トランプ政権パリ協定離脱への各国の反応
2017/06/25
温暖化・エネルギー担当の山岸です。
早いもので、6月1日にアメリカ・トランプ大統領がパリ協定離脱を宣言してから、約3週間が経ちました。
今回は、この間にあった各国の反応を少しまとめてみたいと思います。
反応が早かったのはフランス、ドイツ、イタリアで、直後に共同宣言を出し、「遺憾(regret)」の念を強調しつつ、「パリ協定から生み出された勢い(モメンタム)は、もはや覆すことができない」として、パリ協定支持を再確認しました。
宣言に加え、フランスは、トランプ大統領が「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again))」というフレーズをスローガンとして使っていることにひっかける形で、皮肉たっぷりに「私たちの星を再び偉大にする(Make Our Planet Great Again)」というキャンペーン・ウェブサイトを立ち上げたりもしています。
日本もその後、アメリカの決定について「残念」としつつ、引き続きパリ協定を実施していく旨の声明を発表しました。
山本環境大臣も「失望」を表明。
ただ、欲を言えば、直後に安倍首相自身から力強いメッセージを出してほしかったところです。首相がコメントを出したのは週明け5日の国会においてでした。
さらに、今年のCOP23(国連気候変動枠組条約第23回締約国会議)の議長国であるフィジーも、「深い失望」を表明しつつ、パリ協定を継続の意思を再確認しています。
中国、インド、ブラジルなども、パリ協定支持を明確に打ち出しています。
このように、アメリカのトランプ政権のパリ協定離脱は、国際社会にとって間違いなくショックではあったものの、むしろ、その他の国々の結束を強める方向に働きました。
アメリカ国内でも今、州政府や自治体、企業などが続々と、大統領の決定に抗議する意思を明確にしています。今後の動きにも注目したいと思います。
関連サイト
- ドイツ、フランス、イタリア政府による声明(ドイツ政府のウェブサイト)
- フランス政府による「私たちの星を再び偉大にする(Make Our Planet Great Again)」キャンペーン
- 日本政府による声明
- IGES(地球環境戦略研究機関)による各国の反応のまとめ