対策計画、「脱炭素化」への第1ステップとすべき


声明 2016年5月13日

本日(2016年5月13日)、日本政府は「地球温暖化対策計画」(以下「対策計画」)を閣議決定した。対策計画は、2015年12月のCOP21でのパリ協定採択をうけ、はじめて日本全体としての貢献のあり方を示す内容であり、極めて重要な計画である。

WWFジャパンは、日本政府が、対策計画の閣議決定をもって、少なくとも、パリ協定に向けて掲げた国別目標(2030年までに2013年比で26%削減する)を達成する意志を明確にしたこと、そして長期目標(2050年80%削減)を堅持したことを歓迎する。しかし、2030年目標そのものと対策計画の中身は、パリ協定の目的である「地球の平均気温上昇を2℃より充分に低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求する」ことを達成するために、日本を「脱炭素化」に向かわせる上では不十分である。

今後のステップとして、以下を遂行していくべきである。

  • 長期の脱炭素化計画を策定すること:
    パリ協定は、各国に対して、中期の目標だけでなく、2050年の長期に向けた戦略(「低炭素発展戦略」)を2020年までに策定することを要請している。気候変動対策の分野でリーダーシップをとるべき日本としては、「低炭素」の先を見据え、来たる「脱炭素化」に向けての長期計画を策定するべきである。
  • パリ協定の早期批准:
    パリ協定は、55カ国以上が批准していることと、排出量の55%以上の国々が批准していることという2つの条件が揃って発効する。既に、米中の2大国が批准の意志を明確にしている中、日本が躊躇する理由はなく、パリ協定が産み出した国際的な気候変動対策の流れを加速する上でも、日本が早期に批准の手続きをとることが重要である。
  • 2018年の目標見直しに備える:
    日本の2030年26%削減目標は、国際的には「不十分」との評価を受けている。パリ協定の大きな特徴の一つは、目標を定期的に改善していく仕組みを取り入れたことであり、2018年に最初の国際的な進捗確認があり、2019〜20年に目標の再提出が必要である。これを受け、日本もその機会に目標を改善することを予定するべきである。
  • 低炭素社会実行計画の透明性・実効性を改善すること:
    現状の低炭素社会実行計画は、業界全体としての取り組みの中で個別企業の取り組みには不透明さがあるため、個別企業ベースの取り組みや実績も明らかにするべきである。また、目標そのものの妥当性が、真の意味で第3者によって客観的に確認できるようにするべきである。
  • 排出量取引制度の導入を含めた、石炭火力発電所規制強化の検討を行うこと:
    石炭火発の増設がこのまま続けば、2050年はおろか直近の2030年目標の達成も危ぶまれる。米国で実施されている発電所の排出規制や、大規模排出源からの着実な排出量削減を進めるための政策として、排出量取引制度の導入の検討を早急に進めるべきである。

(参考) 対策計画案へのWWFジャパン・パブリックコメント「意欲ある地球温暖化対策計画への修正を」

お問い合せ先:

WWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン) 気候変動・エネルギーグループ
〒105-0014 東京都港区芝3-1-14 日本生命赤羽橋ビル6F
Tel: 03-3769-3509 / Fax: 03-3769-1717 / Email: climatechange@wwf.or.jp

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