ハトたちの飛ぶ空をもう一度!
2017/09/28
ニュージーランドから面白い話題が入ってきました。
先週から今週末にかけて、ニュージーランドの全国で「ハトを数えよう!」という調査イベントが行なわれている、というのです。
「Great Kererū Count(GKC)」という名のこのイベントで、調査の対象となるのは、ニュージーランドバトという、同国固有の大型のハト。
マオリ族の言葉で「Kererū(ケレル)」と呼ばれ、世界に367種が生息するハト類中、ニュージーランドの南北本島に生息する、唯一の野生のハトとしても知られています。
このハトは、主食である森の木の実の種をフンと共に排出して、その発芽を助けるため、「空の庭師」とも呼ばれるとのこと。
そのため今年、ウェリントン市では、市議会が寄付した500種にのぼる在来種の実のなる植物を、市民が手ずから植えてハトたちにプレゼントしたそうです。
そんな人々にも愛され、豊かな森の自然のシンボルともされているこのハトを、全国で!学校で、町中で、公園で、見つけて数えて情報を集めよう!というのが今回のイベント。
集められた情報は、地域ごとの個体数の調査に供され、生息地として重要な森の保全に役立てられるそうです。
ニュージーランドバトは今のところ、絶滅の危機にあるわけではありませんが、かつてはどこでも見ることのできた100羽以上の群が飛ぶ姿は、今では見られなくなってしまいました。
そうした中で始まったのが、WWFニュージーランドやビクトリア大学、ウェリントン市議会などが手掛けるこのイベントです。
「たくさんのハトの飛ぶ空をもう一度取り戻そう!」という、気持ちに支えられたこの催しが大成功し、ハトとニュージーランドの森の未来を継いでくれることを願っています。(広報担当 三間)