311東日本大震災 市民のつどい 「Peace On Earth ピースオンアース」に参加しました


東日本大震災から1年。被害に遭われた方々を追悼し、これからの未来を共有しようとの趣旨のもと、2012年3月10日・11日の両日、「311東日本大震災 市民のつどい Peace On Earth ピースオンアース」が開催され、WWFジャパンもブース出展とショートトークで参加しました。会場となった日比谷公園には5万5,000人もの市民をはじめ、NGO/NPO、ミュージシャンや文化人が一堂に会し、黙祷をささげるとともに、被災地支援や脱原発への想いを分かち合いました。

パンダ・カフェ出展!

場内に出展したWWFブースでは、大きなパンダのぬいぐるみが出迎える「パンダ・カフェ」を開催。長年、上関原発の建設に反対している山口県上関町祝島の産品である「びわ茶」を、参加者の皆さんにご紹介しました。祝島は瀬戸内海に浮かぶハート型の小島で、自然エネルギー100%での自立を目指しています。特産のびわの葉を天日干ししたノンカフェインのお茶は、香ばしくておいしいと好評でした。

また、WWFが被災地で活動を続けている「暮らしと自然の復興プロジェクト」の写真パネルを展示。複数の団体と共に、被災地に自然エネルギー(太陽光や太陽熱)を導入・設置する「つながり・ぬくもりプロジェクト」や、福島県と宮城県において展開している現地の環境調査と、水産業の復興支援の現場の様子をお伝えしました。また、エネルギー関連の資料をたくさん用意し、多くの方々にWWFジャパンの活動を知っていただきました。

特に人気があったのは、「未来のエネルギー」についての考えや疑問をつづる短冊のコーナー。大人も子どもも思い思いの言葉や絵を短冊に書き、笹の葉に結んでくれました。

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短冊に綴られた「未来へのエネルギー」への思い

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たくさんの方が来てくださいました

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パンダカフェでは大きなパンダがお出迎え

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ボランティアの皆さんもWWFの活動について解説。どうもありがとうございました

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びわ茶を楽しみながらじっくり交流

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「ピースオンアース」につどったアーティストや文化人、NGO/NPOの代表がステージからメッセージ。WWFジャパン広報室長・石原は「社会の仕組みを大きく変えるとき。ひとりひとり、NGO一つ一つでは難しいことも皆でつながればできる。自然の恵みをすべての人が平等に享受できる世の中にする、それが私たち市民の手にゆだねられている」

田中優さんとステージに登壇

10日(土)には、環境活動家で「未来バンク」代表の田中優さんとともに、WWFの気候変動担当である小西がステージに上がり、ショートトークを行ないました。最も伝えたかったメッセージは「日本は新しいエネルギー社会に変われる可能性が充分にあるんだ!」ということです。

原発のこと、地球温暖化防止のこと、自然エネルギーのこと、どれも規模が大きく、さまざまな産業や政策が絡む複雑な問題だけに、市民はどうしても「お手上げ感」に襲われてしまいがちです。

そこで、日本に今ある技術だけでも大幅な省エネルギーが可能であること、それは何も、各家庭が必要以上に無理をして省エネするということではなく、店や事業所(会社の事務所など)の設備を変えることなどで実現できることをお伝えしました。

大幅な省エネは、脱原発を実現させるためにも、化石燃料から自然エネルギーへ切り替えるためにも、まず前提となるものだからです。

トークでは、地球温暖化にも同時に取り組まなければならないこともアピール。世界には、現実に被害を受けている人々がいて、それも正に今ある危機であるからです。

3月10日のワシントンポスト紙は、太平洋に浮かぶ島々からなるキリバス共和国が、海面上昇によって、ついに将来の移転地としてフィジーの島の購入計画を発表したと伝えました。キリバス共和国の人々にとっては、温室効果ガスを大量に排出している国々、特に先進国の行動に期待するしかありません。このことを私たちは忘れてはいけないのです。

前日から降りつづいていた雨がようやく上がり、田中優さんと小西による具体的な事例を交えたトークには、大勢のお客様が集まってくださり、エネルギーの未来を変えよう、という思いを共有することができました。

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電気が必要と言うけれど、本当に欲しいのは、明るさ・ぬくもり・便利さです

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パンダも「新しいエネルギー社会に変われるぞ!」とアピール

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トーク本番前にパフォーマンスの練習

  • ※田中優さんには、WWFのウェブサイトに掲載中の「インタビュー・私とエネルギー」にもご登場いただいています。日本のエネルギーが、新しい世界へ脱皮するにはまず何が必要かを、明確に指摘された、とてもわかりやすい内容になっていますので、こちらもぜひご覧になってみてください。

「311東京大行進」に参加

11日(日)には、脱原発を求めるさまざまな団体のネットワーク「首都圏反原発連合」が主催するデモ「311東京大行進」が行なわれ、WWFも参加しました。

このときWWFが掲げたのが、6万目の編み目を持つ巨大マフラーです。
これはWWFが2012年1月末までに集めた「エネルギー基本計画を変えよう」署名に、6万名以上の方々が賛同してくださったことを表すものです。

6万人という規模感を表現するため、多くのボランティアのご協力を得て、約1カ月かけて作られました。

中央には、「脱原発と大幅な省エネで、自然エネルギー100%の未来を!」の文字が入っています。マフラーには、もっと積極的に省エネを進めよう、という意味も込められています。

大きさは幅75センチ、長さ5メートル。改めて6万という数字の大きさが実感できるものとなりました。賛同署名をお寄せくださった皆さまと、マフラーづくりに参加してくださった皆さまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

大行進は、日比谷公園から数寄屋橋交差点を経て、再び日比谷公園へ戻るコースで、数万人が参加する大規模なものとなりました。人々の願いが、新しい日本の未来に向けた一歩になるように。WWFもこれからの取り組みにつなげてゆきたいと思います。

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「脱原発と大幅な省エネで、自然エネルギー100%の未来を!」と書いたマフラーを掲げて行進

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長さ5メートルの巨大マフラーと。これから出発です

 

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