国立公園の役割って?
2014/08/12
こんにちは、広報の佐久間です。
夏休みもお盆に入り、海や山などの行楽地で「ここは国立公園に指定されています」なんて看板を見かけることがあります。 あらためて考えると、国立公園ってどんなものなのでしょう?
豊かな自然が残っている地域を、国が責任を持って管理する保護区域に指定して、半永久的に守るという方法は、アメリカで生まれました。
1872年、イエローストーン国立公園が、第一号として誕生。今からたった140年前のことです。
その後、この考え方は世界中に広まっていきますが、国立公園に指定されればそれで安心というわけではないことは、多くに共通した課題のようです。
たとえば、素晴らしい自然をみようと、多くの人が国立公園を訪れるために、ゴミが発生したり、道路や商業施設の開発、水の汚染などが起こったりと、結果的に自然を傷めてしまうことがあります。
あるいは開発途上国では、パトロールをしたり整備をしたりする資金が十分になく、保護区として機能しない「ペーパーパーク」と呼ばれるところも少なくないとか。「ペーパードライバー」と似ていますね。
また、自然や野生生物を守るには、広い範囲を国立公園に指定する必要がありますが、面積が広くなるほど、管理が難しくなりますし、当の生きものたちにとっては、国立公園の境界線なんて関係ありません。
すべてをフェンスで囲うわけにもいきませんから、動物たちの生息地が、国立公園の中に納まらないケースも珍しくないのです。
それでも国立公園は、「自然や野生生物は将来にわたって守られるべきものであり、国はその責任を負っている」という考え方を広める役割を果たしています。
夏休み、国立公園に行く際は、自然を満喫しつつも、保全を最優先に考えて行動したいものです。