ボンの国連会議終了!でも、COP16への道のりは大変


ドイツより、温暖化担当の山岸です。
ボンでの国連会議が終了しました。

最終日の今朝は、「今日は夜遅くまでかかるだろうなあ」と、覚悟して議場に向かったのですが、意外にも20時を前にして会議は終了。どうやら、話がまとまりそうにないので、むしろ全くまとめずに、次回にそのまま持ち越す形になったようです。

国連会議の交渉では、合意するための文書を一言一句作っていきますが、合意ができなかったところは、括弧がつけられたり、「選択肢1、選択肢2…」と書かれ、保留されます。年末のメキシコ会議(COP16)の合意文書の下書きとして、今回議論の的になっていた議長テキストも、たくさんの括弧がつけられ、次回10月の中国・天津での会議に持ち越されました。

 

合意の見通しが立たないことはもちろんですが、各国の間で、温暖化の防止に向けた前向きな姿勢と信頼感が感じられないことは、さらなる心配の種です。
ましてや、「今回はこれ以上やっても…」という雰囲気で会議が早く終わったとすれば、地球の将来にとっては、素直に喜べない状況です。

詳細はあらためてご報告しますが、暗くなってばかりもいられません。日本国内での対策も含めて、さらに頑張って働きかけて行きたいと思います。

 

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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