森林環境に配慮する企業が「林産物調達チェックリスト」の利用を開始


WWFジャパンの「林産物調達チェックリスト」は、企業が調達する紙や木材が、どれくらい環境や社会に配慮しているかをチェックする仕組みです。これを、自社の木材調達方針の運用・評価に利用する企業が登場しました。世界の森林保全につながる「責任ある林産物の購入」に向けたステップが、また一つ大きく踏み出されました。

住宅メーカーの木材調達方針での利用

WWFジャパンの「林産物調達チェックリスト」は、企業が扱う紙や木材製品などの生産に際して、現地の森林の環境や地域社会、収益性といった経済面について、配慮すべき項目と、その確認方法を示したツールです。

このツールを、自社の木材調達方針に活用する企業が登場しました。
2010年6月24日、ミサワホーム株式会社は、建材に木材を多用した住宅などを対象とした木材調達方針を公表。その中で、購入する木材が、自社の調達方針と合致しているかどうかを確認・評価するため、WWFジャパンのチェックリストを採用したのです。

チェックリストはそもそも、木材でできた個別の製品を、S~Eの6段階で評価し、環境や社会への配慮を採点するものです。
しかし今回、同社は複数の製品に対してこのチェックを行ない、積み上げてゆくことで、個別の部品の評価から、それらを扱う企業全体の木材の調達方針を評価する形に拡大。企業が組織全体として、どのような木材を購入しているか、評価することを可能にしました。

調達方針の重要性

企業が「責任ある林産物の購入」を実施するためには、森林や地域社会に配慮した木材製品の購入を増やすだけでなく、破壊的な伐採によって生産された製品を、意識的に排除していくことが求められます。
そのためには、企業がまず、そうした製品を扱わないことを明らかにした、組織的な「調達方針」を作り、目標をたて、評価、改善していくサイクルが必要になります。

今回、ミサワホーム株式会社では、この確認・改善のサイクルの中で、WWFチェックリストを利用し、その活用性を示しました。
これは、WWFジャパンのチェックリストの、これまでにない自主的な使用を実現した好例といえます。

WWFジャパンは今後も、世界有数の木材の消費国である日本で、より多くの消費者が適切に管理された森林に由来する木材・紙を利用できるように、「林産物調達チェックリスト」のさらなる普及を目指していきます。

関連情報

記者発表資料 2010年6月24日
WWFジャパン林産物調達チェックリストを利用した企業による木材調達の開始!

参考情報
ミサワホーム(株) Webリリースへのリンク
http://www.misawa.co.jp/misawa/news_release/chotatu/

 

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