「愛知目標」が求める、「国として」の生物多様性保全


草刈です。昨日、日本生態学会の代表の皆さんと一緒に、細野環境大臣に面会してきました。
日本生態学会が、「国立公園の地方移管に対する意見書」を環境大臣に手渡すに際して、日本野鳥の会、日本自然保護協会と共に、WWFとしての見解 を伝えるためです。

今、日本では国内自然保護にかかわる国の権限を、地方自治体に移管する動きが進んでいます。しかし、これが不用意な形で進められると、広い視野で 取り組むべき、国レベルでの保全が難しくなる可能性があります。

自然環境や野生生物の生息域は、人が引いた自治体の境界を越えて広がっているのだから、その保全が自治体ごとに小分けになってしまうことによるデ メリットも考えておかねばなりません。

何より、2010年の名古屋でのCBD-COP10(生物多様性条約会議)で採択された「愛知目標」では、その最初に、国として生物多様性の保全に優先的に取り組むべきこと、が掲げられています。

国立公園を含めた国内の重要な自然環境の保全には、やはり環境省を中心とした、国の主体的な取り組みが必要と考えます。

先月にも細野大臣にはお会いしていて、「環境省の事務・権限を地方に移譲することはすべきでない」と、WWFとしての要望はお伝えしましたが、今回の日本生態学会の意見書も、要点はほぼ同じです。

しかも、国内4,000人の科学者からなる日本生態学会の意見書ですから、政府としては当然重く受け止めるべきものといえるでしょう。

この件については、内閣府からも意見を求められており、来年早々他の団体のメンバーともども、内閣府に出向く予定です。

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2010年の愛知でのCBD-COP10

自然保護室 国内グループ所属
草刈 秀紀

日本の自然保護にかかわる法制度の改善をめざす取り組みを行なっています。

子どもの頃から動物が好きで、農業者でもないのに農業高校の畜産科に行き、上京して大学時代に多くの自然団体の会員になりました。野生のエルザのゲームワーデンにあこがれ、32年前に職員になりました。最近は、永田町を徘徊しています。

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