トランプ政権パリ協定離脱への各国の反応


温暖化・エネルギー担当の山岸です。
早いもので、6月1日にアメリカ・トランプ大統領がパリ協定離脱を宣言してから、約3週間が経ちました。

今回は、この間にあった各国の反応を少しまとめてみたいと思います。

反応が早かったのはフランス、ドイツ、イタリアで、直後に共同宣言を出し、「遺憾(regret)」の念を強調しつつ、「パリ協定から生み出された勢い(モメンタム)は、もはや覆すことができない」として、パリ協定支持を再確認しました。

パリ協定を採択したCOP21の会場

宣言に加え、フランスは、トランプ大統領が「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again))」というフレーズをスローガンとして使っていることにひっかける形で、皮肉たっぷりに「私たちの星を再び偉大にする(Make Our Planet Great Again)」というキャンペーン・ウェブサイトを立ち上げたりもしています。

日本もその後、アメリカの決定について「残念」としつつ、引き続きパリ協定を実施していく旨の声明を発表しました。

パリ協定採択の瞬間

山本環境大臣も「失望」を表明。

ただ、欲を言えば、直後に安倍首相自身から力強いメッセージを出してほしかったところです。首相がコメントを出したのは週明け5日の国会においてでした。

さらに、今年のCOP23(国連気候変動枠組条約第23回締約国会議)の議長国であるフィジーも、「深い失望」を表明しつつ、パリ協定を継続の意思を再確認しています。

中国、インド、ブラジルなども、パリ協定支持を明確に打ち出しています。

このように、アメリカのトランプ政権のパリ協定離脱は、国際社会にとって間違いなくショックではあったものの、むしろ、その他の国々の結束を強める方向に働きました。

アメリカ国内でも今、州政府や自治体、企業などが続々と、大統領の決定に抗議する意思を明確にしています。今後の動きにも注目したいと思います。

1200を超えるアメリカ企業、市長、知事、大学のリーダー、投資家たちが立ち上げた新しいイニシアティブ「WE ARE STILL IN(我々はまだパリ協定の中にいる)」のサイト。加盟者は増え続けています。

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気候エネルギー・海洋水産室長
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より気候エネルギー・海洋水産室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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