トビラよ開け 卯の日、卯の月、卯の年に


暦で見ると、今年の4月30日は「ウサギ(卯)の日」です。
まず、2011年の干支が卯、4月は卯月、そして30日は乙卯(きのとう)の日。

この「卯」の字は左右に開いた扉をかたどり、万物が冬の門から飛び出す、の意味があるとのこと。
実際、この「卯」が示す時とは、十二支の中で「真東」の方角に位置し、春の盛りをつかさどる、という季節。生あるものが、明るくなった空の下で、目覚め、動き始める時。それが「卯」の時なのです。

この卯の年に関連した、歴史上の人物の話を一つ。

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今から800年以上昔の平安末期、武家の一門に生まれた親子がありました。
源義朝と、その二人の息子、源頼朝と弟の義経です。
この3人が、いずれも卯年生まれ。保元の乱で武名を馳せた父の義朝は、後に平清盛に敗亡しましたが、このライバルともども、武士が主役となる時代の扉を開きました。そして、その子の頼朝と義経はいうまでもなく、平家を倒して鎌倉幕府を興し、新しい日本を築いた兄弟です。

『平治物語』では、この三人が卯年生まれであることを以って、新しい季節が興る春の勢いになぞらえ、新時代を率いるリーダーには、卯の年生まれの人に縁があるのだろうか、というようなことを言っています。

ウサギは動物としては、一見弱そうで、天敵に追い回されてばかりいるような印象を受けます。が、野生のウサギたちの中には、たくましい脚と強い繁殖力、そして高い環境への適応力を備えたものもいます。

今が天地が隆盛に向かう「卯」の時と信じ、ウサギのような不屈さで、残り3分の2になった卯年を迎えてゆきたい。
…最後はちょっとコジツケですが、そう思います。(三間)

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

森、海、気候、野生生物、さまざまな活動をサポートしています。

虫を追いかけ40年。鳥を追いかけ30年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの20年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと思っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

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