6月6日は何の記念日?


5年前の6月6日、この日が何の日だったか、ご存知でしょうか?

答えは「生物多様性基本法」が日本で初めて、制定された日!です。そう、今日は、その制定5周年の記念日なのです!

この法律は、日本の生物多様性を保全する基本的な理念がまとめられ、全ての政党か同意し、衆参、全会一致で可決成立した基本法で、NGOなどが原案を作った「市民立法」として制定されたものです。

さて、その基本法に基づいて、日本の環境行政の施策は、さまざまに変化してきました。

  • 2010年:地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(2010年12月10日法律第72号)が制定されました。
  • 2011年:環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律(最終改正:2011年6月15日法律第67号)が改正され定義に「生物の多様性の保全」が明記されました。
  • 2011年:自然環境保全法と自然公園法(最終改正:平成2011年8月30日法律第105号)が改正され、目的条項に生物多様性の確保が明記されました。
  • 2013年:生物多様性基本法に基づく「生物多様性国家戦略2012-2020」が閣議され基本法に基づく法廷の計画となりました。

そして、一昨日の6月4日には、「種の保存法」の一部が改正され、目的条項に長い間懸案だった、「生物多様性の確保」が明記されました。

個別の野生生物種の保護を目的とした「種の保存法」の中で、そのより上位の目的である「生物多様性」の保全が(遅まきながら)明文化されたのです。

このように、生物多様性基本法に基づいて法律や国の戦略が改正され、生物の多様性を守る政策が動きつつあります。これら法律の制定や改定にWWFジャパンはしっかり意見を述べてきました。しかし、まだまだそうした動きは、広く市民に伝わっていない状況です。法律やその執行の改善と同時に、認識を広げてゆくことも、これからの課題です。(草刈)

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自然保護室 国内グループ所属
草刈 秀紀

日本の自然保護にかかわる法制度の改善をめざす取り組みを行なっています。

子どもの頃から動物が好きで、農業者でもないのに農業高校の畜産科に行き、上京して大学時代に多くの自然団体の会員になりました。野生のエルザのゲームワーデンにあこがれ、32年前に職員になりました。最近は、永田町を徘徊しています。

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