トラとカレーの意外な関係?!


関東に雪が降った22日の月曜日...みなさんは無事に帰宅できましたか?

実は1月22日は「カレーの日」だったそうです。

もはや日本の国民食ともいえるカレー、そのトラとの意外な関係性を、みなさんはご存知ですか?

カレーに欠かせないのは、何といってもルウですが、ルウにはパーム油という植物油が使われています。

動物性の油でないなら、何となくヘルシーなイメージですよね。

スマトラトラ

でもパーム油はスマトラ島やボルネオ島で多く生産される油。

そこは、多くの野生動物にとって、かけがえのないすみかである熱帯林が広がっていた場所です。

かつての森は、パーム油の原材料のアブラヤシを栽培するため、またその箱のパッケージとなる紙を生産する植林地をつくるため、今も大規模な森林伐採が続き、生物は行き場を失っています。

原材料は使用量の多い順番から表記されます。
一般的には、パーム油が含まれているとき、植物油、植物油脂、またショートニングといった表記のみで終わることが多いのですが、なぜかカレーには「パーム油」と書いてあることが多いです。

スマトラ島では過去30年間で森が半減以下に。その原因を解決するため、森を伐って生産された紙やパーム油を消費している日本の私たちだからこそ、できることがあります。

私たちが何気なく食品を買ったり食べたりすることが、トラの生息地を奪い、最終的にはその命をも奪っているのです。

パーム油が使われているのはカレーだけではありません。

ポテトチップスや総菜パンなどの加工食品、シャンプーなどの日用品にも含まれているので、パーム油を使わないことはとても難しいのです。

でも、すべてのパーム油に問題があるわけではありません。日本でも、森や動物、人にも配慮して生産されたパーム油であるRSPOの認証取得に取り組む企業があります。

スマトラトラ、残る数はおよそ400~500頭。行き場をなくして村に出てきた個体が、住民と衝突する事件も多く起きています。時に人が命を落とすことも。

先日はS&B食品、そしてハウス食品がRSPOに企業として加盟しました。

これから動物にも森にも優しい食品がスーパーに並ぶよう、実際に取り組みが開始されることを応援したいと思います!

森での火災、近年の異常な気象、野菜の高騰、どれも一つの地球の上で起きていることだから。

関連リンクの情報も、ぜひ見てみてください。(自然保護室 伊藤)

こうした問題の解決につながるエコラベル。FSC®は木材や紙の製品、RSPOはパーム油を使用する製品についています。ぜひ探してみてください。

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自然保護室 森林グループ所属
伊藤 小百合

消費者向けのアウトリーチと、フィールドでの活動を発信するコミュニケーションを担当。

ツンドラでの植生調査、在来種の苗木屋さん、科学館職員を経て、このお仕事に就きました。新しく知るだけでは、変えられない世界があるから、誰もができるアクションをおみやげにできるようなコミュニケーションが目標です。

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