エネルギーシナリオ市民評価パネル「発電の費用に関する評価報告書」を発表


共同記者発表資料 2011年10月21日

エネルギーシナリオ市民評価パネルによる記者発表資料

「エネルギーシナリオ市民評価パネル(エネパネ)」について

各種エネルギーシナリオや、関連論文・情報について評価・分析をおこない、エネルギー・シフトを進める観点からその成果をとりまとめ、発信する市民パネル。エネルギーに関わる主なNGO(環境エネルギー政策研究所、気候ネットワーク、WWFジャパン、FoE Japan、グリーンピース・ジャパン、環境自治体会議環境政策研究所、原子力資料情報室、原水爆禁止日本国民会議、CASA等)のメンバーが参加し、共同作業を行う。

「発電の費用に関する評価報告書」の発表

政府のエネルギー政策の見直しの議論が始まり、現在、複数の委員会で、発電コストや原発事故コストなどが再検討されている。過去に原子力は安いからと推進されてきたよう、コスト議論は今後のエネルギー政策に大きく影響する。そこでエネパネとしての最初の共同作業として、「発電の費用に関する評価報告書」を取りまとめ、本日の公表に至った。

報告書の主な内容

報告書では、既存の発電コストに関する試算、311後に行われた試算(短期・中長期の試算)を分析・評価し、その比較や問題点の洗い出しをおこなった。また、これまで十分に着目されてこなかった新たな要素・視点についても検討を行った。得られた主な知見とそれに基づく勧告は下記の通りである。

要約(抜粋)

  • 発電にかかる費用は、これまで電力会社の視点にたつ狭い意味で捉えられ、電気料金に含まれる様々な費用や、環境・事故などの外部費用は含まれていない。
  • 原子力発電のコストの実績は、政府試算よりも高かった。モデル発電所方式では、想定(設備利用率、運転年数等)によって火力より安くも高くもなる。
  • 原発が全停止した場合の負担額は、燃料費や省エネの想定によって異なる。原発の核燃料費に廃棄物処理費用などを加え、実績通り省エネを見込めば、負担は大きくならない。
  • これからの電気料金には、再生可能エネルギーの賦課金が上乗せされるが、今後上昇する化石燃料調達コストを抑制する効果による利益の方が大きくなる。
  • 再生可能エネルギーにシフトすることにより、中長期的に、国内の設備投資や金融に資金が循環し内需が拡大する。
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勧告(抜粋)

  • これまでのコスト分析における「過小評価」「楽観すぎる見通し」「将来性の判断」などを見直し、外部費用も含めて最新の知見を踏まえ、国民にとっての費用を算出・可視化すること。
  • 福島第一原発事故の実態を踏まえ、定量化できない社会・環境損害も含め評価すること。また事故発生確率は、現実の事故発生率を考慮した形で検討すること。
  • 費用負担増を回避する手段として、複数の選択肢(原発一部再稼働、原発全停止の上での省エネ・再エネ強化など)による比較を行い、判断材料を提供すること。
  • 将来の費用には、中長期的に予測される変化(化石燃料調達コスト上昇、再生可能エネルギー関連コストの低下、原子力の安全対策費の上昇等)や、ベネフィット(CO2削減、地域経済活性化、雇用増、エネルギー安全保障向上)を見通し算出すること。
  • 原子力発電は、損害費用なども含めれば高い発電方式であるが、一方で、原発を費用だけで検討すること自体が検証される必要がある。事故発生実績が高く、事故が起これば地域経済を根底から破壊することを踏まえ、社会的・倫理的な問題として再考すること。
  • 原子力発電は、人類の持続可能な未来を築くには適さない。よって、即全停止を含め、脱原発の期限を明示し、撤退までの複数シナリオの費用を複数の選択肢で示すこと。
  • 再生可能エネルギーは将来的なベネフィットが最も大きい。これからのエネルギーの主軸とし、環境対策としても、主力産業の育成、地域活性化、雇用増加などの経済対策としても大胆かつ積極的に進めること。
  • エネルギー選択は、情報をすべて公開し、国民参画の上で議論・決定すること。
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エネルギーシナリオ市民評価パネルによる「発電の費用に関する評価報告書」
持続可能なエネルギー社会の実現のために

発表:エネルギーシナリオ市民評価パネル(エネパネ)

要約・勧告、及び全文はこちらから。

関連リンク

お問い合わせ:エネパネ事務局(気候ネットワーク)

TEL:03-3263-9210、FAX:03-3263-9463、 E-mail:tokyo@kikonet.org

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