COP17でカナダが「化石賞」を連続受賞


南アフリカ、ダーバンより、温暖化担当の山岸です。
毎夕6時が近づくと、会場のある場所へと向かう流れができます。彼らがめざすのは、気候変動問題に取り組む世界500以上の団体が参加するCAN(気候行動ネットワーク)インターナショナルのブース。

ここでは、毎日6時になると、その日の交渉で後ろ向きな言動のあった国に、「化石賞」という不名誉な賞を与える授賞式が行なわれます。受賞した国のNGOがトロフィーを受け取るのですが、その際に、ちょっとしたパフォーマンスをやるので観衆が集まるのです。

この授賞式で初日から2日続けて1位を独占しているのが、カナダです。理由は、カナダが京都議定書の第2約束期間を設けることに反対しているため。

会議初日に、カナダのテレビが「カナダは年内にも京都議定書からの脱退を発表する見込みだ」と報じたことがダーバン会議の参加者にも伝わり、波紋を呼びました。開幕したばかりの COP17に影を投げかけ、国際合意への期待を低下させるものとして、批判を受けています。

その後の報道では、カナダのピーター・ケント環境相はこの噂を否定したようですが、事実はどうなのか。ダーバンに集結した参加者だけでなく、世界中が注視しています。

カナダを含む京都議定書の締約国は、第1約束期間と第2約束期間の間に空白を設けないことをすでに合意しています。

初日の開会式では、議長を務める南アフリカのマイテ・ヌコアナ=マシャバネ国際関係・協力相も「京都議定書の第2約束期間の解決策を示すことが重要だ」と明言。

また、2日目に開かれた京都議定書特別作業部会の開会式でも、アフリカ・グループの代表が「アフリカの大地を、京都議定書の墓場にはしない」と訴え、参加者の胸を打ちました。
京都議定書の延長を求める声は、高まっています。

注目されるカナダですが、来週開かれる閣僚級会合で、ケント環境相がこの噂を正式に否定する言葉を聞きたいと思っています。

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授賞式にて。「化石賞」とは、温暖化の原因になっている石油や石炭などの化石燃料と、時代遅れの古い発想を「化石」になぞらえて名づけられた賞です

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授賞式につめかけた参加者

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カナダのNGOのメンバーによる、石炭を拾うパフォーマンス

 

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気候エネルギー・海洋水産室長
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より気候エネルギー・海洋水産室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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