日本初 持続可能なカツオ資源管理をもとめる日本企業からの要望書

この記事のポイント
世界で最も多く消費される魚種の一つであるカツオ。その最大の漁場である中西部太平洋の漁業を管理するWCPFCと、その日本代表団である水産庁に対し、持続可能なカツオ漁業をもとめる要望書が、日本の9つの企業・団体より提出されました。世界有数の水産マーケットを有する日本の企業が、国際交渉の場に対し要望したことは極めて珍しく、持続可能なカツオ漁業への改善が加速されることが期待されます。

危惧されるカツオ資源のゆくえ

カツオは、お刺身やタタキで食されるほか、かつお節の原材料として用いられており、和食にとって大変重要な魚の一種です。

一方、海外では、ツナ缶材料として重宝され、安価なタンパク源として発展途上国を中心に漁獲量が増大し続けています。

その結果、カツオの最大の漁場である中西部太平洋では、カツオ資源量は過去最低レベルまで低下してしまいました。

また近年、日本周辺へのカツオの来遊量も減少し続けています。

原因は未だ定かではありませんが、資源量低下による影響を懸念する声もあります。

そのような状況に対しWWFジャパンでは、2020年6月以降、カツオの生産と消費に関連する企業を対象に、3回のウェブセミナーを開催。

日本企業とともに、この現状を解決するための方法について模索してきました。

カツオ資源の保全を求めるマーケットの意思表示

その結果、2020年12月7日より始まるWCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)年次会合において、持続可能なカツオの資源管理を求めるべく、連名で要望書を提出することになりました。

WCPFCに対して提言を行なう理由は、国際的にはカツオがマグロ類の一種と見なされ、その国際的な資源管理の責任をWCPFCが負っているためです。

今回のような要望書提出は、日本では初めての試みであり、世界中の水産物を多く漁獲・消費している水産大国日本の企業が、持続可能な漁業の実現に向けて、自らの責任をはたすための積極的な活動の、一つの好例であると言えるでしょう。

このような企業の積極的な取り組みが活かされ、WCPFCがカツオについても、予防的な資源管理措置を導入する決議を行なうよう、WWFジャパンは引き続き活動していきます。

持続可能なカツオ資源管理を求める要望書

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
第17回年次会合
日本代表団 御中
WCPFC議長 Jung-re Riley Kim殿

我々、持続可能なカツオの生産と消費を推進する日本の9つの団体は、2020年12月7日から始まる中西部太平洋まぐろ委員会(以下、WCPFC)年次会合において、カツオ資源の持続可能な利用と保全のため、予防原則に従った漁獲戦略が導入されることを強く要請いたします。

近年、中西部太平洋のカツオの漁獲量は急激に増加し、資源量は過去最低水準にまで減少しています。それにも関わらず漁業圧は増加し続けており、もしこの状況を看過することになれば、世界のカツオ産業のみならず健全な海洋生態系の存続が危ぶまれます。

このような状況を解決するために、WCPFC加盟国は、管轄下にあるカツオについて、目標/限界管理基準値および漁獲制御ルールを含む、予防原則に従った漁獲戦略の導入を、早期に採択すべきです。

カツオは、世界で最も多く漁獲される魚種の一つであり、なかでも中西部太平洋はその世界最大の漁場です。WCPFCで上記を実現することは、世界における持続可能な漁業管理の推進にもつながります。よって、私たちはWCPFCが責任ある決定を下すことを期待します。

また日本は、カツオの世界有数の漁獲国であると同時に消費国でもあります。日本代表団には、カツオ漁業において、予防原則に従った漁獲戦略が採択されるよう、WCPFCにおいてリーダーシップを発揮することを期待します。

以上

賛同企業・団体

  • イオン株式会社(AEON Co., Ltd.)
  • 石原水産株式会社(ISHIHARA MARINE PRODUCTS. Co., Ltd.)
  • 日本生活協同組合連合会(JAPANESE CONSUMERS’ CO-OPERATIVE UNION)
  • 株式会社きじま(KIJIMA Co., Ltd.)
  • 明豊漁業株式会社(MEIHOGYOGYO Co., Ltd.)
  • MSC日本事務所(MSC Japan)
  • 日本水産株式会社(Nippon Suisan Kaisha, Ltd.)
  • 公益財団法人WWFジャパン(WWF Japan)
  • 他、1社

この記事をシェアする

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP