WWFジャパン、与那国島で生物多様性保全プロジェクトを開始~水田再生、保護区設置のための生息調査、生物多様性の価値普及を通じて ネイチャーポジティブの実現を目指す ~


公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下 WWFジャパン)は2026年8月、沖縄県与那国町において「与那国島の生物多様性保全プロジェクト」を開始しました。本プロジェクトは、与那国島の自然と共に生きる会、水生生物や鳥類の専門家らと連携し、水田再生や保護区設置を目指します。

与那国島の樽舞湿原
©WWF-Japan

与那国島の樽舞湿原

■プロジェクト開始の背景

日本最西端の島である与那国島には、ヨナグニカラスバトやキンバトなどの多種多様な鳥類、またその陸水域には数多くの固有の希少な野生生物が生息しており、国際的にも価値の高い自然が残されています。
一方、1960年代以降、開発や耕作放棄地の拡大により、水田や湿地などの水辺環境は急速に減少してきました。こうした変化は、生物多様性の損失だけでなく、自然と共生する暮らしや文化の継承も課題となっています。
このような状況を受けWWFジャパンは、この世界的にも貴重な与那国島の生物多様性をまもり、未来へ引き継ぐことを目的として、本プロジェクトを開始します。昨年9月に開催したセミナー「SDGsで考える~与那国島の価値と未来」や、その後に行なった住民・関係者・専門家との対話を通じて、保全活動の必要性について認識が共有されたことから、本プロジェクト設立に至りました。

沖縄県の与那国島は、沖縄島から約509km、石垣島から約127kmの距離に位置する、日本最西端の国境の島。(与那国町役場HPより)

沖縄県の与那国島は、沖縄島から約509km、石垣島から約127kmの距離に位置する、日本最西端の国境の島。 (与那国町役場HPより)

与那国島で撮影されたキンバト。絶滅危惧IB類(EN)(沖縄県)、国指定天然記念物、国内希少野生動植物種。
©松尾亮

与那国島で撮影されたキンバト。絶滅危惧IB類(EN)(沖縄県)、国指定天然記念物、国内希少野生動植物種。

■プロジェクトの主な取り組み

WWFジャパンは、地域の皆さんや専門家と連携しながら、与那国島の生物多様性の保全と再生に取り組みます。主な活動は以下の3つです。

  1. 耕作放棄地を水田に再生し、湿地生態系を回復する
  2. 絶滅危惧種の重要な生息地への保護区の設置を目指す
  3. 島の文化や伝統を支える生物多様性の価値を普及する

■プロジェクト概要

名称:与那国島の生物多様性保全プロジェクト
実施地域:与那国島(沖縄県与那国町)
実施期間:2026年8月~2030年6月
実施団体:WWFジャパン、与那国島の自然と共に生きる会、水生生物や鳥類の専門家など

■関係者コメント

WWFジャパン 野生生物グループ 小田倫子 コメント
WWFとして初めての保全フィールドとなる与那国島は、訪れる度に、雄大な景観と豊かな湧水、そこに生きる動植物の多様性に驚きがあります。1960年以降急速に失われてきたこの貴重な自然と景観が2030年には今よりまもられていることを目指し、プロジェクトメンバーと一致団結して取り組んでいきます。

与那国島の自然と共に生きる会 代表 高橋千恵氏 コメント
このプロジェクトは与那国島にとって、自然環境の回復だけでなく、島の様々な問題解決のキッカケになる大きな可能性があります。稲藁で豊年祭の綱引きの綱を作るといった伝統文化の継承や、収穫体験を通して子供達への食育、将来的にはエコツアー等、自然と人、人と人の繋がりを思い出す良い機会にもなると期待しています。

2026年11月頃には、本プロジェクトの詳細と進捗についての報告会を与那国町で開催予定です。報告会にはプロジェクト実施団体のほか、与那国町町長をはじめ、農業委員会やJAおきなわ、環境省などの関係者が参加するほか、地域住民や一般参加者もお招きし、プロジェクトの内容や今後の展望について広く意見を交わす「ゆんたく」も開催する予定です。

WWFジャパンはこれらの活動を通じて、与那国島の豊かな自然と地域の暮らしを将来世代へ引き継ぐとともに、2030年に向けたネイチャーポジティブの実現に貢献していきます。

■ご参考

・与那国島の生物多様性保全プロジェクト始動
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/6379.html

・SDGs採択から10年~石垣島・与那国島セミナー開催報告(動画あり)
https://www.wwf.or.jp/activities/activity/6300.html

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