極東ロシア 関連情報まとめ(2008年~2010年)


※2023 年 6 月 26 日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。


  • 保護すべきロシアの森に、ハンマープライス!?(2009年3月13日)
  • 極東ロシアの森林使用権を獲得! 「ヒョウの森回復・保護プログラム」進展に期待
  • 写真展「アムールヒョウの森の里 極東ロシアの子どもたちが写した世界」実施報告(2008年9月25日)
  • ついに実現!アムールヒョウの森が広域の国立保護区に(2008年8月29日)
  • 極東ロシアと日本をつなぐ「Russia Near East」進行中!(2008年5月19日)
  • 追跡レポート『アムールヒョウ 14の命』 日本語版を発表(2008年3月19日)
  • ロシア沿海地方で、違法伐採対策のための緊急措置を!(2008年2月7日)

保護すべきロシアの森に、ハンマープライス!?(2009年3月13日)

国の法律を使って、地方政府が森の自然を危うくしている! 極東ロシアでは、森林の使用権の入札をめぐり、沿海地方政府の判断が問題視されています。WWFは、使用権が認められた森で今後、伐採などによる森林破壊が起きる可能性を指摘。地方政府に抗議しました。

一見合法なロシア森林の使用権

ロシアではほとんどの森林が国有林ですが、一定期間、樹木の伐採を含めた森林の使用を、民間企業などの組織に認める場合があります。これは、ロシアの法律により定められているルールで、認可は地方政府が行なっています。

ところが今回、ロシア極東の沿海地方政府が、400以上もの森林区画の使用権を、入札にかけたことが明らかになりました。
その対象となった区画には、絶滅が危惧されるトラのすみかや、減少が著しいチョウセンゴヨウ(ベニマツ)の生育している、貴重な森林環境が残る地域も含まれています。

トラはロシアの国の法律で保護の対象とされている動物であり、チョウセンゴヨウをはじめとする一部の貴重な樹種も、同様に「商業目的の伐採」が禁止されています。しかし、伐採の権利を含めた森林の使用権が、環境に配慮のない民間組織に移された場合は、その場所の森は、重大な危機にさらされることになります。
そして、その懸念は、実際現実のものとなりました。

問題あり!の落札者「沿海地方林産開発」

今回、森林区画の使用権を落札したのは、政府直轄の組織「沿海地方林産開発(Primorskii Forestry Enterprise)」でした。
入札と、使用権を認可すること自体はもちろん合法です。しかし、沿海地方林産開発に使用権を与えることについて、WWFはいくつかの問題点を表明しました。

一つは、この沿海地方林産開発が、2008年に別の森林区画の使用権を獲得した際、「衛生伐採」などの名目のもと、チョウセンゴヨウを伐採した事実があることです。「衛生伐採」とは、不健康な木や余計な枝を取り除くため、樹木の伐採を認める措置で、法的な保護下にあるチョウセンゴヨウなどについても、適用されることがあります。
ところが、「沿海地方林産開発」では、この名目をたてにして、本来保護すべき樹木の伐採を行なっていたのです。

WWFロシアは、今回獲得した区画でも、この「沿海地方林産開発」が同様の森林破壊を引き起こす疑いがあるとして、沿海地方政府に、森林使用権認可の撤回を求めました。

保護区と住民の暮らしにも影響

また同時に、沿海地方政府が示した入札対象の区画に、将来「ヒョウの森国立公園(仮称)」として保護されることになっている森林が含まれていたことも、大きな問題でした。
幸いなことに、ロシア中央政府の勧告により、この地域の使用権の認可は撤回されましたが、沿海地方政府がこれらの森林の景観保全を、十分に配慮していないことは明らかです。

さらに、地方政府が長い間、地域住民が使用権を求めてきた一部の森林を、その訴えを無視する形で、沿海地方林産開発に与えたことも問題といえます。
これは、木の実や薬用植物の採集など、住民による伝統的な森林の利用を、地方政府がないがしろにし、人と森の共存を妨げていることを物語っています。

ロシア北方およびシベリアの極東先住民連合の初代副代表パヴェル・スルヤンジャヤも、地方政府のやりかたには憤りを隠しません。
「クラスヌィ・ヤールの先住民集落では、住民は家を建てたり、薪にするために必要な木を、切ることもできずにいる。今回の入札の結果、チョウセンゴヨウの実を採集している区画では、使用権の落札者に森の伐採が許可されることになった。だが、ここは我々の土地だ。それなのに15年もの間、我々は天然資源の伝統的な使用のための区画の設置を許されずにいる。地方政府が我々先住民に対し、どのような考えをもっているか。この落札がよく示しているというものだ」。

地域の住民が、森林を保全する上で、最も重要な役割を果たしていると考えるWWFでは、この点からも地方政府当局に対し、使用権認可の撤回を求めています。

監視の目を放すな!海外の国々も責任を!

法を無視することを辞さないような組織に森林の利用を許可すれば、この地域の森林生態系の将来や、森に頼って生活してきた地元住民の生活が危うくなるのは確実です。
また、ロシアの地方政府が、森林管理に関する法律をみずから不適切な形で適用し、本来的な法律の目的を反故にするような事態は、許されるものではありません。

このことは、ロシアから直接的、間接的に、木材を輸入している日本にとっても、決して無関係な問題ではありません。
日本をはじめ、ロシアの木材を利用して経済活動を展開している木材輸入国が、正しい情報に基づいた判断を心がけ、ロシア極東地域の森林の現場から、目を放さず監視し続けていくことが必要とされています。


2009年2月25日 WWFロシア 記者発表資料

【関連情報】保護すべきロシアの森林に、ハンマープライスが!

【ロシア、ウラジオストク発】
シベリアトラのふるさとであり、地域に固有の樹種チョウセンゴヨウ(ベニマツ)の生育する森林の使用権を沿海地方政府が認可。法の目をかいくぐった違法伐採を懸念するWWFや地元住民の抗議が続いている。

ロシア南東部に位置する沿海地方の林業庁が先週、4つの野生動物保護区(うち一ヶ所は国立)と5つのチョウセンゴヨウの実の採集区画を含む、計400の森林 区画の使用権を、入札した組織「沿海地方林産開発(注:英語訳 Primorskii Forestry Enterprise)」に認可した。

入札は、明らかな理由もなく予告日の2日前に実施された。3つの地方管轄と、1つの国管轄の保護区に関する新たな規制を無視し、これら保護区の使用権も入札対象とされた。

対 象区画にはまた、地元住民が木の実や薬草、食用の植物の採集、また野生生物の生息数を適切に維持できるような狩猟をするための、2つのチョウセンゴヨウの 実の採集区画も含まれていた。この区画の使用権を求める住民の主張は、WWFおよびロシア天然資源省の支持を得ていたものだが、長期にわたるこの主張も無 視した結果になった。

「残念だが、法律の一部だけを根拠に、保護すべき森林区画での衛生伐採などを禁じることはできない。しかしこれまでも衛生伐採などの名目で、広範な森で違法伐採が横行してきた」WWFロシア、アムール支部森林プログラムリーダー、デニス・スミルノフは語る。

「クラスヌィ・ヤールの先住民集落では、住民は家を建てたり薪を集めるのに木を切ることもできずにいる。今回の入札の結果、チョウセンゴヨウの実の採集区画 で、使用権の落札者に伐採が許可されることになった。ここは我々の土地だ。しかし15年もの間我々は、天然資源の伝統的な使用のための区画の設置を許され ずにいる。地方政府が我々先住民に対し、どのような考えをもっているか、この落札がよく示しているというものだ」ロシア北方およびシベリア、極東先住民連 合の初代副代表パヴェル・スルヤンジャヤも指摘する。

対象となった区画には、チョルニ・スカリ野生動物保護区も含まれる。ここはロシアの レッドデータブックに記載されている、ヤギに似た小型の有蹄動物、ゴーラルのすみか。アムール地方のふるさとともいえるタヨーズナヤ保護区や、ビキン川流 域を含む5つのチョウセンゴヨウの実の採集区画も入札対象である。

2008年10月に設立されたばかりの、国立野生生物保護区「ヒョウの森」の使用権入札は、ロシア中央政府天然資源省ユーリ・ツルネフから沿海地方知事セルゲイ・ダルキンに下された要求により撤回された。

2008 年と同様、沿海地方の12の森林事業による森林の保護、維持管理、復元と衛生伐採などが今年、沿海地方林産開発との単一の契約で許可される。WWFロシア はこの組織および契約の業者が過去、衛生伐採などの名目で違法な伐採を実施してきたことを、当局に申し立てている。

「沿海地方林産開発に森林の使用権を認めたことで地方政府は、この組織が違法伐採を実施するのを黙認することになる。林業庁には、この不正直な森林の使用者を再度認可する何かよほどの理由があるのだろう(D.スミルノフ)」

WWFロシアは、沿海地方林産開発に森林の保護、管理、復元と衛生伐採などの許可を与える今回の林業省の決定を無効とするよう、法的機関に求めている。

「この認可で、沿海地方にまた新たな違法伐採が起こるだろう。野生生物のすみかを危機にさらし、先住民族の権利をないがしろにするものだ(D.スミルノフ)」

▼この記事の原文はこちら: WWFインターナショナルのサイト(英文)

http://www.panda.org/wwf_news/news/?157441/Outrage-as-protected-forests-go-under-the-hammer-in-Russia


極東ロシアの森林使用権を獲得! 「ヒョウの森回復・保護プログラム」進展に期待

豊かな生態系を支えてきた極東ロシアの森林。この森と、そこに生きるアムールヒョウなどの保護を目的とした、WWFロシア主導による「ヒョウの森回復・保護プログラム」は、国有林を管理し利用する権利を2008年10月に獲得しました。今後の活動の大きな進展が期待されます。

植生が変わってしまった極東ロシアの森

世界一の国土面積を持つロシアの極東地域には、針葉樹と広葉樹が混在する、世界でも屈指の生物多様性を誇る、豊かな森が広がっています。

しかし木材の入手や、入植者の居住地を作るため、伐採や火災にさらされ続けてきた結果、森は多くの地域で、本来の景観を損なってしまいました。木材として価値のあるマツのような樹木が集中して伐られたり、火災に強いナラのような木ばかり残ってしまうことで、それまで生育していたさまざまな種類の樹木が、その多様さを失ってしまったのです。

こうした森林は、まだ多くの木々が残っているため、一見したところ、豊かな森のように見えます。しかし、もともとあった多くの植物に頼って生きてきた野生動物にとっては、十分なすみかや食物を得られない、本来の機能が大きく損なわれてしまった、貧しい森に他なりません。

極東ロシアの一部にしか生息していないヒョウの亜種で、絶滅寸前のアムールヒョウをはじめ、多くの野生動物の存続が今、危機にさらられています。

森の豊かさを取り戻せ!「ヒョウの森回復・保護プログラム」

この状況を改善するため、ロシア極東地方では、WWFロシアが中心となり、2005年に「ヒョウの森 回復・保護プログラム」を開始しました。以後、森林やその生態系の科学的な調査を実施し、密猟や森林火災を減らすための、さまざまな活動を展開。WWFジャパンもプログラムの開始当初から、防火林の設置などを支援してきました。

現在、このプログラムが保全活動の対象としている区域には、合計すると約1,882平方キロにおよぶ森林保護区があります。しかし、その全域に保護・管理が行き届いているわけではありません。比較的管理が行き届いており、今後の保護管理の見通しが明るいのは、最近保護区の統一が決まった、ケドロバヤ・パジ国立保護区のみですが、その面積は今のところわずか180平方キロに過ぎません。

WWFロシア・アムール支部の森林プログラム責任者、デニス・スミルノフは言います「現在限られた面積の森林しか保護区に指定されていないことを考えると、保護区を維持するだけでは、十分にヒョウを保護できません。ですから、保護区以外の森林でも、保護活動を実施する必要があったのです」。

そのための一歩としてプログラムでは、保護区以外の森林の「使用権」の獲得を目指してきました。

この「使用権」は、ロシア政府が認可しているもので、法的に保護されていない森を、さまざまな用途で使用する場合に、取得が義務付けられているものです。通常は、伐採や開発などのために取得される権利ですが、これを手に入れれば、逆に使用が認められた森を、長期的に保全することも可能になります。

森林の「使用権」をついに取得!

そして、2008年10月、この動きに大きな進展がありました。「ヒョウの森回復・保護プログラム」に協力している地域の協同組合組織、ネルピンスキー が、国立自然保護区に隣接する国有林4ヶ所の「使用権」を購入。合計の広さ約453平方キロ(東京都23区の約7割に相当)のこの森林で、プログラムの実 施が実現することになったのです。

WWFはここでの基本的な取り組みとして、森林火災の防止と、少なくなってしまっ た針葉樹の回復を提案しています。森林を回復させるためには、新たに針葉樹を植えるだけでなく、今も森の中に残っているチョウセンゴヨウやツガ、チョウセンモミといった針葉樹を手入れすることで、これらの木々の若木を少しずつ増やしていくことが大切です。

現在は多くの場所で、森の大半を火災や乾燥に強いモンゴリナラが占めていますが、このような針葉樹の「小さな島」が大きくなってゆけば、ナラの森も元のような多様な木々が生育する豊かな森に、回復してゆくでしょう。

すみかを失い、数を減らしてきたアムールヒョウの保護活動においても、これは将来的な展望を期待できる取り組みといえます。 

地域の経済と森林回復の両立をめざす

今回、森林の使用権を認められたネルピンスキー協同組合では、WWFの提案などを取り入れながら、プログラムの実施を目指してゆくことにしています。

とりわけ、植生回復のための計画は、50年という長期にわたるもので、数十年あるいは数百年後の未来にも、極東ロシアの森という、大きな財産を引き継いでいく、大きな一歩となることが期待されます。

ネルピンスキー協同組合のゲオルギー・ディミトリエフ理事長は、この取り組みについて、次のように言っています。

「WWFは2年間分の使用権料を負担する約束をしてくれました。しかし、私たちの目指すところは、寄付に頼って森林回復を実施するのではなく、地域が経済的にも自立できる取り組みを実現することです」。

実際、地域の環境保全を行なうためには、住民の理解や、地域経済と両立した取り組みが欠かせません。ディミトリエフ理事長はこのために、「今回使用権を得 た森林で、チョウセンゴヨウなどを保護しながら、間伐したモンゴリナラを使った木材製品を販売し、プロジェクトと使用権の維持を図りたい」としています。

50年間におよぶこの取り組みが完遂すれば、アムールヒョウの生息域で見られる、針葉樹と広葉樹の混交林は、現在の1.3倍に増加すると予測されています。

森に生きるさまざまな野生生物、とりわけ、わずか30頭あまりにまで減少してしまったアムールヒョウを守り、森の自然を回復させることは、容易なことではありません。
しかし、「ヒョウの森回復・保護プログラム」では、厳しい状況の中で、現実的かつ長期的な視野に立った取り組みを、今も着実に継続しています。

この現地での活動に対し、WWFジャパンも継続的に支援を行なってきました。これまでのご支援にご参加いただいた方々にお礼を申し上げると共に、WWFジャパンでは今後も、プログラムの進展をお知らせしてゆきます。


2008年10月22日 記者発表資料

ロシア史上初!WWFロシアのプロジェクト協力組織、沿海地方南西部の森林使用権を取得 アムールヒョウの全生息域の、10%をカバー

【ロシア、ウラジオストク発】沿海地方政府林業局は本日、同地 方南西部の合計45,300ヘクタールの森林の使用権を、協同組合組織「ネルピンスキー」に与えた。使用権の有効期間は25年間であり、権利を取得した区 域でネルピンスキーは、WWFの専門家チームが練り上げたプロジェクトを実施していく。この地域に生息し、地球上最も絶滅の危惧されているネコ科動物であ るアムールヒョウのすみかの森林の生態系を回復し、地力を強めることが、プロジェクトの主な目的。

現在、沿海地方南西部に生息する野生のア ムールヒョウはわずか30頭前後で、存続が危ぶまれている。生息域の面積は、数百年前と比べ、実に30分の1にまで減少した。森林伐採とたび重なる火災と で、ヒョウのすみかである針葉樹と広葉樹の混交林が破壊されたのが大きな原因。20世紀中頃との比較だけでも、沿海地方南西部の生息域は、半分にまで面積 を減らした。高速道路や鉄道、そしてパイプラインなどの敷設が、残されたすみかをさらに脅かしている。

「現在限られた面積の森林しか保護区 に指定されていないことを考慮すると、保護区だけの維持では、ヒョウ保護にはまったく不充分。保護区以外の森林でも、保護活動を実施する必要があります。 そうした森林の大部分が現在、豊かとはいえないナラの森ですが、それでもアムールヒョウのふるさとであることに変わりはありません。この森が本来の姿に回 復する可能性も大きいのです」WWFロシア、アムール支部の森林プログラム責任者、デニス・スミルノフは述べた。

ヒョウの森回復のため WWFは、森林火災の防止と、現存する生育の悪い針葉樹の手入れや新たな植林により針葉樹の回復を同時に進めることを、プロジェクトの基本的な活動として 提案している。この「小さな島」より撒かれるチョウセンゴヨウやツガ、チョウセンモミの種子はやがて、隣接のナラ林の多様性をも回復する。

「森 林の回復には時間がかかりますし、責任を持った、真の意味での森の「所有者」も欠かせません。現在の国の制度下では、森林を長期に渡り使用する権利を持つ 組織でなければ、無理なことです。WWFはそうした所有者を長年探し求めてきたのですが、ようやく探し当てました(D.スミルノフ)」

ネルピンスキーの理事長、ゲオルギー・ディミトリエフ氏によれば、プロジェクトの成否は「所有者」の経済的便益の有無に左右される。
「WWFは2年間の使用権料を負担する約束をしてくれました。しかし、森林回復が寄付行為に依存して実施されるのではなく、経済的にも見合うものにしてい くことが、このプロジェクトの目指すところです。我々は、チョウセンゴヨウの立木を手入れし、その過程で伐採されるナラなどの低品質の木を加工して製品化 することで、これを達成していく考えです(G.ディミトリエフ)」

プロジェクトは50年間続く。活動が成功の暁には、ヒョウのすみかにおける針広混交林は現在の1.3倍に増加する。

この記事の詳細については、以下に問い合わされたい
デニス・スミルノフ WWFロシア、アムール支部の森林プログラム責任者
DSmirnov@wwfrfe.ru

▼この資料のオリジナルはこちら

Forest conservation concession ever first in Russia!

10% of forest area in leopard habitat in the southwestern Primorye has been leased by a partner of WWF-Russia for implementation of Far Eastern leopard habitat conservation project.

Forest Department of Primorskii Province has leased out a forest area in total 45,3 thousand hectares in the south-west of Primorye (Khasanskii district, Artemovskoye forestry division) to the cooperative enterprise "Nerpinskoye cooperative society" ("Nerpinskii rybcoop") for the period of 25 years. On the leased territory "Nerpinskii rybkoop" will implement a project elaborated by WWF experts. The main objective of the project is raising biodiversity and ecological resistance of the forest in the habitat of the rarest cat of the planet - the Far Eastern leopard.

At present, the leopard population in the southwestern Primorye is in critical situation with only 30 individuals left in the wild. Over the past hundred years, the home range of the Far Eastern leopard has reduced by more than 30 times, and one of the reason is degradation of the most valuable leopard habitat - mixed coniferous and broadleaved forests - as a result of devastating logging activities and forest fires. Only since the middle of XX century its area in the south-west of Primorye has reduced by more than twice! The realization of projects on highway, railroad and pipeline construction in the Land of Leopard enhances the risk of degradation of the last forest habitat.

"Considering the restricted area of leopard home range it's not enough to preserve the forest only within protected areas for its conservation," - comments Denis Smirnov, the head of Forest Program of WWF-Russia, Amur branch, - "Active measures should be undertaken to protect forests beyond PAs as well. In spite of the fact that most of them are low productive oak forests they are still home for leopard and have a considerable potential for restoration."

The problem solution of forest restoration in the Land of Leopard suggested by the project is based on the combination of fire prevention measures and careful tending of forest stands with remained natural undergrowth or plantations of coniferous tree species. Distribution of the seeds from these "small islands" will provide restoration of Korean pine, spruce and Manchzhurian fir in the adjacent oak forests.

"Forest restoration takes years of solid efforts and existence of a real owner", - notes Denis Smirnov. "At present in Russia only a lease holder with long term rights on forest use could be such an owner. We have been looking for a reliable partner for project realization for several years, and we are glad to find it finally."

According to Georgii Dmitriev, the chairman of board of directors of "Nerpinskii rybcoop", one of the important conditions of project success is its economic advantages for the holder.

"WWF gave commitment to pay the rent for this concession for two years . But one of the project goals is to make the activity on forest restoration profitable and not entirely dependent on charitable donations, - Georgii Dmitriev says. "We plan to achieve it by means of complex processing of low quality wood from tending cutting in Korean pine stands".

The project term on forest restoration in leopard habitat is expected to be 50 years. In case of its successful realization, by the middle of the century the area of coniferous and broadleaved forests in the Land of Leopard will increase by one third.


写真展「アムールヒョウの森の里 極東ロシアの子どもたちが写した世界」実施報告(2008年9月25日)

WWFジャパンは2008年8月、ワンダーアイズプロジェクトと共同で、極東ロシアの森や地域の暮らしを紹介する写真展を実施しました。これは、現地の町にすむ子どもたちが撮影した写真と、この地に生息する希少な野生動物アムールヒョウの写真などを展示したものです。来場者の方からは、極東の自然や子どもたちの表情に親しみがわいたなど、多くの感想が寄せられました。

近くて遠い極東ロシアの風景を紹介

日本は、北米や東南アジアをはじめ、さまざまな国から大量の木材を輸入しています。とりわけ、ロシア極東地域では、木材を入手する際に深刻な森林破壊が起こっているといわれ、木材の消費国である日本を含めた、緊急の対策が必要とされています。

しかし、現地の森林破壊に日本が深く関係しているにも関わらず、ロシア極東地域の自然や文化などについて、日本ではほとんど知られていません。

そこで、WWFジャパンは2008年8月から9月にかけて、さまざまな国や地域の子どもたちと写真を通じた交流プログラムを実施している民間団体「ワンダーアイズプロジェクト」と協力し、「Russia Near East」と題した写真展を東京の2つの会場で実施しました。

この写真展は、ロシア極東地域の子どもたちが撮影した写真を通し、身近な自然やくらしを日本に紹介するものです。

A会場

日時:2008年8月2日(土) ~ 31日(日)
場所:ギャラリーウオーク・汐留メディアタワー
共同通信本社ビル 3階 港区東新橋1-7-1

B会場

日時:2008年8月29日(金) ~ 9月8日(月)
場所:コニカミノルタプラザ
新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル

A会場では約20点、B会場では約100点の子供たちの写真を紹介したほか、野生での生息数わずか30頭前後といわれるアムールヒョウの貴重な写真や、ロシア極東地域を紹介するパネルも同時に展示しました。

トークショーも実施

また、2つの会場では、内容を変えた展示も行ないました。
B会場のコニカミノルタプラザでは8月29日に、オープニングイベントとして、絵本作家あべ弘士氏のトークショーを実施。あべ氏は、今や日本で最多の入園者数を数える動物園、北海道旭山動物園の飼育担当を勤め、現在は絵本作家として活躍しています。

 当日はあいにくの悪天候に見舞われましたが、客席はほぼ満席。普段は静かな写真ギャラリーはなごやかな雰囲気で包まれました。
写真プログラムを実施したワンダーアイズプロジェクト代表の永武ひかる氏が挨拶された後、WWFジャパンのスタッフが、あべ弘士氏をご紹介。さっそくトークショーが始まりました。

 トークの主題は、飼育係として動物に身近に接しておられた旭山動物園での実体験や、ロシア極東地方を流れる全長約600kmの大河、ビキン川流域の森林地帯を旅し、現地の人と寝食を共にした思い出です。ユーモアを交えたあべ氏の楽しい語り口に、笑い声の絶えないイベントになりました。

 そして、予定時間を大幅に上回ったトークショーの後には著書のサイン会。イベントは盛会のうちに幕を閉じました。
写真展への来場者の方々からは、極東地域に親しみがわいた、子どもたちの表情がすばらしかったなど、多くの感想をいただきました。

 実感するのが難しい、国外で起きている環境問題や、その保全活動。これらの問題や、取り組む人たちのことを知るためには、現地のことをまず身近に感じ、理解することが、大切な一歩となります。WWFは今後、この写真展を各地で巡回し、より多くの方に、ロシア極東地域のことを知っていただきたいと考えています。

関連サイト

ワンダーアイズプロジェクト公式ホームページ
http://www.wondereyes.org


ついに実現!アムールヒョウの森が広域の国立保護区に(2008年8月29日)

極東ロシア沿海地方にすむアムールヒョウは、生息地の森林破壊や密猟により、現在絶滅寸前の危機にあります。しかも、最も重要な生息地の森でも、保護区はいくつか分かれており、十分には守られてきませんでした。その中で2008年8月、ロシアの自然資源省はWWFとの会合を開き、これらの保護区を同省の統一した管轄下に置き、アムールヒョウ保護を推進する姿勢を明らかにしました。

辺境の地を見舞う自然破壊

日本にも程近い極東ロシアには、針葉樹と広葉樹が混在する、世界でも有数の豊かな森が広がっています。

しかし、この地域の生活水準は高いとはいえず、木材の違法な伐採や野生生物の密猟が、長く生活の糧とされてきました。中国や朝鮮とも国境を接するため、密輸も多発。モスクワから遠く離れ、予算も不足しがちな地域の行政は、十分な取り締まりができていません。

 さらに、新たな入植者が住むための土地や道路建設などのため、自然林の伐採も続けられており、ここにすむ多くの野生生物の生存も脅かされています。

 この森を代表する動物の一つが、ロシア極東地域にだけ生息するアムールヒョウです。現在の野生の個体数は、30頭あまり。まさに絶滅寸前の危機にあります。
 

アムールヒョウ最後の砦

 アムールヒョウにとって、最も重要な生息場所は、ケドロバヤ・パジ国立自然保護区。ここは、1916年に設立された、ロシアでも古い歴史を誇る自然保護区で、管理の行き届いた数少ない森林の一つに数えられています。

 さらに、この国立公園の周辺には、ケドロバヤ・パジに隣接する形で、2つの野生生物保護区、バルゾビーとボリゾヴスキー高原とがあります。これらを合わせると、面積が18万8,200ヘクタール(東京23区の約3倍)にのぼる、世界でも屈指の多様性に富んだ森林保護区のネットワークが出来上がることになります。

 アムールヒョウのような大型の肉食獣にとって、生息域がまとまった広さの保護区として保全されることは、非常に重要なことです。食物である草食獣が十分に生息できる上、遠い場所にいる別のヒョウとも交流が持てるため、近親交配の問題を回避できるからです。

保護区が守られない? 一貫しない管理体制

 ところが、この3つの保護区には、大きな問題がありました。
各保護区の管轄が、それぞれ異なっているのです。ケドロバヤ・パジは現在ロシア科学アカデミーの管轄、同じくバルゾビーはロシア中央政府の農業省、そしてボリゾヴスキー高原は沿海地方政府の管轄です。
それぞれの保護区で、意思決定の責任者やルールが違うことが、何年にもわたり、アムールヒョウの調査や保護活動をきわめて非効率なものにしてきたのです。

 予算の問題もありました。とりわけ地方政府は予算が限られていることから、その管轄下にある保護区は、十分に管理が行き渡っておらず、違法な伐採なども取り締まれていませんでした。

 結果的に、3つの保護区の中で、生態系が保護されているといえるのは、面積1万8,000ヘクタールのケドロバヤ・パジ自然保護区のみ。3つの保護区の合計面積の、10分の1ほどに過ぎません。
このことは同時に、確実に保護されているアムールヒョウのすみかが、1万8,000ヘクタールしかない、という現実をも物語っています。

保護区統一へ!5年越しの悲願が実現

 この現状に対し、WWFロシアをはじめとするロシア国内外の環境保護団体や学術組織は、3つの保護区を国レベルで統一的に管轄するよう、繰り返し要求し続けてきました。

 3つを併せた大規模な保護区を制定し、調査の方法や保全の手立て、必要な手続きを一つにそろえ、ロシア政府が十分な予算を充てなければ、アムールヒョウの未来を保証することは、きわめて困難になるためです。

 この長年の働きかけが、ついに実を結んだのは、2008年8月14日のことでした。
セルゲイ・イワノフ副首相が、ロシア自然資源省とWWFの代表による会議を召集。その席上で、ケドロバヤ・パジとバルゾビー、そしてボリゾヴスキー高原の3保護区を、国レベルの保護区として統一し、自然資源省の管轄下に置く、とする合意が示されたのです。

 正式な声明発表はまだ行なわれておらず、一連の事務的な手続きには、まだ若干の時間を要しますが、これが実現すれば、推定されているアムールヒョウの全生息域のうち、ほぼ4割が、保護区によってカバーされることになります。
 

より広域の保護区設立を目指して

ロシア各地では現在、外貨獲得に向けて開発事業がますます拡大しています。環境保護という視点に立つと、解決すべき問題も数多くありますが、それでも活動の現場では、多くの人々の努力が、一つ一つ確かに結実しています。

また、どのような問題が起きているのかを知らせたり、現地のさまざまな活動を紹介し、支援を呼びかけるイベントなどの取り組みも、日本をはじめとするロシアの国内外で展開されています。

今回の合意を受けて、WWFロシア代表、イゴール・チェスティンは次のように語りました。
「会議での合意は、WWFが長年待ち望んでいた決定です。WWFは、この新たに一本化された保護区への支援に努力を惜しみません。WWFが保護区内に設立した『ヒョウの森』ビジターセンターも、活用していただきたいと考えています」。

このビジターセンターの設立については、WWFジャパンが日本で募り、ロシアへ送った支援金も役立てられました。極東ロシアの森と、そこに生きるアムールヒョウを守るため、たくさんの個人の方や企業がお寄せくださったご支援は、現地の森での活動を支え、今回のような歴史的な合意を勝ち得る結果を導きました。

WWFでは将来、極東地域により広大な森林保護区の設立を目指してゆきたいと考えています。また、日本をはじめ、世界の多くの人たちに、ロシア極東の自然の大切さにより強く関心を持っていただき、これからの活動を支えていただけるよう、情報発信にも取り組んでゆきます。


記者発表資料 2008年8月29日(仮約)

アムールヒョウの未来に大きな希望の灯 保護区の管轄を一本化、5年越しの交渉実る

【ロシア・モスクワ発】セルゲイ・イワノフ副首相は本日 (8月14日)、ロシア連邦天然資源省とWWFとの会合を召集した。野生での生息数わずか30頭といわれるアムールヒョウ保護を主要な議題とする会合の結 果、保護区の管轄を統一することが合意され、長年にわたるWWFの悲願が実現された。

天然資源省は、現在ロシア科学アカデミーの管轄にある保護区「ケドロバヤ・パジ」と、隣接する2つの野生生物保護区(ザカズニク)「バルゾビー」および「ボリゾヴスキー高原」を同省の管理下に置くことを提 案し、ロシア連邦セルゲイ・イワノヴ副首相はこの提案を支持した。ケドロバヤ・パジ自然保護区は、ロシア(当時ソビエト連邦)が設立した、最も古い国立保 護区。

「アムールヒョウのすみかである3つの保護区の管轄者がそれぞれ異なっているため、ヒョウ保護のための一貫した活動を実施するのに 色々な障害がありました。現在、「ケドロバヤ・パジ」はロシア科学アカデミー、「バルゾビー」は農業省、そして「ボリゾヴスキー高原」は沿海地方政府の管 轄にあります」WWFロシア代表、イゴール・チェスティンは語る。さらに現在の法制下では、レッドデータブックに記載されている生物種を保護する責任は、 これら組織のいずれにもない。

会合では、管轄の一本化される保護区内の野生生物保護と密猟取り締まりの活動についても話し合われた。調査 研究の主導は、引き続きロシア科学アカデミーに委ねられる。保護区に関する正式な声明発表など、一連の手続きには若干の時間を要するが、3つの保護区を合 わせ、天然資源省が統一して管轄する保護区を設置することで、基本的な合意を得た。
 「これはWWFが長年待ち望んでいた決定。WWFは、この新たに一本化された保護区のサポートに協力を惜しみません。WWFの設立した『ヒョウの森』ビジターセンターも自由に使っていただきたいと考えています(チェスティン氏)」

保護区設立と同時に、アムールヒョウの存続がきわめて厳しいことや、絶滅を回避するためのプロジェクト実施についても検討された。ロシア科学アカデミーの代表者は、ヒョウのすみかを横切るハサン-ラズドリノイエ・ハイウェイでのトンネル建設を議題に挙げた。

イゴール・チェスティン氏も、北朝鮮方面まで敷設予定のガスパイプラインの問題に言及し、セルゲイ・イワノヴ副首相はどちらの事業もアムールヒョウの存続 を脅かすものと認めた。いずれもまだ正式には認可されていない工事であり、ヒョウ保護の障害とならないような変更がまだ可能である。

このリリースのオリジナルはこちら


14 August 2008  WWFロシアによる記者発表資料

A unified protected area will be established in the Russian Far East for the last 30 Far Eastern leopards.

Today, the meeting has been conduced with Sergei Ivanov, vice-premier minister of RF, the Ministry of Natural Resources and Ecology, and WWF. It was devoted to the conservation of last 30 leopards. Finally, the agreement was reached to establish a single protected area for leopard in the Far East. WWF had been trying to achieve this goal for a long time.

The Ministry of Natural Resources submitted proposals to shift the oldest nature reserve in Russia "Kedrovaya Pad", which is now under the supervision of Russian Academy of Science and two adjacent wildlife refuges (zakazniks)- Barsovy and Borisovskoye Plateau under its supervision. Sergei Ivanov, vice-premier of Russian Federation, supported this proposal.

"Decentralized management of the protected areas in the leopard habitat made it impossible to implement a unified program for leopard restoration over many years, - says Igor Chestin, director of WWF Russia. "Kedrovaya Pad" nature reserve belongs to the Academy of Science, Barsovii zakaznik to the Ministry of Agriculture, and Borisovskoye Plateau zakaznik to PrimorskiiProvince administration. Moreover, under the present legislation, none of these agencies is responsible for Red Data Book species protection".

The protection and anti-poaching work issues of the unified PA were also discussed, simultaneously leaving the leading role in research studies to the Academy of Science.

Though it'll take some time to prepare the statement and proceedings of the meeting, the principal agreement is reached to establish a unified protected area under the supervision of the Ministry of Natural Resources of Russian Federation.

"WWF had been waiting for this decision for a long time", says Igor Chestin, - "In particular, we declared about our readiness to support the newly established structure and to pass "Land of Leopard" visitor center into its disposal.

Apart from the establishment of a unified protected area, the threats to the leopard population and implementing projects were also discussed at the meeting. Representatives of the RussianAcademy of Science with WWF support raised the issue of tunnels construction during reconstruction of Khasan-Razdolnoye highway, which cuts the leopard habitat.

Igor Chestin informed the participants of the meeting about gas pipe line project in the direction to the North Korea. Sergei Ivanov responded, that projects by no means should threaten leopard population. Since neither road reconstruction nor gas pipe projects are approved, there is still a possibility to make changes for leopard conservation.


極東ロシアと日本をつなぐ「Russia Near East」進行中!(2008年5月19日)

日本海をはさんだ隣国ロシアの沿海地方。貿易など経済活動の点からも、日本との関わりが深い地域です。沿海地方の自然環境や人々のくらしを広く知ってもらうため、現在WWFが取り組んでいる新しい交流企画「Russia Near East」が、2008年4月、ロシアの中学校で実施されました。

次世代の交流を願い、交換写真撮影会を実施

ソ連邦崩壊後の政治的な混乱と、近年の急激な経済発展に伴い、極東ロシアの自然は現在、深刻な危機に直面しています。
目下、森林の保全や行政についてのさまざまな法制度が整えられ、貴重な環境を保全する方向に向かいつつあるものの、実際に現場の森を守っていくための取り締まりはまだ不十分で、新たな法律の実施に向けた課題が山積しているのが現状です。

とりわけ極東地域のように、中央政府から離れている地方では、人員や資金の確保が難しいことから、現場での活動はさらに困難をきわめています。

このような地域の取り組みを助ける一つの方法は、経済や文化などさまざまな交流をもつ、他の国々が、ロシアの自然の価値とその問題を認識し、中央政府に真剣な取り組みを促すような動きを作っていくことです。

ロシア沿海地方から多くの木材を輸入している日本にも、そうした役割と、現地の森林を守る責任を果たすことが期待されています。ところが日本国内では、この地域の自然や問題についての報道は日常的にきわめて少なく、一般的にもほとんど認識されていません。

2007年12月に、非営利団体のワンダーアイズプロジェクトとWWFジャパンが立ち上げた「Russia Near East」は、日本の人たちに極東ロシアのことをもっと身近に感じ、そこにすむ人々や自然のことを知ってもらうことを目的とした交流プログラムです。

その第一弾として、次世代を担う日露のこどもたちに、身近な自然やくらしを写真に撮ってもらい、ポストカードにして交換する取り組みがスタートしました。

第二弾のプログラムは、ロシアのこどもたちが主役!

「Russia Near East」プログラム最初の活動は、2007年12月10日、新潟県佐渡島の佐渡市立羽茂(はもち)小学校での写真撮影会でした。この時の撮影会には、37名の5、6年生が参加。身近な町や自然を写した1,000枚を上回る作品が集まりました。

これに引き続き、2008年4月7~11日、ロシアの学校で同様のプログラムが実施されました。

呼びかけに応じて参加してくれたのは、極東地域の町バラバシュにある、バラバシュ公立第二中学校です。
全校生徒約240名のうち、34名がデジタルカメラで、100名が使いきりフィルムカメラでの撮影会に参加してくれました。デジタルカメラの撮影は午後の授業時間を使って、使いきりカメラによる撮影は、生徒が自宅に持ち帰り、数日をかけて身の回りを自由に撮ってきてくれました。

この撮影会で使用されたデジタルカメラとプリンタ機材はキヤノン株式会社の、使いきりフィルムの購入とフィルムの現像・印刷はコニカミノルタビジネスエキスパート株式会社のご提供によるものです。

地域の取り組みの大切さ

バラバシュは、札幌市とほぼ同じ緯度にある村。新緑が本格的に芽吹くまでは、残念ながらあと数週間という時期でした。それでも撮影会に参加した生徒は、小さな木の芽や冬眠から目覚めたカエルなど、色々な物を見つけてきました。自宅や農園を撮った写真もあり、村人のくらしの一面を、垣間見ることができます。

バラバシュは極東地域の小さな集落ですが、このような場所で、今回のような取り組みが行なわれることには、地域の自然を守っていく上で、大きな意味があります。

たとえ絶滅寸前の野生動物がすむ、世界的に貴重な自然環境であっても、それを保全するためには、その地域の人々の理解や参加が欠かせないからです。実際、国際的な自然保護プロジェクトが、小さなコミュニティの人たちに支えられている例は、珍しいことではありません。

バラバシュに住む皆さんは、現在の生息数がわずか数十頭といわれているアムールヒョウや、同じく絶滅寸前の危機にあるシベリアトラ(アムールトラ)が、貴重な野生生物だということ、また、違法伐採によって減少している、極東地域の森を代表する針葉樹チョウセンゴヨウが保護されていることについても、よく知っています。

日本と比べて生活水準が必ずしも高いといえない暮らしの中で、野生生物のすぐ近くで生活を営む人々に、地域の環境保全への理解をより深めてもらうことは、世界を代表する森林の一つである極東ロシアの森を未来に引き継いでゆく上で、大きな力になるでしょう。

第三弾は、日本での写真展!

今回行なわれた写真撮影会で、バラバシュの子どもたちが撮影してくれたたくさんの写真は、今後日本で写真展として公開されることになっています。子どもたちの写真に加え、WWFが提供する映像や画像なども、同時に展示する予定で、極東地域のことを、日本の人たちに広く知ってもらうことをめざしています。

「Russia Near East」ではこれからも、アムールヒョウの森の守り手でもあるバラバシュの人々を少しでも励まし、そうした地域にすむことを誇りに思ってくれるように、またその取り組みを支えるため、日本での情報発信に取り組んでゆきます。

*写真展の企画については、今後このウェブサイト上でお知らせする予定です。

 

関連サイト

ワンダーアイズプロジェクト

「Russia Near East」の一連の企画は、「ワンダーアイズプロジェクト」とWWFジャパンの共同主催で実施されます。ワンダーアイズプロジェクトの詳細は、以下の公式ホームページをご覧ください。

http://www.wondereyes.org


追跡レポート『アムールヒョウ 14の命』 日本語版を発表(2008年3月19日)

ロシア極東地域の森林をすみかとする、アムールヒョウ。その野生での生息数は、わずか40頭足らずといわれています。このヒョウの保護調査に取り組むWWFロシアでは2007年、2年ぶりとなる調査報告を発表。これまで調査してきた14頭のヒョウの行動を追った、その結果を明らかにしました。WWFジャパンでは、その日本語訳を作成しました。

14頭のヒョウの足跡を追って

中国や朝鮮と国境を接するロシアの極東地域には、針葉樹と広葉樹が混在する豊かな森が広がっています。熱帯雨林にも劣らないほどの高い多様性を誇るこの森で、生態系の頂点に立つのが、アムールヒョウとシベリアトラ(アムールトラ)です。
しかし、この2種の大型肉食獣は、いずれも絶滅の危機に瀕しています。とりわけ、アムールヒョウは数が少なく、野生での生息数は推定でわずか30~40頭にすぎません。

アムールヒョウの調査は、1960年代から行なわれてきましたが、その重要性が認知され、本格的に調査が開始されたのは、1990年代以降でした。
同じ頃、ロシアでの活動を本格化させ始めたWWFも、地元の環境保護団体や研究機関と協力して、アムールヒョウの調査を実施。ウラジオストックの西に位置する、広さ1万7900ヘクタールのケドロバヤ・パジ自然保護区を中心に、1993年から無線付きの首輪を何頭かのヒョウに装着して、その行動を追跡する新しい調査を開始しました。

2002年からは森に自動カメラを設置しての行動圏調査を開始、さらに2003年、2005年、2007年には、雪上に残った足跡から、生存するアムールヒョウの最新の個体数を推定したほか、1993年からの調査結果とも併せて、複数のアムールヒョウのなわばりを推定しました。

2007年にWWFロシアが発表したレポート『アムールヒョウ 14の命』は、この一連の調査によって、個体を識別した14頭のアムールヒョウの行動範囲の面積や、その重なり具合を推定しまとめたものです。アムールヒョウの行動やなわばりについて、こうした個体別の調査結果が報告書として出版されたのは、初めてのことです。

生存が確実な個体は、ごくわずか

それでも、この報告では、必ずしも明るい結果が示されたわけではありません。
報告がまとめられた14頭はいずれも、これまでの調査で確認されてきた個体でしたが、2007年の時点で生存が確実と思われる個体は、わずか9頭に過ぎず、さらにメスはそのうちのわずか2頭に過ぎないことが確認されたのです。

野生のアムールヒョウの場合、オスが複数のメスのなわばりを行き来するのが通常ですが、今回の調査では、オスとメスの頭数のバランスがおかしくなっていることから、正常な繁殖が危ぶまれていることが明らかになりました。

一方で、調査を行なってきた14頭以外に、アムールヒョウが生息していることも確認されました。2005年は5頭、2006年には4頭の、別のヒョウが、それぞれ一度だけ、自動カメラで撮影されていたのです。これらの個体は、まだ定着したなわばりを持っていないものと思われ、再度姿を現わす可能性も考えられます。調査チームは今後も引き続き、調査を継続していくこvとにしています。

ヒョウの危機は森の危機

アムールヒョウやシベリアトラは、森の豊かさの象徴です。これらの大型肉食動物が生きるためには、その獲物となる草食獣が森に数多くおり、その草食獣を支える多様な植生が必要とされるからです。

アムールヒョウの危機はいわば、そのすみかである森林の現状を写す鏡といってもいいでしょう。
事実、アムールヒョウがここまで減少した背景には、人為的な森への火入れや違法伐採、エネルギー開発などによる、森林の急激な消失・分断があります。これらのさまざまな開発や森林伐採が引き起こす環境破壊には、ロシア産の木材の輸入国である日本をはじめ、諸外国にも責任の一端があるのです。

貴重な景観を保全しながら、持続可能な形で資源を利用してゆく取り組みが、今ほど必要とされている時はありません。
WWFジャパンは、調査を支援するとともに、レポート『アムールヒョウ 14の命』の日本語版を作成。ロシア極東地域の自然破壊とアムールヒョウの現状について理解し、それを守ることの意味を考えてもらうため、広く一般への発信をめざしています。

レポート『アムールヒョウ 14の命』


ロシア沿海地方で、違法伐採対策のための緊急措置を!(2008年2月7日)

世界最大の森林大国ロシアでは現在、違法な伐採が多発。その規模も拡大しています。また、これを取り締まる制度が十分に整っておらず、現場の人員も不足していることから、この冬、沿海地方では違法伐採に対する緊急措置の導入が提議されました。WWFロシアの極東支部では、この措置の一つとして、一部の伐採許可の発行停止などを求めています。

進まない現場での取り締まり

ロシアでは、2007年から、森林行政の基本法にあたる「森林法典」をはじめ、森林の管理に関する各種の法律が改正されてきています。しかし、この数々の法律の改正、移行は、現場に混乱を生み、ロシア各地で違法伐採を増やす一因にもなっていると見られています。
また、法律の文面を整えるだけでは森林は保全できません。森林の現場での取り締まり活動が、確実に実施されなければ、違法伐採を実際に減らすことはできないのです。

日本に最も近い、極東の沿海地方でも、違法伐採の問題が深刻になっています。およそ1100万ha、北海道の面積の約1.4倍に相当する森林面積を有する沿海地方では、当然その規模に応じた、違法伐採や野生動物の密猟取り締まり、火災防止のパトロールなどが行なわれる必要があります。

しかし、計画では、2008年2、3月以降になってから林業庁が監督部署を開設することになっており、そこに投入される人員も、わずか25人しか見込まれていません。
実際に起きている違法伐採の規模を考えた時、この体制で、現場の取り締りが十分にできないことは明らかです。

「林業庁のデータでは、違法伐採は立ち入り調査5 件に1 件の割合ですが、WWF と公的機関である経済犯罪対策部、動植物の検疫担当部署が共同で実施した立ち入り検査では、毎日のように違法伐採が確認され、機械が差し押さえられました」
WWF ロシア・アムール支部の森林プログラムを担当する、デニス・スミルノフは、独自の調査結果と、州の林業庁による2007年の取り締まり実績とを比較し、厳しい現実を指摘します。

「林業庁の報告では、違法伐採による木材が、2万1000立方メートル押収されたことになっていますが、この数字は、経済犯罪対策部が推定した100 万立方メートルという違法材の量の、わずか2 パーセントに過ぎません。この数字は、林業庁に違法伐採を阻止する力が無く、森はこの冬も、伐採者に略奪されつつあることを証明しています」。

まずは不透明な伐採許可発行の一時中止を

実際、沿海地方では、かつてないといわれるほどの規模で進んでいる違法伐採について、危機感が高まっています。2007年12月3日に開かれた会合では、沿海地方議会の議員たちが声明を発表。担当機関による森林行政の管理が、現状で完全に欠如しており、緊急に特別措置を導入する必要があることを提言しました。

WWFも、林業庁の違法伐採対策について、具体的な計画が伴なっていない点を指摘。実際に行なわれた違法伐採の取り締まりについても、効果が低いとして、問題を提起してきました。
今回特に、WWFが緊急措置として求めているのは、伐採が禁じられている、また厳しく制限されている樹種の伐採を、正当化するために悪用されている「中間伐採」および「衛生伐採」の許可発行を、一時的に停止することです。

知事がこの提案を受け入れた場合、沿海地方はチタ州に次ぎ、ロシアで2番目に違法伐採防止の緊急措置を導入することになりますが、現在のところ、まだ見通しは立っていません。
 

輸入国企業の意識が大きなサポートに!

極東ロシアの森林では、現在も違法伐採から森を守る活動が続けられています。しかし、確実な効果を求めるためには、資金や人材の不足に悩まされ続ける現場での取り組みだけに、頼るわけにはいきません。

取り締まりを促進するためには、違法な木材の需要や流通を抑える必要もあります。
このための取り組みを、最も強力にサポートするのが、沿海地方から大量の木材を輸入する国や企業の意識です。輸入国が、購入する木材について厳しくチェックし、違法材や森林を破壊して生産された木材を輸入しなければ、違法材は需要を減らし、違法伐採も減ることになります。
逆に、違法伐採の現状を顧みずに、これらの消費を続けていけば、現地の森林はさらに破壊され、いずれ持続的な形で木材が生産できなくなることにもなりかねないでしょう。

企業が、業務の中で利用する木材について、自ら厳しく確認してゆくことは、真に自然保護に寄与することにつながります。WWFは、木材の流通・販売に関連する企業が、一刻も早く自らの扱う製品の由来を確かめ、木材製品の調達方針を策定・公表していくことを求めています。


WWFロシアによる記者発表資料(仮訳) 2008年2月7日

ロシア沿海地方の違法伐採に関する緊急措置について

緊急の措置をとらなければ、ロシア沿海地方で続く違法伐採は止められない。2007年12月3日に開かれた会合で、沿海地方議会の議員達が声明を出した。議 員達は、担当政府機関による管理が完全に欠如し違法伐採がかつてない規模に達している7つの地域で、特別措置を導入するよう提案している。この措置には人 や林業機械の立ち入り制限が含まれる。

沿海地方知事がこの提案を受け入れた場合、沿海地方はチタ州に次ぎロシアで2番目に違法伐採防止の緊急措置が導入される地方となる。

沿海地方林業庁長官のエゴロフ氏が会議で示したデータは、同庁がこの冬、地域内の林産活動を効果的に管理するのは不可能だという事実を物語っている。説明に よれば、同庁は違法伐採問題に取り組むための具体的な計画を持たず、ようやく2008年2月か3月に、わずか25人のスタッフからなる森林監督部署を開設 する予定だという。過去半年間、同庁では1819件の立ち入り検査を行ったが、うち明らかになった違法伐採はたったの402件、その量は丸太換算で2万1 千立方メートル相当だった。

「示された数字は、林業庁の業務効率が極めて低いことを物語っている。」会議に参加したWWFロシアアムール支 部の森林プログラム責任者、デニス・スミルノフは述べた。「彼らのデータでは違法伐採は5件のうち1件の割合だが、WWFと経済犯罪対策部、および動植物 の検疫を担当する行政組織(Rossel'khoznadzor)の職員が共同で実施した立ち入り検査では、毎日のように違法伐採が発覚し、機械が差し押 さえられた。林業庁の報告にある2万1千立方メートルという数字は、経済犯罪対策部が沿海地方における商業目的の違法伐採量として示した100万立方メー トルのわずか2パーセントに過ぎない。これらの数字が、沿海地方林業庁には違法伐採を阻止する能力が無く、地域の森林がこの冬、伐採者に略奪されつつある ことを証明している。」

議員達は、森林監視員を800~850人に増やしても、この地域に押し寄せる違法伐採の波を止められるかどうかは疑 問としている。その見解によれば、これほど大規模な違法伐採が行われている最大の理由は、管理機関の責任者たちに違法伐採を阻止しようという意志が欠けて いることであり、もう一つの理由は、森林関連部門、法執行機関、関係省庁のあらゆる階層に腐敗が蔓延していることである。

WWFは2年前、 地元当局者に対し、チタ州で導入されたような対策や、沿海地方向けに考案された対策を数多く提案した。たとえば2005年秋、WWFはイニシアティブをと り、沿海地方内での伐採と輸送を監視する省庁間統一システムを導入するよう沿海地方林業庁の前長官に呼びかけた。しかしこの時、伐採許可の発行情報を所有 する林業庁から協力が得られなかったため、この計画は頓挫した。

緊急措置のひとつとして、デニス・スミルノフは、中間伐採および衛生伐採(注)の許可発行を一時的に停止することを議員達に提案した。違法伐採や盗材の運搬を行う際に、書類手続き上の隠れ蓑としてこれらの許可が最もよく使われていることは広く知られている。

「知事が特別制度を導入しても、もはやこの冬の数十万立方メートル規模の盗伐を防ぐことはできないだろう。沿海地方のいくつかの地域では、権力はすでに「木材 マフィア」たちの手にあり、彼らは地方政府や内務省、レスホーズ(国の森林管理局)を支配下に治めている。」「しかし議員達の提案によって、沿海地方の州 知事は盗伐が計画されているのを知りながら、何の手も打たずに犯罪に対する責任から逃げるのか、それとも提案された緊急措置を受け入れ、少なくとも部分的 には犯罪に立ち向かうのか、ジレンマを抱えることになる。」デニス・スミルノフは考えている。

※訳者注
中間伐採:樹齢の若い商業用立木の成長に適した環境にするため、樹齢の高い木を伐 採する施業プロセスの一つ。天然林でも行われる。
衛生伐採:森林病害虫被害にあった立木を伐採する、施業プロセスの一つ。

法律の不備により、これらの名目を利用して、実際には商業価値の高い木材が伐採されている。


英語版プレスリリース オリジナル版

Illegal Logging in Primorye could not be stopped without emergency measures. This opinion of deputies of Primorskii province Legislative Assembly was pronounced at the meeting on December 13. The deputies suggest introducing special regime in seven districts where under complete lack of control from responsible governmental agencies illegal loggings reach unexampled range. The special regime implies limited presence of humans as well as logging machinery and equipment.

If Primorskii province Governor accepts deputies' proposal then Primorye will become second region in Russia (after Chitinskaya province) where emergency actions are introduced to halt illegal logging.
Data presented at the session by Mr. Egorov, head of Forestry Agency of Primorskii province, proved that the Agency is not able to effectively control forest activities in the region during this winter. According to him, the Agency has no concrete plan for illegal logging combating; they are going to create department of governmental forest control with 25 staff only in February-March 2008! For the past half year, the Agency conducted 1819 raids but revealed only 402 cases of illegal logging with total volume of cut timber equaling 21 000 cubic meters.

"Presented figures speaks of extremely low effectiveness of the Forestry Agency, - comments Denis Smirnov, head of forest program at the Amur branch of WWF Russia, who participated in the meeting. The data indicates that illegal logging was recorded only in each fifth raid while joint raids between staff of the Department on economic crime fighting (DECF), Rossel`khoznadzor*, and WWF revealed illegal loggings and detain special machinery daily. Reported 21 000 cubic meters of illegal timber is only 2 percent out of one million cubic meters illegally cut in Primorye in commercial purposes, according to DECF. The mentioned figures prove that Forestry Agency of Primorskii province is not able to combat illegal forest harvesting and that regional forests are given to loggers for plundering during this season."

Deputies doubt that increasing number of forest inspectors up to 800-850 persons could stop the accelerating wave of illegal logging in the region. From their perspective, the main reason of large scale forest poaching is lack of good will from heads of controlling bodies to combat illegal logging; another reason is corruption of employees of forest sector, law enforcement, and administrations of all levels.

A number of measures identical to the ones introduced in Chitinskaya province and to those suggested for Primorye were proposed by WWF to the local officials two years ago. For example, in fall 2005, WWF addressed former head of Forestry Agency of Primorskii province with the initiative to introduce unified interagency system to monitor harvested and transported within Primorye wood. At that time, the initiative was blocked due to lack of support from the Forestry Agency that possessed information on issued logging permits.

As one of emergency measures, Denis Smirnov suggested to the deputies to introduce moratorium on issuing logging permits for intermediate and sanitary logging that generally recognized to be one of the most popular ways to documentarily disguise illegal logging and transportation of stolen timber.

"Introducing special regime by the Governor will no longer prevent stealing of hundreds thousands cubic meters of timber this winter. In some territories of Primorye, power already belongs to "forest barons" who control local administrations, interior affairs bodies, and state forest management bureaus, -thinks Dens Smirnov. - But the deputies' proposal gives the Primorskii province Governor a dilemma: whether, knowing about planned plunder, leave everything as it is and thus split the responsibility for the crime, or to take proposed emergency measures and thus at least partially resist criminals."

Rossel`khoznadzor* stands for Federal Service of Veterinary and Phyto-Sanitary Supervision

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