WWFのパネルが日本広告写真家協会の公募展で優秀賞を受賞
2012/06/25
WWFジャパンの、南西諸島の生物多様性をテーマにしたパネル、Draw the Future「南西諸島の生きものたちとわたしたちの未来」の写真イメージ5点が、日本広告写真家協会公募展で優秀賞を受賞しました。このパネルの制作をお引き受けくださった、コピーライターの安田健一さんにお話をうかがいました。
沖縄の生物多様性をテーマに
国連の「生物多様性年」であった2010年。WWFジャパンでは、沖縄を中心とした南西諸島の生物多様性をテーマにしたパネル、Draw the Future「南西諸島の生きものたちとわたしたちの未来」を制作しました。
20枚におよぶこのパネルセットの制作にご協力くださったのは、コピーライターとしてさまざまな広告のクリエイティブに携わっている安田健一さんをはじめとする、デザイナーズグループ7Gの皆さんです。
このパネル作品は、東京コピーライターズクラブの新人賞を受賞。さらにクレヨンを使った写真のイメージ5点が、広告としても高く評価され、2012年、第40回社団法人日本広告写真家協会公募展の広告作品部門で優秀賞を獲得しました。
今回の受賞にあたり、安田健一さんにお話をうかがいました。
(WWF)Draw the Future「南西諸島の生きものたちとわたしたちの未来」、こちらの制作にご協力いただき、本当にありがとうございました。 生物多様性という、とても難しいテーマでしたが、どのあたりが特に難しく感じられましたか?
(安田さん)まずWWFが取り組んでいる「活動のテーマの広さ」、があったと思います。生物多様性、それを目で見て分かるようなものにしないといけません。それでいて、ニュースなどで報道している内容とは違うものを作らなくてはいけない、と思いました。
(WWF)パネルセットは、手作り感覚のある独特なイメージの仕上がりになりましたね
(安田さん)クレヨンをイメージに使ったことが、「なんだろう?」と人の関心をあつめるきっかけになり、広告としての評価を得ることにもなりました。このクレヨンは、「Draw the Future」、つまり南西諸島の未来を描いてみよう、というコピーにも通じるものです。
(WWF)制作に際して、特に力を入れられた点や、気をつけられたことなどはありますか?
(安田さん)2つありました。
一つは、南西諸島の環境問題をテーマにするにあたって、「人を悪者にしない」ということです。動物がかわいそう、人が悪い、と責めるのは、WWFの活動ではありません。そうした表現に頼らず、でも事実を知らせる、というところが難しいところでした。これは結果として、動物たちのつぶやき、という形での表現になりました。
もう一つは、WWFやマスコミが持っている写真に頼らないことです。すでに世の中にあるイメージではなく、何か別の新しい方法で伝えたいと思いました。その分、ライティングには力が入りましたし、クレヨンを使ったイメージづくりにもつながったと思います。
受賞した作品より。クレヨンの弾丸を使ったイメージに、示唆に富んだコピーが添えられている。
緑の方は「山びこって、こげた山からもかえってくるんですか。」白い方は「うちのエアコンは、北極もあたためてるってホントですか。」
(WWF)環境問題や活動をイメージで伝えるということの難しさは、私たちもいつも直面している問題です。今回も難しいテーマで、いろいろとご迷惑をおかけしたかと思いますが(笑)
(安田さん)一番最初に見ていただいたコピーが始まりでしたね。次に、南西諸島という具体的なテーマをいただき、クリエイターたちも頑張って、それを形にすることができました。こちらこそ、よい機会をいただいたと思います。
(WWF)本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。