国連持続可能な開発会議(リオ+20)に関する要望書


要望書 2012年5月29日

日本国内閣総理大臣  野田佳彦 殿

拝啓 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。

間もなくブラジルのリオデジャネイロにて、首記会議が開催されます。この会議は持続可能な開発の達成と、環境・社会・経済の相互に関連する諸問題への取組、そして食料・水・エネルギーの確保という、すべての国が直面している課題に対し、各国政府が団結して解決にあたる機会であり、私たちが今後歩むべき道筋といかにそこに至るかを描き出す、非常に重要な会議です。

既に私たちの生活は地球が持つ持続可能な資源量を上回っており、しかもその資源利用は先進国と途上国の間で平等なものでも効率的なものでもなく、正義に悖るとすら言えます。

リオ+20では、社会的経済的な公平さと、人と自然との共生が図られた持続可能性の達成に向けて、グリーン経済が主要なテーマとなっています。WWFは従前よりグリーン経済の考え方を推進し、社会を変革していくことが喫緊の課題であると提言してきました。この会議においても、特に以下の点を持続可能な開発の将来像の議論として求めています。

  • 食料と水とエネルギーが相互に連関していることを認識し、これらを下支えしている自然資源を持続的に管理することが、貧困削減と福祉向上にとって必要であることを認識する
  • 明確な目標(ターゲット)と工程表、及び指標が設定され、資金も完全に担保された持続可能な開発目標(SDGs)を策定することを、世界各国が約束する。このSDGsは現在行われているポストミレニアム開発目標の検討プロセスと整合性が図られたものとする
  • 自然の財産を持続的に管理するには、生態系サービスの価値が適切に認識され、計上される必要がある
  • 環境に対し悪影響を与える補助金を2020年までに全廃することに繋がるよう、透明性ある年次報告・レビューの在り方について合意する

すでに過去2年間様々な草案が俎上に上がり、実務者間の交渉が行われてきた今、求められているのは国際的な政治の意思であり、合意に向けて全ての国々が政治的判断を下すことです。日本はミレニアム開発目標(MDGs)づくりを主導し、人と自然との共生をキーワードとして2010年に名古屋で開催された第10回生物多様性条約締約国会議で、愛知目標と呼ばれる国際的合意づくりを議長として成功させました。今回の会議でも日本がリーダーシップを発揮し、将来世代が安心して暮らすことのできる未来のための合意が成されるよう、是非日本国内閣総理大臣としてこの会議に参加し、各国首脳と協議を行っていただきたいと考えております。

参考として、この会議の成否を握るテーマについてのWWFの提言(英語)を添付いたします。会議までに残された事前交渉の時間は限られていますが、日本政府の交渉チームに内閣総理大臣としての政治の意思を伝え、国際的合意形成への弾みをつけていただけますよう、お願い申し上げます。

敬具

WWFジャパン会長 德川恒孝

CC: (この要望書を下記にお送りしています)

1)外務省 外務大臣 玄葉 光一郎氏(外務省国際協力局地球環境課)(住所 東京都千代田区霞が関2-2-1)
2)環境省 環境大臣 細野 豪志氏(環境省地球環境局国際連携課) (住所 東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)

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