学生の皆さんによるWWF事務局への訪問


WWFジャパン事務局には、毎月幾人かの学生の皆さんが、全国各地から修学旅行等の機会を利用してご訪問くださいます。こうしたご訪問は、温暖化の問題や絶滅の危機にある野生動物の問題、それぞれが関心を持っているさまざまな環境問題と、それに対するWWFの取り組みについて、スタッフの話をお聞きいただく機会となっています。最近のいくつかの例をご紹介いたしましょう。

愛知県犬山市立南部中学校3年生の訪問

2012年6月22日には、犬山市立南部中学校3年生5名の皆さんが、ご訪問くださいました。

事前にいただいていた連絡には、「動物の絶滅について事前学習して来ました」とのこと。そこで当日は、絶滅した種と絶滅の何が悪いのかについてお話しし、問題をみんなで考えてみました。

後日、生徒さんたちからいただいたお礼状には、それぞれの考えたこと、感じたことがつづられています。その一部をご紹介しましょう。

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コメント(抜粋)

資料を使って、とても分かりやすく教えていただいたおかげで、絶滅危惧種について知らなかったことを知ることができました。疑問に思っていたことも理解することができました。(中略)お話は今も心の中に残っています。また、機会があればご指導お願いします。(五十嵐さん)

お話を聞いて自然に対する考えや、気持ちも変わりました。今、たくさんの生き物たちが絶滅の危機にあるということは知っていました。しかし、その原因のほとんどが人間にあることを聞いて、残念な気持ちと共に怒りもわいてきました。今回私たちが聞いたことを9月にある発表会で学校のみんなに伝え広めたいと思います。楽しく貴重な機会をもうけてくださり、本当にありがとうございました。(加藤さん)

当日僕はとても緊張していましたが、優しく迎えて下さったおかげで、その気持ちが消えました。教えていただいたことを参考にしてレポートや発表の準備をしています。短い時間でしたが会えたことをとてもうれしく思います。(服部君)

話を聞いて、僕たちの勉強不足なところを教えていただいて、今僕たちが調べている動物の絶滅について、僕たちが何をすべきか、現在の絶滅の状況がどんなものかなど、僕たちの知らないことを分かりやすく、丁寧に教えていただいて、とてもよく動物絶滅状態が分かりました。(比嘉君)

今まで知らなかった絶滅危惧種について知ることができました。事前にお送りした質問にも、ていねいにわかりやすく答えていただきありがとうございました。わずかな時間でしたが、皆様に出会えたことをたいへんうれしくおもいます。(水野さん)
 

創価女子短期大学金井ゼミの皆さんへの講義

中学生や高校生だけでなく、大学生がいらっしゃる場合もあります。
中には、同じゼミの学生さんたちが、毎年のようにご訪問くださるケースも。
創価女子短期大学金井ゼミの皆さんには、2010年と2011年に続き、2012年もスタッフから講義をさせていただきました。

事前に受けていた質問とご要望は、WWFが目指す脱原発とリオ+20について、WWFの考えを聞きたいとのこと。スタッフからは、「何のために保全を行うのか」について、これまでの経験や生態系サービスの概念を説明した後に、2つの質問に答えました。

脱原発についは、WWFの脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオを紹介しました。徹底した省エネと、インフラ整備などで、原発に頼らなくても2050年には100%自然エネルギー化が可能なことを伝えています。

非再生可能資源に依存し、巨大施設を使う大資本による独占的システムの下で、経済発展に伴う需要増に見合うエネルギーを提供するとするハードエナジーには、早々にご隠退願いたいものです。再生可能エネルギーを利用し、巨大施設は使わず、低コスト、公害を低減、気候変動に対応するソフトエナジーの出番です。

リオ+20のテーマとも言えるグリーン経済について、スマトラ島で起きている森林破壊を例に説明しました。スマトラ島では急速に森林が失われていますが、その主因は紙パルプとパームオイルを生産するための農場を作るためです。

しかし、そこで生産された製品が日本にも入ってきていること、日常使うものにはば広く使われていること、それを使うことは知らないうちに遠くで起きている環境破壊に、手を貸していることになることを紹介。これを避けるためには、認証制度が不可欠であることを伝えました。

消費者が、環境への影響が少ない方法で生産されたものを選ぶことで、環境保全に貢献できることを理解いただけたでしょうか。環境に負荷が大きい方法を続けていては、将来の世代に大きな負担を強いることになります。

若い世代、そして子どもたちのために、よい環境をのこしてゆきたいですね。

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