業が、活動内容や、その影響において同じ状況にあると考えるのではなく、個々の企業の環境パフォーマンスを正しく評価すること
  3. 環境・社会的に責任ある紙パルプ製品調達へのコミットメント(約束や方針)を最大限に活用すること

このWWFのコメントは、すでにAPPと取引のある企業等に対し、貴重な自然林の保護を求める対応を促すと同時に、APP社の紙製品を購入または扱う可能性のある企業・組織に、企業の社会的責任(CSR)の一環として、違法に伐採された可能性のある木材製品の調達をやめるよう求めるものです。

また、その具体的な方法として、違法伐採や貴重な森林を破壊して得られた供給源のものがあれば、その扱いを減らし、 段階的かつ継続的に、信頼できる 森林認証の取得をめざす供給源からの購入を増やすための手引書『責任ある林産物の購入』をまとめ、発表しました。

現在、多くの企業が扱っている紙製品の原料の供給源を確認し、FSCのような信頼ある森林認証制度を利用しながら、紙製品の購入・調達方針を持つことは、消費国として今、取り組まねばならない大切な課題といえます。
そして、これらの活動が、「テッソ・ニロ」を含めた インドネシア・スマトラ島の低地熱帯林をはじめ、 世界的に問題となっている違法伐採や貴重な森林の消失に歯止めをかけることにつながるのです。

参考資料

APP.2004. Sustainability Action Plan

APP社の回答に対するWWFのコメント

■APP社の違法伐採への関与についての
WWFインドネシアの報告書に対する同社の回答の分析

インドネシア、スマトラのアジアパルプアンドペーパー工場が消費する木材源に関するWWFの懸念を要約するステートメント

■WWFインドネシア提供による情報:リアウ政府がアジアパルプアンドペーパー関連企業を森林火災に関して告訴予定 :関連地図と新聞記事


密猟と生息地破壊により、絶滅の淵に立つスマトラトラ(2004年3月16日)

記者発表資料 2004年3月16日

【スイス・グラン発】WWF(世界自然保護基金)とトラフィック※1は、インドネシアに生息するスマトラトラが、違法取引の広がりと、生息地の激減によって絶滅に向かっていると発表した。

トラフィックが発行した最新のレポート『Nowhere to Hide: The Trade in Sumatran Tigers』は、1998~2002年までの間に、少なくとも毎年50頭のスマトラトラが密猟されていることを明らかにした。野生のスマトラトラの個体数は、約400~500頭と推定されている。
こうしたトラの密猟は、プロかそれに準ずるハンターによって行われている。その背景には、インドネシア国内でトラの毛皮や、装飾品・魔よけ・土産物として利用される爪や歯などを扱う市場の存在がある。スマトラでは、トラ製品は業者から簡単に手に入る。また、多くの場合、オープンに展示され売られている。トラフィックでは、調査した24カ所の町のうち17カ所、453店舗のうち20%でトラ製品を発見した。レポートは、アジアの別の地域で売られている違法に国際取引されたトラ製品の存在についても明らかにしている。

トラフィックの事務局長であるスティーブン・ブロードは、次のように述べている。「スマトラトラを救う唯一の方法は、規制の強化と改善です。その第一ステップとして、特にスマトラ北部にある、取引の中枢であり小売りの販路となっている市場に対して対策を取るべきです。また、密猟対策に高い専門性を持つ組織が早急に作られることも必要です。」

生息地の消失もまた、スマトラトラにとって大きな脅威である。WWFは、アジアの二大製紙会社であるAPP(Asia Pulp & Paper Company Ltd.)とAPRIL(Asia Pacific Resources International Holdings Ltd.)によって行なわれているスマトラ島低地林の伐採を一時停止するよう求めている※2。スマトラトラの主要な生息地である低地林の伐採は、トラが集落に出没する結果を招いている。
WWFの国際野生生物保護プログラムの代表を務めるスー・リーバーマン博士は「世界中で、トラの密猟や生息地の消失、そして近隣住民との軋轢が起きています。スマトラトラは今、絶滅の淵に立っているといえるでしょう。個体数がある程度以上に減ると、個体群そのものが存続できなくなる可能性が出てきます。現在の密猟は、個体群全体の存続を脅かすものです」と述べている。
インドネシアによるスマトラトラの違法取引への取り組みは、今週、スイスのジュネーブで開かれるワシントン条約の常設委員会で審査されることとなる。WWFとトラフィックは、インドネシア政府に対して、スマトラトラの密猟防止策を強化し、国際および国内の違法取引を厳重に取り締まるよう求めている。

  • ※1トラフィック(TRAFFIC)ネットワークは、野生生物の取引をモニターする世界最大の民間機関で、WWFとIUCN(国際自然保護連合)の共同プログラムである
  • ※2APPよびAPRILの紙製品は、日本国内でも販売されている。特に、日本に輸入されるコピー用紙のうち約8割はインドネシアからのものであり、その約8~9割がAPP製品という。
    WWFは、APPとAPRILに対し、数年に渡って、持続可能な木材供給計画と違法行為の是正を求めてきた。昨年8月には、APPおよびその親会社であるシナル・マス・グループと、持続可能な森林の利用に向けた同意書を交わし、APPは保護価値の高い森林の保護やアクションプランの策定などを約束した。しかし、2004年2月19日の期限にAPPがWWFに提出したアクションプランは"自然林の保護には不十分"なものであった。それは、APPとシナル・マス・グループが関与する森林において、自然林の皆伐・アカシアの植林を実施する前に、その環境・文化・社会的保護価値について適切な分析・評価を行っておらず、また、適切な評価およびその間の一時伐採停止とその結果に基づくアクションプランの改善をWWFが求めたのに対し、それらを拒んでいるためである。
    WWFは現在も、日本・アメリカ・ヨーロッパのAPPの顧客企業と協力して、APPが保護価値の高い森林の分析・評価の実施とその間の一時伐採停止に同意するよう求めている。同時に、これら企業が責任ある調達方針を採用するよう望んでいる。


APPの"持続的木材供給アクションプラン"は自然林保護に不十分(2004年2月20日)

記者発表資料 2004年2月20日

【インドネシア、ジャカルタ発】 アジアパルプアンドぺーパー(APP)[注1]及びその木材パルプ原料サプライヤーであるシナル・マス・グループ(SMG) と交わした、持続可能な森林管理に関する同意書の終了期限である2月19日、これに基づきAPPが策定した今後12年間の持続的木材供給アクションプランについて、合意事項のいくつかは実施されたものの、同意書の内容を満足させるものではないという見解を発表した。

同意書では、今後12年間の持続可能かつ合法的な木材供給、地域社会との土地紛争の解決、そして社会的かつ環境的に価値の高い森林の保護のためのアクションプランを策定することが合意されていた。

APPの持続的木材供給アクションプランには、泥炭湿地林58,500ヘクタールを含む、8万ヘクタール近くを保全することなど前向きな内容も含まれているが、残念なことに、保護価値の高い森林(HCVF)の保護[注2]、地域住民との社会的紛争解決における第三者的調停者の起用[注3]、長期的な持続可能な木材供給の達成[注4]といった、根本的な問題が取り上げられていない。

APPは、このアクションプランの内の森林保護に関する計画を策定するため、同社の管理下にある自然林の分析・評価を行った。しかしWWFは、APPはこの評価で、人間の影響による森林の攪乱状態を評価したにすぎず、流域の保護や気候調節において、また絶滅の危機に瀕する重要な野生生物の生息地として、森林が重要な役割を果たしていることを考慮しなかったことを懸念している[注5]。もし人間によって引き起こされた森林荒廃を、唯一の基準として採用した場合には、インドネシアの森林の殆どの保護価値は過小評価されてしまうことになるだろう。

つまり、2007年にパルプ原料をすべて植林地から賄うというAPPの持続的木材供給アクションプランは、今後2年間でHCVFを含む180,000ヘクタール以上のスマトラ島の自然林を犠牲にするというものである。APPは、信頼できるHCVF分析が実施される間、これらの森林で一時伐採停止を行うことを拒否した。

「WWFは、APPとSMGが、持続可能な木材供給の維持を確保する、スマトラ島に残る森林の保護に役立ちかつ信頼性あるアクションプランを実現させることができると固く信じている。一刻も無駄にできない。APPは今すぐ具体的な行動を起こすべきだ」とWWFインドネシア事務局長ムバリク・アーマドはコメントする。

APPのこれまでの行為を考えると、WWFは、計画されるよりもさらに多くの自然林が皆伐されるかもしれないと懸念している。なぜなら、WWFは、APPがこのアクションプランを立てる際に想定した植林地の生産性と植林計画にはかなり無理があると考え、それを達成できない可能性があるからである。

WWFは、APPとSMGに対し、すべての自然林の伐採を一時停止し、速やかに適切なHCVFの分析を行い、保護価値が高いと認められた森林の保護措置を取ること、そしてアクションプランを改善させることを求めている。

APPとSMGは段階的アプローチを謳っている。WWFが、APPとSMGが先ず確実に越えるべきと考える第一段階は、「予防原則」に立ってすべての自然林の伐採を一時停止し、速やかに適切なHCVFの分析を行い、HCVFと認められた森林の保護措置を取ることである。更に、段階的アプローチにおいては、あくまでもその段階を一つずつ確認していくことがその必須条件で、APPの持続的木材供給計画にある前向きな行動計画に関しても、透明なモニタリングと評価が必要であるが、APPの計画ではこの点にも問題がある。

「WWFは、APPとSMGと取引のあるすべての企業が、APPとSMGが以上の行動を速やかに実施するよう緊急に協議されることを切に希望する。今までWWFがAPPとSMGと交渉を進めるなかで、いくつかの企業が、WWFのポジションを理解し、環境を配慮したビジネスを積極的に目指し、APP/SMGグループに積極的に働きかけてきたことに対して、WWFとしてまずお礼申し上げる。しかしながら、仮にAPPとSMGが以上を速やかに実施しない場合、残念ながらWWFはAPPとSMGと取引のあるすべての企業に対して、それぞれの紙・パルプあるいは森林資源の関連調達方針あるいはビジネスそのものを再考されることを求めざるを得ない。その場合、ビジネス上ある程度の移行期間が必要なことをWWFは十分認識している」とWWFジャパン森林保護シニアオフィサー前澤英士はコメントする。

森林は一度破壊されると元のように回復できない場合がある。仮に回復できたとしても、それにはきわめて長い時間がかかる。世界中で多くの野生生物や地域住民が生きていくために必要な貴重な自然林が破壊されるなか、すべての企業が「予防原則」に立ち、HCVFの分析および保護価値が高いと認められた森林の保護をその購入・調達方針のなかに盛り込んでいくことを希望する。これは、環境リスクを回避するとともに、資源の安定的確保にもつながり、ビジネスそのものを継続的に実践することにもなるだろう。

WWFは今後とも、自然と人々のために確実に森林が保護されるよう、リアウ州とジャンビ州の政府当局、NGO、そして地域社会とも活動を続けていく。

註:

1. アジアパルプアンドペーパー(APP、本社シンガポール)は、インドネシアで最も大きいビジネスグループの一つシナル・マス・グループが持ち株会社となっている。APPは、紙・包装材生産の分野で、生産量で世界第10位に位置付けられている。
APPは、ウジャヤ・ファミリーが所有しているが、139億米ドルの負債を抱えているため、この3年で建て直しを計ろうと懸命の努力を行っている。139億米ドルの負債のうち、72億米ドルは中国に、67億米ドルはインドネシアの会社に振り分けられている。
単独の組織としては、8億8千万米ドルという最も多額の資金をAPPに貸し付けているインドネシア銀行再建機構(The Indonesian Bank Restructuring Agency)は、昨年、APPがインドネシアで抱える負債返済のための再建計画にサインした。
APP社の負債返済期間を22年に設定したこの再建計画には、現在までに、債権者の40%しか賛成していない。この計画を効果的なものにするためには、 90%の債権者が賛成し、契約することが必要である。後にインドネシア銀行債権機構は、米国のオルレアン・インベストメントに、2億1300万米ドルの破格の価格で負債を売却した。

  1. 2001年、まずWWFはAPPに対して、環境NGOである「地球の友」が2001年にスマトラ島の森林を対象に発表したレポートに従って、持続的な木材供給計画をよりよいものへと改善し、さらにその計画を実行していくことを勧めた。その後、APPは同社の管理下において、自然林の転換を中止することを拒絶するような計画を勧めるためにコンサルタントを雇った。APP社が、既に同意した最終期限に至ったとき、WWFは泥炭湿地帯における自然林の皆伐を一時停止するように求めた。2003年8月、WWFは、APPおよびシナル・マス・グループとの同意書に署名をした。その内容は、「保護価値の評価は、森林の価値を保護するために、森林がアカシア・プランテーションに変換される前に実施されるべきである。」、「国内法を遵守する」、そして「コミュニティとの土地紛争を解決する」などといった内容を含む。
  2. APPは、国際的に認知されているHCVF 分析を採用するとこを拒絶し、さらにHCVF 分析を実施する期間に、自然林の伐採一時停止を実施してほしいとの要求を拒んだ。
  3. 「3d. APPとSMGは、当該のコミュニティが容認する第三者専門家が、土地紛争の解決を援助することに賛同する」と同意書の中で記述されている。しかしながら、APPの持続的木材供給計画では単に、「APPとシナル・マス・グループは、(地域住民が行う)土地所有権の主張に関し、第三者の参加を支援する可能性を調査する」と記述されているにしか過ぎない。WWFでは、持続的木材供給アクションプランにおけるこの表現は、同意書で合意された内容を反映するものではないと考える。
  4. APPの計画では、APPおよび共同会社が所有する更新可能なアカシア材で、2010年まで、製紙工場の需要見込みを満足することができるとしている。しかし、WWFはAPP社の計画に対する実効性に確信がもてない。特に、プランテーションの生産性、植林計画、そして製紙工場の生産効率に対してである。
  5. ここで、保護価値の高い森林(HCVF)の概念について言及する。保護価値の高い森林とは、未解決で危機的ともいえる一連の重要事項を含んでいる。その重要事項とは、環境、社会経済、生物多様性あるいは景観の価値、そして危機に瀕する地域コミュニティの伝統的文化アイデンティティに対するものである。

当初FSCによって発展した「保護価値の高い森林」という概念は、森林認証をサポートするための手段として設計された。現在では、より一般的な保全計画の手段として促進されている。保護価値の高い森林の同定は、集めた情報や了解と信頼に基づいた、多数の利害関係者による合意に基づいたアプローチが必要である。従って、そのプロセスには、生物学から社会科学、森林管理からGISまでといった、広範に渡る専門家が関わり、そして地域社会に意見を聞くことが含まれている。


WWFとAPP、スマトラ島の適切な森林管理に向けて合意(2003年8月19日)

記者発表資料 2003年8月19日

【日本・東京発】本日、WWFインドネシアは、アジア最大級のパルプ製紙企業であるアジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)、及びその木材パルプ原料サプライヤーであるシナル・マス・グループ(SMG)と、スマトラ島リアウ州とジャンビ州にあるAPPのパルプ工場への原料木材の供給源となっている森林の管理に関する同意書に調印した。
WWFでは、スマトラトラ、アジアゾウ、スマトラサイなど森林破壊の脅威に晒されている野生生物種とその生息地である自然林の保護を目的に、20年以上前からスマトラ島で活動してきている。今、スマトラ島で起こっている森林破壊の大きな原因の一つが、パルプ工場への木材供給を目的とした、自然林のアカシア植林への転換である。APPは、スマトラ島で操業する最大の紙パルプ企業である。

今回、WWFがAPP及びSMGと同意書を結んだ目的は、APPが、そのパルプ工場への木材供給源である自然林や植林地において、社会的かつ環境的な価値を重視していることを確認するためである。これまでWWFはAPPに対して、保護価値の高い森林の保護を求めてきたのに加え、パルプ工場に運ばれる違法な木材を確認・排除するための厳格なシステムの開発、そして、地域コミュニティとの未解決の紛争を解決するよう求めてきた。

この同意書には、これらのゴールに向けた、(1)保護価値の高い森林の保護 (2)法の遵守と木材調達(3)コミュニティとの紛争解決(4)長期的な持続的木材供給、についての具体的な行動の約束事項が挙げられている。その中には、(1)伐採権地域内の保護価値の高い泥炭湿地林(58,500ha)を永久保護 (2)一時的伐採中止と代替地となる荒廃地調査(3)現行の木材調達システムによる適法性確保について独立監査 (4)コミュニティが所有権を主張する地域では紛争解決までアカシア植林への転換をしない (5)アクションプランの作成・実施と利害関係者から成る検討グループによる定期的協議、などが含まれている。

今回の合意は、何年にも及ぶ様々なNGOと世界中のAPP顧客企業からの働きかけと、それを補う形でWWFインドネシアが水面下で重ねてきたAPPとの対話の成果である。WWFは、APPが同意書にあるすべての約束事項を今後6カ月のうちに、確実に遂行するよう、引き続き働きかけていく。

日本はAPPにとって大きな市場の一つであり*、WWFジャパンは、生産現地のスマトラ島での適切な森林管理および自然林の保護を目指し、APPの日本の顧客企業数社と、実質的な解決へ一歩でも踏み出すための協議を重ね、速やかな対応を求めてきた。そしてその過程の中で、アスクル㈱はWWF参加のもとAPP/SMGとの協議の場を設け、㈱リコーは自社の取り扱う紙製品のすべての仕入先に対する環境規定を、WWFジャパンのアドバイスを参考にして作成した。

APPの主要取引先の一つであるアスクル(株)は、「まずは、今回の同意書調印に至るWWF並びにAPP/SMGの関係全ての方々のご努力に対して敬意を表したいと思います。アスクルとしても今回の同意書にある、APP/SMGが自然林を皆伐することなく植林出来るような代替荒地調査(WWF実施)に対して、一部ご支援をさせていただきました。アスクルは、紙製品の販売に関わる企業としての責任を果たしていくために、適切な森林管理に基づいた紙製品の流通・販売を目指しています。従って、今回の同意書調印はそのスタートとして認識しており、今後コミットメントが確実に実施されるよう求めていくとともに、森林認証に準拠した森林管理の履行を促していきたいと考えています」と、環境マネジメント室長の久原義己氏はコメントしている。
(株)リコーの社会環境本部環境経営推進室長の則武祐二氏は、「リコーでは、リコーグループが取扱う全ての紙製品の仕入先が、森林破壊を起こすことの無いように、『リコーとリコーファミリー・ブランドの紙製品に関する規定』を制定し、取引先様に徹底をお願いしております。今回、WWFとAPPが合意し、スマトラの森林保全が改善に向かうことについては大変歓迎できます。
リコーは、APP/SMGに対して、すでに規定に基づき、同社のオペレーションの改善を要求しております。この改善が期限内に実行されない場合には、残念ではありますが取引を停止することになります。同社の早期改善を望んでおります」とコメントしている。

WWFジャパンの森林保護プログラム・シニアオフィサー前澤英士は「日本は資源の多くを海外に依存しており、海外生産地において環境・社会問題が起こっていないかを、消費する側として十二分に確認する責任があると考える。今回の同意書は、APPの操業内容について、日本の顧客企業が確認していくための第一歩とも言えよう。今後、日本の顧客企業が、APPとの協議を至急進めるとともに必要なアクションを急ぎ起こし、自然林の保護と適切な森林管理に基づく資源の供給体制の確立へ、いち早く向かうことを強く希望する」と述べている。

  • ※日本に輸入されるコピー用紙は2002年には26万2600トン(日経流通新聞MJ2003年2月4日付記事による)に達し、うちインドネシアからは21万4611トン(日本紙類輸出入組合による)。APPジャパンによれば、現在インドネシアから日本に輸入されるコピー用紙 月約2万トンのうち85-90%がAPP製品という。APPの主な市場は海外市場で、日本向けはAPPグループが生産するコピー用紙全体(月約10万トン)の約2割を占める。因みに、2002年の国産メーカーによるコピー用紙の国内出荷量は78万776トン(日本製紙連合会)。

WWFインドネシアとAPPの同意書に関する背景説明 2003年8月19日

スマトラ島における森林の破壊

50年前、スマトラ島はその全体を数千万ヘクタールもの森林で覆われていた。今日、各種の森林タイプや、アジアゾウやスマトラトラ等が絶滅の危機に瀕している。世界銀行は、スマトラ島の森林タイプの一つである低地熱帯雨林は2005年までに消滅するだろうと推測しており、残された低地熱帯雨林の中で最大のものは、リアウ州にあるテッソ・ニロである。テッソ・ニロは、これまで世界中で科学的に調査された中で最大の維管束植物種の多様性を有するとともに、絶滅危惧種のアジアゾウに残された最後の楽園の1つである。スマトラ島で同様に消滅が危惧されるもう1つの森林タイプは泥炭湿地林で、世界銀行はこの森林タイプは2010年以降すぐに全滅するだろうと予測している。今回APPが永久保護とモラトリアム(伐採停止)を実施するギアム・シアク・ケチル(Giam Siak Kecil complex) は、スマトラ島に残された泥炭湿地林の数少ない保護地の1つとなる。

あらゆる種類の木材への需要と、植林・プランテーション設置に必要な土地への需要がスマトラ島の森林へ大きなプレッシャーを与えている。かつて広範囲を森林に覆われていたリアウ州の場合、1985年には6,269,989ヘクタールあった森林が、2002年には3,292,820ヘクタールへと、ほぼ半減してしまった。この森林破壊を引き起こしている2大要因は、紙パルプ、ならびにオイルパーム産業である(1985年以前には、パルプ材植林もアブラヤシ・プランテーションも少なかった)。紙パルプ産業は大量の木材を必要とし、その多くは現在も自然林の皆伐により供給されており、そのうちには違法伐採によるものも含まれる。さらに、両産業ともに、植林やプランテーション設置のために広大な土地を必要とし、その土地の多くは自然林を皆伐して得られるのである。

WWFは、リアウ州において、ギアム・シアク・ケチルや、テッソ・ニロ森林とその周辺にある保護区及びそれらをつなぐ重要な森林の急速な破壊を止めることを目的として、土地利用や法施行の改善により、残されたスマトラ島の森林と、アジアゾウやスマトラトラ等の野生動物の保護を達成するべく、現地で様々な活動を続けてきた。WWFは、自然保護と同時に、地元コミュニティーが、アブラヤシを巡るゾウとの対立による被害の減少、農業による収入増大、新しい雇用創出などの利益を享受すること、また、民間企業、特に上述の2産業が、持続的な資源利用を達成することも目標としている。

森林の荒廃

70年代以降、製材・合板産業の需要供給のため、商業価値の高い大径木を標的にした不適切な択伐が続いた結果、スマトラ島の多くの森林が荒廃してしまった。これに対応し、インドネシア政府は、荒廃した森林を植林へ転換する政策を1985年に導入し、植林用コンセッションの貸与は1990年代に激増した。多くのNGOらは、関連企業が森林転換用のライセンスを手に入れるよう、伐採企業が故意に森林を過剰伐採し、荒廃させるケースがあるのではないかと推測している。

国内法に拠れば、森林を植林へ転換するためのライセンスは、荒廃した森林にのみ与えられることになっている。しかし、ギアム・シアク・ケチル内のコンセッションの例の様に、実際はライセンスの多くが、保護価値の高い森林を含む土地に与えられている。
しかし、ここで気をつけるべきは、全ての択伐事業が、森林が森林として機能できなくなるほどの荒廃を引き起こす訳ではなく、従って、択伐をうけた森林も、その全てが植林へ転換されるべきではないということである。2001年にWWFが委託した調査によれば、スマトラ島で択伐を受け続ける森林(テッソ・ニロ森林)が、それでもなお非常に高い多様性を有することが判っている。この調査によれば、テッソ・ニロ森林が、世界中でこれまでに科学的に記録された中で、最も多様性の高い維管束植物種(200m2プロット内に218種が存在した)を有する森林の一つであることがわかったのである。幸いにも、2001年にインドネシア政府は、林業政策の焦点を、資源搾取と土地転換から、森林の修復と保護へシフトさせた。この政策の実施の1つとして、政府は森林転換の新しい許可貸与を停止した。

インドネシアではすでに大型の木材は稀少になり、原料供給が確保できない合板工場の多くが閉鎖しており、合板の時代は終わったと信じる林業オブザーバーもいる。リアウ州でも、テッソ・ニロ森林や、ギアム・シアク・ケチルのうち国が設置する保護区ではない部分など、正式に保護されていない森林では、合板・製材工場が必要とする商業価値の高い樹種の大型のものは、これまでにその殆ど全てが伐採されてしまった。現在、これらの森林では、小規模な違法伐採が蔓延しており、パルプ工場の高い木材需要を満たす目的の伐採も多い。これらのパルプ用木材の違法伐採は、樹種やサイズを選ばず過剰な伐採を行い、樹冠に大きなギャップを開けるため森林生態系に与える影響は深刻で、時には古い伐採道に沿って100メートル以内の木が全て伐採されることさえある。現在の弱い法施行では違法伐採をコントロールできないことを考えると、これらの森林は、短期間のうちに転換用ライセンスが貸与され得る程度まで荒廃してしまうだろう。

紙パルプ産業

1988年から2002年の間に、パルプ年間生産量は60万トンから590万トンへ成長、紙生産量は120万トンから830万トンへ成長した。2002年のパルプ生産量は、2800万m3の木材需要に相当する。数十億米ドルもの価値を有する同産業は、十万人以上もの雇用を生み出し、インドネシア林産業セクターの主要な経済的牽引役の一つとなった。

紙パルプ産業の急速な成長の大部分は、スマトラ島で実現された。APPは、リアウ州とジャンビ州にパルプ工場を所有し、パルプ生産量は年間合計約250万トン(国内生産量合計の約40%)、紙生産量は合計年間375万トンで、インドネシア最大の紙パルプ生産者である。APP製品の主な市場は海外市場で、約250万トンの紙製品が輸出され、これは25億米ドルに相当する。

APPがスマトラ島に持つ2工場、インダ・キアット社及びロンタル・パピルス社では、パルプ生産のため、合計約1200万m3の木材を毎年必要とし、この木材供給を植林材のみで賄うためには、合計で47万3千ヘクタールもの植林を設置する必要がある。このためにAPPは、WWFのスマトラ島の森林と野生生物の保護を目指すキャンペーンの主要な協議対象の一つとなっているのである。

APPのパルプ工場は、SMG所有、またはジョイント・ベンチャー所有のコンセッション内の自然林の皆伐や、その他の自然林の第三者による皆伐によって得られる混交熱帯広葉樹(MTH)の供給を受けてきた。自然保護団体は、これらの自然林が保護価値の高い森林を含むのではないかと懸念している。更にもう1つの懸念は、APP工場が木材供給の中に混入している違法材を確認・除外するための確固たるシステムを有さないことである。NGOらによる調査では、APP工場に違法材が搬入されるのが何度も確認されている。

APPは、今後、合計約20万ヘクタールのアカシア植林を様々な形で入手し(自らの植林の他、ジョイント・ベンチャーや、コミュニティーによる植林など)、2007年以降、アカシア植林からの植林材で木材需要の100%を供給することを計画している。現在、インダ・キアット工場の木材供給の約3分の1がアカシア材である。NGOからの批判に応え、APPは現在、独立のコンサルタント会社(AMEC)に委託して木材供給の持続性に関する調査を行っている。同調査は2003年末に終了することが期待され、APPが持続的木材供給を達成するための勧告も行われる予定である。

WWFのポジション

WWFは、この2-3年の間に地元民間企業との対話に力を入れてきた。WWFは、企業は、インドネシアの森林保護を助ける利害関係者のうちでも、その経済的・政治的パワー、その活動の意義と、他への影響力のため、大変重要な役割を持っていると考え、林業セクターに対し、以下の改善を要求している。

WWFの要求

  • 保護価値の高い森林(HCVF)の転換中止
  • 地元コミュニティーの権利尊重
  • 適切な森林管理(可能な限り認証を受ける)
  • 実現可能な持続的木材供給計画
  • 独立・透明なモニタリング

WWFは、紙パルプ生産企業に対し、コンセッション内の森林を皆伐・植林へ転換する前に森林の保護価値を調査することを要求している。森林の保護価値は、稀少・絶滅危惧種の生息地であるなど、環境的、生態的な価値のほか、地元コミュニティーにとっての社会経済的価値も含まれる(下表を参照)。パルプ工場が違法、非持続的な伐採による木材の供給を受け入れないよう、WWFは紙パルプ産業に対して、木材の供給源を確認(追跡記録)する確固たるCoCシステム(生産・流通・加工過程の追跡システム)を導入することも要求している。WWFは、これらの改善達成までに時間がかかることは認めるが、まずは目標達成までの明確な行動計画作成が不可欠だと考える。

HCVFの基準1-6
HCV1 世界的、地域的、国内的に重要な、生物多様性価値(固有種、絶滅危惧種、退避地など)の集中する森林地域。
HCV2 世界的、地域的、国内的に重要な、自然な状態で存在するべき種の全て、またはその多くが存続可能な個体群として自然な分布・個体数で存在する、管理区画内に含まれるかまたは管理区画を含む広大な景観レベルの森林を含む森林地域。
HCV3 稀少な、または絶滅の危機に瀕する、または絶滅寸前の生態系の中にあるか、またはそれを含む森林地域。
HCV4 危機的な状況において自然の基本的なサービスを提供する森林地域(水源の保護、土壌侵食制御など)。
HCV5 地元コミュニティーの基本的要求を満たす為に欠かせない森林地域(生存、健康など)。
HCV6 地元コミュニティーの伝統的文化アイデンティティーにとって重要な森林地域(これらの地元コミュニティーとの協力のもとに確認される文化的、生態的、経済的、または宗教的重要性)。

WWFインドネシアが地元民間企業との交渉を円滑に進めるため、WWFジャパン、WWFドイツ、WWFアメリカはこれらインドネシア企業の各国の顧客・投資企業との協議を進めてきた。しかし、WWFの究極の目標は、これら各国の企業の購入規定や投資審査規定を改善することである。これまでにWWFジャパン、WWFドイツ、WWFアメリカは、APP等、インドネシア林業セクター企業から製品購入、またはこれらの企業に投資を行う各国企業と建設的な関係を築いてきた。これらの企業はWWFの要求を支持しており、同意書締結までの交渉期間中、今回同意書に盛り込まれたような、改善に必要な措置を取ることに合意するようSMG/APPに促してきた。

(WWFインドネシアとAPPの共同プレスリリース)

WWFとAPP、環境保全と森林管理に関する同意書に調印

2003年8月19日ジャカルタ発  本日、WWFインドネシアと、アジアパルプアンドペーパー(APP)およびその木材パルプ原料サプライヤーであるシナルマス・グループ(SMG)は、スマトラ島リアウ州とジャンビ州に遺された自然(APP訳は「自然遺産」)の保護に共同で取り組むことに合意し、同意書に調印した。

今回の合意は、インドネシアの紙パルプ産業とその利害関係者が、自国の自然資源を管理・保全するために協力するという点において、重要な転換を象徴するものである。

この合意のもとに、APPとSMGは、森林資源の持続性、保護価値の高い森林の保護、木材調達の合法性、そして地域コミュニティーとの土地紛争の解決について、多年度の行動計画を用意することになる。

いくつかの率先的活動のなかで、この合意は、スマトラ島の景観の生命豊かな部分を保護する一連の森林保護協定を確立するものである。今回、永久および一時的モラトリアム(伐採中止)となる地域は、ブキ・バツ(Bukit Batu)およびギアム・シアク・ケチル(Giam Siak Kecial)の2つの既存の保護地域をつなげるもので、16万5,000ヘクタール(シンガポールの面責の2倍強)に及ぶ保護地域ができあがることになる。SMGは今や、リアウ州のこの地域にある、政府から割り当てられたコンセッション(伐採権区域)の50%近くを、保護のために確保することになった。

WWF、APP、SMGはまた、地域コミュニティ、NGO、そして政府と協議しながら、この地域の管理計画を進めていくことに合意した。

WWFインドネシア事務局長のムバリク・アーマドは「WWFインドネシアは、APPとSMGのコミットメントを喜ばしく思っており、今後6ヶ月間、その実施に協力していく用意がある。これは、APPとSMGが、この地域において、自然環境の持続性と社会的責任を果たすための努力を継続させる上で、重要なステップである」と述べた。

調印の場において、APPとSMGの両代表は、インドネシアの民間企業と非政府組織の利害関係者の間で、協力関係を発展させていくに際し、主導的役割を果たせることに満足の意を表していた。

APPインドネシアのCEO代理であるマイケル・ブラック氏は「この合意に見られるとおり、APPは広範囲な利害関係者と共に活動していくつもりである。我々は、今日の進歩的な紙パルプ企業は、社会のためにも環境のためにもなるように努めていくものと認識している」と述べた。

WWF、APP、SMGは、また、SMGの植林用のコンセッション内で地域コミュニティが主張する森林の慣習的権利に関する紛争の解決に率先的に取り組むことにも合意した。

SMGを代表者してムクタル・ウィジャヤ氏は、「SMGの林業関連グループは環境保全の厳格な規則に従っていく。これには、我々ののコンセッションのかなりの地域を自然保護とコミュニティのために残すことも含まれているが、我々がこれらの地域を管理していくには、より広範なコミュニティの参加が必要なのである」と付け加えたy。

これらの土地管理手法の変更に加え、APPとSMGは共に、APPのインドネシア内のパルプ工場に搬入される木材の合法性を確証できる木材調達システムを発展させていく。これは、LEI(インドネシアのエコラベル)の流通・加工過程の手順に示されている合法的な検証プロセスに基づいて実施される。

本日調印された合意は、WWFインドネシアとSMGの協力関係の第2段階となる。SMGとWWFインドネシアはすでに、リアウ州のアジアゾウの生息地として重要な森林であるテッソ・ニロで、違法伐採者の進入路を封鎖するために共同作業を行ってきた。

ブラック氏は「APPは変わりつつある。我々は、我々の利害関係者の意見が、社内で明確に受け止められるようにするための手段を講じつつある」と続けた。

  • ※「SMG」とは、PT. Arara Abadi、PT. Wira Karya Sakti、PT. Satria Perkasa Agung及びその合併企業を含むSMG林業会社グループを指す

【添付資料】
Asia Pulp and Paper Co. Ltd.とその木材パルプ原料サプライヤー・Sinar Mas Group forestry companies※とWWFインドネシアの2004年2月19日までの期間に関する同意書(Letter of Intent)

  • ※「SMG」とは、PT. Arara Abadi、PT. Wira Karya Sakti、PT. Satria Perkasa Agung及びその合併企業を含むSMG林業会社グループを指す

1.保護価値の高い森林の保護について

APPとSMGは、森林の価値を保護するために、アカシア植林に転換する前に、転換予定の森林の保護価値を評価するべきであることに賛同する。

a. APPとSMGの調査の結果、BukitBatu及びGiam Siak Kecil保護地区周辺にあるSMGならびにジョイント・ベンチャー(JV)パートナー所有のコンセッション(伐採権地域)内にある58,500haの泥炭湿地は高い保護価値を有することがわかった。このため、APPとSMGはこの地域を永久保護下におくことに合意する(添付地図参照)。

b. WWFは、APPとSMGが、JV企業、政府、NGOや地域住民と協議し、州林業局の自然保護課(自然資源保護局、KSDA)との協力のもとにこの58,500ha地域の泥炭湿地林の保護価値を維持するための管理計画を作成するよう援助する。

APPとSMGは、SMGの植林内またはその近隣にある保護地域について、野生動物用の回廊や、より大きな境界地域保護などを含め、その自然保護の利益を最大限にするような配置をするべきであることに賛同する。

c. このため、SMGは、Bukit Batu及びGiam Siak Kecil保護地区周辺のSMG所有のコンセッション内にある8,500haの森林を即刻一時モラトリアム(伐採停止)下に置く(添付地図参照)。

d. WWFは、リアウ州に関して、これ以上自然林を皆伐することなく新規の植林を設置することが可能な、代替地としての荒地(waste lands)についての調査を行う。この調査の調査事項(ToR)に関してはSMGの意見を参考にし、調査結果は2003年10月31日までにAPPとSMGに共有されるものとする。

e. SMGは、植林への転換を予定している森林の代替の土地として、アカシアを植林することが可能な非森林地を入手する際、上述の調査結果を利用することができる。このプロセスの結果、SMGにとって入手可能かつ許容可能な代替地があった場合には、SMGは1cで触れたモラトリアム地域のうち、同じ広さ、最高8,500haまでの森林を直ちに永久保護下に置く。

2.法の遵守と木材調達について

APPとSMGは、森林、植林、紙パルプ産業に関する国内法を遵守し、合法な伐採や運搬によらない木材を漏れなく発見・拒否する木材調達システムを導入することに合意する。

a. APPとSMGは、現在APPが持つCoCシステムがAPP工場に供給される全木材の適法性を確保できるものか否か評価するため独立監査を委託する。同監査の調査事項(ToR)は、LEI のChain of Custody proceduresに概要が示されている適法性検証プロセスに基づくものとする。WWFは、ToR作成、並びに監査機関の選択に参加し、監査中、独立オブザーバーとして監査機関に同行する権限を持つものとする。

b. 監査結果とAPPの実施ステップは今年11月30日までにWWFと共有されるものとする。WWFは、実施ステップの計画に助言できる。

c. 監査結果と実施ステップは、「第4項:長期的持続性について」で述べるアクションプラン(行動計画)に組み込まれるものとする。

d. APPとSMGは、監査結果と実施ステップの発表6ヵ月後に、独立監査に委託して法の遵守と木材調達システムに関する進捗状況の評価を行う。この監査結果もWWFに提供されるものとする。

3.コミュニティーとの紛争解決

SMGは、地域コミュニティーとの土地争いについて、許可の重複など法的根拠があるものや、慣習法に基づくものについて、これらを解決することに合意する。

a. SMGは、そのコンセッション内で、コミュニティーが法的または慣習法に基づく正当な土地所有の権利を主張する場所では、これらの主張が解決されるまで森林のアカシア植林への転換を行わないことを約束する。

b. SMGは最近、コミュニティー・フォレスター専門家を雇用した。このスタッフは、SMG Forestry Divisionやその他の利害関係者の土地権利主張問題解決をサポートする予定である。

c. 法的、慣習的に正当な土地権利の主張が存在しない場合には、APPとSMGはコンセッションへの侵略の解決のため、適当な政府機関と働くものとする。

d. APPとSMGは、該当のコミュニティーが容認する第三者専門家が土地争いの解決を援助することに賛同する。

e. APPとSMGは、影響下にあるコミュニティーや関連NGOからのインプットをもとに、SMGとコミュニティーの間にある土地所有権を巡る争いを解決するための計画を作成する。この計画は、「第4項:長期的持続性について」で述べるアクションプランに組み込まれるものとする。

4.長期的持続性について

APPは、上記の全ての内容、及びAMECの12年間持続的木材供給調査によってカバーされる内容に関するアクションプランを作成、WWFと共有することに合意する。

a. APPとSMGは、2004年1月31日までに、AMECの12年間持続的木材供給調査、及びその他の調査(例えば、上述のWWFによる荒地調査、法の遵守と木材調達に関する独立監査など)に基づいて作成する2004年以降のアクションプランをWWFに提供する

b. このアクションプランは、APPとSMG及び/又はそのJVパートナーがリアウ州およびジャンビ州内に所有するコンセッション内にある保護価値の高い森林を保護するため持続的木材供給を達成し;違法又は合法性が疑われる木材を発見・拒否して完全な法遵守を確保し;地元コミュニティーとの間にある正当な社会紛争を解決するためにAPPが実施するべき期日付きの詳細な行動計画を含む。

c. アクションプランを作成するプロセスの一環として、ステークホルダー・レビュー・グループ(利害関係者による検討グループ)との協議が定期的に開催され、AMEC調査の結果がまとまり次第、順次これらを検討するものとする。

d. APPは、AMEC社がAPPに提出する持続的木材供給に関する最終報告書を、速やかにWWFに提供する。

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