国立公園の役割って?


こんにちは、広報の佐久間です。
夏休みもお盆に入り、海や山などの行楽地で「ここは国立公園に指定されています」なんて看板を見かけることがあります。 あらためて考えると、国立公園ってどんなものなのでしょう?

豊かな自然が残っている地域を、国が責任を持って管理する保護区域に指定して、半永久的に守るという方法は、アメリカで生まれました。

1872年、イエローストーン国立公園が、第一号として誕生。今からたった140年前のことです。

世界で最も有名な国立公園のひとつである、イエローストーン国立公園(アメリカ合衆国西部)。

その後、この考え方は世界中に広まっていきますが、国立公園に指定されればそれで安心というわけではないことは、多くに共通した課題のようです。

たとえば、素晴らしい自然をみようと、多くの人が国立公園を訪れるために、ゴミが発生したり、道路や商業施設の開発、水の汚染などが起こったりと、結果的に自然を傷めてしまうことがあります。

あるいは開発途上国では、パトロールをしたり整備をしたりする資金が十分になく、保護区として機能しない「ペーパーパーク」と呼ばれるところも少なくないとか。「ペーパードライバー」と似ていますね。

グヌン・ルーサー国立公園(インドネシア・スマトラ島)。絶滅の危機にあるスマトラオランウータンの最後の生息地となっている。

また、自然や野生生物を守るには、広い範囲を国立公園に指定する必要がありますが、面積が広くなるほど、管理が難しくなりますし、当の生きものたちにとっては、国立公園の境界線なんて関係ありません。

すべてをフェンスで囲うわけにもいきませんから、動物たちの生息地が、国立公園の中に納まらないケースも珍しくないのです。

それでも国立公園は、「自然や野生生物は将来にわたって守られるべきものであり、国はその責任を負っている」という考え方を広める役割を果たしています。

夏休み、国立公園に行く際は、自然を満喫しつつも、保全を最優先に考えて行動したいものです。

南アルプス国立公園。山梨県、長野県、静岡県にまたがり、日本で二番目に高い山・北岳がある。

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マーケティング室(会報担当)
佐久間 浩子

WWFではずっと「伝える」ことに携わってきました。今は会報を担当しています。

なにごとも決めつけてはいけない。知ったつもりになるな。複雑なものを、複雑なまま受け止める覚悟を持て。想像力を磨き、ヒトの尺度を超える努力をせよーー動物や植物に教えられたことを胸に、人と自然の問題に向き合い続けたいと思います。

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