IPCCベルリン会議:参加メンバーの顔ぶれは?
2014/04/09
ドイツのベルリンで開かれているIPCC第3作業部会の会議場より、温暖化担当の小西です。
先月の横浜での会議と同様、「政策決定者向けの要約」を一文ずつ承認する作業が続いていますが、こちらは早くも何やらきなくさい雰囲気(!?)です。
というのも、過去に開かれた第1、第2作業部会のテーマが、自然科学を中心とした「温暖化の科学」と「影響と適応」だったのに対し、この第3作業部会がまとめる報告書のテーマは「温暖化対策のための政策」。各国の政策や経済が内容に直結してきます。
そのため、各国の政府代表団も経済関連の省庁関係者を揃えて会議に臨んでおり、激しいやり取りが予想されるのです。
特に、温室効果ガスの削減努力を分担する際の「衡平性」や、削減の経済性などについては、正解がないトピックであるだけに、さまざまな価値判断がかかわってきます。
誰の責任が大きいのか? どのような削減手段を選ぶのか? 誰がどの程度行なえば「衡平」といえるのか。
歴史的に排出責任のある先進国。排出が急増している新興国。排出量はわずかだが、影響は真っ先に受けている途上国。
それぞれ立場によって「正解」が全く異なってくるだけに、この「政策決定者向けの要約」に入れたい中身も変わってくるわけです。
今までの第1、第2作業部会での「要約」作りと同様、今回も深更払暁までの承認作業が連日延々と続くことになりそうですが、寝不足 に負けず会議の行方を追いかけたいと思います。
IPCC第3作業部会による「温暖化対策のための政策」の報告書は、4月13日に発表予定です。
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