ミゾゴイの営巣を確認!どうなる、輪島の門前クリーンパーク建設問題


海辺に面した里山の見事な景色が広がる、石川県の輪島市。

その中でも能登半島の景勝地として知られる高爪山麓で、いま新しい産業廃棄遺物の処理場「門前クリーンパーク」が建設されようとしています。

しかし、現地での調査結果によれば、ここにはミゾゴイをはじめ、サンコウチョウ、ハチクマ、サシバなどの希少な鳥類が生息。

事業によるこれらの野生生物への影響が懸念されています。

能登半島に残る里山の景色

特に、日本でしか繁殖していないミゾゴイは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「絶滅危惧種(EN)」に指定されている、世界的にも数の少ない鳥類です。

総個体数は推定で、わずかに1,000~2,500羽。

このミゾゴイが高爪山では繁殖していることも、今年明らかとなりました。

これを受け、石川県内の3つの自然保護団体、日本野鳥の会石川支部、日本鳥類保護連盟石川支部、森の都愛鳥会は11月14日、県に事業の見直しを求める意見書を提出。
あらためてその保護を求めました。

ミゾゴイ。日本だけで繁殖する国際的な希少種

ミゾゴイが生きられるような豊かな里山を守ることは、日本国内の自然を守る上でも、大きな意味のあることです。

逆に、それができないようでは、まだまだ環境問題については先進国とはいえません。

石川県の専門委員会は12月中にも、事業の結論を出す方向と報じられています。

専門委員会による判断に期待しつつ、引き続き注目し、私たちも働きかけを続けたいと思います。(自然保護室 草刈)

高爪山麓の森

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自然保護室 国内グループ所属
草刈 秀紀

日本の自然保護にかかわる法制度の改善をめざす取り組みを行なっています。

子どもの頃から動物が好きで、農業者でもないのに農業高校の畜産科に行き、上京して大学時代に多くの自然団体の会員になりました。野生のエルザのゲームワーデンにあこがれ、32年前に職員になりました。最近は、永田町を徘徊しています。

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