クラウドファンディングを活用したエキゾチックアニマルカフェの資金集め についての声明


クラウドファンディングの利用の拡大が続く中、一部のエキゾチックアニマルカフェ ※(以下、アニマルカフェ)でも、クラウンドファンディングを活用し、資金集めを行なう事例が確認されています。

WWFジャパンでは、ペットや展示物として利用される、海外原産のカワウソ類やキツネ類といった珍しい野生動物をエキゾチックアニマルと呼んでいますが、アニマルカフェの中にも、こうした動物を展示やふれあいサービスで提供している例が多数確認されています。

しかし、こうしたエキゾチックアニマルの利用には、次の6つの問題が伴います。

1) 絶滅危機:日本の需要が生息地での過剰捕獲を助長し、絶滅の危機を高める危険性
2) 違法取引:日本に密猟、密輸された個体が販売・利用されている可能性
3) 感染症:動物由来感染症等の病原体を持ち込む危険性
4) 外来生物:野外に逃がした場合、在来の自然に悪影響を及ぼす可能性
5) 動物福祉:野生動物の生態や習性への配慮を欠いた飼育管理が行われている可能性
6) 誤った認識:一般に、野生動物を愛玩動物(ペット)のように飼育できると誤解させる可能性

実際、日本で展示・利用されているエキゾチックアニマルの中には、絶滅のおそれが指摘されている種や、密輸の押収報告がされている種が含まれていることが確認されています。また、安全や衛生対策を欠いた利用者とのふれあいや、「かわいい」だけを強調した発信によるエキゾチックアニマルの需要喚起なども、これらペットビジネスが抱える問題であるといえます。とりわけ、アニマルカフェは、こうした動物を展示動物として直接利用しているだけでなく、人の生活空間に近い環境での飼育・ふれあいの様子を広く発信することで、日本の消費者がこうした動物を本来の野生の姿とはかけ離れた愛玩動物(ペット)として認識するきっかけを与えている可能性が高く、その社会的責任は大きいと言えます。

こうした現状と、クラウドファンディングの利用が拡大する状況を受け、WWFジャパンでは、アニマルカフェでの不適切なサービス提供と偏った情報発信が、上記6つのリスクを直接あるいは間接的に高め、野生生物や自然環境のみならず、人の健康をも阻害するおそれがある点を鑑み、アニマルカフェを運営する事業者、およびクラウドファンディングを運営する企業に対し、次の対応を求めます。

アニマルカフェを運営する事業者に対し、

カフェ等施設でのエキゾチックアニマルの展示利用の是非について:
1) 対象種の野生における絶滅リスク、保全や違法取引の状況、動物の福祉、及び動物由来感染症等の問題について確認し、カフェ施設での商業利用が与え得る直接的・間接的な悪影響、およびその回避策の実現可能性(下記3~9)について十分に検討した上で、利用の是非を判断すること
2) すでにカフェ等施設での展示を行っている場合でも、上記に照らして不適切と判断される場合は、行政の指導のもと適切な飼育施設への動物の引き渡しを早急に検討すること

展示動物の入手について:
3) 利用する動物の個体(その親個体を含む)が、合法的に捕獲、入手、取引されたものであることを、サプライチェーンをさかのぼって確認すること
4) 利用する個体が動物由来感染症等の病原体などを保有していないか確認すること
5) 上記について、第三者に対し明確な説明ができる根拠を用意し、説明責任を果たせるようにすること

運営にあたっての配慮について:
6) 野生動物はその生態や習性に配慮した飼育管理が難しいことを十分に認識し、専門家の指導の下、対象動物の福祉に配慮した適切な設備および飼育・獣医療体制を提供すること
7) 展示等サービスの提供や飼育管理において、人と動物の双方向で動物由来感染症が伝播することを認識し、感染対策を徹底すること
8) SNSなどを利用した可愛さや愛護のみを訴える発信を控え、一般に対し、本来、野生動物である動物種の飼育が容易であるとの誤解を与えないこと
9) 飼育個体は責任をもって管理し、遺棄や個人への販売・譲渡等を行なわないこと

また、クラウドファンディングを運営する企業に対し、

1) サービス提供に先立ち、エキゾチックアニマルカフェの支援については、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からリスクが伴うことを認識し、事業者の法令遵守に加え、各対象事業が野生生物や生態系、社会に及ぼし得る影響について十分な確認と検討を行うこと
2) 事業に利用されている展示個体の入手の合法性証明やトレーサビリティ、過剰利用、感染症リスク、動物の福祉への対応が不十分であるとの疑いがもたれるアニマルカフェについては、専門家やNGOに意見を求め、サービスを提供しないことも含めた対応を検討すること
3) 野生動物の飼育が容易である、と誤解させるような偏向した、また不適切なPRを支援対象となる事業者が行なっていた場合は、注意勧告や支援の中止等早急な対応を行なうこと
4) 上記に関した内容について、第三者から問い合わせを受けた場合は、説明責任を果たすこと

WWFジャパンでは今後も、合法性の確認や改善が必要と思われるアニマルカフェやクラウドファンディング企業に対しては、個別に情報提供と対策を求めてゆくほか、政府に対しても法的な側面からの対応の強化を働きかけてゆきます。

※カフェのように人の生活空間に近い環境で、野生動物の展示、ふれあい、給餌などのサービスを提供する施設を指す

最新のWWFの活動をお届けいたします。

 

この記事をシェアする

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP