やや静かな? パナマの会議


中米のパナマより、温暖化・エネルギー担当の山岸です。
ここでの国連気候変動会議も5日目に入りました。残すところ後2日です。

会議でのここまでの交渉は、いつもの通りの先進国・途上国間の対立はありつつも、各分野で交渉のベースとなる紙が用意されて議論が進められており、雰囲気は必ずしも悪くありません。

「紙が用意されて議論」なんて当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、国連交渉では、最終的には合意は決定文書という形でまとめられるので、「紙が出てくる」というのは結構大事です。

そして、各分野での紙に対して、各国が意見を言って修正を加えていく、そんな作業の繰り返しが合意へとつながっていきます。

もっとも、今出てきている「紙」というのは、最終的な合意文書の下書きとなるものではなく、あくまで論点をまとめた文書なので、まだ一歩手前の段階と言えます。

ただ、雰囲気は悪くないと言っても、やや気になることがあります。
それは、交渉全体に活気がないことです。

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これは少し文字で伝えるのは難しいのですが、傍聴できる交渉を聞いていても、会議場を歩いていても、全体として、いつもの会議よりもかなり「静かな」会議であるという印象を受けます。

先に述べた通り、各分野とも粛々と交渉が進められているので、今年のこれまでのバンコクでの会議やボンの会議での対立と比べると雰囲気は悪くはないですし、今はかなりの交渉がNGO等のオブザーバーには非公開になってしまっているので、閉められた扉の向うでは熱い交渉があるところもあるかのかもしれません。

11~12月のCOP17・COP/MOP7(南アフリカ・ダーバン)での合意へ向けて、パナマ会議がしっかりとした進展をみせることができるかどうか、最終日まで見守っていきたいと思います。

 

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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