タイのスラムの人たちから届けられた義援金
2011/04/26
タイのバンコクで開催された気候変動に関する国連会議の最中に出会った、とてもいいお話をお伝えします。
3月11日、日本の東北地方を襲った未曾有の大震災のニュースは、世界をかけめぐりました。お隣の中国や韓国からはいち早く救援隊が派遣され、その後は自らも貧困や飢餓に苦しんでいる途上国からも続々と支援が届きました。中には、日本が今までODAなどで支援してきてくれたことに感謝して、というコメントもありました。
その中で、タイのスラムに住む人たちからも、義援金が寄せられました。タイの都市では、貧しい人たちが運河沿いに掘っ立て小屋をたてて生活する衛生状態の悪いスラムがたくさんあります。
その一つであるバンコクに近いロンバンブアのスラムを、日本の外務省の方が、水の日のお祭り(3月22日)に訪れた際に、スラムの居住者たちから「被災に苦しむ日本の方に届けてほしい」と、500バーツを手渡されたそうです。
500バーツとは、日本円で1500円。20バーツで3日の食事代をまかなう暮らしをしている、スラムの20あまりの家族の方々が、2~3日食べないで貯めた20~30バーツを持ち寄ってくれたというのです。「普段、お世話になっている日本だから、こんなときにはせめて少しでも支援したい」というスラムの住民たちの気持ちに、外務省の担当者は胸がつまったと話してくれました。聞いていた私たちも本当に感激した出来事でした。
今回の大震災では、先進国からだけではなく、途上国からも支援の手が伸べられました、世界で日本が愛されていることを実感する出来事でした。
日本は決して一人ではない、世界と支えあっての日本なのだ、ということを、改めて強く実感しました。
一日も早い復興を、また地球温暖化などの環境被害の最初の犠牲になっている途上国の人たちを、しっかり支えながらの未来作りに、貢献をしていかねばと強く思いました。