絶滅のおそれのある野生生物の保全施策に関する意見


意見書 2011年12月22日

環境省自然環境局野生生物課 御中

公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン 会長 德川恒孝

はじめに

絶滅の恐れのある野生生物の取引を国際的に規制する為に、1972年の国連人間環境会議において「特定の種の野生動植物の輸出、輸入及び輸送に関する条約案を作成し、採択するために、適当な政府又は政府組織の主催による会議を出来るだけ速やかに召集する」ことが勧告されました。これを受けて、米国政府および国際自然保護連合(IUCN)が中心となって野生動植物の国際取引の規制のための条約作成作業を進めた結果、1973年3月3日に米国・ワシントンで「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」が採択されました。

日本は、ワシントン条約規制対象種の国内取引を規制する「特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律」を1972年に制定し、1980年にワシントン条約を批准しました。更に7年後の1987年に「絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡等の規制に関する法律」を制定しました。

1989年には、スイスで開催されたワシントン条約第7回締約国会議で、第8回締約国会議が1992年3月に日本(京都)で開催されることが決定され、また、1992年に開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」において採択された「生物の多様性に関する条約」の採択に向けた動きが活発化したことから、日本としても早急に種の保存を目的とした制度を確立することが急がれる状況となりました(環境庁野生生物保護行政研究会編集、絶滅のおそれのある野生動植物種の国内取引管理より)。

日本は、「(旧)特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律(1972)」「(旧)絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律(1987)」を廃止・統合して、国内外の野生動植物種の保全を体系的に図ることを目的に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年6月5日法律第75号)(1992)」(以下、種の保存法)を制定しました。種の保存法が制定されてから、15年以上が経ちました。私たちは、制定直後から、国内外の野生動植物の保全に寄与するため、法を執行するには現実的な不具合がある点を指摘してきました。

一方、この間に、平成6(1994)年に環境基本法が制定され、環境に関する基本理念が明文化されました。また、平成16(2004)年には特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下、外来生物法)が、平成20(2008)年には生物多様性基本法が制定されました。このように、野生動植物の保護に関連する新たな法律が定まってきた結果、種の保存法にも取り入れるべき考え方や内容があります。

当法人は、日本自然保護協会と共に1986年、国内で先がけて、独自の植物版レッドデータブック『我が国における保護上重要な植物種の現状』を発行しました。掲載種数は絶滅種を含め895種です。植物減少の要因や、各地方のさまざまな自然環境の現状と保護の必要性を提示したものです。

環境省(当時、環境庁)が初めての日本のレッドデータブックを作成したのは1991年でした。

ワシントン条約が採択後38年が経過した現在、環境省レッドリスト掲載の絶滅危惧種3,155種の内、わずか2.7%の国内希少野生動植物種87種(亜種・変種を含む)程度しか指定されていないのが日本の現状です。

また、昨年名古屋で開催した生物多様性条約締約国会議の主催国として、愛知ターゲットを積極的に推進する立場にあります。

以上のような国内外の背景を踏まえ、絶滅のおそれのある野生生物の保全施策に関する意見を述べます。

1.絶滅のおそれのある野生生物の保全施策について

絶滅危惧種の保全に係る法令について

絶滅危惧種の保全に係る法令について

意見 絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する点検会議(以下、点検会議)では、上位法である環境基本法を除いた点検が行われているが、環境基本法も含めて比較検討すべきである。
理由 種の保存法が1992年に制定され、その後、1993年に環境基本法が制定されている。例えば、環境基本法には、事業者の責務が明記されているが、種の保存法では、事業者の責務がない。これは、事業者が野生生物を保全する上においても、欠陥と言わざるを得ない。
意見 最も新しい上位法である生物多様性基本法と真剣に向き合うべきである。点検会議では、同法の15条と14条を取り上げているが、同法の核心は、基本原則第3条である。野生生物の保全施策の点検は、基本原則第3条に照らし合わせて行われるべきである。
理由 同法、第4条の国の責務において「国は、前条に定める生物の多様性の保全及び持続可能な利用についての基本原則(以下「基本原則」という。)にのっとり、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。」とされている。
意見 第1回点検会議、資料2①の見直しを行い、関係法令の目的に生物多様性の確保に関する記述を加えるべきである。
理由 法令の目的欄に不備がある。鳥獣保護法、自然環境保全法および自然公園法には、目的条項に「生物の多様性の確保に寄与することを目的とする」と記述されている。保全対象の最終目的は、生物の多様性の確保である。むしろ種の保存法の目的条項に記述されていないことが不備である。政府は、平成18年6月9日の谷博之による「鳥獣保護行政に関する質問趣意書」において、鳥獣保護法、自然公園法、自然環境保全法、種の保存法は、生物多様性条約を批准する時点で同条約の国内法であると答弁している。
意見 種の保存法の目的条項の内容は、矮小化しており生物多様性基本法の要請や愛知目標の達成の為には、根本的な見直しが必要である。
理由 後法優先の原理から生物多様性基本法や外来生物法と比較した場合、対象範囲は、矮小化している。例えば「野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部」は、古い概念であり、生物多様性基本法の前文によれば「人類は、生物の多様性のもたらす恵沢を享受することにより生存しており、生物の多様性は人類の存続の基盤となっている。」また、同基本法、第3条では「生物の多様性が微妙な均衡を保つことによって成り立っており、科学的に解明されていない事象が多いこと及び一度損なわれた生物の多様性を再生することが困難であること」など記述されている。多様な生物は現在と未来の人間の共通の財産であり、地球上のすべての人々が共通して取り組む課題である。なぜ種の保存が必要なのか、環境基本法基本理念第3、4、5条および生物多様性基本法前文の趣旨を盛り込む見直しが必要である。
意見 「人類存続の基盤である限りある環境」という言葉を追加する。
理由 第一条の「もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的」という文言は、種の保存法の上位規定である環境基本法2条「人類存続の基盤である限りある環境」を保全するためとしては、表現が弱い、各規定間の環境に対する表現に温度差がある。「現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保」という憲法25条の生存権の保障は、「ぎりぎりの最低限の保障」だけでなく「より快適な生活の保障」という意味も含まれている。種の保存法の目的規定は、種が絶滅しても、人間の「ぎりぎりの最低限の保障」があれば良いという消極的な姿勢ではなく、種の絶滅速度をできる限り防ぐことが、結果人間の「より良好な生活」をも保障するという積極的な表現に書きかえる必要がある。そのためには、「人類存続の基盤である限りある環境」という、より切迫性のある環境基本法2条の言葉を追加することで、より積極的に種の保存を図る可能性が広がる。

野生生物の保全の為の点検法令の拡大につて

意見 野生生物の保全の為の法制度の点検対象としている法律は、種の保存法、鳥獣保護法、自然環境保全法、自然公園法、文化財保護法、その他環境省の所管するものを中心としている。しかし、レッドデータブックに掲載された絶滅のおそれのある野生生物には、里地・里山や都市近郊などに生息・生育しているものも多く、農林水産省、国土交通省の所管する法律についても種の存続に対する影響あるいは生息生育地の保全に関する寄与という視点から点検が必要である。
理由 生物多様性基本法の前文にある通り、「生物の多様性は、人間が行う開発等による生物種の絶滅や生態系の破壊、社会経済情勢の変化に伴う人間の活動の縮小による里山等の劣化、外来種等による生態系のかく乱等の深刻な危機に直面している」のであり、環境省の主要法案の検討では生物多様性は保全できるものではない。また、生物多様性基本法の附則2条の「生物の多様性の保全に係る法律の施行状況の検討」は、「政府は、この法律の目的を達成するため、野生生物の種の保存、森林、里山、農地、湿原、干潟、河川、湖沼等の自然環境の保全及び再生その他の生物の多様性の保全に係る法律の施行の状況について検討を加え」と記述されている通り、①この法律の目的を達成するため、②野生生物の種の保存、森林、里山、農地、湿原、干潟、河川、湖沼等の自然環境の保全及び再生、その他の生物の多様性の保全に係る、③法律の施行の状況について検討を加えなければならない。

沿岸・海域における野生生物について

意見 沿岸・海域における野生生物も点検会議の検討の対象に加えるべきである。
理由1 種の保存法における政令指定種は、現在のところ陸上や陸水に生息・生育する野生生物種に限定されており、沿岸・海域に生息・生育する海洋生物は、一種も指定されていない。これは、1993年4月に水産庁長官と環境庁自然保護局長との間に結ばれた覚書に起因しているが、沿岸・海域のサンゴ礁など早急に保全が必要な種もある。環境省は、沿岸・海域に生息・生育する海洋生物のレッドデータブックの作成を急ぐとともに、水産庁との覚書を見直し、沿岸・海域に生息・生育する野生生物を種の保存法の政令指定種に指定すべきである。
理由2 世界中の海洋研究者2000人が参加し、海洋生物の分布と種類を調査するセンサス・オブ・マリンライフ(Census of Marine Life (CoML) Secretariat)によると、日本の排他的経済水域(EEZ)448万平方キロメートル内には、地球上の10数%にあたる15万種以上の生物がいることが明らかにされている。米科学誌「プロスワン」は、日本近海が、世界中の生物の14.6%が生息する種の宝庫であると発表しており、国際的に注視されている。

保全に取り組む人の情報について

意見 点検会議の資料には、人の情報が欠落している。第二回点検会議で希少種の保全に係る民間の取組が記載されているが、絶滅のおそれのある野生生物を保全活動に従事している人員の情報を調査し、分析すべきである。例えば、希少野生動植物種保存推進員は、全国に何名おり、実際に保全活動に従事している推進員は、どの程度いるのか? 民間企業の取組についても実際に活動している人員数が不明である。
理由 民間、企業における取組状況の資料に人材不足が回答されているが、種の保存や生息地の保全・回復活動には、各地域においてどの程度、人員が必要なのか判断する必要がある。

調査・研究の実態について 

意見 調査・研究の実態把握を行うべきである。例えば、野生生物保全施策に関係した大学、短大、専門学校の現状、動物園、水族館、博物館の状況、研究機関の取り組みの現状など把握すべきである。
理由 様々な調査体制の現状は、研究者のボランティアに近い活動が多く、また、個体数推定ができていない現状がある。現状から見れば、フィールドワーカーそのものが絶滅危惧種ではないかと思われる。調査・研究機関の実態把握と、人材育成が必要不可欠である。

種の指定について

意見 種の指定のみならず、地域個体群も指定できる制度の検討を行うべきである。
理由 「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いものについては、遅々として保全が進んでいない。特に、四国のツキノワグマについては、最も絶滅のおそれの高い地域個体群であり、種を指定して保全の取り組みを促進する必要がある。
意見  国民が種指定等の提案権を認める制度の検討が必要である。
理由  「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例」や「徳島県希少野生動植物の保護及び継承に関する条例」は府・県民が種指定の提案権を認める制度を持っている。京都では、府民が提案し種の指定がされたものもある。また、希少野生生物群に対して野生生物保護区を指定できる方法や滋賀県のふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例のように、希少野生生物、外来生物、野生鳥獣被害を一体化した条例とし、ビオトープネットワークによる野生動植物の生息生育環境の保全再生ネットワーク化構想を策定している県もある。
意見  種の指定は、国内外の近縁種も含めて指定できる仕組みを作るべきである。
理由  例えば、リュウキュウヤマガメやヤエヤマセマルハコガメが国内で出回った場合の規制を考えた場合、文化財保護法では指定前の個体までは規制が及ばない現状があり、種の保存法がより効果的と考えられる。セマルハコガメを種の保存法で規制しようとした場合、国内産だけでなく台湾、中国のものも同時に指定対象とすることで現状を改善出来る。指定の範囲について、国際希少種はワシントン条約付議書Ⅰ掲載種のほかにも、国内で天然記念物に指定されており近縁種が多数取引されている種についても検討すべきである。

生息地の保全・回復について

意見  新たに生息地の保全・回復計画を義務付ける仕組みが必要である。
理由  現行法には、必要があると認める時に保護増殖事業計画を策定するとなっているが、米国の種の保存法では、種指定時に原則として回復計画を策定する仕組みとなっている。種の保存、保護増殖事業、更には生息地の保全・回復事業を義務付ける仕組みが必要である。

生息地の指定などについて

意見  点検会議の結果を踏まえ、生物多様性国家戦略に個別法を超えた計画を書き込むべきである。
理由  点検会議の調査結果からも分かるように、絶滅のおそれのある野生生物の生息・生育地は、森林伐採や面的開発による縮小・分断、汚染や埋立て等による劣化・消失など減少の一途をたどる一方、生息地等保護区の設定は7種9カ所885ha(うち管理地区は385ha)に過ぎない。生物多様性条約第10回締約国会議(以下、COP10)において採択された愛知目標は2020年までに、目標11. 少なくとも陸域・陸水域の17%、海域・沿岸域の10%を生態学的によく連結された保護地域とし周辺の陸上景観・海域景観と統合する、目標12. 既存の絶滅危惧種の減少を防止し減少している種に対する保全状況を改善する、目標15. 劣化した生態系の少なくとも15%を含む生態系の保全と回復を図る、という目標を含んでいる。これらの目標の達成は、個別の法制度の実効性を高めるのみでは不可能であり、生物多様性基本法に基づき生物多様性国家戦略に、野生生物の生息生育地の連続性を回復するような、個別法を超えた計画を書き込む必要がある。

報告体制について

意見  絶滅のおそれのある野生生物に関するデ-タを定期的且つ、継続的にとり、点検、報告する体制を整えるべきである。また、今回のような点検会議を5年毎等、定期的に行えるようにすべきである。
理由  生物多様性基本法、第15条「野生生物の種の多様性の保全等」「国は、野生生物の種の多様性の保全を図るため、野生生物の生息又は生育の状況を把握し、及び評価するとともに、絶滅のおそれがあることその他の野生生物の種が置かれている状況に応じて、生息環境又は生育環境の保全、捕獲等及び譲渡し等の規制、保護及び増殖のための事業その他の必要な措置を講ずるものとする。」とされている。

国の保全体制について

意見  環境省地方事務所に適切な人数の国際的な見地から判断できる専門官を配置すべきである。
理由  当法人は先般「地方環境事務所の地方移管に対する要望書」を提出した。地方環境事務所は、種の保存のみならず「国際的な視野に立って、重要な国立公園などの保護区の指定と実効的な管理を行う為に、国の機関である地方環境事務所が、1)現地において国指定の国立公園など保護区を直接管理すること、および、2)広域に連携を必要とする野生生物行政を担う体制を維持することを、今後も国が責任を持って進める」べきである。

2.点検結果を踏まえた今後の絶滅のおそれのある野生生物の保全について(資料5)(以下、取りまとめ案)

取りまとめ案のパブリックコメントについて

意見  NGO・NPOや学会等の意見聴取のみならず、取りまとめ案については、パブリックコメント手続きを行うべきである。
理由  生物多様性基本法、第21条「多様な主体の連携及び協働並びに自発的な活動の促進等」の2項「国は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する政策形成に民意を反映し、その過程の公正性及び透明性を確保するため、事業者、民間の団体、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し専門的な知識を有する者等の多様な主体の意見を求め、これを十分考慮した上で政策形成を行う仕組みの活用等を図るものとする。」とある通り、多様な主体の意見を求めるべきである。

取りまとめ案の総括と方向性について

意見  取りまとめ案、Ⅰ~Ⅴの前に総括と今後の方向性の記述が必要である。
理由  レポートには、全体総括の記述が不可欠である。今後の方向性については、次の点を踏まえるべきである。

愛知目標を踏まえた今後のあり方について

意見  生物多様性条約第10回締約国会議(以下、CBD-COP10)において合意された愛知目標1~20の項目に照らし合わせた内容とし数値目標を加えるべきである。
理由  この点検会議は、生物多様性基本法と愛知目標12に基づいているが、レッドデータブックのカテゴリーや種数、種が置かれている現状などは、愛知目標を達成する為のベースラインデータであり指標である。
意見  COP10において設置の方向性が決まった「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(以下、IPBES)」に貢献することを明記すべきである。
理由  前記したとおり、レッドデータブック等は、日本の生物多様性を評価する為のベースラインデータの一つと考えられる。その情報は、IPBESに反映されるべきである。

2-1.我が国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に当たっての基本的考え方について

意見  種の絶滅の回避に加えて、生息地の保全回復の整備が必要な旨、明記すべきである。
理由  「Ⅰ.絶滅のおそれのある野生生物の保全施策について」意見の通り。
意見  多様な主体の参画は、具体的に明記すべきである。
理由  生物多様性基本法、第21条において、「多様な主体の連携及び協働並びに自発的な活動の促進等」の記述は既にされている。どのような多様な主体が、どのような形で参画すべきなのか、具体的に記述すべきである。
意見  「外来種」の記述は、全て「外来生物」に修正すべきである。
理由  外来種問題は、一つの種という単位ではなく科や属の単位で考える制度となっている。
意見  「減少要因に対応する対策に関連した様々な制度が整理された」は、誤り。次のように修正すべき。「減少要因に対応する対策に関連した様々な制度の一部が整理された。」また、種の保存に関係する法令は多岐にわたり、更なる検証が必要な旨、明記すべきである。
理由  「Ⅰ.絶滅のおそれのある野生生物の保全施策について」意見の通り。

2-2.絶滅危惧種保全の優先度の考え方

意見  「絶滅危惧種保全の優先度は環境省レッドリストランクを基本とし」とあるが、基本とすべきではない。加味するべきである。
理由  IUCNのレッドリストと日本のレッドリストでランクに整合性のない種もあり、見直しが必要な面もある。
意見  「我が国の中でも特に重要な生態系がみられる地域に分布する種」具体的に地域や名称を明記すべきである。
理由  小笠原諸島や南西諸島など、既に特に重要な生態系がみられる地域は周知の事実であり、地域名など記述すべきである。

2-3.効果的な保全施策のあり方

意見  社会的、経済的条件により取組が進まない例がある。社会的、経済的条件の要因を調べて対処する記述が必要である。
理由  例えば、愛知目標3の生物多様性に有害な奨励措置(補助金を含む)が廃止・改革されることが求められているが、無駄な公共事業により絶滅の恐れのある種に大きな影響を及ぼしている事実がある。
意見  有害化学物質による影響についても記述が必要である。
理由  ネオニコチノイドなど有害な化学物質が野生生物に与えている影響も考慮すべきである。
意見  放射能汚染による生物濃縮の影響についてモニタリングの記述が必要である。
理由  放射能汚染による生物濃縮の影響は、絶滅の恐れのある野生生物のみならず、モニタリングが必要であり、記述しておく必要がある。

2-4.種の保全に関して必要な情報収集及び技術開発とその共有・活用

意見  各都道府県のレッドデータブックは、学名と和名が統一されていないケースがある。レッドデータブックの名称の統一と各県のレッドデータブックの策定状況を一元管理する必要がある。
理由  野生生物は県境を越えて生息・生育しており、隣り合った県でレッドデータブックの名称が統一されていない状況では、効果的な保全対策が進まない。

2-5.絶滅危惧種の保全にあたっての体制等のあり方

意見  生物多様性地域戦略の策定を促進する記述が必要である。
理由  生物多様性基本法、第13条「生物多様性地域戦略の策定等」「都道府県及び市町村は、生物多様性国家戦略を基本として、単独で又は共同して、当該都道府県又は市町村の区域内における生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画(以下「生物多様性地域戦略」という。)を定めるよう努めなければならない。」とされており、希少種条例を策定していない県も含めて策定を促すことが必要である。

その他

意見  項を一つ増やして、「人材育成のあり方」について記述すべきである。
理由  都道府県アンケートから分かるように人員と予算が不足している。種の保全、生息地の回復に関係する人材育成が急務である。
意見  希少種に関する学校教育、社会教育に関する記述も必要である。
理由  生物多様性基本法、第24条「国民の理解の増進」において、「国は、学校教育及び社会教育における生物の多様性に関する教育の推進」が求められている。絶滅の恐れのある野生生物についても教育の視点を充実すべきである。

本件に関する問い合わせ先:草刈秀紀(kusakari@wwf.or.jp、03-3769-1711)

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