バンコクの地球温暖化会議の会場より!


タイのバンコクより、温暖化担当の小西です。
8月30日から9月5日までの国連の気候変動に関する会議に参加中です。

ここでの開催は過去3年ですでに3回目。来るたびに大気汚染が少なくなり、暮らしが豊かになっているのを感じます。

何よりも町が喧騒を極め、若い人が多く、タクシーを捕まえるのも大変なくらい活気が溢れています。アジアは本当に将来力がありますね~

さて、今回の会議では、3つの特別作業部会が開かれており、2020年までの温暖化防止の取り組みを議論する二つの場と、2020年以降の温暖化防止条約を議論する一つの場で、相変わらず複雑で困難な交渉が続いています。

今回の会議の焦点は、なんといっても、2020年に各国が公表している「削減目標」をいかに引き上げるか。

新たに立ち上がったダーバン・プラットフォーム作業部会では、2020年までの削減目標引き上げの話し合いと、2020年以降の新枠組におけるビジョンの話し合の二つに分かれて、本格的に議論が始まりました!

6月の国連会議では、非常に非建設的な雰囲気で、今やっと議論が流れ出したのを見るのはほっとします。

日本は2009年に「2020年に1990年比で25%の削減」を目標として世界に公表しましたが、ご存知のように今の国内では、この25%に到底届かない目標が、政府みずからが出したエネルギーと温暖化の「選択肢」として提示されています。

この目標の引き下げについては、まだ国際的には発表されていませんが、世界が目標の引き上げを話し合う中、どのように日本がその議論に貢献していけるのかが心配です。

今回の会議の注目点などくわしいことは、下記にありますので、よかったらぜひご覧ください!

バンコク会議

気候変動枠組条約特別作業部会(2013年以降2020年までの取り組みを議論する場)

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ダーバンプラットフォーム特別作業部会(2020年以降に発効する新枠組を議論する場)

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ホテルの前の喧騒。屋台も出て夜遅くまで大勢の人でにぎわいます

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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