©Brian J. Skerry _ National Geographic Stock _ WWF

日本人大好き、みなみまぐろ(インドマグロ)の今


「天国に一番近い島」ニューカレドニアにて開催された、第25回みなみまぐろ保存委員会(CCSBT)の年次会合に出席しました。

会議場の前に広がる海
©WWFジャパン

会議場の前に広がる海

会場の様子。8つの国や地域から成るメンバーが参加しました。
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会場の様子。8つの国や地域から成るメンバーが参加しました。

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このミナミマグロ、実に90%以上が日本で消費されています。
一時は乱獲により、初期資源(漁業が始まる前の推定資源量)の約5%程度まで減少。IUCNのレッドリストでも最も絶滅危機ベルの高い「CR(近絶滅種)」とされました。

ミナミマグロは、南半球の海の生態系の頂点に立つ魚の一種。90年代以降、蓄養技術の発達に伴い、日本市場への供給が急激に増えました。
©Brian J. Skerry _ National Geographic Stock _ WWF

ミナミマグロは、南半球の海の生態系の頂点に立つ魚の一種。90年代以降、蓄養技術の発達に伴い、日本市場への供給が急激に増えました。

CCSBTは、世界に5つあるマグロ類の地域漁業管理機関(RFMO)の一つで、他と異なり、海域ではなく、「みなみまぐろ」だけを対象としています。

CCSBTは、世界に5つあるマグロ類の地域漁業管理機関(RFMO)の一つで、他と異なり、海域ではなく、「みなみまぐろ」だけを対象としています。

その後、CCSBTでは2011年に漁業の先進的な「管理方式」を採択。当面の暫定回復目標として、2035年までに初期資源の20%を目指すことになりました。
2017年の資源評価では、資源レベルが13%まで回復していることを確認。暫定目標も早めに達成できると予測されています。

しかし、それでも13%。最終目標の「最大持続生産量」、すなわちミナミマグロが自然な状態で十分に繁殖し、持続可能な形で漁業が続けられる状態にする、という目標を達成するには、まだ予断を許しません。

さらに最近は、CCSBTに加盟していない中国の漁船による、みなみまぐろ漁獲の疑いが、度々報告されているほか、加盟国が漁獲データを過少報告する問題も。
IUU(違法・無報告・無規制)漁業に加えて鳥などを誤って漁具にかけて殺してしまう混獲問題も課題となっています。
そして、中国など新興市場の存在も、需要を拡大する可能性があり、実態の把握が急がれます。

管理方式が機能し、順調な回復基調にあることは良いことですが、こうした課題はまだ多く、持続可能なミナミマグロが日本で購入可能になるまでには、時間がかかりそうです。

クロマグロ(本まぐろ)の影に隠れて、注目されることが少ないミナミマグロですが、ぜひ、その回復の取り組みを、マグロが大好きな日本からも応援してください。(海洋水産担当:山内)

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自然保護室 海洋水産グループ長
山内 愛子

小さい頃から水族館が大好きでした。ご縁があって、水産学を学び、海の専門家として生きることに。これまで出会った海と暮らす人たちへの恩返しと、魚を食べるのが大好きな世界中の人々のために、7つの海を回遊しています。

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