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温暖化対策の長期戦略についての政府案が発表。WWF提言を読んで意見を出そう!

この記事のポイント
日本の地球温暖化対策に関する2050 年に向けた「長期戦略」の政府案が2019年4月23日に発表されました。脱炭素社会をビジョンとして掲げている点は評価できるものの、そこに到達するための「戦略」としては数々の課題を抱えている内容です。WWFジャパンは、この長期戦略に関する独自の提案を作成。政府案については、5月16日までパブリック・コメントという形式で、意見募集がされています。多くの声を政府に届けましょう!

政府による長期戦略「案」の発表

2019年4月23日、政府は、地球温暖化対策に関する「長期戦略」の案を発表しました。

地球温暖化対策を国際的に進めるための条約「パリ協定」は、各国に対して、2050年という長期にむけて、どのように温暖化対策を計画・遂行していくかを記した「長期戦略」を2020年までに提出することを求めています。

日本政府は、2016年に開催したG7伊勢志摩サミットの首脳宣言の中で、「2020年の期限に十分先立って」長期戦略を提出することを、議長国として他国と共に宣言しました。
これをうけ、2019年6月の日本が議長国を務めるG20より前に、長期戦略を発表するべく、政府の中で検討が進められてきました。

まず、2018年8月から、「パリ協定長期成長戦略懇談会」という有識者会議において、提言の作成が検討されてきました。同懇談会が2019年4月2日に提言を発表し、その提言内容をうけて4月23日に発表されたのが、政府としての長期戦略の案です。

© Elisabeth Kruger / WWF-US
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WWFとしての提言

4月2日に発表された「パリ協定長期成長戦略懇談会」の提言、および4月23日発表された政府としての「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(仮称)(案)」が、ともに、2018年10月発表のIPCCの 1.5℃に関する特別報告書の内容を踏まえ、「脱炭素社会」に向けたビジョンを打ち出したことは有意義な一歩と言えます。

しかし、そこに至る道筋としての「戦略」に関する提言には数々の課題が見られます。なかでも、脱炭素達成の手段として非連続的イノベーションに大きく依存しており、直近でできることを軽視している点は問題です。

WWFジャパンは、日本が掲げるべき長期戦略について、独自の提言をとりまとめました。
◆WWFジャパン「パリ協定の下での長期戦略に関する提言:脱炭素社会を真に達成するために」

提言は、以下の10のポイントを、WWFジャパンがこれまで発表してきたエネルギーに関する長期シナリオや政策提言報告書をベースに主張しています。

  1. IPCC1.5℃報告書を踏まえた長期目標の設定
  2. 「主力電源化」を体現する再生可能エネルギー目標の強化
  3. エネルギー効率改善目標の強化
  4. 国内石炭火力のフェーズアウト
  5. 海外石炭火発の公的支援の停止
  6. 原発の段階的廃止
  7. 国内削減と海外貢献を分別した目標設定および2030年目標の強化
  8. カーボン・プライシングの導入
  9. 技術偏重の、先送りのためのイノベーションからの脱却
  10. 脱炭素ビジネスを促進するための金融環境整備

パブリック・コメント(意見)を提出しよう!

日本政府は、政府案のとりまとめをうけ、パブリック・コメントの形式で、国民の意見募集を開始しました。連休を挟んで5月16日までという極めて短い期間ではありますが、日本社会が2050年に向けてどのような方向を目指すべきなのかを問う重要な内容です。ぜひ、WWFジャパンの提言も参考に、意見提出を検討してみて下さい。

詳細は、下記、政府・ウェブサイトをご覧ください。

◆「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(仮称)(案)」に対する意見の募集について(締切:5月16日)

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