クロツラヘラサギ、ご存知でしょうか?


自然保護室の東梅です。
クロツラヘラサギ、ご存知でしょうか?
先が「しゃもじ」のような形をした、珍しいくちばしを持つユニークな鳥で、このくちばしを、干潟などの浅い海につっこみ、振り回すようにして食物の小魚を採ります。

先日、WWF事務局で定期的に開催している、スタッフの勉強会「海洋ゼミ」で、このクロツラヘラサギの保護についてお話をしました。

クロツラヘラサギは、世界の中で、中国と朝鮮半島西海岸の限られた場所でしか繁殖が確認されておらず、数も2,000羽以下と推定される希少種です。

その貴重な繁殖地の一つが、中国の黄海沿岸・遼東半島の南部に位置する庄河市石城島海岸にあります。

ここでは現地の活動家で、環境ジャーナリストでもある周海翔さんらを中心に、クロツラヘラサギをはじめ、沿岸に生息する鳥類や、干潟の生態系の保全活動が進められており、私たちWWFも「黄海エコリージョン支援プロジェクト」を通じて、その取り組みをサポートしてきました。

その活動は、地域の住民や、自然に関心のある人たちの参加を得た、野鳥の共同調査や、繁殖地への立ち入り規制の提言と実施にも及んでいます。

開発が急激に進む中国では、各地で自然の破壊が進んでおり、この黄海沿岸も例外ではありません。

しかし、そうしたイメージの強い反面、現場のフィールドには、周さんたちのように自然保護を意欲的に推進している人たちがいます。

冬になると、クロツラヘラサギたちは、黄海の沿岸から日本の海岸にも渡ってきます。

この鳥たちの旅が、いつまでも続くこと。それは、周さんたちと私たちがめざす、目標の一つです。

 

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クロツラヘラサギ

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いきもの豊かな黄海の海。ここで採られる
アサリなどの水産物は、大量に日本に
輸出され、消費されています。

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黄海に産する貝類。中国産のアサリで、
一度日本の沿岸の海に放され、しばらく
してから再度漁獲されたものの中には、
「国産」として流通しているものもあります。

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自然保護室長
東梅 貞義

これまでにウェットランド(湿地)や黄海の保全を担当。現在は各国WWFの保全活動のリーダーたちと連携した取り組みに力を入れています。

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、極東ロシアのトラの森、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

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