第10回ネイチャーキッズ特派員 キリタップ探検隊を開催


2011年7月25日から28日まで、10人のネイチャーキッズ特派員による、「北海道キリタップ探検隊」を実施しました。これはWWFジャパンと株式会社カスミが毎年行なっているイベントで、今回で10回目となります。連日快晴に恵まれた中、特派員の子どもたちは、湿原の自然を満喫、海の恵みで生活する人たちとの交流を体験しました。

湿原の多様性を知ろう!ネイチャーキッズ特派員、キリタップへ!

2011年7月25日、「北海道キリタップ探検隊」が北海道の厚岸郡浜中町にある、霧多布(キリタップ)湿原を訪れました。

この探検隊は、WWFジャパンと株式会社カスミが2002年から開始したイベントで、毎年、小学4~6年生を対象として作文を募集し、10名の隊員を選んで霧多布湿原に招待しているもの。2011年で、10回目の開催となります。

探検の現場になる霧多布の地名は、もともとアイヌ語の「キィタップ」に由来しています。

その意味は「平らでヨシの多く茂る場所」。その名のとおり、現在もヨシを中心とした植物の豊かな、国内屈指の規模を持つ、広大な湿原が広がっています。

今回も、この雄大な湿原と、そこに生息するさまざまな野生動物、そして湿原を取り巻く海と海岸を舞台に、10人の元気な特派員たちが、自然の素晴らしさ、奥深さ、さらにそこで生活する人たちの暮らしを体験しました。

 

湿原の自然と地域の産業、さまざまな人たちとの出会い

初日、羽田空港に集まった特派員たちは、引率のWWF、および株式会社カスミのスタッフと共に、飛行機に乗り込み、たんちょう釧路空港へ。3泊4日の探検の始まりです。

この日は現地入りして、ガイドの皆さんとの挨拶、自己紹介で終わりましたが、早くも特派員の子どもたちは、全開モード。興奮していたのか、翌朝3時頃に起き、現地の夜明けを待ちました。

キリタップとは、その名のとおり、霧の多いことで有名な場所ですが、みんなの期待が届いたのか、翌日は快晴!

さっそく午前中から、MTB(マウンテンバイク)での湿原めぐりに出発し、湿原の自然を満喫、そこに生きるさまざまな生きものたちとの出会いが始まりました。

午後は、湿原と海を見渡せる展望台にある「こんぶ娘の工房」にて、地元の海で採れる昆布の手掛け作業を体験。

このキリタップ名産の「昆布」が、実は探検隊の重要な体験テーマになっています。

地域の自然と、その恵みで生活してきた人たちの暮らしや、思いを知ってもらうこと。それは、この探検隊の大きな目標の一つです。

 

昆布干しを体験し、手作りの竿で魚を釣る

翌日も快晴に恵まれた特派員たちは、朝食の前に岬の高台へ。そこで、昆布漁に出る漁船の出漁を見学しました。

これは、貴重な体験でした。なぜなら、濃い霧の出ることが多いキリタップでは、ツアー中に出漁の様子がしっかり見られることは、そうそう無いからです。

食後、特派員たちは、昆布干しを体験。ちょうど漁から戻ってきた漁船が、10メートルを越える昆布を水揚げする様子を見ることができました。特派員たちには、これを干す苦労も、体験してもらいました。

また、この作業をさせてもらった地元の漁業者の方の家では、昆布漁についてのレクチャーもしていただきました。

ここでは夕刻、干した昆布を自ら1本ずつ折りたたみ、お土産としていただきました。

普段食べている食材が、どこで、誰の手で、どのように作られているのか、子どもたちの一人ひとりが、実地に知り、考えるきっかけを手にしたことと思います。

また、この日は午後に、前日の晩に自分たちで手作りした竿で魚釣りを行なったほか、湿原の木道を散策。現地ガイドの方に、豊かな恵みをもたらしてくれている、湿地についてのレクチャーも受けました。

 

未来の世代が、湿原のこれからを考えるために

翌日は帰路に着く日。毎日ご飯を作ってくれた「浜の母さん」たちに感謝と別れの挨拶をした後、飛行場に向かうまでの時間に、最後の湿原の観察を行ないました。

これは、何千年と言う年月をかけて、湿原が形成される時に見られる、初期の段階と最終的な段階を、実際に見てもらう観察会です。

日本各地にさまざまな湿原がありますが、ヨシ原の湿原から始まり、ミズゴケ湿原へと移行する、こうした湿原の歴史を一カ所で見られる場所は、そうそうありません。この「究極の」湿原散策もまた、この探検隊ならではの、貴重な体験になったようです。

 

    *    *    *

 

これで、今回のキリタップ探検隊は、無事終了。初日以来、特派員のメンバーたちは元気いっぱい、どの日もみんな早起きで、湿原や活動等についての質問も非常に活発でした。引率したスタッフにとっても、とても楽しく、やりがいのある4日間でした。

湿原という自然環境は、以前は水気が多く、開発もできない、役立たずの土地と考えられてきましたが、今では、さまざまな動植物を育み、水を浄化し、また洪水などを防ぎとめてくれる、大切な自然として認識され始めています。

そして、そうした自然が、豊かな水と、恵みの海をはぐくみ、昆布漁をはじめとする、さまざまな産業を支えています。

今回、キリタップを体験した、探検隊のメンバーの皆さんには、こうした自然の素晴らしさや、そこでの暮らし、人と自然の絆を守ることの意味を、これからも考えていってほしいと思います。また、この貴重な体験を“ネイチャーキッズ特派員”として一人でも多くの人に伝えていってほしいと思います。

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2011年の任命式&説明会にて

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霧立ち込めるキリタップ湿原

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MBに乗っての湿原探索。植物の説明を受けているところ

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手掛け昆布体験。削った昆布は本当に柔らかく、口の中でふんわ~りとろける

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朝5時前。出漁準備する漁船の数々を高台より眺める

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漁から戻った船から昆布を水揚げ。これを干す

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手作りの竿で釣りに挑戦!

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ヤチマナコ体験「究極の」湿原探索

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たんちょう釧路空港にて。おつかれさまでした!

キリタップ探検隊 開催概要

テーマ 湿原の秘密を探る
場所 北海道厚岸郡浜中町
主催 株式会社カスミ、WWFジャパン
企画 アース・アライアンス株式会社(ひがし北海道環境学校)
協力 霧多布湿原センター(NPO法人 霧多布湿原トラスト)
日程 2011年7月25日(月)~28日(木)
参加メンバー 特派員/小学4年生3名、5年生5名、6年生2名

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