©Seiko Nishida

この笑顔に会いたい!イシガキカエルウオ


沖縄の石垣島より、サンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」の西田です。

突然ですが「イシガキカエルウオ」。

この名前を聞いて、どのような魚を思い浮かべるでしょうか?

カエルのように泳ぐ魚? 顔がカエルに似た魚?

いろいろな見立てができそうですが、英語の名前はこの魚の特徴をよく捉えています。

その名も「スマイリーブレニー」。

イシガキカエルウオは、ニョロっとした体形のギンポ(英名:ブレニー)という魚の一種なのですが、何より目を引くのは、その笑っているように見える顔!

海の中でこの表情に出会うと「今日はラッキー!」と思います。

石垣島の海でくらすギンポの仲間の多くは、岩やサンゴに空いた穴を好み、人が近づくと穴の奥のほうに隠れてしまいますが、イシガキカエルウオはサンゴの上や石の上を飛び渡るように泳いでいるところをよく見かけます。

さて、このかわいい表情のイシガキカエルウオ。
春頃の繁殖期になると、オスは顔から頭全体が黒っぽく、唇は黄色くぶ厚く変わり、慌ただしく動き回るようになります。

この色は、メスにアピールするための「婚姻色」。産卵の時期のサケが赤くなるのと同じです。

そして色の変わったオスは、メスを見つけると激しい息使いで夢中で追いかけまわします。

メスはいったん近づきますが、気に入らないとそれは足早に逃げるので、オスにはいつも声援を送りたくなります。

普段はのんびりしているイシガキカエルウオ。繁殖期は活発になり、時々イバラカンザシを突っついて遊ぶ姿などが、ダイバーの人気の的になっています。

このイシガキカエルウオを石垣島の海で最後に目にしたのは、今年の1月。新型コロナウイルスが大きな問題になる前のことでした。

その後、島でも感染者が出たことを受け、海とはすっかりご無沙汰に。5月の連休も例年になく、人の少ない日が続きました。
寂しくはありますが、それでも南西諸島の海の豊かさが変わることはありません。

幸せをくれる笑顔に、また会える日を楽しみに。

小さなイシガキカエルウオたちが元気に生きる海を守っていけるよう、今できる活動を続けていきたいと思います。



この記事をシェアする

自然保護室
西田 成子

石垣島にあるサンゴ礁保護研究センター勤務

石垣島白保に住み、きれいな海でたくさんの魚と遊び朝夕は鳥の鳴き声にワクワクし、このままの自然を残していきたいと強く感じています。残っている自然を大切に今は目の前の小さなことから頑張っていこうと思っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP