© WWF / Steve Morgan

CO2の濃度が過去最高に


世界気象機関(WMO)によると、2024年の大気中の平均CO₂濃度は前年と比べて3.5ppmの増加し史上最高を記録したそうです。これは、1960年から2010年までの平均である0.8ppmと比べて、大きな上昇となっています。
2025年10月に発表された報告書ではその主な要因として、2つの点が挙げられています。
1つ目は、化石燃料の燃焼による二酸化炭素の排出が継続していることです。世界の化石燃料由来の二酸化炭素の排出量は、過去最高水準となっているそうです。


そして、もう一つは、温暖化がさらなるCO2排出を引き起こすという悪循環が発生していることです。気温上昇によって、森林や海によるCO₂の吸収量が減少したり、火災が増えた結果、大気中のCO₂が増えているのだそうです。

© Jacqueline Lisboa/WWF/Brazil

私はこうした状況から一刻も早く世界各国が連携して取り組まなければ、資源や地球の再生能力が限界を迎え、取り返しのつかない事態になるのではと感じました。
現状では、各国の利害対立や複雑な地政学的要因が交錯し、環境政策に関する国際的な意思決定の遅延が生じています。2025年11月のCOP30でも重要な決断が来年に先送りされてしまったのは残念でした。さらに、国内事情を背景として、環境保全に逆行する政策が取られるケースも見られます。
経済成長のためにも、経済と環境の取り組みの両立をより一層加速していくことが不可欠だと思います。

この記事をシェアする


土田 洋

WWFジャパン 気候・エネルギーグループにてインターンとして活動。 ベトナム・ホーチミン生まれ。幼少期から約6年間を現地で過ごし、急速な経済成長と環境問題が同時に進行する社会を身近に見てきた。 現在は大学で経済学を学び、資本主義社会の中で環境保全をどのように制度として組み込めるのかを探究している。将来は、東南アジアなどの途上国を中心に、SDGsに向けた政策や制度設計に関わることを目標としている。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP