久米島応援プロジェクト


久米島の豊かな自然を守ろう!

生物多様性に満ちた小さな島

沖縄島の西の海上に浮かぶ久米島は、同じ南西諸島の沖縄島や石垣島と比べると小さな島ですが、この島にしか生息しない固有種を含む、多様な生物が生息しており、高い生物多様性を持つ島と考えられています。

島には、湿地(ウェットランド)を保全する国際条約「ラムサール条約」に登録されている湿地の保護区があるほか、島全体が、WWFジャパンの南西諸 島生物多様性優先保全地域に選定されており、島内でも、環境教育活動をはじめとした、積極的な環境保全活動が行なわれています。

しかし一方では、開発によって島の固有種クメジマボタルなどが絶滅の危機に瀕しているほか、今も続いている赤土の海への流入が、海に生息する生物と、その生息環境に悪影響をおよぼしており、将来的な生物多様性への影響もが懸念されています。

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地元の人たちと共に

2009年10月にスタートした、「久米島応援プロジェクト」は、WWFジャパンが、海洋生物学の専門家(海の自然史研究所)、赤土流出調査の専門家(国立環境研究所・沖縄県衛生環境研究所)、地域協議会運営の専門家(沖縄県環境科学センター・自然環境研究センター)と共にプロジェクトチームを編成し、2012年9月までの3年間、活動を展開してきました。

その過程で、プロジェクトは久米島町と活動協定を結び、赤土の流出の問題に対して、観測機器の設置とモニタリング、地形地質情報に基づく科学的な危険地点の抽出、河川や沿岸での影響調査などを実施してきました。

また地域への社会的活動としては、専門化メンバーによる一般向け連続講座や小学校での環境体験授業の開催、エコツアー団体と修学旅行生対象の環境プログラムの実施などすすめてきました。

これらの取り組みを通して、地元の団体による環境保全への新たな試みが始まっています。

たとえば「久米島の海を守る会」では、団体を一般社団法人として法人化し、その参加企業の売り上げの一部を民間の助成金とする制度を開始。農家の赤土流出防止対策活動に、地域内で保全資金を循環させるモデルを始めました。

また、プロジェクトがこれまでに、地元の方々の協力を得て環境調査を実施する中で発見した、国内最大級のサンゴ群落や新種のヌマエビの発見といった成果も、地元の環境や赤土問題に対する関心を高めつつあります。

プロジェクトとしての活動は、2012年9月で終了となりますが、赤土対策が進み、その流出が安全レベルまで低減するまでには、まだ月日を要します。そしてなによりも地元の団体を始め、農家や住民の皆さんの参加と協力が必要です。

WWFとともに、プロジェクトに参加していた専門機関は、今後も継続して、地域の活動を支援していきます。
南西諸島の他の地域に先駆けた、先進的な地域による保全事例として、この久米島モデルの取り組みは、まだ始まったばかりです。

  • ※この「久米島応援プロジェクト」は、三井物産環境基金による助成を受けて実施されました。

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