2年連続!モンゴルでユキヒョウの密猟ゼロ件を達成
2016/08/27

ヒマラヤから中央アジアにかけて連なる険峻な山々に生息する、絶滅危機種のユキヒョウ。
高山帯の生態系の頂点に君臨するこの動物は、実際にその姿が見られることは希で、今も「幻の動物」と言われています。
このユキヒョウの保護について、モンゴルから喜ばしいニュースが飛び込んできました!

保全活動の現場。発信器を使った行動調査も行なわれている
過去2年間、モンゴル国内での密猟をゼロ件に抑えることができた、というものです。
現在の推定個体数は、3,920~6,392頭。
モンゴルには、その全個体数のうち13~22%が生息しているといわれています。
ワシントン条約では商業的な国際取引が禁止されていますが、ユキヒョウが生息する各国では、いまだに美しい毛皮を狙った密猟や、生息環境の悪化が続き、家畜を襲う害獣として殺される例も後を絶ちません。
そうした中で、今回モンゴルで密猟ゼロ件が達成された背景には、政府や保護区の管理者、学生、そして国内外で自然保護に携わる人たちの、連携と協力がありました。
WWFモンゴルのスタッフたちも、生息地での調査やパトロールの支援を行なってきたほか、2015年にはモンゴル警察庁の環境犯罪対策課と覚書を交わし、密猟や野生生物の違法取引への法的措置を強化する取り組みを実施。
2年間にわたる密猟ゼロの達成に尽力しました。

調査用の自動カメラで撮影されたモンゴルのユキヒョウ
WWFモンゴルの担当者は、この件を「モンゴルでのユキヒョウ保全活動の歴史的な出来事」とコメント。
今後の保護活動にも明るい未来を拓くことができたことを喜びました。
ですが、まだ危機が去ったわけではありません。
ユキヒョウを「幻の動物」を本当の幻にしないために、調査や保護区の管理、地域社会への支援、そして地球温暖化対策など国境を超えた活動はこれからも続きます!(広報担当 山本)