進んでいる?止まっている?地球温暖化対策のための国際交渉
2015/06/12
国連の気候変動会議が開かれているドイツのボンより、温暖化担当の小西です。
会議は2週目、最終日の朝を迎えました。
議場の外ではさまざまな環境団体が、パフォーマンスを繰り広げ、各国のリーダーたちに対し、温暖化対策を求め、石炭からの脱却などを訴えています。
会場の中でも、若者たちが輪になって、「未来の自分たちの地球を守ってほしい!」とフレッシュな声を張り上げていました。
今年の年末には、フランスのパリで、非常に重要な温暖化防止のための国連会議(COP21)が開かれますが、彼らの未来の地球環境を、この会議が決めるのだと思うと、たしかに現世代の責任を感じます。

会場近くを流れるライン川。橋梁にはずらりと太陽光パネルが並んでいます!
今回の会議の焦点であった、COP21で合意する予定の交渉テキストの整理は、遅々としつつも進んできました。
結局、国際交渉とは、温暖化対策の約束事を法的文書で合意する、という作業なので、合意文書の案が出て、それをベースに交渉が進んでいく、その形が整うことが「進展」なのです。
COP21の開催までに予定されている、こうした国際会合は、今回を含めあと3回。その3回で、法的文書の形が作りあげられるかが、一つの大きなカギになります。
また、その後も、先進国と途上国の取り組みにどのように差をつけるのか、条約に書き込まれる削減目標に、どの程度法的な強さをもたせるのか、などの難しい問題を交渉していかねばなりません。

会議場では、声を張り上げる若者たちの横を195か国の交渉団が行き来して、あちこちで固まっては相談し、また会議場に戻って、交渉を続ける姿が見られます。
今回のボンでの会議も最終的にどうなるのか、最終日の朝の時点で、まだ予断を許さない状況です。
会議の結果はまたWWFジャパンのウェブサイトに報告しますので、ぜひご覧いただけると幸いです! また、報告会も7月2日に開催予定ですので、あらためてご案内させていただきます。
関連情報

CAN(クライメート・アクション・ネットワーク)による記者会見。日本の目標案についてお話しました。

会議場に集った若者たち。日本でも、ぜひ大勢の若い人たちが我が事として、パリでのCOP21に向けて声を上げてくれるといいのですが!