新エネルギー戦略決定!「原発ゼロ」も温暖化対策は?


政府のエネルギー・環境会議は2012年9月14日、「革新的エネルギー・環境戦略」を決定。「2030年代に原発稼働をゼロとする」という方向性を明示しました。しかしこれは、原発の「40年で廃炉」と整合せず、ほかにも矛盾点がいくつも残されています。何より、省エネや自然エネルギーの目標が不充分な上、石炭を重視するなど、地球温暖化対策の側面が、大きく後退の様相を見せています。WWFジャパンは、これについて懸念を強く表明する声明を発表しました。

残る矛盾と、解決されなかった課題

2012年9月14日、政府のエネルギー・環境会議は、日本のエネルギーの未来を大きく左右する「革新的エネルギー・環境戦略」を発表しました。

2011年3月の福島第一原発の事故以降、太陽光や風力などの再生可能な自然エネルギーを新しいエネルギーの柱の一つにすることを宣言した日本政府が、2011年秋から続けてきた「エネルギー・環境会議」の議論は、これを以て一応の区切りを迎えました。

今回発表された新たな「革新的エネルギー・環境戦略」は、「2030年代に原発稼働をゼロとする」という方向性を明示。一応は、2012年6月29日の「エネルギー・環境」に関する「3つの選択肢」に対する国民の意見募集の結果を反映した形になっています。

しかし、その具体性については疑問や矛盾も多く残されているほか、もう一つ大きな懸念点として残されていた、地球温暖化対策については、むしろ後退ともいうべき結論となりました。

WWFジャパンは同日、主に以下の4点をふまえた声明を発表。特に温暖化対策の側面について、強い懸念を表明しました。

  1. 国際世論に逆行した、日本の気候変動対策の後退を憂慮していること
  2. 省エネと再生可能な自然エネルギーの目標をより野心的なものにし、今後の「グリーン政策大綱」やエネルギー基本計画の議論の中で、改善していくべきこと
  3. 石炭重視の政策をやめ、よりCO2排出量が少ない天然ガスへシフトするべきこと
  4. 新法制定や、原子力基本法やエネルギー政策基本法の改正を行ない、原発ゼロ方針を確定的にすべきこと

声明の詳しい内容はこちら

声明

気候変動対策の後退を憂慮する 政府「革新的エネルギー・環境戦略」決定に際して

 

関連情報

WWF『脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案』

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問合せ

WWFジャパン 気候変動・エネルギーグループ(climatechange@wwf.or.jp)

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