ミルクとワインとクリーンエネルギーの町!葛巻町へ
2012/10/14
温暖化担当の小西です。
先日、岩手県の葛巻町へ行ってきました。ここは、自然エネルギーで地域興しを成功させた、全国的にも有名な町です。
今回は特に鈴木重男町長からお誘いをいただき、葛巻の風力発電所とバイオガス施設を視察し、意見交換をさせていただきました。
丘の上の白い風車と、高原の牧場の緑。平和でのどかで未来感のある、とても美しい風景が広がっていました。
風力発電が高原の牧場と共存しているには訳があります。風が強い場所は得てして山の上。しかし、人の入れない山奥には、巨大な風車の部品を運び上げるなど難しい相談です。
その点、牧場は道路もあり、地形も開けていて風車の建設が容易です。
それでも、風車を黒字で回し続けるのは大変な事。葛巻では第3セクターを通じて直接投資している事業と、民間企業が経営する事業の両方があり、試行錯誤しながらさまざまな面から取り組むことの重要さを改めて感じました。
もう一つ強く感じたのは、こうした風況がよく、自然豊かな場所の多くが、過疎化に直面した地域である、ということ。そのための対策も同時に考えてゆかなくてはいけない、ということです。
その点、葛巻はカリスマ的なリーダーシップを持つ町長が2代続いて、酪農の多角経営やワイン作り、そして自然エネルギーと、多角的な地域振興策を推進してきました。
地元の方々も熱意を持ち、町で使う電力の160%を風力で発電し、エネルギー全体の80%を自給。自然エネルギーの視察に町を訪れる人の数は年間55万人にのぼる(!)とのことです。
こうした地域の方々と一緒になって、振興と持続可能な資源の利用に取り組みながら、私たちも目標である「自然エネルギー100%の社会」の実現を目指してゆかなくては、と強く感じました。