アメリカ・トランプ政権のパリ協定離脱に強く抗議する


声明 2017年6月2日

アメリカ・トランプ政権がパリ協定からの離脱を決定したことに対し、WWFジャパンは、各国のWWFと共に強く抗議する。

今回のアメリカ・トランプ政権の決定は、国際社会が、パリ協定の発効を受けて今まさに脱炭素化に向けての取組みを加速化させようという時に出された決定であり、既に発生している気候変動の影響に苦しむ人々や将来世代に対する裏切りである。

しかも、今回の決定は、アメリカを含む、多くの国でのビジネスの流れにも逆行する。既に、1000を越えるアメリカの企業が「低炭素経済の構築」を訴える声明に署名している。

さらに、パリ協定の目標と整合する温室効果ガス排出量削減目標にコミットする企業の連合体であるScience Based Targets (SBT) に加盟する企業の数はすでに250を超え、世界のスタンダードになりつつある。

パリ協定に対する支持は、かつて京都議定書に反対した石油産業にまで及んでいる。

ビジネスだけでなく、各国の自治体や州政府においても、パリ協定を受けて、世界の脱炭素化への取組みが始まっており、アメリカにおいても、カリフォルニア州を含む12の州がパリ協定支持を訴える書簡をトランプ大統領に出している。

WWFインターナショナルの気候・エネルギー・プラクティスリーダーであるマヌエル・プルガル・ビダルは、以下のようなコメントを発表している。

「幸運なことに、パリ協定は、いかなる国やその政府の一存でどうにかなるものではない。パリ協定での約束を果たすことは、まだできる。しかし、無駄にしている時間はない。世界の国々は、眠っている力を呼び覚まし、CO2排出量削減につながる再生可能エネルギーに投資し、より強靭で、包摂的で、繁栄し得る経済を構築していくべき局面に来ている」

パリ協定のような包摂的な条約は、日本が一貫して求めてきたものであり、今こそ日本の長年の主張に沿って強く働きかけるべきである。特に、安倍首相からの働きかけが重要であり、モノを言えるパートナーとしての真価が試される正念場である。

これが、決して受入れることのできない決定であることを、明確にアメリカには伝えなくてはならない。

国内対策について、今後、アメリカ・トランプ政権の決定を言い訳にして、自国の対策を緩める主張が出てくる可能性もあるが、脱炭素化への流れは、既に必然であると同時に、巨大なビジネス機会でもある。

むしろ日本の経済界が今後の世界でよりリーダーシップをとる機会ととらえるべきで、日本が人口減少下で抱える他の社会的課題の解決にも繋がりうるものである。

日本の積極的な解決策をもって、アメリカに対してパリ協定体制参画の意義を示していくことが必要である。

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