緊急声明:日本政府への、平成24年度税制改正に向けた、 自動車課税・地球温暖化対策税に関するNGOからの要望


記者発表資料 2011年12月2日

現在、政府・各党は平成 24 年度(2012年度)税制改正に関する議論を行っており、政府大綱が12月上旬にまとめられる予定である。11月28日、民主党税制調査会(藤井裕久長)は、その重点要望をまとめ、政府税制調査会に提出したが、その中で自動車の車体課税である自動車取得税および自動車重量税について、その廃止、抜本的な見直しを強く求めることにした。また、昨年12月に政府が閣議決定した政府税制改正大綱において、「平成23年10月1日から実施する」とした気球温暖化対策のための税は、いまだ導入が実現していない。

これに対し、私たちは大きな危惧を抱いており、現政権が納税者の信頼・納得を得られる税制を構築するために、本日、共同で要望書を野田首相、政府税制調査メンバー、その他閣僚に対し送付した。

提出団体:
国際環境NGO FoE Japan、一般社団法人 Office Ecologist、特定非営利活動法人 オックスファム・ジャパン、特定非営利活動法人 環境文明21、特定非営利活動法人 「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
持続可能な地域交通を考える会(SLTc)、財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)、交通権学会副会長 上岡直見(個人)

連絡先:「環境・持続社会」研究センター(担当:足立)
TEL:03-3556-7323、FAX:03-3556-7328、E-mail:adachi@jacses.org

要望

野田佳彦内閣総理大臣、安住淳財務大臣、川端達夫総務大臣、古川元久国家戦略担当大臣 細野豪志環境大臣、枝野幸男経済産業大臣、前田武志国土交通大臣、鹿野道彦農林水産大臣 五十嵐文彦財務副大臣、黄川田徹総務副大臣、三谷光男財務大臣政務官 福田昭夫総務大臣政務官、藤田幸久財務副大臣、松崎公昭総務副大臣、吉田泉財務大臣政務官 主濱了総務大臣政務官、石田勝之内閣府副大臣、後藤斎内閣府副大臣、中塚一宏内閣府副大臣 滝実法務副大臣、山根隆治外務副大臣、森ゆうこ文部科学副大臣、辻泰弘厚生労働副大臣 岩本司農林水産副大臣、牧野聖修経済産業副大臣、松原仁国土交通副大臣、横光克彦環境副大臣 渡辺周防衛副大臣、山岡賢次国家公安委員会委員長、三井辨雄民主党政策調査会長代理 櫻井充民主党政策調査会長代理、中野寛成民主党税制調査会長代行 亀井亜紀子国民新党政務調査会長、峰崎直樹内閣官房参与

現在、政府・各党は平成24年度(2012年度)税制改正に関する議論を行っており、政府税制改正大綱が12月上旬にまとめられる予定である。11月28日、民主党税制調査会(藤井裕久会長)は、その重点要望をまとめ、政府税制調査会に提出したが、その中で、自動車の車体課税である自動車取得税及び自動車重量税について、その廃止、抜本的な見直しを強く求めるとした。また、昨年12月に政府が閣議決定した政府税制改正大綱において、「平成23年10月1日から実施する」とした地球温暖化対策のための税は、いまだ導入が実現していない。
これに対し私達は、以下を要望する。

<要望事項>

  • 自動車車体課税は、地球温暖化対策、大気汚染対策、公害健康被害対応や国・地方自治体の財政健全化の観点から、その減税・廃止を行わないよう、強く要望する。ただし、自動車車体課税のグリーン化(環境負荷の低い自動車への軽課と環境負荷の高い自動車への重課)の推進は必要である。
     
  • 地球温暖化対策強化のため、地球温暖化対策税/環境税/炭素税の早期導入が必須である。地球温暖対策税は、制度的工夫をこらすことで、低所得者に配慮しつつ、経済/雇用活性化・エネルギー安全保障強化・資産の海外流出を防ぐ効果を発揮することも期待できる。
     
  • CO2 排出削減の価格インセンティブ効果維持・強化のため、自動車燃料への税率は維持・強化されたい。自動車燃料諸税の環境税化も一案。

補足説明

注1:自動車車体課税と地球温暖化対策との関係

自動車の車体課税が減税・廃止されれば、公共交通機関から自動車利用へのシフトを促し、CO2排出増を招く。日本における自動車関係税全体(車体課税・燃料課税)の年間税負担額は、多くのOECD諸国と比較してかなり低い(添付の図も参照)。

注2:自動車車体課税と公害健康被害対応との関係

自動車重量税の税収の一部は、汚染者負担の原則から、公害健康被害認定患者のための補償財源となっており、長期的・安定的財源が不可欠。

注3:地球温暖化対策税導入の必要性

自主行動計画は、甘い目標設定をする業界や参加しない企業・個人に効果がない。国内排出量取引制度は、大規模排出者向けの政策。補助金や租税特別措置も、全ての排出源をカバーできない。地球温暖化対策税は、フリーライダーを防ぎ、他の政策ではインセンティブを与えることが難しい対象も含め、あらゆるCO2排出者に価格インセンティブ効果で削減を促すことが可能な、極めて効果的な政策である。

注4:地球温暖化対策税の制度的工夫のあり方

地球温暖化対策税・エネルギー課税の税率は、温暖化対策に資する技術開発・普及や消費行動を促すインセンティブとなりうる税率が望ましい(その際、炭素集約度や国際競争力に配慮し、別途減免措置や税収使途を工夫することもできる)。税収活用において、非効率な予算増加、使途の硬直化・既得権益化に繋がらないよう、税収使途の精査の仕組み確立が重要。低所得者への配慮措置をとることも重要。

注5:地球温暖化対策税と経済・雇用等との関係

地球温暖対策税は、制度的工夫をこらすことで、日本企業の温暖化対策技術・製品力を高め、日本の経済と雇用にプラスを与えつつ、地球規模での温暖化対策に貢献しうる。さらに、化石燃料輸入量を削減し、日本のエネルギー安全保障も強化できる。国内CO2削減が進むことで、海外の排出枠購入による日本の税金・資産の海外流出を防ぐ効果もある。

添付資料

各省の自動車関係諸税の年間税負担額の国際比較の結果(試算) 
出典:「自動車関係税制に関する研究会報告書」(自動車関係税制に関する研究会 2010)

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