外来種問題学習教材 「ピンチくん」
2006/11/02
「ピンチくん」は、WWFジャパンが作成した、外来種問題について学ぶための教材です。名前は、日本の生きものがピンチという意味。形態はトランプの形をとっており、それぞれ日本の生きもの(在来種)26種と、外国から侵入し、問題となっているいきもの(外来種)26種からなっています。カードには、外来種および、その被害を受けている在来種の生態や特徴などが記載されており、これらの情報を使ってゲームをしながら外来種について学ぶものです。
カードの説明
外来種のカード (黒:スペード、クローバー)
A
|
生きものの種名 |
---|---|
B
|
外来種のイメージ 【原産地(国)】【体の大きさ】 |
C
|
生きものの説明 |
D
|
この外来種に被害を受ける在来種(赤のカードの在来種に対応) |
E
|
この外来種が及ぼす実際の影響 |
F
|
上段:生息環境 住宅地 / 農耕地・草地 / 低地森林 / 山地森林 / 河川・湿地 / 湖沼 / 水田 下段:侵入年代(移入された年代 ) |
G
|
分類: 哺=哺乳類 /鳥=鳥類 /魚=魚類 /爬=爬虫類 /両=両生類 /植=植物 /無=無脊椎動物 /貝=貝類/節=節足動物 |
H
|
外来種のランク分け: A =特定外来生物 B=要注意外来生物 -=その他の外来種(国内外来種含む) |
在来種のカード (赤:ダイヤ、ハート)
A
|
生きものの種名 |
---|---|
B
|
在来種のイメージ 【国内分布域】【体の大きさ】 |
C
|
生きものの説明 |
D
|
この在来種に影響を及ぼす外来種(黒のカードの外来種に対応) |
E
|
この在来種が被る実際の被害 |
F
|
上段:生息環境 住宅地 / 農耕地・草地 / 低地森林 / 山地森林 / 河川・湿地 / 湖沼 / 水田 下段:被害年代 (被害が確認された年代 ) |
G
|
分類: 哺=哺乳類 /鳥=鳥類 /魚=魚類 /爬=爬虫類 /両=両生類 /植=植物 /無=無脊椎動物 /貝=貝類/節=節足動物 |
H
|
レッドリストのカテゴリー: EX=絶滅/ EW=野生絶滅/ CR=絶滅危惧IA類(近絶滅種)/ EN=絶滅危惧IB類(絶滅危惧種)=/ VU=絶滅危惧II類(危急種)/ NT=準絶滅危惧/ DD=情報不足/ -=その他(未掲載種含む) |
カードで紹介している生きもの 一覧
スペード: 外来種 日本全国で問題になっている種 | クローバー: 外来種 特に南西諸島で問題となっている種 | ||
---|---|---|---|
A
|
カミツキガメ |
A
|
ジャワマングース |
2
|
セイヨウオオマルハナバチ |
2
|
アフリカマイマイ |
3
|
ヌートリア |
3
|
タイワンハブ |
4
|
アメリカセンダングサ |
4
|
シロガシラ |
5
|
チョウセンイタチ |
5
|
ノネコ |
6
|
ウシガエル |
6
|
シロアゴガエル |
7
|
セアカゴケグモ |
7
|
カダヤシ(タップミノー) |
8
|
タイワンザル |
8
|
タイワンスジオ |
9
|
グリーンアノール |
9
|
セマルハコガメ |
10
|
イタチ |
10
|
ヤンバルトサカヤスデ |
J
|
アライグマ |
J
|
ノイヌ |
Q
|
ソウシチョウ |
Q
|
インドクジャク |
K
|
オオクチバス(ブラックバス) |
K
|
オオヒキガエル |
ダイヤ: 在来種 日本各地の在来種 | ハート: 在来種 特に南西諸島に生息する種 | ||
---|---|---|---|
A
|
アオサギ |
A
|
ヤンバルクイナ |
2
|
オカヤドカリ |
2
|
ケナガネズミ |
3
|
メダカ |
3
|
キノボリトカゲ |
4
|
トノサマガエル |
4
|
イボイモリ |
5
|
イネ・農作物 |
5
|
ハブ |
6
|
アカコッコ |
6
|
リュウキュウヤマガメ |
7
|
シマアカネ |
7
|
オキナワアオガエル |
8
|
カラスバト |
8
|
オオゴマダラ |
9
|
オカダトカゲ |
9
|
ハナサキガエル |
10
|
エゾオオマルハナバチ |
10
|
アマミヤマシギ |
J
|
コマドリ |
J
|
ノグチゲラ |
Q
|
ヒヨドリ |
Q
|
アマミノクロウサギ |
K
|
ニホンザル |
K
|
イリオモテヤマネコ |
遊び方
>>> 例その1:外来種かるた
>>> 例その2:外来種 花札
ピンチくん -The Alien Study Card- について |
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「ピンチくん」は、環境省地球環境研究総合推進費による「侵入種対策研究プロジェクト」の一環として制作されました。 発行:WWFジャパン 東京都港区芝3-1-14 |
「ピンチくん」についての問合せはこちら環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室(担当:宇賀神、秋山) |
【遊び方】 例その1:外来種かるた
このゲームの特色:
カードに記入されている情報を通じて、どのような外来種がいるのかまたどのような特徴を備えているかを学習します。
参加人数
読み手(先生):1人
参加者(生徒):1チームにつき 4~5人
遊び方
読み手が外来種の特徴を読み上げ、参加者が該当する動物の描かれたカードをとっていく、カルタゲームです。
-
黒のカード(外来種カード:スペードとクラブ)を2セット使います。
-
赤のカード(在来種カード:ハートとダイヤ)、およびジョーカーは使いません。
準備
1チームにつき、『ピンチくん』の黒のカード26枚を使います。
カードはよく混ぜ、カルタのように場に広げます。
読み手も同じく黒のカードを1セット手元に置き、読み札として使います。よく切っておいてください。
進め方
カルタと同じ要領で、すすめます。
読み手はカードに記入されている以下の項目をランダムに読んでいきます。
▼項目
どこで見られる外来種か:
「南西諸島で見られます」or「南西諸島以外でも見られます」その外来種の特徴:イラストの下にある2行の説明を読む
その外来種の大きさ:【体長】や【体重】など
分類:哺乳類、鳥類、爬虫類、など
原産地:どこの国や地域から持ち込まれた外来種か
「ヨーロッパ」、「北アメリカ」、「台湾」など侵入年代:いつごろ持ち込まれた外来種か
参加者はその生きものが何か分かった時点で、場のカードをとります。
読み手は最後にカードの外来種の名前を読みあげ、答えを確認します。
お手つきをした参加者は、1回お休みです。
あがり
全てのカードを読みあげて、場のカードが無くなれば、おしまいです。
【遊び方】 例その2:外来種 花札
このゲームの特色:
影響を及ぼす外来種と、その影響を被る在来種のカードを組み合わせ、そのかかわりや問題について学びます。
参加人数
2~4人
遊び方
外来種カードにある「何に影響するの?」の項目と、在来種のカードにある「何の影響を受けるの?」の内容を合わせるゲームです。
-
全てのカードを使います。
準備
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『ピンチくん』の全てのカードをよくきり、6枚ずつ配ります。
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配られたカードは、在来種(赤)と外来種(黒)に分け、表にして自分の前に並べます。
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残りのカードは伏せて山にし、場の中央におきます。
-
山から8枚カードを取り、全てオモテ向きに場に広げます。
進め方
-
じゃんけんで勝った人から、時計回りで始めます。
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手元のカードと場に開かれたカードの、「何に影響するの?」(外来種)と「何の影響を受けるの?」(在来種)の項目を見比べ、[外来種-在来種]でペアになるものを探します。
-
ペアになるカードがあった場合
その生きもののカードを取得し、自分の手札に加えます。他のカードと一緒に自分の前に並べてください。取ることのできるカードは、1回につき1枚だけです。取れるカードが複数ある場合は、どれか1枚を選んでください。 -
ペアになるカードがない場合
手元のカードから1枚場に捨てます。
-
-
カードを取るか、カードを場に捨てた後、山から1番上のカードを、1枚だけめくります。
-
めくったカードが、場に並んでいるカードとペアになった場合は、その2枚を取得し、自分の手札にしてください。
-
ペアにならない場合は、そのまま場に置きます。
-
-
以上を1回として、順番に進めてゆきます。場のカードを取るために一度使った手元のカードは、次の順番以降も、何度でも使うことができます。
あがり
-
山のカードがなくなるまで続けます。最後のカードをめくった次の人で、おしまいです。
-
手にしたカードを集計してください。合計点で、勝敗を決めます。
カードの右下に記載されている、「外来種のランク分け」と、「レッドリストのカテゴリー」の項目を参照してください。ジョーカーは2枚とも5点です。 -
得点の合計は、マイナスになることがあります。
カードの点数は以下の通りです
【外来種】 スペード / クラブ | 外来種のランク分け: A: -15点 / B: -10点 / -: -5点 |
---|---|
【在来種】 ハート / ダイヤ | レッドリストのカテゴリー: CR:40点 / EN:30点 / VU:20点 / LP・NT:10点 / -:5点 |
【人間】 ジョーカー | 5点 |