最も早い到来!2019年の「アース・オーバーシュート・デー」は7月29日

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国際シンクタンク「グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)」は、2019年7月29日が、2019年の 「アース・オーバーシュート・デー」であると発表しました。これは、人類による自然資源の消費が、地球が持つ一年分の資源の再生産量とCO2吸収量を超えた日を意味します。つまり、この日以降の2019年の残された日々を、人類は地球の生態系サービスの「原資」に手を付けながら、「赤字状態」で生活していくことになります。

「アース・オーバーシュート・デー」

続く「地球の使い過ぎ」の状態

世界規模で増加・拡大を続ける経済活動と人口。

人間の活動は今、地球の自然環境から生み出される資源を多大に消費し続けています。

しかし、消費がどれほど増加しても、地球1個分が持つ生産力は大きく変わりません。

そして、木材や水産物(シーフード)といった森や海の恵みを生み出す自然の力や、大気中の二酸化炭素を取り込む力には限りがあるにもかかわらず、消費が一方的に増大した結果、人類による「自然資源の消費が、地球の生物生産力を超過」する「生態学的オーバーシュート」という事態が、生じるようになりました。

これは、本来使ってよい水準を越えた「地球の使い過ぎ」の状態が続いていることを意味します。
そして、この使い過ぎにあたる分は、さまざまな資源を生み出す母体、つまり「原資」を、削り取る形で補われています。

そもそも、多くの生命のつながりでできている地球の生態系は、新たに命を生み出す形で「再生」する力を持っています。

しかし、現在の消費は、その「再生」の元手にあたる「生態系そのもの」を食いつぶす速さで拡大しています。

この事態が続けば、自然の恵みの原資が失われ、そこから得られる恵みも、さらに減少するという致命的な悪循環が待っています。

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日本のアース・オーバーシュート・デーは5月13日

本来、地球の「原資」が生み出す十分な自然の恵み、つまり「利子」で暮らしてゆかねばならないはずの人類が、「原資」にまで手を付けるようになったのは、1970年代のことでした。

人による消費の量が、自然による供給量を上回り、「オーバーシュート」が始まったのです。

以来、1年分の地球の生物生産力を、年内に人類が使い尽くしてしまう「アース・オーバーシュート・デー」の到来は、年々早まっています。

2019年は7月29日がこの日にあたりますが、これは2018年に比べ、3日早い到来です(2018年は8月1日)。
ここから先、世界の人類は、使い過ぎた分の恵みをすべて、未来の世代の負担により賄う形で前借りし、消費を続けていくことになります。

もちろん、この「地球の使い過ぎ」は、国や地域によって、大きな差があります。

特に先進国は使い過ぎの度合いが高く、世界中の人が日本人と同じ生活をした場合は、1年間に地球2.8個分の自然資源が必要になる計算です。


また、アース・オーバーシュート・デーを各国のエコロジカル・フットプリントを基に算出すると、日本はすでに5月13日に「その日」を迎えていました。世界平均より約2か月半も早く、地球が再生産した自然資源を使い果たしてしまったことになります。

特に重要な温暖化の問題

この過剰な消費の中で、最も大きな割合を占めているのは、地球温暖化の主因となっている二酸化炭素の排出です。

森林や海などの自然が、1年間で吸収してくれる二酸化炭素の総量を超えて排出される分は、どこにも吸収されず、大気中にたまり、温暖化を一層悪化させる原因となります。

この温室効果ガスの排出は、人類が地球環境にかけている圧力の、約60%を占めるほど、大きく、深刻な問題になっています。

2020年から始まる、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」ですが、その目標達成を目指して、日本をはじめとする各国が二酸化炭素排出削減の長期目標を提出しています。
2018年秋に、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が「1.5度特別報告書」を発表して以降、世界の平均気温の上昇を2度未満に抑えるよりも、1.5度に抑えるための努力に世界的には重きが置かれるようになっています。
この場合、2050年には二酸化炭素排出量を実質ゼロにする必要があります。

深刻化する消費の拡大

もちろん、問題は地球温暖化だけではありません。

世界各地で起きている、土壌侵食や耕作地の生産性の低下、森林破壊、漁業資源の減少、水不足や砂漠化、さらに集中豪雨の頻発。

野生生物の減少や絶滅など、地球上の生態系の悪化は、さまざまな形で進行しています。

WWFは、これらによる環境の劣化の度合いを「生きている地球指数(Living Planet Index: LPI)」に、またその原因である人類による環境への負荷を「エコロジカル・フットプリント」に、それぞれ数値化してまとめ、「生きている地球レポート(Living Planet Report)」として発表してきました。
2018年10月に発表された最新の同報告書では、「世界の生物多様性は過去40年間で60%減少した」とされました。途上国を中心に、野生生物の個体数の減少や絶滅の危機が続いています。
こうした現実をふまえ、地球と未来に対する「負債」をゼロにするためには、世界が一つになった温暖化対策、そしてさまざまな環境問題への対策が欠かせません。

そうした対策を実行に移せるなら、人類と地球の未来に希望はあります。

グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)は、二酸化炭素排出量に基づくカーボン・フットプリントを現状よりも50%削減すれば、93日つまり約3カ月、アース・オーバーシュート・デーを遅らせることができると試算しています。

地球の生態系の限界を超えた消費を人類が続けてゆけば、現在のような生活は、いずれ維持できなくなりますが、そのような未来を変え、自然との共存を実現してゆく余地は残されています。

地球の恵みを「持続可能」な形で利用してゆく社会の実現が、今、求められています。

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